NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 04 · 営業の実践ノート

提案書の作り方:最初の一枚で、何を決めるか伝える

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提案書は、商談に参加していない人にも回ります。最初の一枚に、現状・改善案・負担・今回決めたいことをまとめましょう。

今日できるようになること

提案書の一枚目に「今回、ご判断いただきたいこと」を一行で加える。

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こんなときに 説明用の資料はあるが、相手に何を決めてもらうか曖昧なとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    現状を一文にする

  2. 2

    対応する改善案を書く

  3. 3

    負担と未確認事項を添える

  4. 4

    今回の依頼を書く

  5. 5

    第三者に読んでもらう

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

提案書は、読んで決めてもらうための紙

提案書とは、相手の困り事に対して「こう変えませんか」と書いて渡す資料です。商品カタログと違うのは、相手の会社の事情が書いてあることです。

初心者がつまずきやすいのは、商品の説明を何ページも並べたのに、「それで、何を決めればいいのか」がどこにも書かれていない資料です。商談の場なら口で補えます。しかし資料は、商談にいなかった上司や社長にも回ります。そのとき、あなたは横にいません。

たとえば、表紙の次に会社概要、商品の特長、機能の一覧と続き、最後のページが「ご検討のほど、よろしくお願いいたします」で終わる資料です。読み終えた人は、何に返事をすればよいのか分かりません。

そこで、最初の一枚に「現状・改善案・負担・今回決めてほしいこと」をまとめます。二枚目から後ろは、その根拠を置く場所です。この記事では、一枚目だけを作れるようになることを目指します。

一枚目に入れる5つの欄

一枚目は、次の5つの欄で組み立てられます。この記事の実践シートも、同じ5つの欄です。

欄書くこと書き方のコツ
現状の根拠いま何が起きているか。誰から聞いたか、何で確かめたか「ご担当の方から伺った」「納品記録で確認した」のように出どころを添える
改善案何を、どう変えるか現状の一文と対になるように書く
費用と負担かかるお金と、相手側にかかる手間金額が出ていなければ「未確認」と書く
未確認事項と確認先まだ分かっていないこと。誰が、いつまでに確かめるか隠さずに書き、確認する人を決める
今回決めたいことこの資料で、相手に判断してほしいこと一行で、一つだけ書く

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

「根拠」とは、そう言える理由のことです。「在庫の確認に手間がかかっています」とだけ書くと、読む人は本当かどうか判断できません。誰から聞いたのか、どの記録で見たのかを添えます。「負担」は、お金のほかに相手がやらなければならないことです。担当を決める、表に記入する、といった手間もここに書きます。

「今回決めたいこと」は、契約でなくてもかまいません。「試す拠点を決める」「条件を確認する担当者を決める」のように、相手がいま答えられる大きさにします。大きすぎる依頼は「検討します」で止まりやすいからです。

手順:一枚目を書く5ステップ

  1. 現状を一文にする。ヒアリング(相手の状況を質問して聞くこと)のメモから、相手が話した事実を一つ選びます。「在庫を確認する担当が日によって違い、確認する時間も決まっていない」のように、誰が・どういう状態かを書きます。
  2. 対になる改善案を書く。現状の一文を裏返します。「担当と代わりの担当を決め、同じ表へ記録する」。商品名から書き始めないのがコツです。
  3. 負担と未確認事項を添える。相手側の手間(担当を決める、表に記入する)と費用を書きます。金額がまだ出ていなければ「費用:未確認。見積を◯日までに提出」と、確認する人と期限を書きます。
  4. 今回の依頼を一行で書く。「今回、ご判断いただきたいこと」という見出しを付け、その下に一行だけ書きます。
  5. 第三者に読んでもらう。商談に出ていない同僚に一枚目だけを渡し、「何を決めてほしい資料に見えますか」と聞きます。答えが自分の意図と違ったら、その箇所を直します。

手順4の一行は、次のように書き分けます。

伝わりにくい例:「ぜひご検討のほど、よろしくお願いいたします。」

伝わりやすい例:「今回、ご判断いただきたいこと:まず一拠点で試すかどうか。試す場合は、拠点と確認担当者をお決めください。」

下の例は、読んだ人が「試すか・試さないか」「どの拠点か」「誰が担当か」を答えれば済みます。答え方が分かる依頼は、社内でも話し合いやすくなります。

手順5で頼める同僚がいないときは、先輩に見てもらうか、一晩置いてから自分で読み直します。書いた直後は、頭の中の説明で補って読んでしまうからです。

メモに事実が足りないと、手順1で手が止まります。そのときは提案書を書き進める前に、相手へ確認する質問を決めましょう。聞き方はヒアリングの記事で紹介しています。

一枚目の完成例(説明用)

以下は、備品の補充方法を見直す架空の提案です。会社も内容も説明用の例です。

項目記載例
提案備品の確認担当と確認日を、一拠点でそろえる
今回、ご判断いただきたいこと試す拠点と、条件を確認する担当者を決めたい
現状在庫を確認する担当が日によって異なる。確認する時間は決まっていない(ご担当の方から伺った内容)
改善案担当と代わりの担当を決め、同じ表へ記録する
準備顧客側は担当を選び、営業側は記録表の案を作る
負担・費用記入時間と追加費用の有無は未確認。開始前に営業担当が確認する

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

書く順番は手順のとおりですが、紙の上では「ご判断いただきたいこと」を上のほうに置いています。読む人が最初に知りたいのは、自分が何を求められているかだからです。この後ろに、現状を続ける場合との比較や、見積の詳細を置きます。

この例では、費用がまだ分かっていません。それでも「未確認。開始前に営業担当が確認する」と書いてあれば、読む人は「費用はこれから出てくる」と分かります。空欄のまま出すより、判断しやすくなります。

二枚目から後ろに置くもの

二枚目以降は、一枚目に書いたことの根拠です。たとえば、現状を詳しく書いた記録、現状を続ける場合と変える場合の比較、見積、進める日程、未確認事項の一覧を置きます。一枚目に書いていない新しい話を、後ろのページで始めないようにします。

効果の数字には、計算の前提を添える

一枚目に効果の数字を書くときは、どう計算したかも一緒に書きます。説明用に、月20件の確認が一件20分から8分になると仮定します。作業時間は月400分から160分へ変わり、差は240分、つまり4時間です。

ただし「8分になる」は仮定です。実際に試して確かめる必要があります。また、4時間空くことと、給与の支払いが4時間分減ることは同じではありません。「作業時間」「実際の支出」「空いた時間でできる仕事」を分けて書きます。

よくある失敗と直し方

  • 自社と商品の紹介から始まっている。読む人が知りたいのは、自分の会社の話です。一枚目は相手の現状から書き、商品の詳しい説明は後ろのページへ回します。
  • 依頼が「ご検討ください」だけ。何を検討すればよいのかが伝わりません。「試す拠点を一つ選んでいただきたい」のように、相手の行動が分かる一行にします。
  • 効果を言い切っている。「作業が4時間減ります」と書くと、試す前の仮定が約束のように読めます。「一件8分になると仮定した場合」と前提を添えます。
  • 未確認のことを書いていない。後から条件が変わると、資料全体が信用されにくくなります。分からないことは「未確認」と書き、確認する人と期限を置きます。

よくある質問

提案書は何枚くらいがよいですか?

決まった枚数はありません。一枚目だけで要点が分かるようにして、後ろには相手が判断に使う根拠だけを置きます。会社に決まった書式がある場合は、そちらに合わせてください。

商談で説明するのに、ここまで書く必要はありますか?

あります。商談で聞いた説明を、相手が一字一句覚えているとは限りません。後から読み返すとき、また社内の別の人が読むときに頼りになるのは、紙に書かれた内容だけです。口で話すつもりの要点こそ、一枚目に書いておきます。

見積がまだ出ていないときは?

金額を推測で書かず、「費用:未確認。◯日までに見積を提出」と書きます。見積を添えて出すときは、見積提出前チェックで金額・対象範囲・納期・社内の承認を確かめてから送りましょう。

一枚目ができたら、次は何をしますか?

二枚目から後ろの組み立て方は、一人歩きできる資料の記事で説明しています。WordとPowerPointのどちらで作るか迷うときは、営業の文章とOfficeを見てください。今日はまず、手元の提案書の一枚目に「今回、ご判断いただきたいこと」を一行加えるところから始めましょう。

提案書以外の資料も含めた全体の整理は、営業資料の作り方にまとめています。

見積書の欄の意味と作る手順は、見積書の書き方にまとめています。

勉強会や展示会などの取り組みを通す一枚は、企画書の書き方にまとめています。

提案を客先で話す日の段取りは、プレゼンのコツにまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
顧客と確認した現状、提案範囲、必要な費用と準備、今回の判断者。

記入例を見る(説明用)

現状の根拠=在庫の確認担当が日によって違う(ご担当の方から伺った)/改善案=担当と代わりの担当を決め、同じ表へ記録する/費用と負担=記入の手間が増える。追加費用は未確認/未確認事項と確認先=追加費用の有無を、営業担当が開始前に確認する/今回決めたいこと=試す拠点と、条件を確認する担当者を選ぶ。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

商談に参加していない人が、問題・提案・負担・今回の依頼を、口頭の補足なしで説明できる。

うまく進まなかったときは?

費用が未定なら未確認と書き、見積もりの確認担当と期限を置く。説明できない箇所は文章を足す前に見出しと順番を直す。

提案を前へ進める / 1 of 3

次は、一人歩きできる資料を作る。

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