NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 68 · 営業の実践ノート

電話対応の基本:受けるときの言葉遣いと、取り次ぎ・伝言メモの手順

広告:この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由の購入により、当サイトに報酬が支払われる場合があります。

電話対応の基本は、名乗る・相手と用件を確かめる・取り次ぐか伝言を受ける・復唱する・メモを渡す、の流れを、会社の決まった言い方で進めることです。うまく話すことより、相手の名前・用件・折り返しの要否を、聞き間違えずに担当者へ渡すことが役目です。この記事では、受ける流れ、言葉遣いの例、伝言メモの項目を順に説明します。

今日できるようになること

会社の名乗り方と保留のしかたを確かめ、伝言メモの項目を書いた紙を、電話のそばに置く。

シートへ進む ↓
この記事の目次 読みたいところへ ↓

こんなときに 会社にかかってきた電話を取ることになり、何と言えばよいか不安なとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    会社の名乗り方と、保留・転送の操作を確かめる

  2. 2

    出たら名乗り、相手の名前と用件を聞いて復唱する

  3. 3

    取り次ぐか、伝言を受けるかを決めて相手に伝える

  4. 4

    切った後すぐ、メモを担当者に渡す

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

電話対応とは:会社の代表として受け、担当者へ渡す仕事

電話対応とは、会社にかかってきた電話を受けて、用件を聞き、担当者へ取り次いだり、伝言を預かったりすることです。この記事は、受ける側の動きを扱います。こちらからかける電話は営業電話のかけ方、訪問の約束をお願いする電話は営業のアポ取りにまとめています。

初めて電話を取るときは、次のような場面で手が止まりがちです。相手の会社名が早口で聞き取れない。担当者がいないとき、何と言えばよいか分からない。保留のボタンがどれか分からない。切った後で、相手の名前を書いていなかったと気づく。

電話では、相手にこちらの顔が見えません。相手にとっては、電話に出た人が、その会社そのものです。

ただし、受ける人の役目は、すべての質問に答えることではありません。誰から・誰あてに・何の用件で・折り返しが要るかを聞き間違えずに、担当者へ渡すことです。分からないことは、「確認いたします」と言って保留にし、先輩に聞いて構いません。

電話の出方や言い方は、会社ごとに決まりがあります。名乗り方、何回鳴るまでに出るか、取り次ぎの方法などです。この記事の言い方は例として見て、会社の言い方があれば、そちらに合わせてください。

電話を受ける流れ:出てから、メモを渡すまで

受ける電話は、次の8つの順で進みます。

  1. 出る。メモとペンを手に取ってから、受話器を上げます。話し始めてからメモを探すと、最初の名乗りを聞き逃します。
  2. 名乗る。会社名を言います。部署名や自分の名前まで言うかは、会社の決まりに合わせます。
  3. 相手を確かめる。相手が名乗ったら、「A社の佐藤様でいらっしゃいますね」とくり返します。名乗らないときは、「恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と聞きます。
  4. 用件を聞く。誰あての電話か、何の件かを聞きます。担当者に取り次ぐだけなら、用件を細かく聞かなくてよい場合もあります。
  5. 取り次ぐか、伝言を受ける。担当者がいれば保留にして取り次ぎます。いなければ、不在を伝え、折り返すか、伝言を預かるかを相手に聞きます。
  6. 復唱する。名前、電話番号、日時、数量は、声に出してくり返します。最後に、「私、田中が承りました」と自分の名前を言います。
  7. 切る。「失礼いたします」と言い、相手が切るのを待ってから静かに切る、という会社が多くあります。
  8. メモを渡す。切ったら、ほかの仕事より先にメモを仕上げ、担当者に渡します。

3で名前をくり返すのは、聞き間違いをその場で直せるからです。切った後では、確かめる方法がありません。

6で自分の名前を言うのは、相手が後で「誰に伝えたか」を言えるようにするためです。相手は、伝言が届いたかどうかを自分では確かめられません。受けた人の名前が分かれば、安心して待てます。

保留にする前には、「少々お待ちください」と声をかけます。何も言わずに保留にすると、相手は切れたのかどうかが分かりません。保留が長くなりそうなら、いったん電話に戻ります。「お待たせしております。確認に時間がかかりますので、こちらから折り返してもよろしいでしょうか」と聞きます(説明用の例です)。

言葉遣いの例と、伝言メモの項目

次の表は、場面ごとによく使われる言い方の例です。言い方は会社や地域、相手との関係で幅があり、これが唯一の言い方というわけではありません。会社の言い方があれば、そちらを使います。

場面言い方の例(説明用)ひとこと
出るとき「お電話ありがとうございます。[自社名]でございます」「はい、[自社名]です」と言う会社もある
相手が名乗ったとき「A社の佐藤様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております」名前をくり返して確かめる
名前を聞くとき「恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」「どちら様ですか」より、やわらかく聞こえることが多い
取り次ぐとき「鈴木でございますね。少々お待ちください」社外の人に対しては、自分の会社の人を「鈴木」と呼ぶ会社が多い
不在を伝えるとき「あいにく鈴木は席を外しております。戻りましたら、こちらからお電話いたしましょうか」どこまで伝えるかは、会社の決まりに合わせる
聞き取れないとき「恐れ入ります。お電話が少し遠いようです。もう一度お願いできますでしょうか」相手の話し方のせいにしない言い方
伝言を受けたとき「くり返します。〜ですね。私、田中が承りました」番号・日時・数量は声に出す
切るとき「お電話ありがとうございました。失礼いたします」相手が切ってから切る会社が多い

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

社内の人の呼び方は、迷いやすい所です。社外の人と話すときは、自分の会社の人に「さん」や役職を付けずに呼ぶ、という会社が多くあります。先輩が電話でどう呼んでいるかを聞いて、合わせます。

言葉遣いは、すらすら言えなくても、伝わります。言い間違えたら、「失礼いたしました」と言って、言い直せば足ります。それより、名前や番号を間違えずに聞き取るほうが、相手にとっては大事です。

伝言メモに書く項目

伝言メモには、次の項目を書きます。担当者が、メモだけを見て次の動きを決められるようにするためです。

項目書くこと記入例(説明用)
誰あてか担当者の名前鈴木課長へ
受けた日時日付と時刻◯月◯日 10時ごろ
誰から会社名、部署、名前A社 総務 佐藤様
用件相手の言葉のまま、短く見積書の納期について、確認したいことがある
どうしてほしいか折り返す/また相手からかける/伝言のみ折り返しをご希望
連絡先と、都合のよい時間電話番号、何時まで[電話番号] 今日は◯時まで在席
受けた人自分の名前田中

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

「どうしてほしいか」は、抜けやすい項目です。これがないと、担当者は、かけ直すべきか、待てばよいのかが分かりません。相手が言わなかったら、「戻りましたら、こちらからお電話いたしましょうか」と、こちらから聞きます。

用件は、自分の言葉に直さずに書きます。「怒っていた」「急ぎのようだった」は、自分の受け止めです。書くなら、「『今日中に』と2回おっしゃった」のように、聞いた言葉を書きます。事実と受け止めの分け方は、報連相とはにまとめています。

メモは、机に置くだけで終わらせません。担当者が戻ったら、「A社の佐藤様からお電話がありました。メモを置いています」と声をかけます。チャットで知らせる決まりの会社なら、同じ内容を書き込みます。

お客様の名前や電話番号を書いたメモは、机に出したままにしない、用が済んだら会社の決まりどおりに処分する、などの扱いを確かめておきます。

場面で変わるところ

流れは同じです。担当者の状況と、電話の中身で、言うことが変わります。次の表は一例です。

場面伝えること進め方(一例)
担当者が席にいない席を外していること「あいにく席を外しております」と伝え、折り返すか、伝言を預かるかを聞く
会議中・来客中今は出られないことと、終わる見込み「ただいま会議中です。◯時ごろ終わる予定です」。急ぎと言われたら、メモを入れてよいか、先輩に聞く
外出中戻る予定の時刻「外出しております。◯時ごろ戻る予定です」。行き先は、会社の決まりがなければ言わない
休み休みであることと、出社する日「本日は休みをいただいております。◯日に出社いたします」。急ぎなら、代わりに聞ける人がいるかを社内で確かめる
相手の名前が聞き取れないもう一度お願いする聞き取れた所までをくり返し、「恐れ入ります、会社名をもう一度お願いできますでしょうか」と聞く
営業の電話が来た会社の決まりどおりに担当者に取り次ぐか、断るかは、会社の決まりに合わせる。自分で判断して切らない
苦情の電話最後まで聞く途中でさえぎらずに聞き、メモを取る。その場で約束をせず、上司に報告する
自分あての電話名乗って、メモを取る「はい、私です。お電話ありがとうございます」と答え、用件を聞きながらメモを取る

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

苦情の電話を受けたときの聞き取りと、上司へ報告する順番は、クレーム対応の基本にまとめています。

営業の電話への対応は、会社によって大きく違います。すべて断る会社、担当の部署へ回す会社、名前と用件を聞いてメモだけ残す会社があります。最初に、「営業のお電話は、どうすればよいですか」と先輩に聞いておきます。

名前が聞き取れないのは、慣れた人にもよくあることです。聞き返すのは、失礼ではありません。あいまいなまま取り次ぐと、担当者が相手の名前を呼び間違えることになります。漢字が分からないときは、「どのような字をお書きになりますか」と聞くか、メモにはカタカナで書いて「漢字は未確認」と添えます。

言い方の例:惜しい受け方と、良い受け方

担当者が外出しているときの例です。会社名・人名・時刻は、説明用の例です。

惜しい受け方:「鈴木はいま、いません。……はい、伝えておきます」

良い受け方:「あいにく鈴木は外出しております。◯時ごろ戻る予定です。戻りましたら、こちらからお電話いたしましょうか」

(相手が「では、お願いします」と答えた後)「かしこまりました。念のため、お電話番号をお願いできますでしょうか。……くり返します。[電話番号]、A社の佐藤様ですね。見積書の納期の件で、鈴木から折り返すよう申し伝えます。私、田中が承りました」

惜しい受け方は、いないことは伝わります。けれども、いつ戻るのか、折り返しがあるのかが分かりません。「伝えておきます」も、何を伝えるのかを確かめていないので、相手は伝わるかどうか不安なままです。

良い受け方は、戻る時刻を伝え、折り返すかどうかを相手に選んでもらっています。その後、番号・名前・用件をくり返し、自分の名前を言っています。相手は、電話を切った後、何を待てばよいかが分かります。

分からないことを聞かれたときの例です。

惜しい受け方:「たぶん、在庫はあると思います」

良い受け方:「確認いたします。少々お待ちいただけますか」(保留にして先輩に聞く。すぐに分からなければ)「お待たせいたしました。担当の者が確認して、◯時までにお電話いたします」

「たぶん」で答えた内容は、相手にとっては会社の返事になります。後で違っていたとき、相手はその返事をもとに動いた後かもしれません。分からないことは、分かる人につなぎます。

迷いやすい判断と、失敗のあと

判断1:何回鳴るまでに出ればよい?

回数の決まりは、会社ごとに違います。ここでは数字を決めつけません。先輩に「電話は、何回鳴るまでに出る決まりですか」と聞きます。決まりがない場合は、手が空いていれば、メモを持ってすぐ出る、を基準にします。

判断2:担当者の携帯電話の番号を、教えてよい?

自分の判断では教えません。相手が取引先で、急いでいると言われても同じです。番号を伝えてよいかどうかは、本人と会社が決めることだからです。

代わりに、こちらから動きます。「鈴木に連絡を取り、鈴木からお電話するようにいたします。お電話番号をお願いできますでしょうか」と伝え、切った後すぐ、担当者に連絡します(説明用の例です)。会社の決まりで教えてよい場合もあるので、先に確かめておきます。

判断3:不在の理由を、どこまで言う?

基準は、相手が次の動きを決めるのに要ることだけを伝えることです。相手が知りたいのは、いつなら話せるかです。「席を外しております」「外出しております」「本日は休みをいただいております」と、戻る時刻か出社する日があれば、足りることがほとんどです。

訪問先の会社名、休みの理由、体調のことなどは、言いません。行き先を伝えると、ほかの取引先の情報を知らせることになる場合があります。どこまで言うかは会社の決まりがあることが多いので、先輩に確かめ、実践シートに書いておきます。

判断4:電話が苦手なときは、どうすればよい?

苦手に感じる理由の一つは、何を言えばよいかが決まっていないことです。言うことを紙に書いて見える所に置くと、覚えていなくても話せます。手元に置く物は、次の4つです。

  • 名乗り、取り次ぎ、不在のときの言い方を書いた紙
  • 伝言メモの用紙(項目が先に書いてあるもの)とペン
  • 社内の人の名前と内線の一覧、みんなの予定が分かるもの
  • 保留と転送の操作を書いたメモ

練習は、やさしい順に進めます。

  1. 先輩が電話を受けるのを横で聞き、最初の一言と、切るときの一言を書き写す。
  2. 名乗りと、「少々お待ちください」を、声に出して言ってみる。
  3. 内線で先輩にかけてもらい、保留と転送の操作を試す。
  4. 先輩がそばにいる時間に、外からの電話を取る。困ったら保留にして聞く。

先輩には、「電話に慣れたいので、今日の午前は私が取ってもよいですか。困ったら保留にして伺います」と頼みます(説明用の例です)。

ここからは、失敗のあとの動きです。その場の立て直し方と、後の記録をセットで決めておきます。

失敗1:名前や電話番号を、聞き間違えた

その場では:メモを渡すときに、「会社名の聞き取りに自信がありません」と正直に伝えます。担当者が、心当たりから相手を見つけられることがあります。番号が違っていてかけ直せないときは、上司に報告し、相手からもう一度かかってきたら、すぐ取り次げるよう周りにも伝えます。

後の記録:「番号を復唱しなかった。次からは、数字は一つずつ声に出してくり返す」と、次の動きを書きます。

失敗2:伝言を、渡し忘れた

その場では:気づいた時点で、すぐ担当者に伝えます。「◯時ごろ、A社の佐藤様からお電話がありました。お伝えするのが遅れました。申し訳ありません」と、受けた時刻と遅れた事実を言います。相手が折り返しを待っているなら、担当者は、遅れたことをお詫びしてからかけることになります。受けた時刻が分かれば、担当者はそのお詫びができます。

後の記録:「メモを書いたが、ほかの電話に出て机に置いたままにした。次からは、切ったらすぐ担当者の机に置き、チャットでも一行送る」のように、どの時点で渡すかを決めて書きます(説明用の例です)。

失敗3:保留のまま、長く待たせた

その場では:電話に戻ったら、最初に「大変お待たせいたしました」とお詫びします。まだ答えが出ていないなら、折り返すことを申し出て、時刻を伝えます。相手がすでに切っていて、番号が分かるときは、こちらからかけ直してお詫びします。

後の記録:「担当者を探しに行き、戻るのが遅れた。次からは、すぐ見つからなければ電話に戻って、折り返しを申し出る」と書きます。

今日やることは一つです。会社の名乗り方と保留のしかたを確かめ、伝言メモの項目を書いた紙を、電話のそばに置いてください。

「伺う」「いらっしゃる」などの使い分けは、尊敬語と謙譲語の違いにまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
メモ用紙とペン、社内の座席表か内線の一覧、みんなの予定が分かるもの、電話機の保留・転送の操作メモ。

記入例を見る(説明用)

出るときの名乗り=「お電話ありがとうございます。[自社名]でございます」。先輩に聞いた会社の言い方。内線は「はい、営業の田中です」/取り次ぎと、保留の言い方・操作=「鈴木でございますね。少々お待ちください」と言って保留のボタンを押す。鈴木さんに「A社の佐藤様から、見積の件でお電話です」と伝える。転送は、保留の後に内線の番号を押す(操作は先輩に見せてもらった)/担当者が不在のときの言い方=「あいにく鈴木は外出しております。◯時ごろ戻る予定です」まで。行き先と、携帯電話の番号は伝えない。休みのときは「本日は休みをいただいております」と言う(会社の決まりを確認済み)/伝言メモに書く項目=受けた日時、相手の会社名と名前、用件、折り返しが要るか、相手の電話番号と都合のよい時間、受けた自分の名前/困ったときに代わってもらう人と、手元に置く物=隣の席の佐藤先輩。「少々お待ちください」と保留にして聞く。手元には、メモ用紙、ペン、内線の一覧、この言い方を書いた紙を置く。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

名乗り・取り次ぎ・不在のときの言い方が、会社の言い方で書いてあり、伝言メモの項目と、困ったときに聞く人が決まっている。

うまく進まなかったときは?

会社の言い方が分からなければ、先輩が電話を受けるときの最初の一言を聞いて、そのまま書き写す。保留や転送の操作が不安なら、内線で先輩にかけてもらい、一度練習する。聞き取りが不安なら、復唱の一言「くり返します」だけ先に覚える。

NEXT NOTE

次に読むなら

こちらから営業電話をかける苦情の電話を受けたとき報告・連絡・相談の伝え方