NOTE 120 · 営業の実践ノート
「早速のご対応ありがとうございます」の使い方:早速・迅速・早急の違いと、あとに続ける一文
公開:2026年10月3日
広告:この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由の購入により、当サイトに報酬が支払われる場合があります。
「早速のご対応ありがとうございます」は、頼んだことを相手がすぐにやってくれたときの、お礼の言葉です。辞書は「早速」を「すみやかなこと。すぐ行うこと。また、そのさま。」と説明しています。似た言葉の「迅速」「早急」は、語釈が少しずつ違います。この記事では、三つの言葉を辞書の語釈で比べ、お礼のあとに「確認した内容」と「次にこちらがやること」を続ける書き方を、例と一緒にまとめます。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 修正・再送・手配などを相手がすぐにやってくれて、お礼のメールや電話で何と言うか迷うとき。
- 1
相手が、何を、いつやってくれたかを確かめる
- 2
早さに合う言葉を選び、お礼の一言を書く
- 3
受け取ったもの・確かめた内容を一文で書く
- 4
次にこちらがやることと、期限を書く
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
「早速のご対応ありがとうございます」は、何へのお礼か
見積書の誤りを直してほしいと頼んだら、翌朝には直したものが届いていた。お礼を返そうとして、「早速のご対応」「迅速なご対応」「早急なご対応」のどれを書けばよいかで、手が止まる。そういうときの記事です。
先に、この言葉が何へのお礼なのかを確かめます。「ご対応」は、こちらの頼みや問い合わせに対して、相手が何かをしてくれたことを指して使われます。書類を直す、品物を手配する、原因を調べる、社内に確認する、といった動きです。
相手がメールを返してくれたこと自体へのお礼なら、「ご返信」「ご連絡」のほうが、何へのお礼かがはっきりします。その形は、「ご連絡ありがとうございます」の使い方にまとめています。この記事は、相手が手を動かしてくれた場面を扱います。
なぜ、お礼の言葉を選ぶのか。相手は、ほかの仕事の順番を入れ替えて、こちらの件を先にやってくれたのかもしれません。早くやってくれたことに気づいている、と伝えると、相手は「急いだことが伝わった」と分かります。言葉と事実が合っていないと、決まり文句を貼ったように見えます。
もう一つ、大事なことがあります。お礼だけでは、相手の仕事は終わりません。相手は、直したものが正しく届いたか、それで足りたのかを知りたいと思っています。お礼のあとに、確認した内容と、次にこちらがやることを続けます。書き方は4章で扱います。
早速・迅速・早急の違い:辞書の語釈で比べる
三つの言葉を、コトバンクに載っている辞書で引きました。「 」の中は、辞書の文をそのまま写したものです。
| 言葉 | 辞書の語釈 | 辞書の用例 | 語釈から言えること |
|---|---|---|---|
| 早速(さっそく) | 「すみやかなこと。すぐ行うこと。また、そのさま。」(デジタル大辞泉「早速」) | 「早速の御返事ありがとう」「早速だが、仕事の話にしよう」 | 間を置かずに、すぐ行うこと。お礼の用例が、辞書に載っている |
| 迅速(じんそく) | 「物事の進みぐあいや行動などが非常に速いこと。また、そのさま。」(デジタル大辞泉「迅速」) | 「迅速な報道」「迅速に処理する」 | 進み方や動きそのものが速いこと |
| 早急(さっきゅう・そうきゅう) | 「非常に急ぐこと。また、そのさま。至急。そうきゅう。」(デジタル大辞泉「早急」)/「非常に急ぐこと。きわめてさし迫っていること。急を要すること。また、そのさま。」(精選版 日本国語大辞典「早急」) | 「早急な処置が望まれる」「早急に対策を講じる」 | 急ぐこと。さし迫っている、急を要する、という意味が入っている |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
語釈を並べて言えるのは、次の範囲です。
- 早速は、「すぐ行うこと」。頼んでから、間を置かずに始めてくれた、という所を言う言葉です。
- 迅速は、「非常に速いこと」。取りかかりの早さだけでなく、進み方や動きが速い、という所を言う言葉です。
- 早急は、「非常に急ぐこと」。語釈に「さし迫っている」「急を要する」とあり、急がなければならない事情が、言葉の意味に入っています。
ここから、選び方の目安を作れます。すぐに取りかかってくれたなら「早速」。作業そのものが速く進んだなら「迅速」。急を要する件で、急いでもらったなら「早急」。
「早急なご対応、ありがとうございます」という言い方を、お礼に使ってはいけない、とは、どちらの辞書にも書かれていません。誰が使う言葉か、という決まりも、語釈にはありません。言えるのは、急ぎの事情がなかった件に「早急な」を使うと、言葉と事実が合わない、という所までです。辞書の用例は、「処置が望まれる」「対策を講じる」と、これから急いで行うことを言う文です。
迷ったら、「早速」を選びます。辞書に「早速の御返事ありがとう」という、お礼の用例が載っているからです。
形:「ご対応いただき」「ご対応くださり」
よく使われる形を並べます。言い方は、どれも説明用の例です。
| 形 | 作り | 合う場面(一例) |
|---|---|---|
| 早速のご対応、ありがとうございます | 「早速の」が「ご対応」にかかる、短い形 | やり取りが続いている相手。短いメール |
| 早速ご対応いただき、ありがとうございます | 「早速」+「ご……いただく」の形 | 取引先への、あらたまったメール |
| 迅速にご対応くださり、ありがとうございます | 「迅速に」+「ご……くださる」の形 | 作業が速く進んだことにお礼を言うとき |
| お急ぎいただき、ありがとうございます | 相手の行いそのものを書いた形 | こちらが急ぎをお願いしたとき |
| ご対応いただき、ありがとうございます | 早さの言葉を付けない形 | 早さを言うと事実に合わないとき。日数がたっているとき |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
言葉のつながり方は、辞書の用例に合わせると迷いません。「早速」は、用例に「早速の御返事」があり、副詞として「すぐさま。すぐに。ただちに。」という意味も載っています。「早速のご対応」「早速ご対応いただき」のどちらの形も作れます。「迅速」「早急」の用例は、「迅速な」「迅速に」「早急な」「早急に」の形です。
「いただき」と「くださり」は、どちらを使えばよいか。文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日・文化庁)に、「御利用いただきまして」と「御利用くださいまして」を比べた問いがあります。指針の文を、そのまま引用します。
- 「恩恵を受けるという認識を表す点も同様であるため,どちらの言い方も適切に敬語が用いられているものである。」(指針40ページ)
- 「いただく」について、「自分側の立場から相手側や第三者の行為を表現した敬語であり,敬語の慣用的な用法として特に問題があるわけではない。」(指針40ページ)
指針の説明に沿えば、「ご対応いただき」「ご対応くださり」のどちらを選んでも構いません。職場で多く使われているほうにそろえます。「ご対応していただき」のように「して」が入る形については、「ご連絡ありがとうございます」の使い方で、指針の説明と一緒に扱っています。
お礼のあとに続ける一文
お礼の一言のあとに、次の二つを続けます。
- 確認した内容を、一文で書く。届いたものを開き、どこを確かめたかを書きます。相手は、「直した所が合っていた」と分かり、その件を手から離せます。書かれていないと、相手は「届いたのか」「あれでよかったのか」が分からないままです。
- 次にこちらがやることと、期限を書く。対応してもらった後の番は、こちらにあります。「本日、社内の承認に回します。◯月◯日までにご連絡いたします」のように書きます。相手は、次の連絡をいつまで待てばよいかが分かります。
見積書の数量を直してもらった場面で、比べます(説明用の例です)。
- 惜しい例1:「早速のご対応、ありがとうございます。」
- 惜しい例2:「早急かつ迅速なご対応を賜り、誠にありがとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。」
- 良い例:「早速ご対応いただき、ありがとうございます。修正後の見積書を受け取りました。数量が150個に変わっていることを確かめました。本日、社内の承認に回し、◯月◯日(金)までに結果をご連絡いたします。」
惜しい例1は、お礼は伝わりますが、見積書を開いたのかどうかが分かりません。惜しい例2は、言葉を重ねていますが、中身と次の動きがありません。「早急」と「迅速」は意味の違う言葉なので、重ねるより、事実に合うほうを一つ選びます。良い例は、お礼、受け取ったもの、確かめた所、次の動きと期限の順です。
続ける一文は、相手がしてくれたことで変わります。次の表は一例です。
| 相手がしてくれたこと | 確認した内容(説明用の例) | 次にこちらがやること(説明用の例) |
|---|---|---|
| 書類の修正・再送 | 「修正後の見積書を受け取り、数量と合計金額を確かめました」 | 「本日、社内の承認に回します。◯日までにご連絡いたします」 |
| 納期の前倒し | 「◯月◯日の納品へ変更いただいたこと、承知いたしました」 | 「受け取りの担当に伝え、当日の受け入れ時間を、明日お知らせします」 |
| 不具合の調査 | 「ご報告の原因と、交換の手順を拝見しました」 | 「現場に手順を伝え、交換後の状況を◯日にご報告します」 |
| 社内への確認・回答 | 「◯◯の件、ご確認いただいた内容を拝見しました」 | 「この内容で提案書を直し、◯日にお送りします」 |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
確かめた結果、直っていない所や、足りない所が見つかったときも、お礼を先に書きます。そのうえで、「一点、合計金額の欄が以前のままになっているようです。ご確認いただけますでしょうか」と、どこが、どうなっているかを書きます(説明用の例です)。お礼を省いて指摘だけを書くと、相手は、急いだことが伝わっていないと受け取ります。
遅れて対応してもらったとき・急がせたとき・電話のとき
相手の対応は、いつもすぐとは限りません。場面ごとに、言い方を変えます。
| 場面 | お礼の一言(説明用の例) | そう書く理由 |
|---|---|---|
| すぐに対応してもらった | 早速ご対応いただき、ありがとうございます | 「すぐ行うこと」という語釈と、事実が合う |
| 日数がたってから対応してもらった | ご対応いただき、ありがとうございます | 「早速」を付けると、事実と合わない。早さの言葉を外す |
| こちらが催促した後に、対応してもらった | お忙しいなか、ご対応いただき、ありがとうございます | 相手の事情を気づかう言葉に替える。遅れたことには触れない |
| こちらが急ぎをお願いした | 急なお願いにもかかわらず、早速ご対応いただき、ありがとうございます | 急がせたのがこちらだと分かっている、と伝える |
| 対応してくれたのが、窓口の方とは別の方 | ご手配いただき、ありがとうございます。◯◯様にも、よろしくお伝えください | 窓口の方が社内で動いてくれたことへのお礼になる |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
遅れて対応してもらったとき
頼んでから何日もたって届いたものに「早速のご対応」と書くと、言葉と事実が合いません。皮肉のように読まれることもあります。早さの言葉を外して、「ご対応いただき、ありがとうございます」と書きます。
遅れたことを、お礼の文の中でほのめかす必要はありません。「ようやく」「やっと」のような言葉は入れません。納期に影響が出ているなら、お礼とは別の文で、「この後の予定を、◯日納品として組み直します」と、事実と次の動きを書きます(説明用の例です)。返事を待つ間の催促の書き方は、催促メールの書き方にあります。
こちらが急がせたとき
「今日中にお願いします」と頼んで、相手が間に合わせてくれた場面です。お礼の前に、急がせた事情に触れる一言を足します。「急なお願いにもかかわらず」「ご無理をお願いしたにもかかわらず」のような言葉です。相手は、無理をしたことが伝わっている、と分かります。
次の文で、急いでもらった結果、何が間に合ったのかを書きます。「おかげさまで、本日の社内会議に、修正後の資料で臨めます」のような形です(説明用の例です)。相手は、急いだことに意味があったと分かります。
電話のとき
電話では、名乗った後の最初に言います。
「お世話になっております。[自社名]の[氏名]です。先ほどは、見積書を早速直していただき、ありがとうございました。数量と金額、確かに受け取りました。本日、社内の承認に回します」
電話は文字が残らないので、何を受け取ったかを、声に出して言います。電話の受け方は、電話対応の基本にまとめています。
迷いやすい判断と、間違えたあと
判断1:「早速のご対応」と「迅速なご対応」、どちらを選ぶ?
基準は、お礼を言いたい所が、取りかかりの早さか、進み方の速さかです。頼んだ翌朝に届いた、という「すぐに」を言いたいなら「早速」。量の多い作業を短い時間で終えてくれた、調査から報告までが速かった、という「速さ」を言いたいなら「迅速」が、語釈に合います。
どちらとも言える場面では、どちらを選んでも、語釈と事実は食い違いません。一通の中で両方を重ねず、一つにします。
判断2:急がせたのがこちらのとき、「早急なご対応」と書いてよい?
辞書の語釈は「非常に急ぐこと」で、急ぎの件で動いてもらったことへのお礼に使っても、語釈とは食い違いません。誰が使う言葉か、という決まりは、辞書に見当たりません。
ただ、「早急な」の一語だけでは、急がせたのがこちらだと分かっていることまでは伝わりません。「急なお願いにもかかわらず、早速ご対応いただき」と、こちらの事情を言葉にするほうが、相手には伝わります。職場で「早急な」を避ける習慣があれば、そちらに合わせます。先輩には、「お礼のメールで、『早急なご対応』と書いても構いませんか。『早速』のほうがよいですか」と、二つを並べて聞きます。
判断3:対応がまだ途中のとき、お礼を言ってよい?
言って構いません。何に対するお礼かを、はっきり書きます。「早速、調査を始めていただき、ありがとうございます」のように、始めてくれたことへのお礼にします(説明用の例です)。「ご対応ありがとうございました」と書くと、相手は、この件は終わったと受け取られた、と読むことがあります。
途中のお礼には、「結果が分かりましたら、お知らせいただけますでしょうか」と、次に待っていることを足します。お礼を返すかどうかで迷うときの決め方は、お礼メールへの返信に、返信全体の組み立ては、ビジネスメールの返信にあります。
間違えたあと1:お礼を先に送り、後で開いたら、直っていない所があった
その場では:中身を確かめずに「早速のご対応、ありがとうございます」と送り、後で見たら金額が以前のままだった、という場合です。気づいた時点で、連絡します。「先ほどはお礼だけをお送りし、失礼いたしました。あらためて拝見したところ、合計金額の欄が以前の数字のままになっているようです。ご確認いただけますでしょうか」と、どこが、どうなっているかを書きます(説明用の例です)。
後の記録:「開く前にお礼を送った。次からは、日付・数量・金額の3つを見てから、お礼と確認した内容を一緒に送る」と書きます(説明用の例です)。
間違えたあと2:急ぎでない件に、「早急なご対応」と書いて送った
その場では:用件に関わる誤りではないので、訂正だけのメールは送らなくて足ります。次のメールから、事実に合う言葉に直します。
後の記録:前に書いたメールの文を写して使うと、こうした食い違いが起きます。「写した文は、最初の一行を読み直す。『早速』『迅速』『早急』は、事実に合うものを一つ選ぶ」と書きます(説明用の例です)。
今日やることは一つです。相手に対応してもらった件を一つ選び、お礼の一言、確認した内容の一文、次にこちらがやることと期限の一文を書いてください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
相手に頼んだ内容が分かるメール(いつ、何を頼んだか)。相手から届いたもの(修正した書類、回答、手配の連絡など)。
記入例を見る(説明用)
相手と、頼んだこと(いつ頼んだか)=A社の佐藤様。昨日の午後、見積書の数量の誤りを直してほしいとお願いした/相手がやってくれたこと(いつ届いたか)=今朝、直した見積書がメールで届いた。頼んでから一日たっていない/お礼の一言(早さに合う言葉)=「早速ご対応いただき、ありがとうございます。」すぐにやってくれたので「早速」を使う。急ぎの事情はこちらから伝えていないので、「早急な」は使わない/確認した内容の一文=「修正後の見積書を受け取りました。数量が150個、合計金額が変わっていることを確かめました。」/次にこちらがやることと、期限=「本日、社内の承認に回します。結果は、◯月◯日(金)までにご連絡いたします。」承認にかかる日数は未確認。送る前に上司に聞く。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
お礼の一言が、相手の対応の早さと合っていて、確認した内容と、次にこちらがやること・期限が一文ずつ書いてある。
うまく進まなかったときは?
言葉が選べなければ、「ご対応いただき、ありがとうございます」と、早さの言葉を付けずに書く。確認した内容が書けなければ、届いたものを開いて、日付・数量・金額の3つを見る。次にやることが決まらなければ、上司に「この後、私は何をすればよいですか」と聞き、相手には「◯日までに、あらためてご連絡します」と連絡の日だけ伝える。