NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 58 · 営業の実践ノート

議事録の書き方:決まったこと・担当・期限を先に書く手順と記入例

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議事録は、会議や打ち合わせで話したことと、決まったことを残す記録です。書き方の基本は、話した順ではなく、読む人が知りたい順に並べることです。「決まったこと」「次にやること(誰が・何を・いつまでに)」「まだ決まっていないこと」を先に書き、話の経緯は後ろに回します。この記事では、載せる項目、会議の前から共有までの手順、社内と取引先の記入例を順に説明します。

今日できるようになること

次の会議を一つ決め、議事録の枠(会議名・日時・出席者・議題と、決定・次の行動・未決の欄)を先に作り、終わりに読み上げる一言を用意する。

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こんなときに 会議や打ち合わせの議事録を任され、何をどの順番で書けばよいか分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    会議の前に、項目の枠を作っておく

  2. 2

    会議中は、決まったこと・数字・担当を単語でメモする

  3. 3

    終わる前に、決まったことと担当・期限を読み上げて確かめる

  4. 4

    知りたい順に清書し、確認を受けてから共有する

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

議事録とは:話したことと、決まったことを残す記録

議事録(ぎじろく)とは、会議や打ち合わせで話したことと、決まったことを残す記録です。社内の会議だけでなく、取引先との打ち合わせや商談の後に作ることもあります。呼び方は会社によって違い、「打ち合わせメモ」「会議メモ」「打合せ記録」と呼ぶ会社もあります。

初めて任されると、二つの場面でつまずきがちです。一つは、発言を全部書き取ろうとして、話に追いつけなくなる場面です。もう一つは、ていねいに書き上げたのに、読んだ人から「それで、何が決まったの?」と聞かれる場面です。

議事録の役目は、三つあります。

  • 出席した人の認識をそろえる。同じ会議に出ていても、決まったことの受け取り方は、人によってずれます。文字にすると、ずれに早く気づけます。
  • 出席しなかった人に伝える。上司や、ほかの部署の人が、読むだけで結論と次の動きを知ることができます。
  • 後から確かめられるようにする。誰が、いつまでにやることになっていたかを、記憶ではなく記録で確かめられます。

似た記録に、商談メモがあります。商談メモは、自分が次に動くための記録で、自分の推測も欄を分けて書きます(商談メモ添削)。議事録は、出席した人みんなで共有する記録です。推測や感想は入れず、その場で確かめたことを書きます。

会社に書式があれば、それを使います。初めて任されたら、先輩に「前回の議事録を見せてください」と頼みます。項目の並びと、どのくらい細かく書くかが分かります。

読む人が知りたい順に書く:決定・次の行動・未決・経緯

議事録を開いた人が最初に知りたいのは、「結局、何が決まったのか」と「自分は何をすればよいのか」です。話した順に書くと、その答えがいちばん下に来ます。忙しい人は、そこまで読まずに閉じることがあります。

そこで、話した順ではなく、読む人が知りたい順に並べます。

  1. 決まったこと。会議で「こうする」と確かめたことです。一つを一文で書きます。
  2. 次にやること。誰が・何を・いつまでに、の三つをそろえて書きます。
  3. まだ決まっていないこと。話したけれど、結論が出なかったことです。いつ、誰が決めるのかも書きます。
  4. 経緯。なぜそう決まったのか、どんな意見が出たのかを、要点だけ書きます。

次にやることに三つをそろえるのは、一つ欠けると動きが止まるからです。担当が書かれていないと、全員が「誰かがやるだろう」と思います。期限が書かれていないと、ほかの仕事の後に回されます。「何を」があいまいだと、できあがった物が頼んだ物と違う、ということが起きます。

決まっていないことを書くのにも、理由があります。書かれていないと、読んだ人は「決まった」のか「話に出なかった」のかを区別できません。「未決」と書いてあれば、次の会議で何を決めるのかが分かります。

載せる項目と、書く手順

次の表は、議事録に載せる項目の一例です。会社の書式に項目があれば、そちらに合わせます。

項目書くこと気をつける点
会議名何の会議かが分かる名前「定例」だけにせず、「◯月の営業定例」のように、後で探せる名前にする
日時・場所開いた日、始まりと終わりの時刻、場所オンラインで開いたときは、そのことを書く
出席者出た人の名前。取引先がいるときは、会社名と部署も名前の漢字は、名刺や名簿で確かめる。欠席した人を書く書式もある
議題話したテーマ会議の案内に書かれていた議題を、そのまま写す
決定事項「こうする」と確かめたこと一つを一文で、「〜する」と言い切れる形にする
次の行動誰が・何を・いつまでに期限は「来週」ではなく、日付と曜日で書く
未決事項結論が出なかったこといつ、誰が決めるのかを添える
次回次の会議の日時と議題決まっていなければ「未定」と書く

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

書く作業は、会議が始まる前から始まっています。次の6つの順で進めます。

  1. 会議の前に、枠を作る。会議名・日時・出席者・議題を先に書き入れ、決定事項・次の行動・未決事項の欄を空けておきます。会議中に書くのは中身だけになり、聞くことに集中しやすくなります。
  2. 会議中は、単語でメモする。文章にしようとすると、書いている間に次の話が進みます。優先して書くのは、決まったこと、数字(数量・金額・日付)、人の名前と担当、「後で確認する」となったことの4つです。
  3. 聞き取れなかった所に、印を付ける。空欄にせず「?」を書いておきます。後で、どこを誰に聞けばよいかが分かります。
  4. 終わる前に、決まったことを読み上げて確かめる。「確認させてください。決まったことは2つ、次にやることは田中が提案書、佐藤さんが資料の部数、で合っていますか」のように言います(説明用の例です)。全員がいる場なら、違っていてもその場で直せます。後からだと、一人ずつ聞いて回ることになります。
  5. その日のうちを目安に、清書する。メモの単語を文に直し、知りたい順に並べ替えます。時間がたつと、単語のメモが何を指していたかを思い出しにくくなります。自分の感想や推測は入れません。
  6. 確認を頼んでから、共有する。上司か進行役に下書きを見てもらいます。「決定事項と、担当・期限に間違いがないか、見ていただけますか」と、見てほしい所を示します。共有する相手は、出席者と、会社で決まっている範囲です。

メモの道具は、ノートでもパソコンでも構いません。その会議でパソコンを開いてよいかは、先に先輩に確かめます。手書きなら、色を変えられるペンがあると、決まったことだけ色を変えて書けます。

記入例:社内の打ち合わせと、取引先との打ち合わせ

二つの記入例を見ていきます。会社名・人名・日付・内容は、すべて説明用の例です。まず、社内の打ち合わせの例です。

項目記入例(説明用)
会議名◯月の営業定例
日時・場所◯月◯日 10時〜10時30分、会議室
出席者鈴木課長、佐藤、田中(記録)
議題(1) A社への提案の進め方 (2) 来月の展示会の準備
決定事項(1) A社には、納品を週1回から週2回にする案で提案する。(2) 展示会で配る資料は、今ある商品資料を使う。
次の行動田中:A社向けの提案書の下書きを、◯月◯日(水)までに鈴木課長へ出す。佐藤:展示会に持って行く資料の部数を、◯月◯日(金)までに確かめて共有する。
未決事項展示会の当番の割り振り。次回の定例で、鈴木課長が決める。
次回◯月◯日 10時から。議題は、展示会の当番。

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

経緯は、この下に短く足します。「週2回の案にしたのは、A社から、月末に検品が重なると聞いているため」のように、決定の理由が分かる一行で足ります。

次は、取引先との打ち合わせの例です。自分の会社をB社としています。

項目記入例(説明用)
会議名A社様 納品回数についてのお打ち合わせ
日時・場所◯月◯日 14時〜15時、A社様 会議室
出席者A社 総務部 佐藤様、山田様/B社 鈴木、田中(記録)
議題納品を週1回から週2回にした場合の条件
決定事項B社が、週2回にした場合の見積書をお出しする。A社様は、見積書をご覧になった後に、社内でご相談される。
次の行動B社 田中:見積書を、◯月◯日(金)までにメールで佐藤様へお送りする。A社 佐藤様:見積書を受け取った後、課長へご相談(時期は未定)。
未決事項始める時期。A社様の社内でのご相談の後に、あらためて決める。
次回未定。見積書をお送りした翌週に、田中から佐藤様へお電話で状況を伺う(了承をいただいた)。

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

取引先に送る議事録では、次の3つに気をつけます。

  • 相手の作業は、相手が了承したことだけを書く。こちらの希望を「決定事項」に書くと、相手は約束していないことを約束したことにされます。了承がまだなら、未決事項に書きます。
  • 社内の事情は書かない。原価、社内での相談、自分の推測は、相手に送る物には入れません。社内用の控えと、相手に送る物を分けます。分け方は引き継ぎメモにまとめています。
  • 送る前に、上司の確認を受ける。金額や納期のように条件に関わる所は、特に見てもらいます。送る文には「認識に違いがございましたら、お知らせください」と添えます。

取引先には、議事録の形ではなく、お礼のメールの中に確認事項として書いて送る会社もあります。書き方は営業のお礼メールに、下書きを作る道具は商談後フォローにあります。

場面で変わるところと、言い方の例

決まったことから書く、という骨組みは同じです。場面によって、力を入れる所が変わります。次の表は一例です。

場面力を入れる所進め方(一例)
社内の会議担当と期限敬称や言い回しは、会社の書式に合わせる。出席しなかった上司が読んで分かるかを見る
取引先との打ち合わせ相手が了承したことだけを書く送る前に上司の確認を受ける。相手の会社名と、名前の漢字を名刺で確かめる
対面の会議配られた資料と、書かれた物ホワイトボードの内容は、消される前に書き写す。写真に撮ってよいかは、その場で聞く
オンラインの会議誰の発言かと、画面に映った資料声が重なって聞き取れなかったら、その場で「もう一度お願いします」と言う。映された資料を後でもらえるかを聞く
新人が初めて任されたとき枠と、終わりの確認前回の議事録を見て枠を作る。進行役に、最後の読み上げを先に頼んでおく
発言する人が多いとき結論と担当発言を全部追うのをやめ、議題ごとに「結論は何か」「誰がやるか」だけを書く。分からなければ、議題が変わる前に聞く

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

次は、書き方の例です。どれも説明用の例です。

惜しい書き方:「A社への提案について議論した。」

良い書き方:「A社には、納品を週2回にする案で提案する。田中が提案書の下書きを、◯月◯日(水)までに鈴木課長へ出す。」

惜しい書き方は、話したという事実しか分かりません。読んだ人は、提案するのかしないのか、誰が動くのかを、出席した人に聞き直すことになります。良い書き方には、決まったこと・担当・期限が入っています。

惜しい書き方:「展示会の資料は、早めに準備する。」

良い書き方:「展示会に持って行く資料の部数を、佐藤が◯月◯日(金)までに確かめて共有する。」

「早めに」は、人によって思い浮かべる日が違います。日付にすると、過ぎたかどうかを誰でも確かめられます。「準備する」も、何をしたら終わりなのかが分かる言葉(部数を確かめて共有する)に直しています。

このブログを運営するウッシは、初めて受けたメーカーの研修の報告会で、言えたのが「毎日がんばりました」だけだった、と話しています(「頑張りました」しか報告できなかった研修)。「議論した」で終わる議事録も、これと似ています。時間を使ったことは伝わりますが、聞いた人が次に何を判断すればよいかの材料が入っていません。

迷いやすい判断と、失敗のあと

判断1:発言を、どこまで書く?

基準は、後で読む人が、決まった理由を知るのに要るかどうかです。発言の全部は書きません。決定につながった理由、反対や心配の意見、付けられた条件を、一行ずつ書けば足ります。

判断2:聞き取れなかったときは?

推測で埋めません。その場で聞けるなら、「今の日付を、もう一度お願いします」と短く聞きます。

その場で聞けなかったら、印を付けておき、終わった直後に本人へ聞きます。「先ほどの納品の開始日は、◯日で合っていますか」と、自分が聞こえた内容を言って確かめると、相手は「はい」か「いいえ」で答えられます。確かめられないまま出すときは、その所に「要確認」と書きます。

判断3:決まらなかったことは、どう書く?

「未決」とはっきり書きます。そのうえで、何が分かれば決められるのか、誰がいつ決めるのかを添えます。それも決まっていなければ、「決める人と時期も未定」と書きます。空欄にはしません。

判断4:いつまでに出せばよい?

この記事では、何時間以内という数字は決めません。会社の慣例が先です。会議の前に、「今日の議事録は、いつまでに、どなたへお出しすればよいですか」と聞いておきます。

慣例がないときの基準は、二つです。次にやることの、いちばん早い期限より前に届くことと、自分の記憶が新しいうちに書くことです。

判断5:録音や文字起こし、AIを使ってよい?

自分では決めません。基準は、会社の決まりと、出席している人の了承の二つです。使ってよい道具と、音声や文章の保存先は、会社で決まっていることがあります。取引先がいる場では、相手に断らずに録音することはせず、先に上司に相談します。

使ってよいと分かった場合も、出てきた文をそのまま出すことはしません。名前、数字、決まったことを、自分のメモと見比べます。文字起こしは話した順に並ぶので、知りたい順に並べ直す作業は、自分でやります。

ここからは、失敗のあとの動きです。その場の立て直し方と、後の記録をセットで決めておきます。

失敗1:担当や期限を書き忘れたまま、共有した

その場では:気づいた時点で、担当になる本人に内容を確かめてから、直した物を送ります。「先ほどの議事録に、担当と期限の書きもれがありました。追記した物をお送りします。追記したのは、次の行動の2行目です」と、どこを直したかまで伝えます(説明用の例です)。本人に聞かずに、名前や日付を入れることはしません。

後の記録:下書きを出す前に見る点に、「次の行動の全部の行に、名前と日付があるか」を足します。

失敗2:取引先に送った内容に、誤りがあった

その場では:先に上司へ報告し、訂正の送り方を決めてから連絡します。「◯月◯日にお送りした議事録に、誤りがありました。次の行動の期限を◯日と記載しましたが、正しくは◯日です。訂正した物をお送りします」と、どこが違い、正しくは何かを伝えます(説明用の例です)。黙って差し替えると、相手の手元に二つの記録が残ります。

後の記録:どの数字を、何と見比べなかったのかを書きます。金額や納期のように条件に関わる誤りの報告のしかたは、営業で失敗したときにまとめています。

失敗3:共有が遅れた

その場では:全部の清書を待たず、決定事項と次の行動だけを先に送ります。「議事録の清書が遅れています。先に、決定事項と次の行動をお送りします。全体は◯日にお送りします」と書きます(説明用の例です)。読む人がいちばん必要としているのは、この二つです。

後の記録:遅れた理由を、「清書に時間がかかった」「確認を頼んだ人が不在だった」のように、事実で書きます。

今日やることは一つです。次の会議を一つ決め、議事録の枠を先に作り、終わりに読み上げる一言を紙に書いてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
会議の案内(日時・出席者・議題)、会社の議事録の書式か前回の議事録、メモの道具、自分の予定表。

記入例を見る(説明用)

会議名・日時・出席者・議題=◯月の営業定例。◯月◯日 10時から。出席は鈴木課長、佐藤さん、田中(記録)。議題は、A社への提案の進め方と、来月の展示会の準備/決まったこと=A社には、納品を週1回から週2回にする案で提案する。展示会で配る資料は、今ある商品資料を使う/次にやること=田中:A社向けの提案書の下書きを、◯月◯日(水)までに鈴木課長へ出す。佐藤さん:展示会に持って行く資料の部数を、◯月◯日(金)までに確かめて共有する/まだ決まっていないこと・次回=展示会の当番の割り振りは未決。次回の定例(◯月◯日)で鈴木課長が決める。佐藤さんが言った納品の開始日は聞き取れなかった(未確認。会議の後に本人に聞く)/確認を頼む人と、共有する相手・期限=今日の夕方までに下書きを鈴木課長に見てもらう。見てほしいのは、決定事項と担当・期限。直したら、出席者の3人と、会社で決まっている共有の場所へ出す。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

決まったことが一つ一文で書いてあり、次にやることの全部の行に「誰が・何を・いつまでに」がそろっていて、決まっていないことが「未決」と書いてある(聞き取れなかった所は「未確認」と、誰に聞くかが書いてある)。

うまく進まなかったときは?

何が決まったのか分からなければ、進行役か先輩に「今日決まったのは、この2つで合っていますか」と、自分のメモを見せて聞く。担当や期限が空いた行は、勝手に埋めず「未確認」と書き、本人に聞く。書式が分からなければ、前回の議事録を見せてもらう。

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