商談ヒアリングの質問例|聞く順番と、話が止まったときの返し方
「何かお困りですか?」で会話が止まる人へ。現状から判断条件まで、質問のつなげ方と商談メモの残し方を具体例で解説します。

- 相手の「最近の具体的な場面」から聞く。
- 困りごとに加え、影響と変えられない条件を確認する。
- 最後は自分の理解を返し、未確認の条件を残す。
会話・記入例・試算は、説明のための例です。実際の状況や確認できた内容に置き換えて使ってください。
この記事の目次
NOTE 01最初に、何のために聞くかを共有する
質問集を一つずつ読み上げると、会話が尋問のようになってしまいます。最初に「今日は何を確認し、どこまで進めたいか」を伝え、相手にも追加したい話題がないか尋ねましょう。
「本日は30分ほど、今の発注作業と、見直したい点を伺えればと思っています。最後に、比較案をご用意する必要があるか相談させてください。先に確認したいことはありますか?」
30分は説明用の例です。相手が急いでいるなら、今日は現状だけ確認し、条件の相談は次回に回しても構いません。面談の枠を先に決めることで、残り時間に追われて予算や決裁者の質問を詰め込むのを防ぎます。

ウッシのひとこと質問を全部聞けたかよりも、相手と同じ前提で話せたかを振り返りましょう。
NOTE 02現状は「最後にその作業をした日」から聞く
「普段はどうしていますか」では、相手も大まかな答えになりがちです。「直近の一件」を思い出してもらうと、担当者、使った資料、確認の順番を具体的に追えます。営業側の想像で流れを埋めないことがポイントです。
| 質問 | 確認したいこと | 答えを受けた次の一言 |
|---|---|---|
| 最後に発注したのはいつですか? | 最近の具体的な一件 | そのとき、最初に誰が数量を確認しましたか? |
| 数量は何を見て決めますか? | 資料・判断材料 | 資料に違いがあったときは、誰に確認しますか? |
| 承認はどの順番で進みますか? | 担当者間の受け渡し | 戻しが発生するのは、どんなときですか? |
| 発注が終わった後はどう記録しますか? | 記録・引き継ぎ | 別の方でも同じ記録を確認できますか? |
表が画面に収まらないときは、横にスクロールできます。
表を一度に読み上げず、一つの返答を受けて次を選びます。相手がすでに資料を見せてくれたなら、同じ情報を改めて質問する必要はありません。
NOTE 03課題は「困りごと→影響→優先度」で深める
「手間がかかる」という言葉だけでは、どの提案が合うか決められません。その手間がいつ発生し、誰の作業にどう影響するのかを確かめます。ただし、困っていないことを営業側の都合で問題にしないようにしましょう。
相手の評価まで先に決めている。
変える必要があるかも相手に聞く。
影響の数字は、記録があるかを確認してから扱います。「毎回1時間くらい」は相手の見積もりであり、実測とは限りません。メモには「担当者の概算・月末の作業に限る」と前提も残します。
「ほかにも見直したいことがある中で、この作業を変える優先度はいかがでしょうか。今は変えなくてよい、という判断でも大丈夫です。」
NOTE 04予算・時期・関係者は、聞く理由を添える
条件を聞くときは、相手を選別するような言い方を避け、「案の規模を合わせたい」「社内説明に必要な資料をそろえたい」と用途を伝えます。まだ決まっていないことには、無理に金額や日付を置かないでください。
「予算はいくらですか?」→「提案の規模を合わせたいので、費用の上限が決まっているか、これから比較して決める段階かを教えていただけますか?」
「決裁者は誰ですか?」→「社内でご確認いただく際、ほかに資料をご覧になる方はいらっしゃいますか。その方が気にされそうな点も整理したいです。」
「いつ買いますか?」→「導入のご希望時期と、その前に終えておく必要のある確認はありますか?」
担当者が答えられない場合は、「次回までに誰が確認するか」を相談します。聞き出せなかった情報を営業側の想定で確定欄に書かないことが大切です。
NOTE 05「特にない」「まだわからない」と言われたら
短い返答は、関心が低い場合もあれば、質問が広すぎる場合もあります。まず一度だけ、答えやすい場面に絞って聞き直します。それでも話題がなければ、資料を送りつけたり、架空の課題を持ち出したりせず区切りましょう。
「忙しい」の中身を一緒に整理する
説明のための会話例です。状況に合わせて言い換えてください。
今の集計で、見直したい点はありますか?
忙しいですが、何を変えたいかはまだわかりません。
では、先月の締め作業で、最後まで残った作業は何でしたか?
数字が合わなくて、各担当へ確認していました。
確認する作業が残ったのですね。どの資料同士を照らし合わせていましたか?
ここでは、いきなり「ツールを導入すれば解決します」と結論づけていません。入力ミス、集計のルール、担当の分担など、原因によって必要な対応が変わるからです。
NOTE 06最後に理解を返し、商談メモを5欄で残す
聞いたつもりでも、優先順位を取り違えていることがあります。面談の終わりに「今回優先したいのは○○、変更できないのは△△という理解で合っていますか」と要点を返します。相手が訂正できる時間を残してください。
| 欄 | 記入内容 |
|---|---|
| 現状 | 月末に営業事務が複数の表を手作業で照合 |
| 変えたいこと | 照合のための担当者への聞き直しを減らす |
| 判断条件 | 既存の発注システムは変更しない/費用上限は未確認 |
| 関係者 | 営業事務と部門責任者が内容を確認 |
| 次の約束 | 営業側は入力項目の比較表を金曜に送る。先方は確認担当を調整 |
表が画面に収まらないときは、横にスクロールできます。
提案を作り始める前に
メモがそろったら、提案書の最初の一枚へ置き換えます。確認できていない点は、資料でも「要確認」と表示しましょう。
よくある質問
用意した質問は全部聞くべき?
全部を聞くことを目的にしません。回答でわかったことは飛ばし、判断に必要な未確認事項を優先します。時間が足りなければ、次回に聞く内容と相手の了承を残します。
沈黙が続いたら、選択肢を出していい?
まず考える時間を取り、それでも答えにくそうなら「時間・費用・運用のどれに近いですか。ほかの点でも構いません」と例を添えます。示した選択肢だけに回答を閉じないようにします。
録音すればメモは不要?
録音する場合は事前に相手の同意と双方の規定を確認します。記録があっても、要点や未確認事項の整理は必要です。録音ありきで進めず、短いメモでも残せる型を用意しましょう。
「お困りごとはありますか?」を「直近では、どのように進めましたか?」に変えてみてください。返答から、担当者か確認の順番を一つだけ深掘りします。

