NOTE 12 · 営業の実践ノート
新人営業の最初の30日:先輩と確認したい4つのこと
公開:2026年10月2日/更新:2026年10月4日
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営業を始めたばかりの時期は、何を聞けばよいかも分からないものです。先輩や上司と「何ができればよいか」をそろえておくと、商談のあとに振り返りやすくなります。確認するのは、この30日で何ができればよいか、自分で決めてよいことと確認が必要なこと、困ったとき誰にどう聞くか、次の商談で見てほしい行動、の4つです。紹介する計画は練習の一例で、30日で独り立ちを求めるものではありません。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 新人として、先輩に何を聞き、何を見てもらえばよいか分からないとき。
- 1
次に試す行動を一つ選ぶ
- 2
先輩に「ここを見てください」と伝える
- 3
商談で試す
- 4
やったこと・分かったことを報告する
- 5
次回も続けるか相談する
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
最初の30日は、「何を聞けばいいか分からない」で止まりやすい
配属されてすぐは、先輩の商談に同行する(一緒に訪問する)ことが多くなります。帰り道に「何か質問ある?」と聞かれて、「大丈夫です」と答えてしまう。分からないことが多すぎて、質問の形にならないからです。
先輩の側も、新人がどこでつまずいているのかは、言われないと分かりません。黙っていると「分かっている」と受け取られることがあります。
そこで、聞くことを先に決めておきます。この記事では、最初の30日で先輩・上司と確認しておきたいことを、4つに絞りました。
先輩・上司と確認したい4つのこと
| 確認すること | なぜ聞くか | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 1. この30日で、何ができればよいか | 目安が分からないと、何を練習すればよいか決まらない | 「今月の終わりに、私がどこまでできていればよいでしょうか」 |
| 2. 自分で決めてよいことと、確認が必要なこと | 価格や納期を勝手に答えると、後で訂正が必要になる | 「価格や納期を聞かれたら、その場で答えてよいのはどこまでですか」 |
| 3. 困ったとき、誰に・どうやって聞くか | 聞く相手と方法が決まっていれば、一人で抱えずに済む | 「外出中に分からないことが出たら、どなたに、電話とチャットのどちらで聞けばよいですか」 |
| 4. 次の商談で、見てほしい行動を一つ | 見る点が一つなら、先輩も助言しやすい | 「次の訪問では、最後に次回の約束を確認するところを見ていただけますか」 |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
1つ目は「期待されていること」、2つ目は「権限(自分で決めてよい範囲)」、3つ目は「相談の方法」、4つ目は「フィードバック(自分の行動への助言)」の確認です。
4つを一度に聞く必要はありません。1と2は配属されて早いうちに、3は初めて一人で外出する前に、4は商談のたびに聞きます。
聞いた答えは、その場でメモします。同じことを二度聞かずに済み、次に迷ったときの手がかりになります。
1. 何ができればよいか
「頑張ります」と言う前に、目安を聞きます。「先輩の訪問に同行して、メモを取れること」なのか、「一人で既存のお客様を訪問できること」なのかで、練習することが変わります。答えがはっきりしないときは、「まずは同行のメモを、その日のうちに出すことを目標にしてよいでしょうか」と、自分から案を出して確かめます。
2. 自分で決めてよいこと、確認が必要なこと
価格、値引き、納期、在庫などは、お客様からその場で聞かれやすい項目です。答えてよい範囲が分からないまま答えると、後で訂正することになります。「確認してご連絡します」と持ち帰ってよい、と先に聞いておけば、商談中に焦らずに済みます。
3. 困ったとき、誰に・どうやって聞くか
聞く相手だけでなく、方法も確かめます。電話がよいのか、チャットがよいのか。先輩が商談中で出られないときは、次に誰へ聞くのか。急ぎの基準(今日中に返事が必要か、など)も合わせて聞きます。
4. 次の商談で、見てほしい行動を一つ
「全体を見てください」とお願いすると、助言も広くなります。「最初の挨拶のあと、訪問の目的を言えているか」のように、場面を一つに絞ります。進め方は、次の手順で説明します。
手順:聞いて、試して、報告する
4つ目の「見てほしい行動」は、次の順番で進めます。
- 次に試す行動を一つ選ぶ。「訪問の目的を最初に伝える」「相手の言葉を一つメモする」のように、商談の中でやったかどうかが分かる行動にします。
- 先輩の時間をもらう。「次の訪問のことで、3分ほどよろしいでしょうか」と、用件と時間の目安を先に伝えます。
- 見てほしい点を伝える。「次の商談では、ここを見てください」と、一つだけお願いします。
- 商談で試す。うまくいかなくても、試したかどうかを覚えておきます。
- その日のうちに報告する。「やったか・分かったこと・次の一つ」の順に話します。
- 次回も続けるか相談する。同じ行動をもう一度試すか、別の行動に変えるかを、先輩と決めます。
お願いするときの、説明用の会話例です。
新人「次の訪問のことで、3分ほどよろしいでしょうか。今回は、価格が高いと言われたら、何と比べているのかを聞いてみたいです。そこを見ていただけますか。」
先輩「分かった。聞くときは、責める口調にならないようにね。」
30日の進め方の例(週ごと)
次の表は、練習計画の一例です。会社の研修や、先輩の方針があれば、そちらを優先してください。
| 時期の目安 | 自分が試すこと | 先輩に見てもらうこと |
|---|---|---|
| 1週目 | 訪問の目的と質問を、一枚に書く | 今回の訪問に合っているか |
| 2週目 | 相手の言葉を一つ残す | 感想と事実が混ざっていないか |
| 3週目 | 次の担当・内容・期限を確認する | 約束の抜けがないか |
| 4週目 | 自分で改善点を一つ選ぶ | 次の商談で試せる内容か |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
1週目は準備、2週目は記録、3週目は約束の確認、4週目は自分で課題を選ぶ、という流れです。訪問の準備は初めての訪問で準備する3つのこと、一日の動き方は新人営業の1日の流れを参考にしてください。
予定どおりに進まなくても、翌週にやり直せます。商談の機会がなかった週は、「未実施」と記録して、次の週に回します。
商談のあとは、分からなかったことも報告する
報告するのは、うまくいった話だけでなくて構いません。聞けなかったこと、分からなかったことも、そのまま伝えます。
「価格が高いと言われましたが、何と比較しているかを確認できませんでした。次回は、一箱の入数(一箱に入っている数)と送料を聞こうと思います。」
この報告は、「やったか(比較対象を聞こうとしたが、聞けなかった)」「分かったこと(価格が高いと言われた)」「次の一つ(入数と送料を聞く)」の順になっています。長く話す必要はありません。帰りの車や電車の中で、この3つを伝えれば足ります。
分かったことと、足りなかったことを分けると、先輩も助言しやすくなります。空欄を隠すために、相手の返事を推測で埋める必要はありません。
次の訪問で聞けたら、「送料を含めた金額で比べていた」のように、分かったことを書き足します。これが、実践シートの「実行の有無」「分かったこと」「次回の一つ」になります。毎日の記録には、営業日報テンプレートも使えます。
よくある失敗と、よくある質問
- 「大丈夫です」と答えてしまう。直し方:質問が浮かばないときは、「今日の商談で、私が次に真似するとよい点を一つ教えてください」と聞きます。
- 助言を全部、一度に直そうとする。直し方:助言をたくさん受けたら、「次の商談では、まずどれを優先しましょうか」と確認します。一度に直すのは一つにします。
- 練習のつもりで、価格や納期をその場で答える。直し方:話し方の練習と、会社の承認が必要なことは別です。自分で決められない条件は「確認してご連絡します」と持ち帰ります。確認先は、先に先輩に聞いておきます。
先輩が忙しそうで、声をかけにくいときは
「いま、よろしいですか」だけだと、相手はどれくらい時間がかかるのか分かりません。「次の訪問のことで3分だけ、今日の夕方にお時間をいただけますか」と、用件・長さ・時間帯を伝えます。断られたら、「では、いつがよいでしょうか」と聞けば足ります。
先輩によって、言うことが違うときは
どちらかが間違っている、と決めなくて構いません。「Aさんからはこう教わりました。この場面では、どちらを優先すればよいでしょうか」と、指導役の先輩か上司に確かめます。黙って自分で選ぶより、確認したほうが後で迷いません。
最初の30日は、売上が立ったかどうかより、選んだ行動を試したか、そこから何が分かったかを説明できることを目安にします。説明できれば、先輩は次の助言を出せます。
訪問の前に身なりで迷うときは、営業の服装、営業の身だしなみ、名刺入れの選び方にまとめています。
報告・連絡・相談の違いと伝える順番は、報連相とはにまとめています。
商談の練習の進め方は、ロープレのやり方にまとめています。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
次の訪問予定、前回の助言、自分が迷った場面。
記入例を見る(説明用)
今回試す行動=価格が高いと言われたら、何と比べているかを聞く/先輩への確認=聞き方が、責める口調になっていないか見てもらう/実行の有無=聞けた/分かったこと=送料を含めた金額で比べていた/次回の一つ=同じ条件で比べた表を用意する。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
売上の有無に関係なく、選んだ行動をしたかと、分かったことを説明できる。
うまく進まなかったときは?
機会がなかったら未実施と記録。助言が多すぎる場合は優先する一つを相談し、独断で値引きや納期を変えない。