NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 175 · 営業の実践ノート

退職届の書き方:書く前に確かめる4つと、項目・文例・出し方

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退職届は、会社に決まった書式があればそれに合わせ、無ければ「題・本文・退職する日・書いた日・所属と氏名・あて名」の6つを一枚に書けば、形になります。先に確かめるのは、書式、あて名、出す日、そして退職願と退職届のどちらを求められているかの4つです。上司への切り出し方は別の記事にまとめ、ここでは紙に書く中身と出し方だけを扱います。

この記事は、運営者の退職や転職の体験をもとにしたものではありません。厚生労働省・ハローワークの公式ページと辞書を2026年10月4日に開いて読み、書いてあることを整理したものです。

今日できるようになること

会社に退職届の書式があるかを確かめ、あて名・退職する日・書いた日・所属と氏名を、下書きに一度書いてみる。

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こんなときに 退職を上司に伝えたあと、「書面を出して」と言われ、何をどう書けばよいか分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    書式・あて名・出す日・退職願か退職届かを、上司か人事に確かめる

  2. 2

    題・本文・退職する日・書いた日・所属と氏名・あて名を下書きする

  3. 3

    清書して、写しを取る

  4. 4

    直属の上司に手渡し、渡した日と相手を記録する

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

書く前に確かめる4つ:書式・あて名・出す日・退職願か退職届か

退職することを上司に伝え、「では、書面を出してください」と言われた。白い紙を前にして、何を、どの順番で書けばよいのかが分からない。そういうときは、書き始める前に、4つのことを確かめます。

上司への切り出し方と、申し出の期限についての厚生労働省の説明は、退職の伝え方にまとめています。この記事は、そのあとの「紙に書いて出す」所だけを扱います。この記事は、法律の助言をするものではありません。自分の場合にどうなるかは、就業規則と、会社の人事・上司に確かめてください。

先に確かめるのは、決まりが会社ごとに違うからです。厚生労働省「知って役立つ労働法」(令和8年4月更新版)は、退職の申し出について、「会社の就業規則に退職手続きが定められている場合はそれに従って退職の申し出をする必要があります。」と書いています(56ページ。2026年10月4日に確認)。自分の考えた形で書いてしまう前に、会社の決まりを見ます。

確かめることどこで・だれに確かめないと、どうなるか
会社に決まった書式があるか就業規則や、社内の書式の置き場。分からなければ、人事・総務か上司に聞く自分で作った紙を出したあとに、会社の書式で書き直すことになる
だれあてに書くか書式のあて名の欄。無ければ、人事か上司に聞くあて名が違うと、受け取った人が、書き直しを頼むことになる
いつ出すか上司と話した場で聞く。就業規則の期限も見る「退職する日」と「書いた日」の2つの日付を、取り違えやすい
退職願と退職届の、どちらを求められているか上司か人事に聞く題と、本文の結びの言葉が変わる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

4つは、一度に聞けます。「書面は、退職願と退職届のどちらを、どの書式で、どなたあてに、いつまでにお出しすればよいでしょうか」と聞き、答えをその場でメモします(説明用の例です)。

退職願と退職届:言葉の違いと、この記事の立場

辞書では、「願い」は「手続きを踏んで願い出ること。また、その文書。」(デジタル大辞泉「願い」)、「届け」は「学校・役所・会社の上役などに届け出ること。また、その書類。届け書。」(デジタル大辞泉「届(とどけ)」)と説明されています。言葉の上では、願い出る書類と、届け出る書類という違いです。

厚生労働省の資料には、両方の言葉が出てきます。厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)の退職の条文の例には、「退職を願い出て会社が承認したとき」という場合と、「退職願」を出した場合が並んでいます(70ページ)。「知って役立つ労働法」には「退職届を提出するなど」とあります。ただ、今回開いたこの2つの資料には、二つの書類の扱いの違いを定めた文は、ありませんでした。この記事でも、扱いの違いについての言い切りはしません。どちらを出すかは、会社の指示に合わせます。以下では、題を「退職届」とした形で説明し、「退職願」のときに変わる所を添えます。

退職届に書く6つの項目

会社の書式があれば、その欄を埋めます。書式が無いときは、次の6つを一枚に書きます。下の実践シートは、この6つを書く前の整理に使います。

  1. 題。紙のはじめに「退職届」と書きます。「退職願」を求められたときは、「退職願」と書きます。題があると、受け取った人は、何の書類かを開いてすぐに分かります。
  2. 書き出し。本文の前に「私儀」または「私事」と書く形が、広く使われています。辞書では「私儀」は「自称。私個人に関しての意で、多く候文(そうろうぶん)、届け書などで自分の事を言い出すときに用いる。わたくしこと。」(精選版 日本国語大辞典「私儀」)と説明されています。会社の書式に無ければ、書式のとおりにします。
  3. 本文。理由、退職する日、退職するということの3つを、一文で書きます。「このたび、一身上の都合により、◯年◯月◯日をもって退職いたします。」という形です(説明用の例です)。
  4. 書いた日。書面を出す日を書きます。退職する日とは別の日付です。下書きの段階では空けておき、渡す日が決まってから書くと、書き直しが減ります。
  5. 所属と氏名。部署名を、略さずに正式な名前で書き、氏名を書きます。印を押すかどうかは、書式に印の欄があるか、人事に聞いて決めます。
  6. あて名。会社名と、あて先の人の役職・氏名を書きます。社長など会社の代表者あてにする書式がよく見られますが、会社によって違います。だれあてにするかは、1つめの表のとおり、先に確かめます。

取り違えやすいのは、日付です。本文の中の日付は「退職する日」、本文の外の日付は「書いた日(出す日)」です。退職する日は、上司と話して決まった日を書きます。まだ決まっていないなら、書く前に、日付を決める話をします。日付が決まっていない書面は、受け取った側が手続きを進められません。

文例と、「一身上の都合により」という言い方

次は、書式が無い会社で書くときの、説明用の文例です。◯や[ ]の所は、自分の場合に置きかえます。

退職届

私儀

このたび、一身上の都合により、◯年◯月◯日をもって退職いたします。

◯年◯月◯日

[部署名] [氏名]

[会社名]

[役職] [あて先の氏名] 殿

これは、縦書きでよく見られる並びを、上から順に書いたものです。横書きの書式では、書いた日とあて名が先に来る形もあります。並びは、会社の書式や、社内のほかの届け出の書類に合わせます。敬称は「殿」と「様」のどちらも見られます。これも、会社の書類に合わせます。

「退職願」を求められたときは、題を「退職願」にし、本文の結びを変えます。「このたび、一身上の都合により、◯年◯月◯日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」という形です(説明用の例です)。

「一身上の都合により」の意味

辞書では、「一身上」は「その人自身の身の上や境遇などに関すること。個人的な問題や事情。」と説明され、用例に「一身上の都合」が挙げられています(デジタル大辞泉「一身上」)。「一身上の都合により」は、「個人的な事情で」という意味です。

退職届の理由をこう書く、と定めた公的な決まりは、今回開いた厚生労働省の資料には見当たりませんでした。広く使われている言い方として、紹介しています。会社の書式に、理由を書く欄や、選ぶ欄があるときは、書式に合わせます。

理由をくわしく書くかどうかを、説明用の例で比べます。

惜しい例:「上司の指導の進め方に納得できず、また残業も多いため、来月いっぱいくらいで退職させていただきたく存じます。」

良い例:「このたび、一身上の都合により、◯年◯月◯日をもって退職いたします。」

惜しい例は、2つの点で困ります。1つは、人への不満が書類に残ることです。退職届は、人事など手続きをする人も読みます。その人たちが知りたいのは、いつ退職するのかです。もう1つは、「来月いっぱいくらい」と、日付が決まっていないことです。良い例は、理由を一言にとどめ、日付を一つに決めています。理由を伝えたいときは、上司と話す場で、短く伝えます。

会社の都合で辞めるとき:「一身上の都合」と書く前に確かめる

自分から辞めるのではなく、会社から退職を勧められた、という場合があります。厚生労働省「知って役立つ労働法」は、こう説明しています(60ページ)。

退職勧奨とは、会社が労働者に対し「やめてほしい」「やめてくれないか」などと言って、退職を勧めることをいいます。

同じページには、「なお、退職勧奨に応じて退職した場合には、自己都合による退職とはなりません。」とあります。また、雇用保険の基本手当の説明の所には、「退職の際に、本当は会社都合の解雇や退職勧奨に応じた退職なのに、自己都合退職などとしてしまうと、基本手当受給の際に不利になってしまいますので、会社から離職票を受け取ったら、離職理由欄をしっかり確認し、理由が違っていた場合には、その旨申立てましょう」と書かれています(58ページ)。

こういう場合に、退職届へ理由をどう書くかを定めた文は、今回開いた資料には見当たりませんでした。そのため、ここでは書き方を示しません。「一身上の都合により」と書いてしまう前に、人事に「書面には、退職の理由をどう書けばよいでしょうか」と聞きます(説明用の例です)。納得できないときは、書かずに持ち帰り、ハローワークか、あとで挙げる相談先に確かめます。同じ資料は、「退職勧奨に応じるかは労働者の自由であり、その場ですぐ答える必要もありません」と書いています。

手書きかパソコンか・縦書きか横書きか・用紙と封筒

手書きかパソコンか、縦書きか横書きか、といった形について定めた公的な決まりは、今回開いた厚生労働省の資料には見当たりませんでした。基準は、会社の指定があれば、それに合わせることです。指定が無いときの形は、次の表に一例を並べました。

決めること会社の指定があるとき指定が無いとき(一例)
手書きか、パソコンか書式が紙なら手書き、ファイルや社内のシステムなら、そのとおりにするどちらでもよいかを、上司か人事に聞く。聞けないときは、黒のペンで手書きにする形がよく見られる
縦書きか、横書きか書式の向きのとおり社内のほかの届け出の書類と、同じ向きにそろえる
用紙書式を印刷して使う白の無地か、罫線だけの便箋や用紙。メモ用紙や、柄のある紙は使わない
筆記具指定のとおり黒のペン。鉛筆や、こすると消えるペンは、あとで文字が消えるおそれがあるので使わない
印書式に印の欄があれば押す要るかどうかを、人事に聞く
封筒指定のとおり白の無地の封筒に入れ、表に「退職届」、裏に所属と氏名を書く形がよく見られる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

封筒に入れるのは、ほかの人の目に触れないようにするためです。上司の机に、中身の見える紙のまま置かれると、通りがかった人に内容が伝わります。

手渡すときは、あて先の住所や切手は要りません。郵送するときは、要ります。あて名の位置、裏の書き方、紙の折り方は、封筒の宛名の書き方にまとめています。

出し方と、場面で変わるところ

厚生労働省「知って役立つ労働法」は、退職のときの進め方として、「退職の意思を上司に伝え、書面で届け出る、仕事の引き継ぎをするなど社会的ルールを守ってやめること」を挙げています(56ページ)。口頭で伝えるのが先で、書面はそのあとです。出すときは、次の順に進めます。

  1. 上司に口頭で伝え、退職する日を決める。書面を先に出すと、上司は、紙で初めて知ることになります。伝え方は、退職の伝え方を見てください。
  2. 清書して、写しを取る。出したあとは、手元に残りません。写しがあると、日付の話が食い違ったときに、確かめる材料になります。
  3. 直属の上司に、時間をもらって手渡す。ほかの人に聞こえない所で渡します。「先日お話しした件の書面を、お持ちしました。ご確認をお願いいたします」と一言添えます(説明用の例です)。就業規則に、人事へ出すなど別の決まりがあれば、それに従います。
  4. 渡した日と相手を、記録する。いつ、だれに渡し、何と言われたかを、その日のうちに書きます。
場面出し方(一例)気をつけること
上司が同じ職場にいる時間をもらい、会議室などで手渡す机の上に置いて帰らない。受け取ったことが、互いに分かる形にする
上司が別の拠点にいる・在宅勤務が中心電話かオンライン会議で伝えたあと、出し方を聞く郵送か、次に会う日に手渡すかを、自分で決めずに聞く
会社の手続きが、社内のシステムへの入力になっているシステムに入力する。紙も要るかを聞く入力した内容の画面を、控えとして残してよいかを確かめる
会社から「郵送で」と指示された指示されたあて先と送り方で送るいつ出したかが分かるように、出した日と送り方を記録する

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

郵送は、会社の指示があるときに使います。指示が無いのに郵送だけで済ませると、上司は、封筒を開けて初めて知ることになり、引き継ぎの相談がしにくくなります。

迷いやすい判断と、書き間違えたとき・受け取ってもらえないとき

判断1:退職願と退職届のどちらか、指示がない

基準は、自分で決めずに聞くことです。就業規則の退職の所に、書類の名前が書いてあれば、その名前にします。書いていなければ、上司か人事に聞きます。

判断2:退職する日が、まだ決まっていない

基準は、日付が決まってから書くことです。日付を空けたまま出したり、「◯月ごろ」と書いたりすると、あとで書き直すことになります。先に、就業規則の期限と、引き継ぎにかかる期間を見て、希望の日を上司に伝えます。

判断3:一度出したあとで、取り消したくなったら

出した書面を取り消せるかどうかは、場合によって扱いが分かれ、この記事では言い切れません。基準は、出す前に決め切ることです。迷いが残っているなら、退職届を書く前に、「続けるかどうかで迷っています」と上司に相談します。迷いの整理は、営業を続けるか迷ったらにまとめています。出したあとで気持ちが変わったときは、その日のうちに上司へ伝え、あとで挙げる相談先にも聞きます。

書き間違えたとき

出す前に気づいた:新しい紙に、はじめから書き直します。修正液や二重線で直してよいかを定めた公的な決まりは見当たりませんが、日付や名前を直した跡があると、だれが、いつ直したのかが分からなくなります。書き直すほうが、あとの説明が要りません。

出したあとで気づいた:気づいたその日に、渡した相手へ伝えます。「先日お出しした退職届の、退職する日の日付に誤りがありました。正しくは◯月◯日です。書き直したものを、お持ちしてよろしいでしょうか」と、どこが、どう違うかを言います(説明用の例です)。差し替えるかどうかは、会社の指示に従います。

あとの記録:写しに、誤りに気づいた日、伝えた相手、差し替えた日を書き足します。

受け取ってもらえないとき

上司が受け取らない、話が進まない、というときは、まず、社内の人事の担当に相談します。引き止められたときの答え方は、退職の伝え方にまとめています。

社内で話が進まないときは、公的な窓口があります。厚生労働省「知って役立つ労働法」には、「退職について、わからないことがありましたら、労働基準監督署や総合労働相談コーナーまでご相談ください。」と書かれています(56ページ)。厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」には、「専門の相談員が面談もしくは電話で対応致します。」「予約不要、ご利用は無料です。」とあります(2026年10月4日に確認)。相談するときは、退職届の写しと、いつ・だれに渡そうとして、何と言われたかの記録を、手元に置きます。

今日やることは一つです。会社に退職届の書式があるかを確かめ、あて名と、2つの日付を、下書きに書いてみてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
就業規則(退職の決まりの所)。会社の書式(あれば)。上司と話して決まった退職する日のメモ。白の便箋か用紙、黒のペン、封筒。

記入例を見る(説明用)

会社の書式の有無と、だれに聞いたか=書式は無い、と人事の担当に聞いた。用紙と向きの指定も無いとのこと/題(退職願か退職届か)と、あて名=題は「退職届」。あて名は[会社名][役職][あて先の氏名]殿、と人事に確かめた/退職する日と、書面を出す日=退職する日は、上司と話して決めた◯年◯月◯日。書面は、◯月◯日に上司へ手渡す。書いた日の欄には、手渡す日を書く/本文の下書き=「このたび、一身上の都合により、◯年◯月◯日をもって退職いたします。」/渡す相手・渡し方と、写しを取ったか=直属の上司に、時間をもらって手渡す。清書したあとに写しを1枚取った。渡した日と相手は、渡した日に書き足す。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

書式・あて名・出す日・退職願か退職届かの4つに、だれに確かめたかが書いてあり、本文の下書きに、退職する日と書いた日の2つの日付が入っている。

うまく進まなかったときは?

書式があるか分からなければ、人事か上司に「書面は、どの書式でお出しすればよいですか」と聞く。退職する日が決まっていなければ、書く前に上司と日付を決める。理由の書き方で迷うなら、会社の都合で辞めるのかどうかを先に分け、当てはまるなら人事かハローワークに確かめる。

NEXT NOTE

次に読むなら

退職を上司に伝える封筒の書き方を確かめる退職の挨拶メールを準備する