NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 158 · 営業の実践ノート

書類の整理:営業の書類を「動いている件・終わった件・保管」で分ける手順

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書類の整理は、「いま動いている件・終わった件・保管」の3つに分けることから始めます。営業の手元には、見積書の控え、契約書の写し、カタログ、議事録、名刺が集まります。この記事では、分ける手順、並べ方、ファイルの背の書き方、道具を選ぶときに比べる点を順に説明します。紙とデータのどちらを正にするか、いつ捨ててよいかは、会社の決まりが先です。

今日できるようになること

手元の書類を「いま動いている件・終わった件・保管」の3つに分け、いま動いている件のファイルの背に、取引先名と件名を書く。

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こんなときに お客様から問い合わせが来たときに、見積書の控えや前回のメモがすぐに出てこないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    会社の決まり(残す書類・捨て方・持ち出し)を確かめる

  2. 2

    書類を「動いている件・終わった件・保管」に分ける

  3. 3

    取引先ごとにまとめ、背に名前と件名を書く

  4. 4

    終わった件を移す日と、見直す日を決める

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

書類の整理とは:要るときに出せる状態にすること

書類の整理とは、手元の書類を分けて、要るときにすぐ出せる状態にすることです。きれいに並べることが目的ではありません。

辞書(デジタル大辞泉「整理」)は、「整理」の意味として、「乱れた状態にあるものを整えて、きちんとすること。」と、「無駄なもの、不要なものを処分すること。」の二つを挙げています。書類の整理にも、この二つがあります。分けて並べることと、要らなくなった物を手元から外すことです。

書類を分けて整えることは、ファイリングとも呼ばれます。デジタル大辞泉「ファイリング」には、「書類や資料、新聞・雑誌の切り抜きなどを、業務に役立つように分類・整理すること。」とあります。大事なのは、「業務に役立つように」の所です。

営業の手元に集まる書類は、次のような物です。

  • 見積書の控え、注文書や納品書の写し
  • 契約書の写し
  • カタログ、価格表、提案の資料
  • 議事録、商談のメモ
  • 受け取った名刺

これらが役に立つのは、お客様から問い合わせが来たとき、上司に聞かれたとき、担当が替わるときです。そのときに出てこなければ、相手を待たせ、記憶で答えることになります。記憶で答えた金額や納期が違っていると、後で直すことになります。

分ける前に、会社の決まりを確かめます。次の3つです。

  • 紙とデータの、どちらを正にするか。会社の仕組みに入っているデータが正で、紙は手元の確認用、という会社があります。紙の原本を決まった場所に保管する会社もあります。
  • いつまで残し、どう捨てるか。書類によって、残す期間が決まっていることがあります。この記事では、期間の数字は扱いません。経理・総務か上司に確かめます。
  • 持ち出してよい書類と、持ち帰ってよい書類。顧客の情報が書かれた書類の扱いは、会社の決まりに従います。

3つに分ける手順:いま動いている件・終わった件・保管

分ける基準は、その件が、いま動いているかです。書類の種類(見積書・議事録など)で分けると、一つの件の書類が、いくつもの場所に分かれます。お客様から電話が来たときに要るのは、「A社の、あの件の書類ひとそろい」です。件ごとにまとまっているほうが、一度で出せます。

  1. 手元の書類を、一か所に集める。机の上、引き出し、かばんの中の書類を出します。顧客の情報が書かれた書類は、広げたまま席を離れません。
  2. 一枚ずつ見て、3つに分ける。いま動いている件、終わった件、保管の3つです。迷う物は「保留」にします。
  3. いま動いている件を、件ごとにまとめる。一つの件を、クリアファイルか個別フォルダ1つに入れます。見積書の控え、議事録、相手から受け取った資料を、同じ所に入れます。
  4. 終わった件を、移す。机の上から外し、引き出しの下の段や、決まった棚に移します。捨ててよいかは、ここでは決めません。
  5. 保管する物を、決まった場所に入れる。カタログや価格表、会社の決まりの資料などです。古い版が混ざっていないかを見ます。
分け方当てはまる書類置く場所の例
いま動いている件返事を待っている見積、準備中の訪問、納品が済んでいない注文机の上か、すぐ手が届く所に立てる
終わった件納品と請求が済んだ件、断られた件、見送りになった件引き出しの下の段、決まった棚。残す期間は会社の決まりに合わせる
保管カタログ、価格表、社内の手引き、研修の資料ファイルボックス。版が新しいかを見る
保留どの件か分からない紙、捨ててよいか分からない紙クリアファイル1つに入れ、聞く相手をふせんに書く

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

「終わった」の線は、迷いやすい所です。ここでは、自分が次にやることが残っていない件を、終わった件とします。断られた件も、次にやることが無ければ、終わった件です。「半年後にもう一度連絡する」と決めた件は、連絡する日を予定表に書いてから、終わった件に移します。

契約書の原本は、営業の手元に置かない決まりの会社もあります。手元にあるのが写しなのか原本なのかを確かめ、原本なら、どこへ渡す決まりかを聞きます。

名刺は、紙の書類とは別の入れ物にまとめます。受け取った日と、会った件をメモしておくと、後で件の書類とつながります。会社で名刺を登録する仕組みがあれば、そちらが先です。交換した後の動きは、名刺の渡し方・名刺交換のやり方にまとめています。

並べ方と、ファイルの背の書き方

取引先ごとか、日付順か

並べ方には、取引先ごとにまとめる方法と、日付の順に重ねる方法があります。どちらが正しい、という決まりはありません。探すときに、何を手がかりにするかで決めます。

並べ方向いている書類探すときの手がかり気をつけること
取引先ごと見積書の控え、議事録、相手から受け取った資料「A社の件」取引先が増えると、ファイルの数が増える。並べる順(五十音順など)を決める
日付順日報、社内の回覧、会議の資料「先月の中ごろ」どの取引先の紙かが、すぐには分からない。件名を書いておく
取引先ごとの中を、日付順一つの件が長く続くとき「A社の件の、最初の見積」新しい紙を手前にするか、後ろにするかを決めてそろえる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

「A社の件」と言われて探す書類は、取引先ごとを出発点にします。部署や会社で並べ方が決まっているなら、そちらに合わせます。自分だけ別の並べ方にすると、休んだ日に、ほかの人が探せません。

ファイルの中は、新しい紙を手前にするか、古い紙を手前にするかを、どちらかに決めます。混ざっていると、「一番新しい見積はどれか」を、毎回日付を見て確かめることになります。見積書を出し直したときは、古い控えに「◯月◯日に出し直し」と書いておくと、どれが今の物かが分かります。見積書の項目の意味は、見積書の書き方にまとめています。

ファイルの背に書くこと

背とは、ファイルを立てて並べたときに、こちらを向く細い面のことです。ここに書いた言葉が、探すときの手がかりになります。書くのは、次の3つです。

  • 誰の件か。取引先名。似た名前の会社があるなら、部署や地名まで
  • 何の件か。「機械の見積」「納期の変更」のように、短い言葉で
  • いつからか。始めた年と月

例を並べます。説明用の例です。

惜しい書き方:「見積」「その他」「重要」

良い書き方:「A社/機械の見積/◯年◯月〜」「B社/納期の変更/◯年◯月〜」

「見積」だけでは、どの会社の見積かが分かりません。「その他」「重要」は、入れた日には意味が分かりますが、何週間か後には、開けてみないと中身が分かりません。良い書き方は、開けなくても、誰の・何の・いつからの書類かが読めます。

背に取引先名を書くと、通りかかった人にも、どの会社と取引があるかが読めます。来客が通る場所に机がある職場や、背に取引先名を書かない決まりの職場では、番号や記号で書き、対応の表を別に持つやり方もあります。会社の決まりに合わせます。

道具を選ぶときに比べる点

分け方と並べ方が決まると、何がいくつ足りないかが分かります。先に、会社の備品を確かめます。クリアファイルやファイルが、備品として置いてある会社もあります。総務か先輩に「個別フォルダは、備品にありますか」と聞きます。

道具使いどころ比べる点
クリアファイル一つの件の書類をはさむ。持ち出すとき大きさ(A4が入るか)。透明か、色付きか。厚み
個別フォルダ一つの件の書類をはさみ、立てて並べる見出しを書く所があるか。紙の厚み。ファイルボックスに入る大きさか
ファイルボックスファイルやフォルダを立てて入れる内側の幅と奥行き。縦に置く形か、横に置く形か。背に名前を書けるか
書類ケース持ち出す書類をまとめる。かばんの中で折れにくくする口が閉まるか。かばんに入る大きさか。中が外から見えるか
とじるファイル順番を変えたくない書類。穴をあけてよい書類とじる枚数。背の幅。穴をあけてよい書類かを先に確かめる
ラベル・ふせん背や見出しに名前を書く書きやすさ。はがせるか。貼る所の幅に合うか

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

比べるときの軸は、3つです。

大きさ。入れる書類の大きさと、置く場所の内側の寸法を、先に測ります。A4の書類を入れるなら、入れ物の内側がA4より大きいかを見ます。A4の寸法は、辞書(デジタル大辞泉「A4判」)に「210ミリ×297ミリの大きさ」とあります。クリアファイルやフォルダに入れると一回り大きくなるので、「A4のファイルが入る」と書かれているかも見ます。

中が見えるか。透明な入れ物は、開けなくても中が分かります。その一方で、顧客の名前や金額が外から読めます。持ち出す書類には、中が見えにくい物を使う、一番外側に白い紙を一枚入れる、などのやり方があります。

出し入れの回数。毎日出し入れする書類を、とじるファイルに入れると、そのたびに金具を開けることになります。いま動いている件は、はさむだけの物に入れ、終わった件をとじる、という分け方もあります。穴をあけてはいけない書類(原本など)があるので、とじる前に確かめます。

場面で変わるところ:捨てる前・持ち出すとき・担当が替わるとき

捨てる前に確かめること

終わった件の書類が増えてくると、捨てたくなります。捨てる前に、次の4つを確かめます。自分の判断だけで捨てません。

  1. 残す決まりがある書類ではないか。書類によっては、残す期間が決まっています。経理・総務か上司に、「この書類は、いつまで残す決まりですか」と聞きます。
  2. 原本か、写しか。原本は、手元で捨てません。保管する部署に渡します。
  3. データが、会社の仕組みに残っているか。紙しか無い書類を捨てると、戻せません。
  4. 捨て方。顧客の情報が書かれた書類は、会社の決まりどおりに捨てます。ふつうのごみ箱に入れてよいかは、自分で決めません。

聞くときは、書類を見せながら聞くと早く済みます。「終わった件の見積書の控えが、これだけあります。残す物と、捨ててよい物を教えてください。捨てるときは、どこへ出せばよいでしょうか」(説明用の例です)。

外出のときに持ち出す書類

持ち出す書類は、その日の訪問に使う分だけにします。ファイルごと全部を持つと、落としたり置き忘れたりしたときに、関係のない会社の書類まで外に出ます。

  • 出かける前に、持ち出す書類を数える。戻ったら、同じ数があるかを見る
  • 訪問先ごとにクリアファイルを分ける。A社の机の上で、B社の書類が見えないようにする
  • 電車や飲食店で、書類を広げない。かばんを網棚や座席に置いたまま離れない
  • 直接帰る日に、書類を家へ持ち帰ってよいかは、会社の決まりを先に確かめる

かばんの中での分け方は、営業のかばんの選び方にまとめています。

担当が替わるとき・休むとき

書類が件ごとにまとまっていると、引き継ぎは、ファイルを渡して説明するだけになります。背に取引先名と件名が書いてあれば、受け取った人が、後から自分で探せます。ファイルと一緒に渡すメモの書き方は、引き継ぎメモにまとめています。

商談や打ち合わせの記録は、決まったこと・担当・期限が先に書いてあると、後で読む人が助かります。書き方は、議事録の書き方にまとめています。上司へ出す報告の形は、報告書の書き方を見てください。

惜しい例と良い例、迷いやすい判断、見つからなかったあと

お客様から電話が来たときの例です。説明用の例です。

惜しい例:「見積」と書いたファイルを開き、何社分もの見積書の控えを一枚ずつめくって、A社の物を探す。見つかったが、出し直す前の古い控えだった。

良い例:「A社/機械の見積」と書いたフォルダを出す。一番手前に、最後に出した控えがある。古い控えには「◯月◯日に出し直し」と書いてある。

惜しい例は、書類の種類で分けています。見積書は一か所にありますが、A社の件の議事録は別の場所にあり、どれが新しい見積かも分かりません。良い例は、件ごとにまとまり、新しい紙が手前、と決まっています。

判断1:一つの紙が、二つの件に関わるときは?

基準は、次に使うのは、どちらの件かです。そちらに入れ、もう一方には、「◯◯の件のフォルダに、◯月◯日の議事録あり」と書いたふせんを入れます。写しを取って両方に入れる方法もありますが、写しを増やしてよいかは、会社の決まりに合わせます。

判断2:紙で残すか、データだけにするか?

自分では決めません。紙とデータのどちらを正にするかは、会社の決まりです。確かめた上で、データが正の書類なら、手元の紙は「確認用」と割り切れます。確認用の紙は、件が終わったら、会社の決まりどおりに捨てられるかを聞きます。

判断3:カタログは、何部まで手元に置く?

基準は、今週の訪問で配る数に、少し足した数です。多く持つほど、版が古くなったときに入れ替える手間が増えます。新しい版が出たら、古い版を机から外します。古い版をどうするかは、先輩に聞きます。

判断4:整理に、どのくらい時間をかける?

一度に全部を終わらせようとしなくて構いません。基準は、いま動いている件が、取引先名を言われてすぐ出せるかです。そこまでできれば、終わった件と保管は、週に一度、決めた時に少しずつ進めます。

必要な書類が見つからなかったあと

その場では:お客様や上司を待たせているなら、探し続ける前に、相手に伝えます。「確認して、◯時までに折り返します」と時刻を言います。記憶で金額や納期を答えません。次に、探す順を決めます。机の上、かばんの中、引き出し、の順に見て、無ければ、会社の仕組みにデータが残っていないかを見ます。送ったメールに、書類が添付されていることもあります。

顧客の情報が書かれた書類を、社外でなくしたかもしれないときは、探すより先に上司に報告します。その先の動きは、会社の決まりに従います。自分だけで探し続けて、報告が遅れることのほうが、後で困ります。

後の記録:見つかった場所と、そこにあった理由を書きます。「A社の見積の控えが、B社のクリアファイルにはさまっていた。同じ日に2社を回り、戻ってから分けなかった」のような形です(説明用の例です)。次に変えることを、一つ決めます。「訪問先ごとにクリアファイルを分け、戻った日に件のフォルダへ入れる」のように、動きで書きます。誰が・いつ・何を、の形で書く方法は、5W1Hとはにまとめています。

今日やることは一つです。手元の書類から、いま動いている件だけを抜き出し、件ごとに1つにまとめて、背に取引先名と件名を書いてください。机の上の置き場所は、デスク周りの収納、約束の日時を書き留める道具は、ビジネス手帳の選び方にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
手元の書類一式、クリアファイルか個別フォルダを数枚、ラベルかふせん、ペン、会社の決まりが分かるもの(社内の案内や、書類の扱いの決まり)。

記入例を見る(説明用)

会社の決まりで確かめたこと=見積書の控えは、会社の仕組みに入っているデータが正。紙は手元の確認用。契約書の写しは、原本を総務が保管している。顧客の名前が入った紙は、決まった箱に入れて捨てる。持ち出しは、訪問に使う分だけ(先輩に確認済み)/いま動いている件=A社・新しい機械の見積、B社・納期の変更、C社・初回の訪問の準備/終わった件の移し先と、移す日=引き出しの下の段のファイルボックスへ。毎週金曜の帰る前に移す/並べ方と、背に書くこと=取引先ごと。中は、新しい紙が手前。背には「取引先名/件名/始めた月」を書く。例:A社/機械の見積/◯月/捨てる前に聞く相手と、聞くこと=鈴木課長。「この書類は、いつまで残す決まりですか」「捨てるときは、どの箱ですか」/足りない道具=個別フォルダが5枚ほど。備品にあるか、総務へ聞く(未確認)。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

いま動いている件が、取引先ごとに1つずつまとまり、背に取引先名と件名が書いてあり、終わった件の移し先と、捨てる前に聞く相手が決まっている。

うまく進まなかったときは?

3つに分けられない書類は、「保留」のクリアファイルに入れ、ふせんに今日の日付と、誰に何を聞くかを書く。件名が付けられないときは、「誰の・何を・いつまでに」の3つを書いてみる。量が多くて終わらないときは、いま動いている件だけを先に抜き出す。

NEXT NOTE

次に読むなら

デスク周りの置き場所を決める引き継ぎメモを書く議事録を、決まったことから書く