NOTE 69 · 営業の実践ノート
お詫びメールの書き方:送る前に上司へ報告し、事実と次の対応を書く文例
公開:2026年10月3日
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お詫びメールは、書き始める前の動きで中身が決まります。先に上司へ報告し、確認できた事実をそろえ、電話が先かメールでよいか、誰の名前で送るかを決めます。本文は、件名→お詫び→何が起きたか→分かっている原因と、まだ分からないこと→これからの対応と時期→結び、の順に書きます。この記事では、場面ごとの文例と、宛先を間違えた誤送信のときの動きも説明します。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 納期の遅れや書類の誤りなどで、取引先にお詫びのメールを送ることになったとき。
- 1
気づいたら、書く前に上司へ報告する
- 2
確認できた事実と、まだ分からないことを分ける
- 3
電話が先か、誰の名前で送るかを上司と決める
- 4
お詫び・事実・これからの対応の順に書き、見せてから送る
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
お詫びメールとは:送る前にやる4つ
お詫びメールとは、こちらの誤りや遅れで相手に迷惑をかけたときに、お詫びと、起きた事実と、これからの対応を伝えるメールです。
誤りに気づいた直後は、早く謝って終わらせたくなります。けれども、一人で急いで送ると、後で困ることがあります。事実が違っていた、原因の説明が後で変わった、できない対応を書いてしまった、などです。相手から見ると、お詫びが2回、3回と続くことになります。
そこで、書く前に次の4つをやります。
- 上司へ報告する。分かっていることだけで、先に伝えます。お詫びは、会社としての連絡になるからです。報告の型は営業で失敗したときにまとめています。
- 事実を確かめる。元のメール、書類、記録を開いて、何が・いつ・どう違っていたかを確かめます。記憶だけで書きません。
- 電話が先か、メールでよいかを決める。相手の仕事がすでに止まっている、急いで知らせる必要がある、という場合は、先に電話でお詫びし、その後にメールで同じ内容を残すことが多くあります。どちらにするかは、上司と決めます。
- 誰の名前で送るかを決める。自分の名前で送るのか、上司の名前で送るのか、CCに上司を入れるのかを決めます。
この記事が扱うのは、こちらから送るお詫びのメールです。相手から苦情の申し出があったときの受け方は、クレーム対応の基本にまとめています。メール全体の部品は、ビジネスメールの書き方を見てください。会社に、お詫びの文書の決まりや書式があれば、そちらが先です。
書く順番:件名から結びまで
本文は、次の6つの順に書きます。相手が知りたい順です。
| 順番 | 書くこと | なぜ書くか |
|---|---|---|
| 1. 件名 | 「お詫び」と、何の件かと、差出人 | ほかのメールに埋もれず、開く前に用件が分かる |
| 2. お詫び | 何についてのお詫びかを添えて、一文で | 何を謝っているのかが分からないお詫びは、形だけに見えやすい |
| 3. 何が起きたか | 確認できた事実だけ。誤っていた点と、正しい内容 | 相手は、自分の仕事にどう関わるかをここで判断する |
| 4. 原因 | いま分かっていることと、まだ分からないこと | 分からないことを推測で埋めると、後で説明が変わる |
| 5. これからの対応と時期 | こちらが何を・いつまでにするか | 相手は、いつまで待てばよいかが分かる |
| 6. 結び | もう一度、短くお詫びする | 長いお詫びをくり返すより、一文で締める |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
書き出しの宛名と名乗りは、ふだんのメールと同じです。挨拶の「いつもお世話になっております」は、短くするか、省いてお詫びから入る書き方もあります。宛名の書き方はビジネスメールの書き出し、結びの一文の選び方はビジネスメールの締めにまとめています。
3の事実は、誤っていた点と、正しい内容を並べて書きます。「金額に誤りがありました」だけでは、相手はどこを見ればよいか分かりません。「誤:◯◯円 正:◯◯円」と並べれば、相手は手元の書類をすぐ直せます。
4の原因は、相手が知りたい範囲で、短く書きます。まだ調べている途中なら、「原因は確認中です。◯月◯日までに、あらためてご報告します」と書きます。
5が抜けたお詫びは、相手にとって、次に何が起きるのかが分からないメールになります。お詫びの言葉を重ねるより、何を・いつまでにするかを一行書くほうが、相手の助けになります。
文例:場面別
次の文例は、どれも説明用の例です。会社名・人名・日付・金額は、自分の件に置き換えてください。どの場面でも、上司に報告して、内容を決めてから送る前提です。
1. 納期が遅れる
件名:【お詫び】◯月◯日納品分の遅れについて([自社名] [氏名])
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。先ほどはお電話でお時間をいただき、ありがとうございました。
◯月◯日にお届けするとお約束していた[商品名]が、期日に間に合わない見込みとなりました。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
仕入れ先からの入荷が遅れていることを、本日確認いたしました。確かな納品日は、現在確認中です。
◯月◯日の◯時までに、納品日をあらためてご連絡いたします。
ご予定に影響が出る点がございましたら、お知らせいただけますでしょうか。重ねてお詫び申し上げます。
[署名]
電話で伝えた後に送る形の例です。確かな日付がまだ分からないので、「確認中」と書き、次に連絡する日時を約束しています。分からないうちに「来週にはお届けできます」と書くと、もう一度遅れたときに、お詫びを重ねることになります。
2. 資料や金額に誤りがあった
件名:【お詫びと訂正】◯月◯日付のお見積書について([自社名] [氏名])
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。
◯月◯日にお送りしたお見積書に、誤りがございました。申し訳ございません。
誤:合計金額 ◯◯円
正:合計金額 ◯◯円
数量を入力する際に、こちらで誤った数字を入れておりました。訂正したお見積書を、本メールに添付いたします。
お手数をおかけしますが、先にお送りしたものは破棄していただけますでしょうか。
今後は、お送りする前に、数量と金額を二人で確認いたします。このたびは、ご迷惑をおかけいたしました。
[署名]
誤りと正しい内容を並べ、訂正した書類を付け、前のものの扱いをお願いしています。原因は、確認できたことだけを一文で書いています。金額の誤りは、相手の社内の手続きに関わることがあるので、送る前に上司に見てもらいます。見積書を出す前の確認は、見積書を送る前に確認する7項目が使えます。
3. 返信が遅れた
件名:Re: [元の件名]
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。
◯月◯日にいただいたメールへのお返事が遅くなり、申し訳ございません。
お問い合わせの納期について、回答いたします。ご注文から◯日ほどでお届けできます。
ほかにご不明な点がございましたら、お知らせください。
[署名]
お詫びは一文にとどめ、すぐに相手の質問へ答えています。「立て込んでおりまして」などの理由は、書かなくて足ります。相手が待っていたのは、理由ではなく、答えだからです。返信の遅れは、元のメールに返信する形で送ると、相手は何の件かがすぐ分かります。
4. 相手の名前や会社名を間違えた
気づいたら、上司に伝えたうえで、どこを間違えたかを短く書いてお詫びします。言い訳は足しません。文例は、はじめましてのビジネスメールの「会社名や名前を間違えて送った」に載せています。
5. メールを誤送信した(宛先や添付の間違い)
宛先を間違えた、別の会社あての資料を添付した、という誤送信は、ほかの誤りと動き方が違います。自分で取り消しや削除のお願いを送る前に、すぐ上司へ報告します。
報告では、いつ・誰あてのメールを・誰に送ったか、本文と添付に何が入っていたかを伝えます。メールに個人情報や取引先の情報が含まれていた場合、誰に・何を・どう連絡するかは、会社の決まりに従います。自分だけの判断で進めると、会社として必要な対応が抜けることがあります。
次は、上司の指示を受けて、誤って送ってしまった相手に送る場合の例です。文面は、会社の決まりや上司の指示があれば、そちらに合わせます。
件名:【お詫び】メール誤送信のお知らせと削除のお願い([自社名] [氏名])
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。
本日◯時ごろ、私から「[誤って送ったメールの件名]」という件名のメールをお送りしました。こちらは、宛先を誤ってお送りしたものです。申し訳ございません。
お手数をおかけしますが、該当のメールを、添付ファイルとあわせて削除していただけますでしょうか。
送信の前に宛先を確かめる手順を見直し、再発を防いでまいります。ご迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。
[署名]
誤って送ったメールの中身を、このメールでくり返して書かないようにします。件名と送った時刻で、相手がどのメールかを見つけられれば足ります。本来の宛先の方(情報が外に出てしまった側)への連絡が要るかどうかも、上司と会社が決めます。
場面で変わるところと、言い方の例
書く順番は同じです。分かっていることの量と、相手の状況で、書き方が変わります。次の表は一例です。
| 場面 | 力を入れる所 | 書き方(一例) |
|---|---|---|
| 原因がまだ分からない | 次に報告する日時 | 起きた事実と、「原因は確認中」であることを書き、いつまでに報告するかを約束する |
| 自社に非があるか、分からない | お詫びの範囲 | ご不便やお手間をかけたことへのお詫びにとどめ、原因や責任は確認してから伝える |
| 相手が怒っている | メールより先に、電話か訪問 | 上司と相談し、誰が・どの方法でお詫びするかを決める。メールは、話した内容を残すために送る |
| 複数の相手に関わる | 同じ内容を、同じ時に | 相手ごとに内容がずれないよう、文面を上司と決める。ほかの相手のアドレスが見えない送り方にする |
| すでに電話でお詫びした | 話した内容を文字で残す | 「先ほどお電話でお伝えした内容を、あらためてお送りします」と書き、対応と時期を残す |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
お詫びの範囲の分け方(ご不便へのお詫びと、原因や責任についての判断を分ける)は、クレーム対応の基本でくわしく説明しています。
書き方を比べる
惜しい書き方1:「年度末で業務が立て込んでおり、確認が行き届かず、納期が遅れることとなりました。」
惜しい書き方2:「配送業者の手違いが原因です。」
惜しい書き方3:「申し訳ございませんでした。以後、気をつけます。」
良い書き方:「◯月◯日にお届けするお約束の商品が、期日に間に合わない見込みとなりました。申し訳ございません。入荷が遅れていることを本日確認しました。くわしい原因は確認中です。確かな納品日を、◯月◯日の◯時までにご連絡いたします。」
4つとも説明用の例です。惜しい書き方1は、お詫びより先に、こちらの事情が来ています。相手には、言い訳として読まれやすい並びです。2は、確かめていない原因を言い切っています。後で違っていたときに、ほかの会社にも迷惑がかかります。
3は、何をお詫びしているのか、これからどうするのかが書かれていません。相手は、もう一度同じことが起きないかを判断できません。
良い書き方は、何についてのお詫びかを先に書き、確認できた事実と、確認中のことを分けています。最後に、次の連絡の日時を約束しています。
迷いやすい判断
判断1:補償や値引きに、触れてよい?
自分の判断では書きません。「次回のご注文をお値引きします」「費用はこちらで負担します」は、会社としての約束になります。メールは文字で残るので、後から「そういう意味ではなかった」とは言えません。
相手から求められた場合は、「いただいたご要望は、社内で確認のうえ、◯月◯日までにお返事いたします」と書いて、上司に相談します(説明用の例です)。上司には、「A社から、送料を負担してほしいと言われました。どうお返事すればよいですか」と、相手の言葉のまま伝えます。
判断2:原因は、どこまで書く?
基準は、確認できたことで、相手の判断に要ることです。相手が知りたいのは、同じことがまた起きないか、自分の側で何かする必要があるか、の二つです。それに答える範囲で、短く書きます。
社内の誰が間違えたか、社内でどんなやり取りがあったかは、書きません。ほかの会社や人のせいにする書き方も避けます。仕入れ先の遅れが理由でも、相手と約束したのは自分の会社です。くわしい報告を求められたら、上司と相談し、別にまとめて出します。
判断3:お詫びの言葉は、何度も書いたほうがよい?
回数に決まりはありません。目安は、最初に一度、結びに短く一度です。一通の中で何度もくり返すと、肝心の事実と対応が埋もれて、読みにくくなります。
言葉の強さは、相手にかけた迷惑の大きさに合わせます。「申し訳ございません」「深くお詫び申し上げます」など、言い方には幅があります。どれを使うか迷ったら、上司に文面を見せて聞きます。
判断4:電話でお詫びした後も、メールは要る?
送ることが多くあります。電話で話した内容は、時間がたつと、お互いの記憶がずれるからです。訂正した内容、これからの対応、時期を文字で残します。
電話で相手から言われたことは、メモに残し、上司に報告します。伝え方は報連相とはの4行の型が使えます。
送った後と、失敗のあと
お詫びメールは、送って終わりではありません。約束した日時を、送ったその場で予定表に入れます。その日時が来たら、状況が進んでいなくても連絡します。「確認が続いています。次は、◯月◯日の◯時にご連絡します」と伝えます(説明用の例です)。連絡がないことが、次の不満になるからです。
こちらからの返事が要るのに、相手の返事を待って止まっている場合の連絡は、催促メールの書き方とは別の話です。お詫びした側から催促はせず、約束した日に、こちらから状況を伝えます。
次は、お詫びメールそのものの失敗です。その場の立て直し方と、後の記録をセットで決めておきます。
失敗1:上司に報告する前に、送ってしまった
その場では:すぐ上司に報告し、送ったメールをそのまま見せます。「A社へ、先にお詫びのメールを送りました。報告の前でした」と伝えます(説明用の例です)。書いた内容に直す所があるか、追加の連絡が要るかは、上司と決めます。
後の記録:「早く謝りたくて、先に送った。次からは、気づいたら、書く前に一行で上司へ報告する」と、順番を書きます。
失敗2:お詫びメールの中に、また誤りがあった
その場では:上司に報告し、訂正を送ります。訂正は一度で済むよう、送る前に、日付・金額・名前を、元の書類と一つずつ見比べます。
後の記録:どの項目を、何と見比べずに書いたかを残します。「日付を記憶で書いた。次からは、注文書を開いて写す」のような形です(説明用の例です)。
失敗3:書いた期限を、守れなかった
その場では:期限が来る前に、守れないと分かった時点で連絡します。遅れることへのお詫び、今分かっていること、新しい日時を伝えます。期限を過ぎてから連絡すると、相手は待っていた時間の分だけ、予定を決められずにいたことになります。
後の記録:期限を決めるとき、何を根拠にしたかを書きます。次からは、自分が守れる日時を書きます。確認に時間がかかりそうなら、「まず◯日に、途中の状況をご連絡します」と、途中の連絡を約束します。
今日やることは一つです。お詫びが必要な一件について、確認できた事実・まだ分からないこと・これからの対応と時期を書き出し、上司に見せてから送ってください。
先に許しを願う「ご容赦ください」の使いどころは「ご容赦ください」の意味と使う場面に、行き違いを伝える「ご放念ください」は「ご放念ください」の意味と文例にまとめています。
お詫びの言葉そのものは「申し訳ございません」の使い方に、結びでもう一度詫びる言い方は「重ねてお詫び申し上げます」の使い方にまとめています。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
元のメールや書類(見積書・注文書など)、いつ何が起きたかのメモ、上司と決めた対応の内容、相手の正しい会社名と名前。
記入例を見る(説明用)
何が起きたか=◯月◯日に納品すると約束していた商品が、その日に届けられなくなった。仕入れ先からの入荷が遅れると、今日の午前に連絡があった。相手はA社の佐藤様/上司へ報告して決まったこと=鈴木課長に報告した。先に私から電話でお詫びし、その後、同じ内容をメールで送る。メールは私の名前で送り、CCに課長を入れる/分かっている原因と、まだ分からないこと=入荷が遅れていることは確認できた。遅れた理由のくわしい中身と、確かな入荷日は、仕入れ先に確認中(未確認)/これからの対応と、時期=確かな納品日を、◯月◯日の◯時までに連絡する。先に一部だけ届けられるかも、あわせて確認する。値引きや補償には触れない(課長の指示)/件名と、最初のお詫びの一文=件名「【お詫び】◯月◯日納品分の遅れについて([自社名] 田中)」。一文目「◯月◯日にお届けするとお約束していた商品が、期日に間に合わない見込みとなりました。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
上司に報告してから書いており、確認できた事実と未確認のことが分けてあり、これからの対応に時期が付いていて、自分で決められない約束(補償・値引きなど)が入っていない。
うまく進まなかったときは?
事実がそろわなければ、分かっていることだけで上司へ報告し、「確認中」と書いて、次に連絡する時刻を決める。お詫びの言葉が決まらなければ、「何について」お詫びするのかを一行書く。電話かメールかで迷ったら、上司に「先にお電話したほうがよいですか」と聞く。