NOTE 67 · 営業の実践ノート
報連相とは:報告・連絡・相談の違いと、営業の現場での伝え方
公開:2026年10月3日/更新:2026年10月4日
広告:この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由の購入により、当サイトに報酬が支払われる場合があります。
報連相(ほうれんそう)とは、報告・連絡・相談の3つをまとめた言い方です。報告は、頼まれた仕事の経過や結果を伝えること。連絡は、関係する人に事実や予定を知らせること。相談は、決める前に意見や判断をもらうことです。この記事では、3つの違いと、営業の現場での伝え方を、結論・事実・自分の考え・お願いの順番で説明します。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 上司や先輩に、何を・いつ・どう伝えればよいか分からないとき。
- 1
伝えることが、報告・連絡・相談のどれかを決める
- 2
結論・事実・自分の考え・お願いの4行に書く
- 3
相手の都合を聞き、結論から伝える
- 4
決まったことと期限を、文字で残す
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
報連相とは:報告・連絡・相談をまとめた言い方
報連相(ほうれんそう)とは、報告・連絡・相談の3つをまとめた言い方です。それぞれの頭の一文字を並べています。辞書(デジタル大辞泉「報連相」)でも、上司や同僚への報告・連絡・相談の三つをまとめた語、と説明されています。
仕事は、一人では終わりません。営業なら、見積を作る人、商品を手配する人、届ける人、請求する人がいます。自分が見聞きしたことを、関係する人に渡して、はじめて仕事が先へ進みます。報連相は、その渡し方に付いた名前です。
初めのうちは、次のような場面で手が止まりがちです。上司が忙しそうで声をかけられない。どこまで話せばよいか分からない。「こんなことを聞いてよいのか」と迷っているうちに、時間が過ぎる。話し始めたものの、「で、結論は?」と聞き返される。
こうなるのは、性格のせいではありません。何を・誰に・いつ・どの順番で伝えるかの型を、まだ持っていないだけです。この記事では、3つの違い、伝える順番、場面ごとの変え方、迷ったときの基準、遅れたときの立て直し方を順に説明します。
報連相のやり方には、会社ごとの決まりがあります。日報で出す、チャットに書く、朝の打ち合わせで話す、などです。会社の決まりがあれば、そちらが先です。この記事の型は、決まりの中で「何をどう言うか」を考えるときに使ってください。
報告・連絡・相談の違いと、営業での例
3つは、相手に何をしてほしいかが違います。次の表は、違いを比べた一例です。
| 報告 | 連絡 | 相談 | |
|---|---|---|---|
| 何を伝えるか | 頼まれた仕事の経過と結果 | 関係する人が知っておくべき事実や予定 | 自分だけでは決められないこと、迷っていること |
| 誰に | 仕事を頼んだ人(上司・先輩) | その事実で動きが変わる人すべて(社内・取引先) | 決められる人、詳しい人(上司・先輩) |
| いつ | 終わったとき、途中の区切り、予定と変わったとき、悪い知らせが分かったとき | 分かった時点で、早めに | 決める前、動く前 |
| 相手に求めること | 状況を知って、次の指示を出してもらう | 知ったうえで、それぞれの仕事に反映してもらう | 意見や判断をもらう |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
大きな違いは、相談だけが「決める前」に行う点です。決めて動いた後に伝えるのは、相談ではなく報告になります。「相談せずに進めた」と言われるのは、この順番が入れ替わったときです。
連絡は、自分の意見を入れずに、事実をそのまま渡します。相手は上司とは限りません。納期が変われば、取引先にも、社内で手配をする人にも関わります。
営業の場面で見る3つの例
次の3つは、説明用の例です。会社名・人名・日付は、実在のものではありません。
報告の例:商談のあと。上司から同行なしで任された商談が終わったら、結果を伝えます。
「A社の商談の報告です。見積を◯月◯日までに出すことになりました。先方が気にされていたのは納期です。次回は、佐藤様の上司の方も同席されます。」
上司は、仕事を任せた後、どうなったかを知りません。報告がないと、次の指示を出せず、ほかの人への割り振りも決められません。商談のメモの直し方は商談メモ添削、一日のまとめは営業日報テンプレートが使えます。
連絡の例:納期の変更。仕入れ先から「入荷が遅れる」と知らされたら、関係する人に知らせます。
「A社向けの商品の件で、ご連絡です。入荷が、◯月◯日から◯月◯日に変わりました。仕入れ先から、今日の午前に電話で聞きました。」
連絡が抜けると、古い予定のまま動く人が出ます。取引先へ伝える前に、上司へ報告し、誰から・どう伝えるかを決めます。お客様に関わる変更は、連絡であり、同時に上司への報告でもあります。
相談の例:値引きを頼まれた。自分で決めてよいと言われていないことは、返事をする前に相談します。
「A社の見積の件で、ご相談です。佐藤様から、もう少し下げられないかと言われました。返事は◯月◯日までにほしいとのことです。私は、値引きの代わりに納品の回数を増やす案を出したいと考えています。値引きに応じてよいか、決めていただけますか。」
その場で「できます」と答えると、後で「やはりできません」と言い直すことになりがちです。相手には「確認して、◯日までにお返事します」と伝えて持ち帰ります。自分で決めてよい範囲を先輩と確かめる方法は、新人営業の最初の30日にまとめています。
伝える順番:結論→事実→自分の考え→お願い
報告・連絡・相談のどれでも、伝える順番は同じ型が使えます。次の4つです。
- 結論。最初の一言で、どれに当たるかと用件を言います。「A社の件で、ご相談です」。相手は、聞くだけでよいのか、決めなければいけないのかが分かり、聞く準備ができます。
- 事実。見たこと、聞いたこと、日付、数量を言います。相手の言葉は、言い換えずにそのまま伝えます。
- 自分の考え。事実と分けて言います。推測なら、「推測ですが」と前に付けます。
- お願い。相手にしてほしいことと、期限を言います。「◯日までに、方針を決めていただけますか」。連絡だけなら、「ご連絡のみです」と言えば、相手は返事が要らないと分かります。
話した順に伝えると、結論が最後になります。聞く人は、何のための話かが分からないまま、長い経緯を聞くことになります。先に結論を言えば、相手は事実を聞きながら判断を始められます。
事実と考えを分けるのには、理由があります。「先方は前向きです」は、自分の受け止めです。事実は、「見積を◯月◯日までにほしい、と言われた」です。混ざったまま伝えると、上司は、あなたの受け止めを事実として次の判断をしてしまいます。
ウッシは、初めて受けたメーカーの研修の報告会で、「毎日がんばりました」ということしか言えませんでした。何も数字で示せなかったと気づき、営業はデータ・数字・情報だと学んだといいます。この話は、「頑張りました」しか報告できなかった研修にまとめています。
「がんばりました」は気持ちで、聞いた人が次を決める材料になりません。報告には、数えられるものを一つ入れます。訪問した件数、相手が言った日付、頼まれた数量などです。
声をかける前に、4つを紙に一行ずつ書きます。慣れないうちは、メモを見ながら話して構いません。下の実践シートは、この4行と同じ並びです。
場面で変わるところと、言い方の例
順番の型は同じです。相手の状況と、伝える中身で、方法が変わります。次の表は一例です。
| 場面 | 力を入れる所 | 進め方(一例) |
|---|---|---|
| 上司が忙しそう | 用件とかかる時間を先に言う | 「A社の件で、ご相談が一つあります。5分ほど、いつがよろしいですか」と聞く。急ぎなら、「今日中に返事が要る件です」と理由を添える |
| 悪い知らせ | 早さ | 原因が分からなくても、分かった事実だけで先に伝える。最初に「良くない報告です」と言う |
| 外出中 | 急ぎかどうかを分ける | 急ぎは電話で。急がないものは、チャットやメールに結論から書き、戻ってから口頭で補う |
| チャットで伝える | 一行目で用件が分かるように | 「【相談】A社 値引きの件(◯日までに返事)」のように書く。長くなるなら、口頭で話す時間をもらう |
| 口頭で伝える | 後に文字で残す | 話した後、決まったことと期限をチャットやメールで送る |
| メールで伝える | 件名に、種類と用件を書く | 込み入った話や急ぎの話は、メールだけにせず、口頭か電話でも伝える |
| 取引先への連絡 | 社内を先に | 上司に報告し、誰から・何を・どう伝えるかを決めてから連絡する。伝えた後は、伝えたことを上司へ報告する |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
忙しそうな相手に声をかけにくいのは、どのくらい時間を取るかが、相手にも自分にも分からないからです。「5分ほど」と先に言えば、相手は「今聞く」か「後で」かを決められます(時間は説明用の例です)。
悪い知らせの第一報の型は営業で失敗したとき、会議で決まったことの残し方は議事録の書き方、担当を渡すときの書き方は引き継ぎメモにまとめています。
声のかけ方を比べる
惜しい言い方1:「課長、ちょっといいですか」
惜しい言い方2:「A社さん、たぶん大丈夫だと思います。かなり前向きでした」
良い言い方:「課長、A社の商談の報告です。3分ほどよろしいですか。見積を◯月◯日までに出すことになりました。先方からは、納期について2回質問がありました。推測ですが、価格より納期を重く見ておられるように感じました。見積の前に、納期を一緒に確認していただけますか。」
3つとも説明用の例です。惜しい言い方1は、用件も時間も分からないので、相手は手を止めてよいか決められません。2は、事実と推測が混ざっています。「大丈夫」「前向き」が、何を見てそう思ったのかが伝わりません。
良い言い方は、種類(報告)と時間を先に言い、事実(期限、質問が2回)と、推測(納期を重く見ている)を分けています。最後に、してほしいことを一つ頼んでいます。
迷いやすい判断
判断1:どこまで報告すればよい?
基準は、相手の次の動きが変わるかどうかです。次の4つは、小さく見えても伝えます。お客様との約束(日付・金額・数量)に関わること。予定と変わったこと。お金や契約に関わること。自分では決められないこと。
それ以外の細かい経過は、日報にまとめる、という分け方があります。どこまでを口頭で、どこからを日報で伝えるかは、上司によって違います。「この件は、途中でも報告したほうがよいですか。終わってからでよいですか」と、仕事を受けるときに聞いておくと、後で迷いません。
判断2:こんなことで相談してよい?
迷って手が止まっているなら、相談してよい場面です。基準は、調べたこと・自分の案・聞きたいことの3つをそろえてから聞くことです。「どうすればよいですか」だけだと、相手は一から考えることになります。
聞き方の例です。「見積の有効期限の書き方で、迷っています。前回の見積書を見ましたが、今回は条件が違います。私は◯月末にしようと考えています。これでよいでしょうか」(説明用の例です)。自分の案があれば、相手は「それでよい」か「ここを直して」と答えるだけで済みます。
判断3:上司によって、言うことが違うときは?
報告の細かさや方法の好みは、人によって違います。基準は、その仕事を頼んだ人のやり方に合わせることです。課長から頼まれた仕事は、課長の求める形で報告します。
二人の指示が食い違って、どちらにも合わせられないときは、自分で片方を選びません。「課長からは毎日の報告を、先輩からは週に一度でよいと聞いています。どちらに合わせればよいですか」と、聞いた言葉のまま、直接の上司に尋ねます。
判断4:報告したら、怒られそうなときは?
怖いと感じるのは自然なことです。それでも、基準は早く伝えるほうを選ぶことです。悪い知らせは、時間がたつほど、打てる手が減ります。お客様が古い情報のまま動いてしまうこともあります。
言いにくいときは、4行を紙に書き、最初の一言だけ決めます。「良くない報告です。A社の見積で、納期を誤って書いていました」。事実から入れば、言い訳に聞こえにくくなります。直接言いにくい上司の場合は、先に文字で送り、「のちほど口頭でもご説明します」と添える方法もあります。
報告のたびに強い言葉で責められ、仕事に差し支えるほどつらい場合は、一人で抱えず、ほかの上司や、会社の相談窓口に話してください。
判断5:「報連相は時代遅れ」と聞いたときは?
そうした意見を見聞きすることがあります。ここでは、どちらが良いとは決めつけません。細かく報告を求める会社もあれば、結果だけ伝えればよいとする会社、チャットへの書き込みで済ませる会社もあります。
呼び方ややり方が変わっても、関係する人に事実を渡す、決める前に聞く、という動きそのものは、仕事を進めるのに要ります。まずは、今いる会社のやり方に合わせます。やり方を変えたいと思ったら、「この報告は、チャットに変えてもよいですか」と、具体的な案で上司に相談します。
遅れた・もれたときの立て直し方
失敗は、その場の立て直し方と、後の記録をセットで決めておきます。
失敗1:報告が遅れた
その場では:気づいた時点で、すぐ伝えます。最初に「報告が遅れました。申し訳ありません」と言い、続けて、事実と今の状況を話します。遅れた理由の説明は、聞かれてからで足ります。理由から話すと、肝心の中身が後回しになります。
後の記録:「商談が3件続き、後回しにした。次からは、商談が終わったら、車に戻る前に一行だけチャットで送る」のように、どの時点で・何をするかを書きます(説明用の例です)。「気をつける」だけでは、次に同じ場面で手が動きません。
失敗2:連絡がもれた人がいた
その場では:もれていた人に、すぐ伝えます。変更の中身に加えて、「ほかの方には◯日にお伝えしていました。ご連絡がもれており、申し訳ありません」と、もれていた事実も言います。相手が古い予定のまま何かを進めていないかを聞き、進めていたら上司に報告します。
後の記録:その種類の変更で、知らせる相手を書き出します。「納期が変わったら:上司、手配の担当、配送の担当、お客様」のような一覧です(説明用の例です)。次からは、一覧を見ながら知らせます。
失敗3:相談せずに、進めてしまった
その場では:進めた内容を、そのまま上司に報告します。「A社に、◯月◯日の納品で大丈夫ですとお答えしました。確認の前でした」(説明用の例です)。お客様への伝え直しが要るかどうかは、上司と決めます。黙っていると、相手はその返事を前提に動き続けます。
後の記録:自分で決めてよいことと、相談が要ることを、上司に聞いて書いておきます。金額、納期、数量、条件の変更などです。次に同じ場面が来たら、「確認して、◯日までにお返事します」と言って持ち帰ります。
今日やることは一つです。今日伝えることを一件決め、報告・連絡・相談のどれかを選んで、結論・事実・自分の考え・お願いの4行に書いてから、声をかけてください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
今日の予定とメモ、伝えたい一件の資料(見積書・メール・商談メモなど)、上司や先輩の予定が分かるもの。
記入例を見る(説明用)
伝える相手と、報告・連絡・相談のどれか=鈴木課長へ、相談。A社から値引きを頼まれた件/結論(最初の一言)=「A社の見積の件で、ご相談です。5分ほどお時間をいただけますか」/事実=今日の午前、A社の佐藤様から電話があった。「今の見積から、もう少し下げられないか」と言われた。ほかの会社にも見積を頼んでいるとのこと。返事は◯月◯日までにほしい、と聞いた。相手が希望する金額は聞けていない(未確認)/自分の考え=推測だが、金額より納期を気にされているように感じた。前回の商談で、納期の質問が2回あったため。値引きの代わりに、納品の回数を増やす案を出せないかと考えている/お願いしたいことと、期限=値引きに応じてよいか、応じるならどこまでかを決めていただきたい。A社への返事が◯月◯日なので、その前の日までに方針を知りたい。決まったら、私からA社へ連絡する。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
最初の一言で、報告・連絡・相談のどれなのかと用件が分かり、事実と自分の考えが分けて書いてあり、お願いしたいことに期限が付いている。
うまく進まなかったときは?
どれに当たるか分からなければ、「ご報告と、ご相談が一つずつあります」と分けて言う。結論が書けなければ、事実を3行書いてから、「それで、相手に何をしてほしいのか」を一行足す。声をかける時が分からなければ、「◯◯の件で、5分ほどお時間をいただけますか」と用件と時間を先に言う。