NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 94 · 営業の実践ノート

始末書の書き方:書く前に確かめることと、項目・文例

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始末書は、自分の誤りについて、起きたこと・原因・お詫び・今後の手立てを書いて会社に出す書類です。書き始める前に、会社の書式、就業規則、あて先、期限の4つを確かめます。本文は、言い訳を足さず、確かめた事実と自分の推測を分けて書きます。出す前に、上司に一度見てもらいます。

今日できるようになること

起きたことを「いつ・どこで・何が・どうなった」の順に、確かめた事実だけで書き出し、推測には「推測」と書き添える。

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こんなときに 上司から「始末書を出して」と言われ、何をどの順番で書けばよいか分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    会社の書式・就業規則・あて先・期限を確かめる

  2. 2

    起きたことを、記録を見ながら事実だけで書き出す

  3. 3

    原因・お詫び・今後の手立てを、自分の行動として書く

  4. 4

    上司に見せて直し、決められた相手に出す

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

始末書とは:過ちをわびるために、事情を書いて出す書類

始末書は、辞書では次のように説明されています。デジタル大辞泉(コトバンク)の語釈は、「過ちをわびるために、事情を記して関係者に提出する書類。」です。同じページの精選版 日本国語大辞典には、「あやまちをわびるために、一部始終を書き記して出す書類。」とあります。

どちらの語釈にも、二つのことが入っています。事情(一部始終)を書くことと、わびることです。起きたことの説明だけでも、お詫びの言葉だけでも、始末書としては足りません。

よく似た名前の書類に、顛末書(てんまつしょ)があります。「顛末」は、デジタル大辞泉(コトバンク)で「事の最初から最後までの事情。一部始終。」と説明されている言葉です。二つの書類をどう使い分けるかは会社によって違うので、ここでは立ち入りません。顛末書の項目と書き方は、顛末書の書き方を見てください。

始末書が、会社の中でどんな意味を持つ書類かも、会社によって違います。厚生労働省が公開しているモデル就業規則(令和7年12月版・PDF)は、就業規則の規程例です。その第67条(懲戒の種類)には、けん責について「始末書を提出させて将来を戒める。」と書かれています(86ページ)。

これは規程の例です。同じ条の解説には、「懲戒処分の種類については、本規程例に掲げる処分の種類に限定されるものではありません。」とあります(87ページ)。自分の会社で始末書がどう扱われるかは、自分の会社の就業規則で確かめます。この記事では、処分の中身や、法律上の扱いには触れません。書き方だけを扱います。

書くように言われたら、まず確かめる4つ

「始末書を出して」と言われると、すぐに書き始めたくなります。けれども、書式やあて先が違うと、書き直しになります。先に、次の4つを確かめます。

確かめること見る所・聞く相手確かめないと、どうなるか
会社の書式社内の共有フォルダ、総務や人事の担当、上司決まった書式があるのに自分で作ると、出し直しになる
就業規則就業規則の、始末書や懲戒について書かれた所その書類が会社の中でどう扱われるかを知らないまま、出すことになる
あて先上司に聞く。社長あて、部長あてなど、会社で決まっていることが多いあて先の役職や名前を間違えると、その書類でもう一度誤りを重ねる
期限と出し方上司に聞く。手書きかパソコンか、紙かデータか、誰に手渡すか期限に遅れると、反省が伝わりにくくなる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

聞くときは、聞きたいことをまとめて一度で聞きます。

惜しい聞き方:「始末書って、どう書けばいいですか」

良い聞き方:「始末書の件で、4点確かめさせてください。会社の決まった書式はありますか。あて先はどなたにすればよいですか。いつまでに、どなたへお出しすればよいですか。手書きとパソコンの、どちらで作りますか」

どちらも説明用の例です。惜しい聞き方は、相手が何から答えればよいか分かりません。良い聞き方は、答えが一言ずつで済みます。

もう一つ、書く前にやることがあります。記録を開いて、起きたことを日付順に並べることです。メール、予定表、書類の控え、電話のメモを見ます。記憶だけで書くと、日付や順番が違っていて、後で直すことになります。誤りに気づいた直後の報告のしかたは、営業で失敗したときにまとめています。始末書は、その報告が済んだ後に書くものです。

始末書に書く7つの項目

会社の書式があれば、その項目に合わせます。書式が無い会社で、よく使われる項目は次の7つです。上から順に書きます。

項目書くことなぜ書くか
1. 日付出す日いつの時点の説明かが分かる。後で事実が変わったときの手がかりになる
2. あて先会社で決められた相手の、役職と名前誰に対してわびる書類かをはっきりさせる
3. 所属と氏名自分の部署と名前。押印や署名は、会社の決まりに合わせる誰が書いたかをはっきりさせる
4. 起きたこといつ・どこで・何が・どうなったか。誰に、どんな迷惑がかかったか読む人は、ここで出来事の大きさを知る
5. 原因なぜ起きたか。確かめた事実と、自分の推測を分ける原因が合っていないと、次の手立ても合わない
6. お詫び誰に、何についてわびるのか語釈のとおり、わびるための書類だから
7. 今後の手立て同じことを起こさないために、自分が何を・いつ・どうやってするか「気をつけます」だけでは、次に何が変わるのかが読む人に伝わらない

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

標題は、中央に「始末書」と書く形が多く使われています。4〜7の並べ方は、会社の書式によって前後することがあります。

4の「起きたこと」は、自分がしたこと・しなかったことを主語にして書きます。「連絡がもれていました」ではなく、「私は、連絡をしていませんでした」です。主語が抜けると、誰の話なのかがぼやけ、人ごとのように読めてしまいます。

7の「今後の手立て」は、気持ちではなく行動で書きます。「いつ・何を見て・何をするか」まで書けば、読む人は、それが続けられる手立てかどうかを判断できます。

惜しい例と良い例:言い訳にしない、事実と推測を分ける

項目がそろっていても、書き方で伝わり方が変わります。3つの点で、惜しい例と良い例を比べます。どれも説明用の例です。

1. 言い訳にしない

惜しい例:「当日は別件の対応が重なっており、また、仕入れ先からの連絡も分かりにくい内容だったため、連絡が遅れてしまいました。」

良い例:「私は、◯月◯日に仕入れ先から納期が遅れる旨のメールを受け取りましたが、A社への連絡をしていませんでした。」

惜しい例は、忙しさと、ほかの人の事情が先に来ています。書いた本人は事情を説明しているつもりでも、読む人には「自分のせいではない」と言っているように読めます。良い例は、自分がしなかったことを、日付と一緒に書いています。

2. 事実と推測を分ける

惜しい例:「確認不足が原因です。」

良い例:「メールを読んだ後、予定表にも顧客の記録にも書いていませんでした(事実)。外出の直前で、戻ってから連絡するつもりのまま忘れたものと考えています(推測)。」

「確認不足」「不注意」は、どの誤りにも当てはまる言葉です。何を確かめなかったのかが分からないので、次の手立てにつながりません。良い例は、記録で確かめられる事実と、自分の頭の中の話を分けています。推測を事実のように書くと、後で違っていたときに、書類全体の信用が下がります。

3. 今後の手立てを、行動で書く

惜しい例:「今後は、二度とこのようなことがないよう、十分に注意いたします。」

良い例:「今後は、納期が変わる連絡を受けたら、その日のうちにお客様へ電話でお伝えし、同じ内容をメールでもお送りします。連絡を受けた時点で予定表に書き、済んだら消します。」

惜しい例は、気持ちは伝わりますが、明日から何が変わるのかが分かりません。良い例は、きっかけ(連絡を受けたら)、期限(その日のうちに)、方法(電話とメール、予定表)が入っています。

営業で起きやすい場面の文例

次の文例は、どれも説明用の例です。日付・社名・金額は、自分の件に置き換えてください。会社の書式があれば、そちらの項目に合わせます。[ ]は、自分の内容に置き換える所です。

1. 納期の連絡もれ

令和◯年◯月◯日

[あて先の役職] [氏名] 殿

[部署名] [自分の氏名]

始末書

私は、◯月◯日(木)に仕入れ先から[商品名]の納期が◯日遅れる旨のメールを受け取りましたが、A社 ご担当の佐藤様への連絡をしていませんでした。◯月◯日(月)に佐藤様からお電話をいただき、連絡がもれていたことが分かりました。A社では、納品に合わせて組まれていた作業の予定を、変更していただくことになりました。

メールを読んだ後、予定表にも顧客の記録にも書いていなかったことが原因です。

A社にご迷惑をおかけし、会社の信用を損ねましたことを、深くお詫び申し上げます。

今後は、納期が変わる連絡を受けたら、その日のうちにお客様へ電話でお伝えし、同じ内容をメールでもお送りします。連絡を受けた時点で予定表に書き、済んだら消します。

以上

あて先の敬称(「殿」か「様」か)や、日付の書き方(和暦か西暦か)は、会社の書式や、これまでに社内で出された書類に合わせます。お客様へのお詫びそのものは、始末書とは別に行います。メールで伝える場合の書き方は、お詫びメールの書き方にまとめています。

2. 見積の金額の誤り

(日付・あて先・所属と氏名・標題は、文例1と同じ)

私は、◯月◯日にB社へお送りした見積書で、合計金額を誤って記載しました。正しくは[正しい金額]円のところ、[誤った金額]円と記載していました。◯月◯日に、B社のご担当の方から問い合わせをいただき、誤りが分かりました。

数量の欄に、前回の見積書の数字が残ったままになっていました。送る前に、数量と合計を見直していませんでした。

B社にご迷惑をおかけし、また、訂正のために[上司の氏名]課長のお手をわずらわせましたことを、お詫び申し上げます。

今後は、見積書を送る前に、数量・単価・合計の3つを、元の依頼のメールと見比べます。前回の書類を写して作るときは、数字の欄を先に空にしてから入力します。

以上

金額の誤りは、誤った数字と正しい数字を並べて書きます。読む人が、差の大きさをすぐにつかめるからです。送る前の見直しは、見積書を送る前に確認する7項目が使えます。

3. 社用車や備品の扱い

(日付・あて先・所属と氏名・標題は、文例1と同じ)

私は、◯月◯日(火)の◯時ごろ、訪問先の駐車場で社用車を後ろへ動かした際に、車の後部を柱に当て、バンパーに傷を付けました。けがをした人はおらず、相手方の建物に損傷はありませんでした。その場で[上司の氏名]課長へ電話で報告しました。

後ろを、鏡だけで確かめていました。車を降りて、柱の位置を見ていませんでした。

会社の車を傷付け、修理の費用と手間をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。

今後は、初めての駐車場で後ろへ動かす前に、一度車を降りて、後ろの様子を確かめます。

以上

車や物の場合は、人のけがの有無、相手方の物の損傷の有無、誰にいつ報告したかを書きます。読む人が最初に知りたい点だからです。事故のときの届け出や保険の手続きは、会社の決まりと上司の指示に従います。この記事では扱いません。

場面によって、書き方の力の入れ所が変わります。次の表は一例です。

場面力を入れる所書き方(一例)
お客様に迷惑がかかった相手の側で何が起きたか相手の予定や手間がどう変わったかを、分かっている範囲で書く
社内だけの誤り(書類の出し忘れなど)誰の仕事が止まったか「経理の締めに間に合わなかった」のように、影響を一つ書く
原因が、まだ分からない分かっていることと、確認中のこと「原因は確認中です。◯月◯日までに報告します」と書いてよいかを、上司に聞く
自分のほかにも、関わった人がいる自分がしたこと・しなかったことほかの人の行動は、起きた順の事実としてだけ書く。評価の言葉は足さない
同じ誤りが、2回目前回の手立てが、なぜ続かなかったか前回書いた手立てを読み返し、続かなかった理由と、変える点を書く

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

迷いやすい判断と、出した後のこと

判断1:お詫びの言葉は、どのくらい書く?

基準は、誰に・何についてわびるのかが一文で分かることです。お詫びの言葉を何行も重ねても、読む人が知りたい事実と手立ては増えません。お詫びは一文か二文にして、残りの行は、起きたことと今後の手立てに使います。

判断2:自分だけのせいではない、と思うときは?

始末書の中で、ほかの人の責任を論じるのは避けます。言い訳として読まれやすいからです。書くのは、自分がしたこと・しなかったことです。ほかの人が関わった部分は、「◯月◯日、[相手]から[内容]の連絡があった」と、起きた順の事実として書きます。

事実関係に納得できない点があるときは、書類に書く前に、上司に口頭で伝えます。「経緯の中で、一点、私の認識と違う所があります。書く前に確かめさせてください」と切り出します(説明用の例です)。それでも解決しないときは、人事の担当など、会社の相談先に相談します。

判断3:「二度としません」と書いてよい?

決まった禁止の表現ではありません。ただ、その一文だけでは、何をどう変えるのかが伝わりません。基準は、自分が実際に続けられる行動を書くことです。「二度と起こしません」と書くなら、そのための行動を続けて書きます。

判断4:手書きか、パソコンか。押印は要る?

これは、会社の決まりで決まります。どちらが正しい、という公的な決まりは見当たりません。上司に聞くか、これまでに社内で出された書類の形に合わせます。

出す前:上司に見せる

書けたら、出す前に上司に見てもらいます。理由は三つあります。事実の日付や順番が、上司の把握と合っているかを確かめるため。あて先や書式の誤りを、出す前に直すため。今後の手立てが、部署のやり方と合っているかを見てもらうためです。

出した後1:事実の誤りに気づいた

その場では:気づいた時点で、上司に伝えます。「◯月◯日にお出しした始末書の日付に、誤りがありました。正しくは◯月◯日です。出し直したほうがよいでしょうか」と、どこが・どう違うかを言います(説明用の例です)。自分の判断で、黙って差し替えることはしません。

後の記録:何を見て書いたかを書きます。「記憶で書いた。次からは、メールの受信日を見て写す」のような形です(説明用の例です)。

出した後2:書き直しを求められた

その場では:どこを直すのかを、言葉のまま聞いて書き取ります。「原因が浅い」と言われたら、「原因の所を、どの点まで書けばよいでしょうか」と聞きます。直す所が分からないまま書き直すと、もう一度戻ってきます。

後の記録:言われたことと、直した所を並べて書いておきます。次に書類を書くときの見本になります。

出した後3:書いた手立てを、続ける

始末書は、出して終わりではありません。書いた手立てを、次の日からやります。一週間後に、自分で「続いているか」を見直す日を、予定表に入れておきます。続かなかった手立ては、続けられる形に直して、上司に伝えます。報告の基本は、報連相とはにまとめています。

今日やることは一つです。起きたことを「いつ・どこで・何が・どうなった」の順に、確かめた事実だけで書き出し、推測には「推測」と書き添えてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
会社の始末書の書式(あれば)、就業規則、起きたことの記録(メール・予定表・書類の控え)。

記入例を見る(説明用)

確かめたこと=会社の決まった書式がある(総務の共有フォルダ)。あて先は部長。期限は◯月◯日(金)。手書きではなくパソコンで作り、印刷して出す、と課長に聞いた/起きたこと=◯月◯日(月)、A社の佐藤様から「納品が◯日遅れる件を聞いていない」と電話があった。仕入れ先から遅れの連絡メールが届いたのは◯月◯日(木)。私はそのメールを読んだが、佐藤様へ連絡していなかった。A社では、納品に合わせて組んでいた作業の予定を変えることになった/原因=事実:メールを読んだ後、予定表にも記録にも書いていなかった。推測:外出の前で、戻ってから連絡するつもりのまま忘れたと思う/お詫びの一文=「A社にご迷惑をおかけし、会社の信用を損ねましたことを、深くお詫び申し上げます。」/今後の手立て=納期が変わる連絡を受けたら、その日のうちにお客様へ電話し、メールでも送る。受けた時点で予定表に「A社へ連絡」と書き、終えたら消す。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

書式・あて先・期限を確かめてあり、起きたことが日付つきの事実で書いてあり、原因は事実と推測が分かれていて、今後の手立てが自分の行動で書いてある。上司に見せる日が決まっている。

うまく進まなかったときは?

書式やあて先が分からなければ、上司に「会社の書式はありますか。あて先はどなたにすればよいですか」と聞く。起きたことが書けなければ、メールや予定表を開いて日付順に並べる。原因が分からなければ、分かっていることだけを書き、残りは「確認中」と書いて上司に相談する。

NEXT NOTE

次に読むなら

営業で失敗したときの報告お詫びメールの書き方報連相の基本を確かめる