NOTE 24 · 営業の実践ノート
見積書を送る前に確認する7項目|営業初心者向け・送付文例付き
公開:2026年10月2日/更新:2026年10月4日
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見積書は、「この内容を、この金額と条件でお受けできます」と相手に示す書類です。金額の計算が合っていても、どこまでが対象かがずれていると、後で行き違いになります。送る前に確かめる7項目を、理由と確かめ方つきで説明します。7項目は、宛先・案件名、品名・数量・単位、対応範囲、費用、納期、取引条件、版と承認です。
この記事の目次
- 1
対象と数量をそろえる
- 2
費用と対象外を確認する
- 3
納期の前提を分ける
- 4
送付後の確認を相談する
会話・日付・記入例は説明用です。実際の条件へ置き換え、未確認の内容は約束しないでください。
見積書で、初心者がつまずく場面
見積書を初めて作るときは、金額の計算に気を取られます。合計が合っていることを確かめて送ったあとで、相手から「設置は入っていないんですか」と聞かれる。見積の行き違いは、計算の間違いだけで起こるものではありません。
相手は「設置まで含む」と考え、自分は「商品の納品だけ」と考えている。この状態では、金額が正しくても話はすれ違います。
見積書(みつもりしょ)は、相手が社内で検討するときの資料にもなります。自分がいない場で読まれても、対象・金額・条件が伝わるかどうかを、送る前に確かめます。
この記事の7項目は、送る前の確認の例です。見積書に何を書くか、税の扱い、契約の条件は、業種や会社によって決まりが異なります。会社の書式と承認の手順を優先し、分からないことは先輩や責任者に確認してください。税務や契約の判断を、このチェックだけで済ませるものではありません。
先に、依頼と見積を並べて見比べる
7項目の前に、一つだけ準備をします。相手からの依頼メールや打ち合わせの記録を開き、見積書の横に並べます。
品名、数量、対象の場所、頼まれた作業を、一行ずつ照らし合わせます。依頼にあるのに見積にないもの、見積にあるのに依頼にないものを探します。
| 見比べる点 | 依頼の記録 | 見積書 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 品名・数量 | 本体2台 | 本体2台 | 合っている |
| 納品の場所 | 本社の事務所 | 書いていない | 見積に書き足す |
| 設置作業 | 書かれていない | 含めていない | 必要かどうかを相手に確かめる |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
表の3行目のように、依頼にも見積にも書かれていないことが、行き違いのもとになります。
「一式」(まとめて一つ、という書き方)を使うときは、含む作業と含まない作業が相手に伝わる説明を添えます。必要かどうかを聞いていない作業があれば、都合よく「不要」と判断せずに確かめます。
「今回のお見積りは、商品の納品までを対象にしています。設置作業も必要でしょうか」
送る前に確かめる7項目
項目ごとに、「なぜ見るのか」と「どう確かめるか」を説明します。
1. 宛先・案件名
前に作った見積書を写して作ると、別の顧客の名前や過去の案件名が残ることがあります。相手の会社名・部署・担当者名を、名刺かメールの署名と一文字ずつ見比べます。ファイル名に別の会社名が残っていないかも見ます。
2. 品名・数量・単位
「10個」と「10箱」、「月額」と「年額」のように、単位を取り違えると金額が大きく変わります。依頼の数字と見積書の数字を並べ、数量と単位を声に出して読みます。型番がある商品は、型番も一文字ずつ確かめます。
3. 対応範囲
設置、設定、運搬、撤去などは、相手が「当然入っている」と思いやすい部分です。見積に含む作業と含まない作業を、それぞれ書き出します。含まないものは、会社の書式に合わせて、見積書の備考か送付文に「対象外」と書きます。
4. 費用
単価×数量が小計と合っているか、小計を足した数字が合計と合っているかを、電卓で計算し直します。金額が税込か税抜か、どちらの表示になっているかも見ます。送料や作業費のように追加でかかる費用は、見積に入っているのか、別なのかが分かるように書きます。
5. 納期
納期は、在庫や作業の予定を確かめて初めて決まります。在庫の確認、発注日、現地の確認など、日程を決める前提が何かを書き出します。誰に聞けば決まるのか(倉庫、仕入先、作業の担当など)も一緒に書きます。
6. 取引条件
支払いの条件(いつ、どの方法で支払ってもらうか)と、見積の有効期限(いつまでこの内容で出せるか)です。自分で決めず、会社が承認した条件になっているかを、書式や先輩に確かめます。いつもと違う条件を頼まれたときは、返事をする前に責任者へ相談します。
7. 版と承認
直す前の古いファイルを送ってしまう間違いがあります。送るファイルを開き、日付と金額が最新のものかを見ます。値引きや例外の条件を入れた場合は、必要な社内確認が終わってから送ります。
仕事中にすぐ見直したいときは、見積提出前チェックリストを使えます。項目の分け方は少し違いますが、確かめる内容は同じです。
未確定の納期を、確約に変えない
7項目のうち、初心者が特に困りやすいのが納期です。相手が急いでいると、早い日付を答えたくなります。しかし、「早ければ来週」と聞いた情報を、そのまま「来週納品します」に変えてはいけません。
メモには、顧客の希望日と、社内や仕入先が確かめた日程を、別の欄に書きます。「希望:◯月◯日/確認済み:未定(倉庫に在庫を確認中)」のように並べると、まだ約束できないことがひと目で分かります。
「現時点では納期が未確定です。在庫と作業日程を確認して、◯月◯日(水)までに、お答えできる時期をご連絡します」
「いつまでに回答するか」を約束するときは、その期限を自分が守れるかも確かめます。希望に間に合わない可能性が出たら、黙って見積を送らず、先輩や責任者に相談しましょう。
送付文の例:添付だけで終わらせない
見積書を添付して「ご確認ください」とだけ書くと、相手はどこを見ればよいか分かりません。送付文には、「何の見積か」「確認してほしい条件」「次に相談したいこと」を書きます。
次は説明用の文例です。角括弧を埋めて使います。
件名:[案件名]のお見積りについて
ご相談いただいた[対象]のお見積りを添付いたします。
今回は[含む範囲]を対象とし、[対象外]は含んでおりません。
[未確定の条件]は確認中です。まずは対象範囲がご要望と合っているか、ご確認いただけますでしょうか。
確認後、次のお打ち合わせについてご相談できればと存じます。
角括弧を埋めたら、ファイルが実際に添付できているか、開けるかを確かめます。送った後の連絡日は、自分の都合だけで決定事項にしません。「社内で確認されるのは、いつ頃になりそうでしょうか」と聞き、合意できた予定を残します。
見積を出すことが目的になりそうなときは、「検討します」の後の連絡方法も確認してください。
よくある失敗と、よくある質問
失敗:前の見積書を写して、古い情報が残る
宛名、日付、有効期限、備考の欄に、前の案件の内容が残りやすくなります。写して作ったときは、金額以外の欄も上から順に読み直します。
失敗:口頭で聞いた値引きを、確かめずに載せる
「これくらいなら下げられると思う」という一言を、そのまま見積に入れてはいけません。誰が承認したのかを確かめ、承認が済んでから載せます。
質問:未確定の条件があっても、見積を送ってよいですか?
会社の方針によります。送る場合は、どの条件が未確定で、いつまでに回答するかを送付文に書きます。未確定のまま送ってよいか分からなければ、送る前に先輩へ聞いてください。
質問:電話で「だいたいの金額だけ先に教えて」と言われたら?
その場で数字を作って答えないようにします。「正確な金額は、条件を確認して見積書でお伝えします」と答え、いつまでに送れるかを伝えます。おおよその金額を口頭で伝えてよいかどうかは、会社によって方針が違うので、先輩に確かめてください。
質問:送ったあとで間違いに気づいたら?
気づいた時点で、先輩か責任者に報告します。自分だけで直して送り直す前に、どこが違っていたか、相手にどう伝えるかを相談します。報告のしかたは、営業で失敗したとき:まず何を報告するかにまとめています。
今日やることは一つです。これから出す見積を一件選び、下のシートに「含むもの・含まないもの」と「まだ決まっていない条件」を書いてください。空欄が残ったら、それが送る前に確かめることです。
納期を答える前に確かめる期間のことは、リードタイムとはにまとめています。
自分の一件で試す
見積書を出す前に、条件をそろえる:実践シート
手元の依頼や商談記録を一件選び、分かったことから書きます。
記入例を見る(説明用)
説明用:対象=本体2台の納品。設置は対象外/費用=本体代と送料を含む。設置費は含まない/納期=希望は来週。確認済みの納期はまだない/未確定=在庫。倉庫へ確認し、回答できる時期を顧客に連絡する/承認=上司の確認後に送付。送付後、対象範囲が要望と合っているかを相談する。
ここまでできたら、次へ。
含む範囲と対象外が説明でき、未確認の条件を確約せずに残せた。
まだ分からない欄があるときは?
無理に埋めず、確認先と次の連絡方法を決めましょう。判断する権限がない内容は、先輩や責任者へ相談します。