NOTE 01 · 営業の実践ノート
営業初心者の基本:初めての訪問で準備する3つのこと
公開:2026年10月2日/更新:2026年10月3日
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初めての訪問の前日は、何を準備すればよいか分からず不安になりがちです。準備は「相手の会社を調べる」「今日のゴールを一つ決める」「持ち物をそろえる」の3つに分けると、順番に片づけられます。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 訪問の予定はあるが、前日に何を準備すればよいか分からないとき。
- 1
相手の会社を15分で調べる
- 2
今日のゴールを一つ決める
- 3
最初の質問と帰り際の相談を書く
- 4
持ち物を前日にそろえる
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
初めての訪問で、初心者がつまずく場面
初めての訪問でよくあるのは、会社案内と商品の説明をひととおり話して、「何かあればご連絡ください」で終わってしまう形です。帰り道に「結局、何が決まったんだっけ」と気づきます。
原因は、話し方よりも準備にあることが多いです。相手のことを知らないまま行くと、質問が出てきません。何を決めて帰るかを考えていないと、話の終わり方が分からなくなります。
この記事では、訪問の前日から当日の朝までにやる準備を3つに分けます。①相手の会社を調べる、②今日のゴールを一つ決める、③持ち物をそろえる、の順です。訪問の約束を取るところはアポの取り方で、商談中の質問のしかたはヒアリングの記事で扱います。
準備1:相手の会社を15分で調べる
調べる目的は、物知りになることではありません。「この会社なら、ここを聞いてみたい」という質問を一つ見つけることです。調べ始めるときりがないので、15分ほどを目安に区切ります。
- 社内の記録を見る。過去に取引や問い合わせがあったか、前の担当者のメモが残っていないかを、先輩や上司に聞きます。
- 相手の会社のホームページを開く。「会社概要」と「事業内容」のページで、何を作っている(売っている)会社か、事務所や店舗がどこにあるかを見ます。
- アポを取ったときのやり取りを読み返す。相手が口にした言葉(例:「納品の回数を見直したい」)は、そのまま書き写します。
- 会う人の部署と役割を確かめる。分からなければ「未確認」と書き、当日に「どのようなお仕事をご担当ですか」と聞きます。
調べたことには、情報源を一緒に書きます。「公式サイトの会社概要(◯月◯日に確認)」「前任の先輩から聞いた」のように残しておくと、あとで「どこで知った話だったか」を確かめられます。
ホームページを見て想像したこと(例:「事務所が2か所あるから、配送で困っていそうだ」)は、事実ではなく自分の推測です。推測は「当日に聞いて確かめること」に回します。
準備2:今日のゴールを一つ決める
ゴールとは、「この訪問が終わったとき、何が分かっていればよいか、何が決まっていればよいか」のことです。初めての訪問で契約まで進むことは多くありません。「相手の今のやり方を知る」「次の連絡の約束をする」くらいの大きさで十分です。
ゴールは一文で書きます。「何を確かめるか」と「何を相談して帰るか」の2つを入れます。
(例)納品の回数について、今の受け取り方と困っている場面を聞く。相手の数量に合わせた比較表を作ってよいか、いつまでに送るかを相談して帰る。
ゴールが決まると、あと2つが決まります。一つは最初の質問です。あいさつと名刺交換のあと、最初に何を聞くかを一つだけ決めておきます。相手が事実で答えられる質問にすると、会話が始まりやすくなります。
「いまは週に何回、どなたが納品を受け取っていらっしゃいますか」
もう一つは帰り際の相談です。このブログのシートでは「出口の案」と呼んでいます。話が終わったあとに、次の一歩として何を相談するかを先に考えておきます。
「本日伺った条件で比較表を作ってお送りしたいのですが、今週の金曜まででもよろしいでしょうか」
出口の案は、あくまで自分の希望です。相手が「それでお願いします」と言って初めて約束になります。断られたり、別の進め方を提案されたりしたら、そちらに合わせます。
ここまでを一枚のメモにまとめると、次のようになります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 訪問の目的 | 納品回数について、今の受け取り方と困っている場面を聞く。相手の数量に合わせた比較表を作ってよいか相談する |
| 確認した情報と情報源 | 事務所は2か所(公式サイトの会社概要・◯月◯日に確認)/会うのは総務の担当の方(アポの電話で確認) |
| 最初の質問 | 「いまは週に何回、どなたが納品を受け取っていらっしゃいますか」 |
| 出口の案 | 比較表を今週の金曜までに送ってよいか相談する |
| 合意した担当・内容・期限 | 訪問の後に書く。例:自分が、比較表を、◯月◯日(金)までにメールで送る |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
最後の「合意した担当・内容・期限」だけは、訪問が終わってから書く欄です。帰り際に「誰が・何を・いつまでに」を声に出して確認し、相手が了承した内容だけを書きます。
準備3:持ち物を前日にそろえる
持ち物は当日の朝ではなく、前日の夕方にかばんへ入れます。朝になって足りないものに気づいても、印刷や先輩への確認が間に合わないことがあるからです。
- 名刺:会う予定の人数より多めに入れます。受け取った名刺をしまう場所も決めておきます。
- 筆記用具とノート:スマホでメモを取りたいときは、最初に「メモを取ってもよろしいですか」と断ります。
- 会社案内・商品の資料:会う人数分に1部足して持ちます。全部を説明するためではなく、聞かれたときに見せるためです。
- 訪問メモ:上の表の項目を書いた紙、または保存したテキスト。
- 訪問先の住所・電話番号・行き方:受付の場所と、遅れそうなときの連絡先まで確かめます。
名刺入れがまだない、必要な枚数が入らないというときは、必要枚数から名刺入れを選ぶ手順を参考にしてください。服装に迷う場合は、明日の一組を決める順番にまとめています。
価格・仕様・納期のように約束に関わる情報は、暗記しなくてかまいません。そのかわり、「聞かれたら誰に確認するか」を決めておきます。答えられない質問には、その場で数字を作らず、「確認して、明日中にご連絡します」のように期限を添えて持ち帰ります。
当日の朝は、訪問メモを一度読み返し、電車や道路の状況を確かめます。何分前に着くようにするかは、会社や先輩の習慣に合わせてください。遅れそうだと分かったら、その時点で相手に電話を入れます。
出発の直前には、訪問5分前チェックで7項目を見直せます。
よくある失敗と直し方
調べたことを全部話してしまう
「御社のホームページを拝見しました。こんな事業もされているんですね」と話し続けると、相手が話す時間がなくなります。調べたことは、質問を一つ作るために使います。話すのは一言にとどめ、すぐ最初の質問へ移ります。
ゴールが「ごあいさつ」だけになっている
「まずは顔を覚えてもらう」だけでは、帰り際に相談することがありません。「今のやり方を一つ聞く」「次に連絡してよい時期を聞く」など、確かめることを一つ足します。
自分の希望を、約束として書いてしまう
メモに「来週また伺う」と書いても、相手が了承していなければ予定ではありません。メモには「自分の希望」と「相手が了承したこと」を分けて書きます。書き分け方は、商談メモの直し方で詳しく説明しています。
よくある質問
先輩に同行するだけの訪問でも、準備は必要ですか?
必要です。同行のときは、自分用のゴールを「先輩が最初に何を聞くかを書き取る」「相手が言った困りごとを3つメモする」のように決めます。訪問の前に、先輩へ「今日は何を決めて帰る予定ですか」と聞いておくと、話の流れを追いやすくなります。
相手の会社のことが、調べても出てこないときは?
情報が少ない会社もあります。そのときは「確認した情報」の欄に「公式サイトなし・未確認」と書きます。当日の最初の質問を「どのようなお仕事を、何名くらいでされていますか」に変えれば、調べられなかったことをそのまま聞けます。
訪問中に、決めたゴールと話がずれてきたら?
相手が話したいことを優先します。用意した質問を順番どおりに聞く必要はありません。話が一区切りついたところで、「一点だけ伺ってもよろしいですか」と断って、ゴールの質問に戻ります。
今日やることは一つです。明日の訪問を一件選び、下のシートに書いてみてください。分からない欄は「未確認」のままでかまいません。
身なりをもう少し詳しく確認したいときは、営業の身だしなみと営業のスーツの選び方も参考にしてください。
かばんの決め方は営業のかばんの選び方、靴の選び方と手入れは営業の靴の選び方と手入れにまとめています。
名刺交換の動きを先に確かめたいときは、名刺の渡し方・名刺交換のやり方を読んでください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
訪問目的、相手の担当、前回の記録。初回なら前回欄は「なし」。
記入例を見る(説明用)
目的=納品回数について、今の受け取り方と困っている場面を聞く/情報と情報源=事務所は2か所(公式サイト・◯月◯日に確認)/最初の質問=いまは週に何回、どなたが受け取っていますか/出口の案=比較表を今週の金曜までに送ってよいか相談/合意=訪問の後に記入(例:自分が比較表を◯月◯日までに送る)。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
目的・質問・出口がつながり、自分の希望と合意済みの約束を区別できる。
うまく進まなかったときは?
相手の役割が不明なら、同行者に確認。訪問中に目的が違うと分かったら、その場で聞きたい内容をすり合わせる。