NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 06 · 営業の実践ノート

「検討します」の後:返事を催促する前に、足りない材料を見る

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「検討します」は、買うという約束でも、断りでもありません。社内での相談、ほかとの比較、予算の調整など、相手が決めるのに何が足りていないかを確かめてから、次の連絡を考えます。

今日できるようになること

一件の案件について、「何の返事を待っているか」と「連絡の約束」を確認する。

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こんなときに 「検討します」の後、次の連絡内容を決めるとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    相手が決めるのに足りない材料を一つ挙げる

  2. 2

    前回、連絡について何を約束したか見る

  3. 3

    足りない材料を一つ用意する

  4. 4

    連絡するか、区切るかを決める

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

「検討します」の後で、初心者がつまずく場面

提案や見積を出したあと、相手から「社内で検討します」と言われる。一週間たっても連絡がなく、「その後いかがでしょうか」とメールを送る。返事が来ないので、もう一度同じメールを送る。初心者がよくはまる流れです。

「いかがでしょうか」と聞かれても、相手は答えにくいものです。まだ決まっていないから連絡していないのであって、同じことを聞かれても「まだです」としか返せません。

催促の前に見るのは、相手が決めるのに何が足りないかです。足りない材料が分かれば、連絡の用件が「返事をください」から「この資料をお送りします」に変わります。

検討が止まる理由を、4つに分けて考える

「検討します」の中身は、相手によって違います。ここでは、次の4つに分けて考えます。どれに当たるかで、次にすることが変わります。

止まっていること相手の言葉の例次の対応
比べる材料が足りない「今のと比べてどうなのか、分からない」数量・送料・初期費用など、比べる条件をそろえた表を出す
社内で説明できない「上司に聞いてみないと」相手が上司に見せられる資料を用意する
時期が合わない「今期は取り組めない」あらためて検討する時期と、その頃に連絡してよいかを聞く
連絡を希望していない「今回は見送ります」「連絡は不要です」案内を終え、社内にも共有する

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

自分で「たぶん価格だろう」と決めつけないことが大切です。どれに当たるかは、相手に聞かないと分かりません。聞いていないなら、シートの「未回答の事項」には「理由は未確認」と書きます。

理由を聞くときは、相手を急がせる言い方を避けます。「ご判断にあたって、気になっている点はどのあたりでしょうか」のように、相手の検討を手伝うための質問として聞きます。

資料を増やすことより、相手が決められない理由に合う情報を一つ出すことを優先します。相手が上司や社長に相談する場合の資料の作り方は、「社長に相談します」と言われたらで詳しく扱っています。

商談の場で、次の連絡まで相談しておく

いちばん楽なのは、「検討します」と言われたその場で、次のことを聞いておくことです。あとから催促する場面が減ります。

  1. 足りない材料を聞く。「ご検討にあたって、こちらで用意したほうがよい資料はありますか」
  2. 検討の進め方を聞く。「どなたと、いつ頃ご相談される予定でしょうか」
  3. 次の連絡を相談する。「その頃に、一度ご連絡してもよろしいでしょうか」
  4. 相手の答えを、そのままメモに書く。日付が出たら日付を、出なければ「未定」と書きます。

会話にすると、次のようになります。

相手:「いったん社内で検討します」

営業:「ありがとうございます。ご検討にあたって、こちらで用意したほうがよい資料はありますか」

相手:「送料を入れるといくらになるのか、分かるものがあると助かります」

営業:「送料込みの金額を並べた表をお送りします。社内では、いつ頃ご相談される予定でしょうか」

相手:「来週の会議で話してみます」

営業:「では、会議のあとに一度ご連絡してもよろしいでしょうか」

相手が「来週の会議で話します」と言えば、会議のあとに連絡する理由ができます。「まだ分かりません」と言われたら、無理に日付を決めません。自分が希望する連絡日と、相手が了承した連絡日は、別のものとして書きます。

約束・担当・期限・次回の連絡予定は、商談後フォローの道具で一か所にまとめて残せます。メモの書き分け方は、商談メモの直し方を見てください。

連絡するときの例文

連絡は、用件を一つに絞ります。「返事がほしい」ではなく、「相手の検討に役立つこと」を用件にします。

確認の時期を、相手と合意していた場合の例です。

件名:納品回数の比較表について(ご確認状況のお伺い)

[会社名] [担当者名]様

[自社名]の[氏名]です。◯月◯日にお送りした比較表について、今週の会議でご確認の予定と伺っておりました。

ご検討にあたって、足りない情報や分かりにくい点がございましたら、お知らせください。追加でご用意します。

ご予定が変わっていましたら、次にご連絡してよい時期を教えていただけますと幸いです。

足りない材料が分かっている場合は、それを用件にします。

「前回、送料を含めた金額が分かりにくいとのお話がありました。同じ注文数量で、送料込みの金額を並べた表をお送りします。ご不明な点があれば、お知らせください」

確認の時期を合意していなかった場合は、約束があったような書き方をしません。時期を相談する連絡にします。

「先日お送りした比較表について、ご不明な点はございませんでしょうか。あらためてご連絡してよい時期がありましたら、教えていただけますと幸いです」

区切る条件を、先に決めておく

連絡を続けるか、いったん終えるかの基準を、先に決めておきます。基準がないと、返事のない相手に何度も連絡してしまうか、逆にこわくなって何もしなくなります。

  • 相手が「連絡は不要」と言ったら、そこで終える。
  • 相手が「○月頃にまた」と言ったら、その時期まで連絡しない。
  • 返信のない連絡が何回続いたら区切るかを、先輩や上司と決めておく。会社に決まりがあれば、それに従う。

返事がない理由は、こちらからは分かりません。「脈がない」とも「忙しいだけ」とも決めつけず、「○日にメール、返信なし」と事実だけを記録します。

記録は、日付・手段・内容・結果を一行ずつ書きます。

◯月◯日 メールで比較表を送付。翌週の会議で確認予定と伺った(会議後の連絡は了承済み)

◯月◯日 メールで確認状況を伺った。返信なし

区切った案件は、相手が話してくれた理由と自分の推測を分けて残しておくと、次の提案を考える材料になります。受注にならずに終わった案件(失注といいます)の振り返りには、失注直後の振り返りシートが使えます。

よくある失敗と、よくある質問

失敗:「その後いかがでしょうか」だけを送る

相手が答えにくく、返信が後回しになりがちです。「比較表の送料の欄について、補足をお送りします」のように、相手が受け取るものを用件にします。送るものがないときは、時期の相談だけにします。

失敗:資料を次々に送る

返事がないと不安になり、カタログや別の資料を追加で送りたくなります。しかし、止まっている理由が「時期」なら、資料が増えても判断は進みません。まず理由を確かめ、それに合う情報を一つだけ出します。

失敗:理由を聞かずに、値引きを持ち出す

価格が理由でなかった場合、値引きの話は相手の役に立ちません。値引きは自分だけで決められないことが多いので、理由を確かめたうえで、先に上司へ相談します。

質問:どれくらい間をあけて連絡すればよいですか?

決まった日数はありません。基準になるのは、相手が言った時期です。時期を聞けていない場合は、自分だけで決めず、相手の事情(会議の予定、納品の希望日など)をメモから拾って、先輩に相談します。

質問:電話とメール、どちらで連絡すればよいですか?

相手がふだん使っている手段に合わせます。前回「メールでください」と言われていれば、メールにします。どちらで連絡したか、いつ連絡したかは、毎回メモに残します。

今日やることは一つです。「検討します」で止まっている案件を一件選び、相手が決めるのに足りない材料は何かを、下のシートに書いてください。分からなければ「理由は未確認」と書きます。それを聞くことが、次の連絡の用件になります。

その場で返事をもらってよい場面と、持ち帰る場面の見分け方は、即決営業とはにまとめています。

頼んだ返事や資料が期限を過ぎても届かないときは、催促メールの書き方を読んでください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
前回の約束、未確認条件、最終連絡、相手の連絡希望。

記入例を見る(説明用)

未回答の事項=送料を含めた金額が分かりにくい、とのこと/前回の約束=今週の会議のあとに連絡してよいと了承済み/送る情報=同じ注文数量で、送料込みの金額を並べた表/連絡時期と方法=会議の翌日にメール/区切る条件=「連絡は不要」と言われたら終了。返信のない連絡が続いたら上司に相談。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

連絡の用件を「返事が欲しい」以外の一文で説明でき、相手の希望に反していない。

うまく進まなかったときは?

確認日が未合意なら約束扱いしない。資料不足でなければ追加資料を送り続けず、時期の相談か終了を選ぶ。

提案を前へ進める / 3 of 3

一件の仕事で、試してみましょう。

実際に分かったことをシートへ追記し、次に直すことを一つ選んでください。

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