NOTE 101 · 営業の実践ノート
「ご連絡ありがとうございます」の使い方:返信の最初の一言と、あとに続ける一文
公開:2026年10月3日
広告:この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由の購入により、当サイトに報酬が支払われる場合があります。
「ご連絡ありがとうございます」は、相手から届いた連絡に返すとき、最初に置くお礼の言葉です。「ご連絡いただき」と「ご連絡くださり」は、敬語の指針の説明に当てはめると、どちらも使える形です。言葉の形より大事なのは、お礼のあとに続ける一文です。何を受け取ったかと、次に自分が何をするかを書くと、相手は返信を読んで次に動けます。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 取引先からのメールや電話に返すとき、最初の一言と、その次の文で迷うとき。
- 1
届いた連絡を読み、相手が何を知らせてくれたのかを一行で書く
- 2
最初の一言を選ぶ(連絡・返信・電話・知らせの中身で変える)
- 3
お礼のあとに、受け取った内容を一文で書く
- 4
次に自分がすることと、期限を一文で足す
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
返信の最初に置くお礼:何に対してのお礼か
取引先からメールが届いた。返信を書こうとして、最初の一行で手が止まる。「ご連絡ありがとうございます」でよいのか、「ご連絡いただき」と書くべきか。相手の知らせが良くない内容だったら、「ありがとうございます」は合わないのではないか。よくある迷いです。
「ご連絡ありがとうございます」は、相手が知らせてくれたことへのお礼です。知らせの中身への感想ではありません。相手は、時間を使って文を書き、こちらに知らせてくれました。その行いに対して、最初に一言お礼を言います。
この一言を置く理由は、二つあります。一つは、相手に「届いて、読んだ」と伝わること。もう一つは、すぐ用件に入る前の、短いあいさつになることです。返信の書き出しでは、「いつもお世話になっております」の代わりに、このお礼から始める形がよく使われます。宛名や名乗りの並べ方は、ビジネスメールの書き出しにまとめています。
ただし、この一言だけでは、返信の役目は果たせません。相手が知りたいのは、「何が伝わったのか」と「次に何が起きるのか」です。この記事は、最初の一言の選び方と、そのあとに続ける一文を扱います。引用の残し方、件名、複数の質問に返す順番は、ビジネスメールの返信にあります。
形の違い:「いただき」「くださり」「早速のご返信」
よく使われる形を並べます。言い方は、どれも説明用の例です。
| 形 | 作り | 合う場面 |
|---|---|---|
| ご連絡ありがとうございます | 「ご連絡」にお礼の言葉を続けた、短い形 | やり取りが続いている相手への返信。チャットや短いメール |
| ご連絡いただき、ありがとうございます | 「ご……いただく」の形(謙譲語Ⅰ) | 取引先への返信。あらたまったメール |
| ご連絡くださり、ありがとうございます | 「ご……くださる」の形(尊敬語) | 取引先への返信。あらたまったメール |
| 早速のご返信、ありがとうございます | 「早速の」で、早く返してくれたことを言う | こちらが送ったメールに、相手がすぐ返してくれたとき |
| お電話ありがとうございます | 「ご連絡」を、手段の言葉に替えた形 | 電話を受けたとき。折り返しをもらったとき |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
「いただき」と「くださり」は、どちらが正しい?
文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日・文化庁)に、この二つを比べた項目があります。「御利用いただきましてありがとうございます」と「御利用くださいまして」のどちらが適切か、という問いに対する解説です。「 」の中は、指針の文をそのまま写したものです。
- 「「御利用いただく」は謙譲語Ⅰ,「御利用くださる」は尊敬語である。」(指針40ページ)
- 「基本的には,どちらもほぼ同じように使える敬語だと言ってよい。」(指針40ページ)
- 「いただく」の用法について、「その受け止め方に個人差があり,不適切な用法だと感じている人たちもいる。」(指針40ページ)
形の作り方も、指針に載っています。尊敬語の形として「お(ご)……くださる(例:読む→お読みくださる,指導する→御指導くださる)」(指針24ページ)、謙譲語Ⅰの形として「お(ご)……いただく(例:読む→お読みいただく,指導する→御指導いただく)」(指針27ページ)が挙げられています。「ご連絡くださる」「ご連絡いただく」は、この形に当てはまります。
二つの違いは、誰の側から述べるかです。指針は、「くださる」について「「くださる」の場合は,行為者を立てるという一般の尊敬語の働きに加えて,「その行為者から恩恵が与えられる」という意味も併せて表す。」(指針15ページ)と説明しています。「いただく」については、「謙譲語Ⅰの基本的な働きに加えて,恩恵を受けるという意味も併せて表す。」(指針17ページ)です。
まとめると、「ご連絡くださり」は、相手が連絡してくれた、と相手の側から述べる形。「ご連絡いただき」は、自分が連絡をもらった、と自分の側から述べる形です。どちらも、ありがたいことだという気持ちが入ります。指針の説明に沿えば、どちらを選んでも構いません。職場で多く使われているほうにそろえると、迷いが減ります。
「ご連絡していただき」は?
「して」が入った形は、避けたほうが安心です。指針は、「御案内」を例にして、「結果として「御案内してくださる」あるいは「御案内していただく」全体も不適切である。」(指針31ページ)と説明しています。「して」を取って「御案内くださる」「御案内いただく」にすれば、適切な形になる、とも書かれています。
指針が例にしているのは「御案内」です。「ご連絡していただき」も、同じ「ご……していただく」の形です。「ご連絡いただき」と書けば、指針に載っている「お(ご)……いただく」の形に合います。
「早速のご返信」の「早速」
「早速」は、辞書に「すみやかなこと。すぐ行うこと。また、そのさま。」(デジタル大辞泉「早速」)とあり、例として「早速の御返事ありがとう」が載っています。すぐに返してくれたときに合う言葉です。
何日かたってから届いた返信に「早速の」と書くと、言葉と事実が合いません。そのときは、「ご返信いただき、ありがとうございます」にします。
お礼のあとに続ける一文
最初の一言のあとに、次の二つを続けます。
- 受け取った内容を、一文で書く。相手の文から、日付・数量・場所・質問を写します。相手は、どの件がどう伝わったかを確かめられます。写し間違いがあれば、相手がその場で直せます。
- 次に自分がすることと、期限を書く。「明日の午前中にお返事します」のように書きます。相手は、次の連絡をいつまで待てばよいかが分かります。期限が無いと、相手は催促してよいのかどうかで迷います。
取引先から「数量を増やしたい」という連絡が来た場面で、比べます(説明用の例です)。
- 惜しい例1:「ご連絡ありがとうございます。承知いたしました。」
- 惜しい例2:「ご連絡いただきまして、誠にありがとうございます。ご連絡いただいた件、確認のうえ、あらためてご連絡いたします。」
- 良い例:「ご連絡いただき、ありがとうございます。数量を150個へ変更し、納期は◯月◯日のまま、とのご希望を承りました。納期に間に合うかを確かめ、明日の午前中に、あらためてお返事いたします。」
惜しい例1は、何を承知したのかが書かれていません。納期を変えないことまで承知したのかどうか、相手には分かりません。惜しい例2は、言葉はあらたまっていますが、「ご連絡」が三回出てきて、中身と期限がありません。良い例は、受け取った内容と、次の連絡の時期が入っています。
続ける一文は、相手の連絡の種類で変わります。次の表は一例です。
| 届いた連絡 | お礼のあとに続ける一文(説明用の例) |
|---|---|
| 質問 | 「お問い合わせの納期について、お答えいたします。」と書き、すぐ答えに入る |
| 依頼 | 「◯月◯日までに見積書をお送りする件、承知いたしました。」 |
| 日程の候補 | 「いただいた候補のうち、◯月◯日(◯)14時でお願いできますでしょうか。」 |
| 資料や書類 | 「注文書を受け取りました。内容を確かめ、◯月◯日に納期をご連絡いたします。」 |
| 結果の知らせ(採用・不採用) | 「ご検討の結果をお知らせいただき、ありがとうございます。」と受け、次の手続きか、お礼を続ける |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
受けた言葉として「承知いたしました」「承りました」のどれを選ぶかは、了解しました・承知しましたの使い分けにまとめています。
悪い知らせ・クレーム・電話のとき
断りや、良くない知らせへの返信
見積もりを断られた、採用が見送られた、という連絡にも、「ご連絡ありがとうございます」は使えます。お礼の対象は、知らせてくれたことだからです。断りの連絡は、相手にとっても書きにくいものです。知らせてくれたこと、検討してくれたことに、お礼を言います。
ご連絡いただき、ありがとうございます。今回は見送りとのこと、承知いたしました。お忙しい中、ご検討くださり、ありがとうございました。
差し支えなければ、今後の参考に、決め手になった点を一つお聞かせいただけますでしょうか。
文例は説明用の例です。理由を聞く一文は、相手に答える義務が無いお願いです。「差し支えなければ」を付け、一つにしぼります。
クレームや、こちらの誤りを知らせる連絡への返信
相手が怒っている、困っている、という連絡では、お礼より先に、おわびを置く形を基本にします。相手は、迷惑を受けたことを伝えています。最初の一行が「ありがとうございます」だと、困っていることが伝わっていないように読めることがあります。
- 惜しい例:「ご連絡ありがとうございます。納品が遅れている件、確認いたします。」
- 良い例:「納品が遅れ、ご迷惑をおかけしております。申し訳ございません。状況をお知らせいただき、ありがとうございます。配送の状況を確かめ、本日15時までにお電話いたします。」
どちらも説明用の例です。良い例は、おわび、知らせてくれたことへのお礼、次にすることの順に並んでいます。お礼の言葉も、「ご連絡」より「お知らせいただき」のほうが、相手が教えてくれたという向きがはっきりします。
クレームへの返事は、自分だけで書いて送らず、先に上司へ報告します。おわびする範囲は、事実が分かっている所までです。最初の連絡で確かめることはクレーム対応の基本、メールの書き方はお詫びメールの書き方にまとめています。
電話をもらったとき
電話では、手段に合わせて「お電話ありがとうございます」と言います。
かかってきた電話に出る:「お電話ありがとうございます。[自社名]の[氏名]でございます」
折り返しをもらった:「折り返しのお電話をいただき、ありがとうございます。先ほどお電話した、納期の件です」
電話のあとにメールを送る:「先ほどはお電話をいただき、ありがとうございました。お話しした内容を、下記にまとめます」
やり取りは説明用の例です。折り返しをもらったときは、お礼のすぐあとに、こちらから電話した用件を言います。相手は、何の件でかけ直したのかを思い出す手間が省けます。会社の電話に出るときの名乗りは、職場で決まっていることがあります。受け方の手順は、電話対応の基本にあります。
迷いやすい判断
判断1:やり取りが何往復も続くとき、毎回書く?
毎回書かなくてはいけない、という公的な決まりは見当たりません。自分で決める基準は、相手が、こちらのために何かをしてくれたかどうかです。調べてくれた、資料を送ってくれた、日程を空けてくれた、というときは、その行いを言葉にしてお礼を書きます。「お調べいただき、ありがとうございます」「資料をお送りいただき、ありがとうございます」のような形です(説明用の例です)。
同じ日の短いやり取りが続くときは、お礼を省いて、「承知いたしました。◯日にお送りします」と用件から入る形でも足ります。同じ言葉が毎回並ぶと、決まり文句として読み飛ばされます。お礼を返し合って終わらないときの区切り方は、お礼メールへの返信にあります。
判断2:「ご連絡」と「ご返信」「ご回答」は、どう使い分ける?
基準は、相手がしてくれたことを、いちばん具体的に言える言葉を選ぶことです。こちらのメールに返してくれたなら「ご返信」。質問に答えてくれたなら「ご回答」。相手のほうから知らせてくれたなら「ご連絡」。資料なら「ご送付」、日程なら「ご調整」です。
具体的な言葉にすると、何に対するお礼なのかが、相手に伝わります。どれにも当てはめにくいときは、「ご連絡」で足ります。
判断3:社内の上司や先輩にも使う?
社内で使ってはいけない、という公的な決まりは見当たりません。ただ、社内では「お疲れ様です」から始める職場もあります。上司や先輩が実際に書いているメールを見て、合わせます。
聞くときは、「部長からのメールに返信するとき、最初は『ご連絡ありがとうございます』で書いています。うちの課では、どう書いていますか」と、自分の書き方を添えて聞きます(説明用の例です)。
判断4:返信が遅れたときも、「ご連絡ありがとうございます」から始める?
遅れたときは、おわびを先に書きます。相手は返事を待っていました。「お返事が遅くなり、申し訳ございません。◯月◯日にご連絡いただいた納期の件、お答えいたします」のように、おわびを一文、すぐに答えへ入ります(説明用の例です)。お礼を入れるなら、おわびのあとです。
判断5:「ご丁寧に」「わざわざ」を足したほうがよい?
足さなくても、お礼は伝わります。足すなら、相手がしてくれたことに合う言葉を一つだけにします。細かく説明してくれたなら「詳しくご説明いただき」、急いでくれたなら「お急ぎいただき」のように、行いそのものを書くほうが、何へのお礼かがはっきりします(説明用の例です)。
言い方を間違えたとき
失敗1:クレームの連絡に、いつもの調子で「ご連絡ありがとうございます!」と返した
その場では:送ったあとで気づいたら、上司に報告します。次の連絡で、言葉の言い訳はせず、用件のおわびと対応を伝えます。「先ほどのメールでは、おわびが足りず、失礼いたしました。納品が遅れ、ご迷惑をおかけしております」と、短く言い直してから、分かった事実と次の対応を書きます(説明用の例です)。
後の記録:「相手が困っている連絡には、おわびを先に書く。送る前に上司に見てもらう」と書きます。件名や一行目に「至急」「困っています」「まだ届きません」のような言葉がある連絡は、書き出す前に、先輩に一声かけると決めておきます。
失敗2:お礼だけ返して、相手の質問に答えていなかった
その場では:気づいたら、すぐに答えを送ります。「先ほどのお返事で、ご質問へのお答えが抜けておりました。申し訳ございません。納期は、ご注文から◯日ほどです」と、抜けたことを一文でわび、答えを書きます(説明用の例です)。
後の記録:「返信を書く前に、相手のメールの『?』と『〜でしょうか』を数える」と書きます。数えた分だけ、答えを書いたかを送る前に確かめます。
失敗3:「早速のご返信」と書いたが、相手は何日もたってから返していた
その場では:用件に関わる誤りではないので、訂正だけのメールは送らなくて足ります。皮肉のように読めてしまうことがあるので、次の返信から「ご返信いただき、ありがとうございます」に直します。
後の記録:前に書いたメールの文を写して使うと、こうした食い違いが起きます。「写した文は、最初の一行を読み直してから送る」と書きます。
今日やることは一つです。今日届いた連絡を一通選び、最初のお礼の一言と、そのあとに続ける「受け取った内容」「次にすること」の文を書いてください。
相手がすぐに動いてくれたときのお礼は、「早速のご対応ありがとうございます」の使い方にまとめています。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
返す相手から届いたメール(または電話のメモ)。自分が次にすることと、その期限が分かる予定表。
記入例を見る(説明用)
届いた連絡=[会社名]の[担当者名]様から、今日の午前中にメール。見積もりの件/相手が知らせてくれたこと=社内で話し合った結果、数量を100個から150個に増やしたい。納期は変えたくない、とのこと/最初の一言=「ご連絡いただき、ありがとうございます。」/受け取った内容を書く一文=「数量を150個へ変更し、納期は◯月◯日のまま、とのご希望を承りました。」/次にすることと、期限=150個で◯月◯日に納められるかを、今日中に社内で確かめる。「明日の午前中に、納期と金額をあらためてお返事いたします」と書く。150個のときの単価が変わるかは未確認。先輩に聞く。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
最初のお礼の一言、受け取った内容の一文、次にすることと期限の一文が書けている。相手が書いた日付や数量を、相手の文から写してある。
うまく進まなかったときは?
最初の一言で迷うなら、「ご連絡ありがとうございます」にして先へ進む。続ける文が書けなければ、相手のメールから日付・数量・質問を抜き出して、そのまま一文にする。次にすることが決まらなければ、「◯日までに、あらためてお返事いたします」と、返事の期限だけを書く。