NOTE 21 · 経験から学ぶ
「頑張りました」しか報告できなかった研修
代理店に勤めていたとき、メーカーの顧客先で研修を受けたことがありました。現場の作業には一生懸命取り組みました。しかし、終わって報告できたのは、「こんな作業をして、頑張りました」ということでした。
こんなときに 研修報告が「頑張りました」だけになりそうなとき。
- 1
何をしたかを書く
- 2
手が止まった場面を一つ選ぶ
- 3
分かったことを書く
- 4
分からないことは質問にする
この経験・事例について
本人の取材に基づく記事です。研修の経験と、後年の改善経験を、同じ時期の出来事としては扱っていません。
振り返るきっかけになったのは、それ以外に報告できることがなく、何も数字で示せなかったと気づいたことです。
作業の向こうに、学べることがあった
後から考えると、顧客の収益の構造、商品の扱い、競合の動きなどを知る機会でもありました。業務の中にも、人手に頼る作業、アナログな管理、情報共有の不足といった観察の視点があります。
研修中に経営改善案を完成させるべきだった、という意味ではありません。本人も、そこまで考え実行するには年数がかかるため、初心者はまだ考えなくてよいと話しています。
初心者なら、作業を一つ具体的に残す
ここからは、取材を踏まえた研修メモの提案です。
| メモすること | 見るところ |
|---|---|
| 自分がした作業 | 何を受け取り、何を終えて、誰へ渡したか |
| 手が止まった場面 | 何の情報や判断を待っていたか |
| 確認できた数字 | 対象の件数や所要時間。実測か概算かも添える |
| 分からなかったこと | 後で先輩に確認したいことを一つ |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
内部の経営数字を無理に聞き出す必要はありません。研修で見聞きしてよい範囲のことを、事実として具体的に残します。
「頑張った」の次を、一行足す
たとえば「作業を頑張った」に加え、「次の工程へ進むには、担当者の確認が必要だった」と書ければ、仕事の流れについて報告できます。これは説明用の例で、本人の研修時の記録ではありません。
当時の自分へ伝える言葉を尋ねると、返ってきたのは「なんでも主体的に取り組んで、決して腐るな」でした。
言われた仕事に取り組みながら、その仕事が何につながるのかも一つ知る。研修の報告は、そこから変えられます。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
担当した作業、見聞きしてよい情報、分からなかった場面。
記入例を見る(説明用)
作業=梱包/気づき=発送先の確認待ちで一度止まった/未確認=誰が発送先を確定するか/次=担当者へ手順を確認する。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
感想に加え、観察した事実と次の質問が一つずつある。数字は測ったか概算か区別している。
うまく進まなかったときは?
数字が取れなくても作らず、順番や担当を記録する。経営情報を無理に聞き出さず、許された範囲で学ぶ。