NOTE 192 · 営業の実践ノート
デスク周りのガジェット:営業が「何に困っているか」から選ぶ、机の小さな機器
公開:2026年10月4日
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デスク周りのガジェットは、外付けのモニター、キーボード、マウス、USBハブ、充電器、Webカメラなど、机で使う小さな機器のことです。商品から選ぶと、使わない物が増えます。先に「何に困っているか」を一つ書き、会社の決まりと、パソコンの差し込み口を確かめてから、合う機器を比べます。この記事では、特定の商品はすすめず、選ぶときに確かめる点をまとめます。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 机での作業やオンライン商談がやりにくく、どの機器を足せばよいか迷っているとき。
- 1
机での困りごとを、一つだけ書く
- 2
会社の決まりと、パソコンの差し込み口を確かめる
- 3
困りごとに合う機器を一つ選び、確かめる点を書く
- 4
候補2つを比べ、届いたら返品の期限のうちに試す
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
デスク周りのガジェットとは:机で使う小さな機器
ガジェットは、辞書に「ちょっとした小物。気のきいた小道具。」(デジタル大辞泉「ガジェット」)とあります。この記事では、机でパソコンと一緒に使う小さな機器を、デスク周りのガジェットと呼びます。外付けのモニター、キーボード、マウス、USBハブ、充電器、Webカメラ、マイクなどです。
営業の仕事では、机で見積書や報告書を作り、メールを書き、オンラインで商談をします。ノートパソコン一台でもできますが、「画面が狭い」「差し込み口が足りない」「声が届きにくいと言われた」といった困りごとが出てくることがあります。
機器を選ぶとき、売れている物や、人がすすめる物から探すと、使わない物が増えがちです。机の広さには限りがあり、会社のパソコンには決まりがあり、人によって困りごとが違うからです。この記事では、困りごとを一つ書く→決まりと差し込み口を確かめる→機器を一つ選ぶ→試すの順で進めます。
この記事は、特定の商品や型番をすすめません。値段や、使ってみた感想も書きません。書くのは、選ぶときに確かめる点です。
買う前に確かめる3つ:会社の決まり・差し込み口・机の広さ
1. 会社の決まり
会社のパソコンに、私物の機器をつないでよいかは、会社ごとに決まりがあります。モニターやマウスはよくても、データを保存できる物や、無線でつなぐ物は認めていない会社もあります。会社から貸し出される機器があることもあります。買う前に、情報システムの担当か、上司に聞きます。聞き方の例は、あとの章にあります。
2. パソコンの差し込み口
パソコンの側面を見て、差し込み口の形と数を書き出します。次に、取扱説明書か、メーカーの仕様のページで、それぞれの口が何に使えるかを確かめます。形が同じでも、できることが違う場合があるからです。
たとえば、USB Type-Cという形の口から、モニターに画面を映せるかどうかは、パソコンによります。モニターのメーカーの案内にも、画面が映らないときの確かめ方として、「まずPCのUSB Type-C端子が、映像出力に対応しているかどうか、ご確認ください。」と書かれています(EIZO株式会社 よくあるご質問「USB Type-Cで接続しても画面が表示されません。」。2026年10月4日に確認)。
3. 机の広さと、電源
置く場所の幅と奥行きを測ります。モニターについて、厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」(PDF)には、「大型ディスプレイを使用する場合は、十分な奥行きの机を使用し、作業者の体にねじれを生じさせないよう、またディスプレイを見上げないように、ディスプレイを配置すること。」(PDFの22枚目)とあります。机の奥行きが足りないと、画面が近すぎることになります。
コンセントの口が、いくつ空いているかも数えます。電源タップを自分で足してよいかは、会社に確かめます。机の上の物の置き場所の決め方は、デスク周りの収納にまとめています。
困りごとから選ぶ早見表
次の表は、困りごとごとに、買う前に試せることと、候補になる機器を並べた一例です。買わずに済むなら、それがいちばん机を広く使えます。
| 困りごと | 買う前に試すこと | 候補になる機器 |
|---|---|---|
| 画面が狭く、資料を並べて見られない | 文字の大きさと、画面の分け方の設定を見直す。会社に貸し出しのモニターが無いか聞く | 外付けのモニター |
| ノートパソコンのキーが打ちにくい | パソコンを置く位置と、椅子の高さを見直す | 外付けのキーボード |
| 数字の入力が多い | 表計算ソフトの入力のしかたを、先輩に聞く | テンキー、またはテンキー付きのキーボード |
| 細かい操作がしにくい | ポインタの速さの設定を見直す | マウス |
| 差し込み口が足りない | つないだままの機器を、使うときだけつなぐ | USBハブ |
| 充電器が多く、コンセントが足りない | 机で充電する機器を数え、持ち帰る物を分ける | 口が複数ある充電器 |
| オンライン商談で、顔が暗い・声が聞き取りにくいと言われた | 窓や照明に対する座る向きと、アプリのマイクの設定を見直す | Webカメラ、マイク、ヘッドセット |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
困りごとは、一つだけ選びます。一度にいくつも買うと、どれが役に立ったのかが分からなくなります。画面の高さで困っているなら、ノートパソコンスタンドの選び方が先です。
機器ごとに確かめる点
外付けのモニター
厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」(PDF)には、「ノート型機器は、通常、ディスプレイとキーボードを分離できないので、長時間、情報機器作業を行う場合については、作業の内容に応じ外付けディスプレイなども使用することが望ましい。」(PDFの6枚目)とあります。資料と見積書を並べて見る作業が長い人は、候補になります。確かめる点は、次のとおりです。
- つなぎ方。パソコン側の口と、モニター側の口の形が合うか。合わない場合は、どのケーブルが要るか。
- 大きさ。机の奥行きに置けるか。画面を見上げずに済むか。
- 高さと角度。ガイドラインには、「ディスプレイ画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整できるものであることが望ましい。」(PDFの6枚目)とあります。
- 据え置きか、持ち運ぶか。決まった席が無い職場では、しまう場所も考えます。
キーボードとマウス
キーボードについて、ガイドラインには、「キーボードは、ディスプレイから分離して、その位置が作業者によって調整できることが望ましい。」(PDFの6枚目)とあります。ノートパソコンでは、画面とキーボードが離せません。外付けのキーボードは、打つ位置を自分で決められる道具です。数字の入力については、「数字を入力する作業が多い場合は、テンキー入力機器を利用できるようにすることが望ましい。」(PDFの7枚目)とあります。
マウスについては、「マウスは、使用する者の手に適した形状及び大きさで、持ちやすく操作がしやすいこと。」(PDFの6枚目)とあります。手の大きさは人によって違うので、「だれにでも合う一つ」はありません。店で触れるなら、握って確かめます。
つなぎ方は、メーカーの案内で次のように説明されています。
マウスの接続方法は、ケーブルで接続する「有線タイプ」と、電波で接続する「無線(ワイヤレス)タイプ」があります。
無線には、ブルートゥースでつなぐ方式と、パソコンにUSBのレシーバーを挿す方式があります。後者について、同じ案内には「機器との接続にはマウスに同梱のレシーバーを用います。」とあります。レシーバーは、USBの口を一つ使います。ブルートゥースは、辞書に「スマートホン、パソコンの周辺装置などの無線接続に用いられる通信規格。」(デジタル大辞泉「ブルートゥース」)とあります。確かめる点は、次のとおりです。
- キーの並び。会社のパソコンと同じ並びか。違うと、記号の位置で打ち間違いが増えます。
- つなぎ方。有線か、無線か。無線は、会社が認めているか。
- 音。電話や商談の声が行き交う職場では、キーを打つ音や、クリックの音も確かめます。
- 技適マーク。無線の機器には、国内で使うための印があります。
技適マークについて、総務省 電波利用ポータル「技適マークのQ&A」は、「技適マークは、電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマークで、個々の無線機に付けられています。」と説明しています。同じページには、「イヤホン、スピーカー、マウス、キーボードなど、様々なBluetooth機器にも技適マークがついています。技適マークの付いてないBluetooth機器の使用は電波法違反となる恐れがあります。」とあります(2026年10月4日に確認)。無線の機器を買うときは、販売ページか本体で、このマークを確かめます。
USBハブと充電器
USBハブは、辞書に「複数のUSB機器を接続するための中継装置。」(デジタル大辞泉「USBハブ」)とあります。差し込み口を増やす道具です。電源の取り方に2つの種類があり、メーカーは次のように説明しています(サンワサプライ株式会社「セルフパワー・バスパワーとは?」)。
- バスパワー:「パソコン側のUSBポートから電源供給を受けることで、接続機器が動作する場合をバスパワーと言います。」
- セルフパワー:「周辺機器あるいはUSBハブ自体が、専用のACアダプタを通して電源供給を受ける場合をセルフパワーと言います。」
別のメーカーの案内には、バスパワーの説明の中に、「電源供給を受ける機器が多い場合、動作が不安定になる可能性があります。」とあります(株式会社バッファロー よくあるご質問「セルフパワー・バスパワーとは(USBハブ)」)。つなぐ機器の数と種類を先に書き出してから、どちらにするかを決めます。確かめる点は、口の形と数、電源の取り方、パソコン側の口の形の3つです。
充電器は、パソコンやスマホを充電する機器です。USB PD(USB Power Delivery)という充電の規格について、メーカーは「USB Implementers Forum が定めた規格です。」と説明し、次の注意を挙げています(株式会社バッファロー「USB PD(USB Power Delivery)とは?」)。
- 「USB PDはUSB Type-Cポートで対応していますが、すべてのUSB Type-Cポートで利用できるわけではありません。」
- 「USB PDの利用には、充電器と接続機器だけでなく、ケーブルもUSB PDに対応したものを使用する必要があります。」
つまり、充電器だけを見て選ぶことはできません。パソコンの取扱説明書で、充電に対応した口と、必要な出力(ワット数)を先に確かめます。そのうえで、充電器の出力、口の数、ケーブルが対応しているかを比べます。パソコンに付いてきた充電器で足りているなら、買い足す必要はありません。
Webカメラとマイク
Webカメラは、辞書に「パソコンなどに接続して使用する小型のビデオカメラ。」(デジタル大辞泉「Webカメラ」)とあります。ノートパソコンにカメラとマイクが付いているなら、先にそれで試します。相手に「顔が暗い」「声が遠い」と言われたときも、座る向きや、アプリの設定で直ることがあります。それでも困るときに、次の点を確かめて選びます。
- 置き方。モニターの上に載せるのか、机に立てるのか。目の高さに近い所に置けるか。
- 映る範囲。後ろに、書類やほかの画面が映り込まないか。広く映る物ほど、周りも映ります。
- レンズのふた。使わないときに、閉じられるか。
- マイク。周りの人の声が入る職場では、口元にマイクが来るヘッドセットも候補になります。
- アプリで選べるか。会社で使う会議のアプリで、そのカメラとマイクを選べるかを、届いた日に試します。
場面で変わるところ:会社の机・決まった席が無い職場・自宅・外出先
確かめる順番は同じです。使う場所によって、選ぶ基準が変わります。次の表は一例です。
| 使う場所 | 基準 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 会社の決まった机 | 置いたままにできる。大きさは、机の幅と奥行きから決める | 私物をつないでよいか。電源タップを足してよいか |
| 決まった席が無い職場 | 毎日出し入れする。小さく、軽く、ケーブルが少ない物 | しまう場所に入るか。置き忘れないよう、数を決めておく |
| 自宅で働く日 | 机の広さに合わせる。会社の机と同じ並びにすると、迷いが減る | 会社のパソコンを、自宅の機器につないでよいか |
| 外出先・客先 | 持ち歩く物は、できるだけ増やさない | 無線の機器は、使ってよい場所か。画面を人に見られないか |
| オンライン商談の日 | カメラとマイクを、始まる前に試す | 後ろに映る物と、周りの声 |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
外出が多い人は、机の機器を増やすより、持ち出す書類の入れ方を整えるほうが先のことがあります。書類の整理にまとめています。
惜しい例と良い例、迷いやすい判断、合わなかったあと
会社への聞き方を比べます。どちらも説明用の例です。
惜しい聞き方:「私物のガジェットを、使ってもいいですか」
良い聞き方:「見積書を作るときに、資料と並べて見たいので、机にモニターを置きたいと考えています。私物のモニターを、会社のパソコンにケーブルでつないでもよいでしょうか。貸し出しの物があれば、そちらを使います」
惜しい聞き方は、何をつなぐのかが分からず、相手は「物による」としか答えられません。良い聞き方は、困りごと・機器・つなぎ方の3つがそろっていて、相手が「よい」「だめ」「貸し出しがある」と答えられます。
選び方も比べます。惜しい選び方は、「机の機器をまとめてそろえよう」と、一度に何種類も買うことです。良い選び方は、困りごとを一つ決めて、機器を一つ買い、一週間使ってから次を考えることです。
判断1:無線と有線、どちらにする?
基準は、会社の決まりと、使う場所です。会社が無線の機器を認めていないなら、有線です。認めているなら、決まった机では、どちらでも構いません。持ち歩くなら、ケーブルの無い無線が楽ですが、電池や充電が要ります。大事な商談の前に電池が切れると困る人は、有線を選ぶか、予備の電池を机に置きます。
判断2:モニターは、大きいほうがよい?
基準は、机の奥行きです。大きい画面は、近くで見ると、端を見るために首を動かすことになります。先に机を測り、置いたときの画面までの距離を、今のパソコンで試します。体の痛みや不調が続くときは、機器で解決しようとせず、会社の産業医や医療機関に相談します。
判断3:会社の決まりが、はっきりしないときは?
分からないまま、つながないことです。「たぶん大丈夫」でつなぐと、あとで外すことになったり、注意を受けたりすることがあります。上司に、「情報システムの担当の方に、確認してもよいでしょうか」と聞き、答えをもらった日と、相手の名前を、実践シートに書いておきます。
判断4:会社の物と、私物を、どう分ける?
私物には、名前か印を付けます。異動や退職のときに、どれが会社の物かが分からなくなるのを防ぐためです。会社の机に置いて帰ってよいかも、あわせて聞いておきます。
合わなかったあと
つないでも映らない・充電されない:次の順で確かめます。①ケーブルを、両側とも差し直す。②パソコンの別の口に差す。③取扱説明書で、その口が映像や充電に対応しているかを読み直す。④それでも動かなければ、機器のメーカーの窓口か、会社の情報システムの担当に聞く。自分で分解したり、設定を大きく変えたりはしません。返品の期限のうちに、ここまでを済ませます。
買ったが、使わなくなった:実践シートに、「何に困って買ったか」「なぜ使わなくなったか」を一行ずつ書きます。「机が狭くなった」「出し入れが面倒だった」などです。次に選ぶとき、同じ理由でつまずかずに済みます。
今日やることは一つです。机での困りごとを一つ書き、会社の決まりとパソコンの差し込み口を確かめて、比べる点を3つ書いてください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
仕事で使うパソコンと、その取扱説明書(またはメーカーの仕様のページ)、ものさしかメジャー、会社の情報機器の決まりが分かる資料か、聞ける人。
記入例を見る(説明用)
机での困りごと=見積書を作るとき、元の資料と見積書を並べて見られず、何度も画面を切り替えている/会社の決まり=情報システムの担当の佐藤さんに確認。机に置く私物のモニターは使ってよい。USBメモリなど、データを保存できる物は、私物をつながない/パソコンの差し込み口と、空いている数=取扱説明書で確認。USB Type-Cが2つ(うち1つは充電に使っている)、HDMIが1つ。Type-Cが映像出力に対応しているかは、仕様のページで確かめた/選ぶ機器と、確かめる点=外付けモニター。①HDMIでつなげること ②机の奥行きに置けて、画面を見上げない高さにできること ③高さと角度を変えられること/届いたあとに試すこと=届いた日に、会社のパソコンとつないで映るかを試す。資料と見積書を並べて一件作ってみる。返品の期限は、販売ページで確かめて、ここに日付を書く。(名前と差し込み口の数は説明用の例)
CHECK
ここまでできたら、次へ。
困りごとが一つに決まっていて、会社の決まりをだれに確かめたかが書いてあり、パソコンの差し込み口と、選ぶ機器の確かめる点が3つ書いてありますか。できていたら、候補を2つにしぼって比べます。
うまく進まなかったときは?
困りごとが一つに決められないときは、今週、机でいちばん時間がかかった作業を一つ書きます。決まりが分からないときは、「机に置くモニターは、私物を使ってもよいでしょうか」と、機器を一つにしぼって聞きます。差し込み口が分からないときは、パソコンの型番で、メーカーの仕様のページを開きます。