NOTE 163 · 営業の実践ノート
ビジネスリュックの選び方:仕事の場で浮かないための比べ方と、訪問先での持ち方
公開:2026年10月4日
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ビジネスリュックを選ぶ前に、会社と取引先でリュックが受け入れられるかを先に確かめます。使えると分かったら、色と形の見え方、入れる物が入るか、床に置いて立つか、手でも持てるか、の順に比べます。この記事では、リュックに決めた人が、仕事の場で浮かない一つを選ぶための比べ方と、訪問先・電車での持ち方を説明します。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 外回りの荷物が重く、リュックにしたいが、仕事で使ってよいか・どれを選べばよいか分からないとき。
- 1
会社と取引先でリュックを使ってよいかを、先輩に聞く
- 2
入れる物と移動のしかたから、比べる点を5つ決める
- 3
候補2つを、同じ点で比べる
- 4
訪問先と電車での持ち方を、家で一度やってみる
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
ビジネスリュックとは:仕事で使うために作られた、背負うかばん
リュックは、リュックサックを短くした呼び名です。辞書には、「登山やハイキングなどで、食料や装備を入れて運ぶ背負い袋。」(デジタル大辞泉「リュックサック」)とあります。もともとは、山で使う袋を指す言葉です。
「ビジネスリュック」は、店や販売ページで、仕事向けとして売られているリュックの呼び名です。どこからがビジネス用か、という公的な決まりは見当たりません。売る側が「ビジネス」と書いていても、自分の職場で使えるかどうかは別の話です。
営業を始めると、ノートパソコンや資料で荷物が重くなり、リュックを考える人がいます。一方で、訪問のときのリュックの受け止め方は、会社・業界・訪問先で違います。そこで、先に使ってよいかを確かめ、次に、仕事の場で浮かない物を選ぶ、という順番で進めます。
手提げ・肩掛け・リュックのどれにするか、という形の選び方は、営業のかばんの選び方にまとめています。この記事は、リュックにすると決めた人が、どれを選ぶかを扱います。
「浮かない」とは、周りの人のかばんと並んだときに、色や形が目立ちすぎないことです。訪問先の人は、かばんそのものより、資料をさっと出せるか、置き方が落ち着いているかを見ています。見た目と動作の両方で考えます。
買う前に確かめる3つ:会社・取引先・自分の荷物
1. 会社で使ってよいか
かばんについて、決まりや習慣がある職場があります。就業規則や社内の案内に書かれていなくても、「訪問のときは手提げ」という習慣が続いている場合があります。販売ページを開く前に、先輩か上司に聞きます。
聞くときは、「使ってよいか」だけでなく、どの場面まで使ってよいかを聞きます。通勤だけか、外回りもよいか、お客様の建物の中ではどう持つか、で答えが分かれるからです。
2. 取引先でどう受け止められるか
会社がよいと言っても、訪問先によって受け止め方が違うことがあります。自分では分からないので、担当の取引先をよく知っている先輩に聞きます。先輩が同じ取引先へ行くときに持っているかばんも、見ておきます。
なぜ先に聞くのか。買ってから「うちの訪問では使わないで」と言われると、買い直すことになるからです。聞くのにかかる時間は短く、買い直しを防げます。
3. 自分の荷物と、移動のしかた
明日持っていく物を、机に全部並べます。ノートパソコンは、縦・横・厚みを測ります。歩く時間が長いか、車が中心か、自転車に乗るかも書きます。車が中心の人は、背負う時間が短いので、手で持ったときの持ちやすさを先に見ます。
会社のパソコンや書類を持ち出すときの決まりがある会社もあります。持ち出してよい物と、入れ方の決まり(鍵の付いたかばんに入れる、など)があれば、それも条件に入れます。
比べる点:見え方・入る物・置いたとき・持ち方
使ってよいと分かったら、次の点を、候補2つで同じように比べます。販売ページの写真と寸法、できれば店で実物を見て確かめます。
| 比べる点 | 確かめること | なぜ見るのか |
|---|---|---|
| 色 | 会社の指定がなければ、先輩のかばんの色を出発点にする。黒・紺・濃い灰色などの無地は、スーツや靴と合わせやすい候補の一つ | 明るい色や大きな柄は、スーツと並んだときに目立ちやすい |
| 形 | 四角く、厚みが出にくい形か。外側のポケットや、ぶら下がるひもが多くないか | 山歩き向けの形は、応接室で場に合わないと受け止められることがある |
| 素材の見え方 | つやがあるか、ないか。ロゴや金具が大きくないか。手入れのしかたは販売ページで読む | 写真と実物で、つやや質感が違って見えることがある |
| A4の書類 | クリアファイルに入れたA4が、折れずに入るか。内側の寸法で確かめる | 角が折れた資料を、相手に渡すことになる |
| ノートパソコン | パソコンを入れる場所の寸法が、測った縦・横・厚みより大きいか。書類と別の仕切りか | 「◯インチ対応」と書かれていても、機種によって外側の大きさが違う |
| 自立 | 中身を入れた状態で、床に置いて手を離しても立つか | 訪問先では、足元の床に置いて資料を出し入れする |
| 手で持てる持ち手 | 上に持ち手があるか。横にも持ち手があり、手提げのように持てるか | 訪問先の建物の中では、背負わずに手に持つ場面がある |
| 肩ひも | 手に持ったとき、肩ひもが垂れて床につかないか。しまえる作りか | 垂れた肩ひもを、床で引きずったり踏んだりしやすい |
| 背中と上着 | 背中に当たる面の作り。背負ったあと、上着の肩と背中にしわが寄らないか | 下ろした直後に、相手と会うことがある |
| 雨 | 口がファスナーで閉まるか。水をはじく加工の説明があるか | 「はっ水」「防水」と書かれていても、程度は商品ごとに違う |
| 容量と重さ | 入れる物が入り、すき間が大きすぎないか。本体の重さ(販売ページの表示) | 大きすぎると、中で物が動き、厚みも出る |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
全部を満たす物が見つからないこともあります。そのときは、譲れない点を5つにしぼります。営業で使うなら、色と形・A4とパソコンが入る・自立・手で持てる持ち手・口が閉まる、の5つから考えると、訪問先での動作に困りにくくなります。
背中の汗や、上着のしわは、背負う時間と季節で変わります。背負いやすさの感じ方も、人によって違います。店で試せるなら、上着を着たまま、荷物を入れた状態で背負い、下ろして、鏡で肩と背中を見ます。
売り場や販売ページには、「メンズ」「レディース」という表示があります。大きさ、肩ひもの長さ、重さなどが違うことがありますが、どちらを使うかの決まりはありません。表示で決めず、自分の体と荷物に合うかを、寸法と重さで比べます。
値段は、ここでは決めません。予算の上限を先に一つ書き、その中で、上の点を満たす候補を2つ選びます。
訪問先と電車での持ち方・置き方
リュックは、選んだあとの持ち方で、相手からの見え方が変わります。ここに書くのは、広く行われているやり方の一例です。会社や訪問先で違うので、先輩のやり方を見て合わせます。
| 場面 | 持ち方・置き方(一例) | ひとこと |
|---|---|---|
| 訪問先の建物に入る前 | 背中から下ろし、手に持つ。上着の肩と背中を手で整える | 受付の前で下ろすと、あわてて見える。入口の手前で済ませる |
| 受付・廊下・エレベーター | 手に持ったまま歩く。体の横か前で持つ | 背負ったままだと、後ろの人や壁の掲示に当たることがある |
| 応接室・会議室 | すすめられた席の足元の床に、立てて置く | 机や隣の椅子に置くのは、相手からすすめられたときだけ |
| 靴を脱いで上がる訪問先 | 上がる前に、底の汚れを見る。雨の日は、底と側面を拭く | 畳や床に、じかに置くことになる |
| 混んだ電車・バス | 背負ったままにせず、周りの人に当たらない持ち方にする | 前に抱える、手に持って下げる、などの方法がある。乗る路線の案内があれば、それに従う |
| 雨の日 | 書類とパソコンをぬらさないことを先に考える。訪問先に入る前に、表面の水を拭く | ぬれたリュックを、相手の床に置くことになる |
| 車で回る日 | 座席か足元に、倒れないように置く。降りたら手に持つ | 背負う時間が短い日は、手で持ちやすいかが大事になる |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
建物に入る前に下ろすのは、なぜでしょうか。背負ったままだと、両手は空きますが、後ろに何があるかが自分では見えません。狭い受付や廊下で、人や物に当たっても気づきにくくなります。手に持てば、かばんが自分の目の届く所にあります。
混んだ電車での持ち方は、「こう持てばよい」と一つに決めにくい所です。背負えば後ろの人に当たり、前に抱えれば前の人との間が狭くなります。混み具合を見て、手に持って下げる、空いている場所へ動く、などを選びます。
置いたあとの動作も、家で一度やってみます。椅子に座り、足元にリュックを立てて置き、座ったまま資料と名刺入れを取り出します。口を開けたとき、中身が相手から丸見えにならないかも見ます。
名刺入れを取り出す動作は、名刺入れの選び方にまとめています。訪問の日の服と靴は、営業の服装と営業の靴の選び方と手入れで確かめられます。
聞き方と選び方の例:惜しい例と良い例
先輩に聞くときの例です。会話は説明用の例で、実際の答えは職場で違います。
惜しい聞き方:「リュックって、だめですか」
良い聞き方:「外回り用のかばんを買い替えようと思っています。パソコンが重いのでリュックを考えているのですが、通勤と外回りで使っても問題ないでしょうか。お客様の建物の中では、手に持つようにします」
惜しい聞き方は、答える側が「どの場面の話か」を考えなければなりません。「だめではないけど……」と、あいまいな答えになりがちです。
良い聞き方は、理由(パソコンが重い)、場面(通勤と外回り)、自分の考え(建物の中では手に持つ)を伝えています。先輩は、「通勤はいいよ。A社へ行く日だけは、手提げにして」のように、場面ごとに答えやすくなります。
次は、選び方の例です。
惜しい選び方:販売ページの写真を見て、形が気に入った物を注文する。届いてから、パソコンが入らないと気づく。
良い選び方:先に、パソコンの縦・横・厚みを測って書く。候補2つの内側の寸法と比べる。上と横に持ち手があるか、床に立つかを写真と説明で確かめる。返品の条件と期限を読んでから注文する。
惜しい選び方は、見た目だけで決めています。良い選び方は、入る物と、訪問先での動作(手に持つ・床に置く)から条件を決めています。見た目は、そのあとで、条件を満たした候補の中から選びます。
届いたら、使う前に、明日の荷物を全部入れてみます。背負って、下ろして、手に持ち、床に置きます。合わないと分かったら、返品の期限のうちに、販売店の案内に沿って手続きをします。
迷いやすい判断と、合わなかったあと
判断1:会社はよいと言うが、取引先でどう見られるか分からないときは?
基準は、迷う訪問先には、手に持てる形で行くことです。上と横に持ち手があるリュックなら、建物に入る前に下ろして、手提げのように持てます。肩ひもをしまえる作りなら、見た目も手提げに近くなります。
初めて訪問する取引先や、あらたまった用件(契約、お詫びなど)の日は、手提げを使う、と決めている人もいます。先輩には、「A社へ伺う日は、手提げのほうがよいでしょうか」と、訪問先の名前を出して聞きます(説明用の例です)。
判断2:黒以外の色や、革のような素材は選んでよい?
決まりは、会社ごとに違います。会社の指定がなければ、先輩たちのかばんと並べたときに、色が浮かないかを基準にします。先輩のかばんが黒と紺ばかりなら、同じ範囲から選ぶと、迷いが減ります。
素材は、この記事ではどれが良いとは決めません。重さ、雨にぬれたときの扱い、手入れのしかたが、素材と商品で違うからです。販売ページの説明と、商品に付いている取扱いの注意を読んで比べます。
判断3:容量は、大きいほうが安心?
大きければよい、とは限りません。すき間が大きいと、中で物が動き、厚みが出て、手に持ったときに体から離れます。基準は、明日の荷物を全部入れて、口が無理なく閉まる大きさです。
出張や展示会の日だけ荷物が増えるなら、その日は別の袋を足す、という方法もあります。毎日の荷物に合わせて選びます。容量の数字(リットル)は、作りによって入り方が違うので、数字だけでなく、内側の寸法を見ます。
判断4:今のリュック(通学や休日用)を、そのまま使ってよい?
買う前に、今のリュックを、上の表の点で確かめます。色と形が職場で浮かないか、A4とパソコンが入るか、手で持てる持ち手があるか、床に立つか。満たしていて、先輩に見せて「それなら大丈夫」と言われれば、買う必要はありません。
先輩には、実物を見せて聞きます。「今これを使っています。訪問のときも、このままで問題ないでしょうか」と聞けば、色や形について、具体的な答えが返ってきます。
ここからは、合わなかったあと・失敗のあとの動きです。
買ったあとで、会社で使えないと分かった
その場では:使えない場面を、もう一度聞きます。「訪問のときだけでしょうか。通勤では使ってもよいでしょうか」と聞くと、使える場面が残ることがあります。返品の期限のうちで、使っていなければ、販売店の返品の条件を確かめます。
後の記録:「買う前に、場面ごとの決まりを聞かなかった。次からは、仕事の道具を買う前に、先輩に一度聞く」と書きます。
訪問先で、背負ったまま入ってしまった
その場では:気づいた所で、立ち止まって下ろし、手に持ち替えます。あわてて説明する必要はありません。上着の肩を手で整えてから、受付へ進みます。
後の記録:「建物の入口で下ろすのを忘れた。次からは、最寄りの駅を出た所か、車を降りた所で下ろす」と、下ろす場所を決めて書きます。
使ってみたら、床で倒れる・肩ひもが垂れる
その場では:倒れるなら、椅子の脚か自分の足に立てかけます。重い物を底の中央に入れ直すと、倒れにくくなることがあります。肩ひもは、手に持つ前に、背中の側へまとめて持ちます。
後の記録:「中身を入れた状態で立つかを、確かめずに買った」と書き、次に買うときの条件に足します。
今日やることは一つです。先輩に、訪問のときにリュックを使ってよいかを、場面を分けて聞いてください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
明日持っていく物(書類・ノートパソコン・充電器など)、パソコンの大きさが分かるもの、今のかばん、会社の決まりが分かる資料か聞ける先輩。
記入例を見る(説明用)
会社と取引先でリュックを使ってよいか=佐藤先輩に確認。通勤と外回りは使ってよい。お客様の建物に入る前に、背中から下ろして手に持つ決まり。A社を訪問する日は、手提げを使う/入れる物と、パソコンの大きさ=A4のクリアファイル3冊、ノートパソコン(13インチ。縦・横・厚みを測って書く)、充電器、名刺入れ、筆記具、折りたたみ傘/色・形・素材の条件=黒の無地。四角い形で、厚みが出にくいもの。金具や柄が目立たないもの。素材は未確認。販売ページで手入れのしかたを読む/自立・手で持てる持ち手・雨への備え=中身を入れて床に立つこと。上と横に持ち手があること。口がファスナーで閉まること。書類はファスナー付きのケースに入れる/訪問先と電車での持ち方=建物に入る前に下ろし、上着の肩と背中を手で整える。応接室では足元の床に置く。混んだ電車では背負わず、周りの人に当たらない持ち方にする。(数字と名前は説明用の例)
CHECK
ここまでできたら、次へ。
リュックを使ってよいかを誰に聞いたかが書いてあり、色・形・入る物・自立・持ち手の条件が埋まっていて、訪問先と電車での持ち方が決まっている。
うまく進まなかったときは?
使ってよいかの答えがあいまいなら、「お客様の建物の中では、手に持てば大丈夫でしょうか」と場面をしぼって聞き直す。条件が決められなければ、先輩のかばんの色と形を見せてもらい、同じ点から書く。入る物が分からなければ、明日の持ち物を机に全部並べる。