NOTE 59 · 営業の実践ノート
催促メールの書き方(ビジネス):責めずに、期限と用件をもう一度伝える
公開:2026年10月3日
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ビジネスの催促メールは、相手を責めるための連絡ではなく、期限と用件をもう一度伝える連絡です。書く順番は、件名、前回の連絡、お願いしたいこと、期限とその理由、行き違いへの一言の5つです。送る前に、自分の依頼が相手に届いていたか、期限を伝えていたかを確かめます。この記事では、確かめること、書く順番、文例、電話に切り替える目安を順に説明します。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに お願いした返事や資料が期限を過ぎても届かず、どう書いて催促すればよいか迷っているとき。
- 1
自分の依頼が届いていたか、期限を伝えていたかを確かめる
- 2
件名と、前回の連絡のことを書く
- 3
お願いしたいことと、期限とその理由を書く
- 4
行き違いへの一言を添え、返事がないときの次の手を決める
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
催促メールとは:期限と用件を、もう一度伝える連絡
催促(さいそく)メールとは、お願いしたことへの返事や、受け取る予定の物が、期限を過ぎても届かないときに、もう一度お願いするメールです。「リマインドのメール」「再度のご連絡」と呼ぶこともあります。
初めて書くときは、手が止まりがちです。「まだでしょうか」と書くと、責めているようで送れません。遠回しに書きすぎると、何を頼んでいるのかが伝わりません。そのまま迷っているうちに、自分の仕事の期限が近づいてきます。
考え方を一つ決めておくと、書きやすくなります。催促メールは、相手を責める連絡ではなく、期限と用件をもう一度伝える連絡です。相手が返していない理由は、こちらからは分かりません。メールがほかの連絡に埋もれている、社内の確認を待っている、そもそも届いていない、などが考えられます。
理由が分からないので、決めつけません。相手がすぐ動けるように、「何を・いつまでに・なぜ」をそろえて送ります。相手から見ると、前のメールを探し直さなくても、このメールだけで返事ができる形です。
この記事で扱うのは、返事、資料や見積、社内への依頼の催促です。次の二つは、扱いが違います。
- 提案の後に「検討します」と言われ、返事を待っているとき。相手に約束した期限がないので、催促の前に、相手が決めるのに足りない材料を見ます。進め方は「検討します」の後にまとめています。
- 支払いが遅れているとき。営業の担当者が、自分の判断で文を作って送ることはしません。経理の担当や上司の指示に従います。この記事では、文例を出しません。
送る前に確かめる4つ
書き始める前に、次の4つを確かめます。確かめずに送ると、相手は「もう返したのに」「期限は聞いていない」と感じ、こちらがおわびをすることになります。
- 自分の依頼は、相手に届いていたか。送信済みの箱を開き、あて先のアドレス、送った日時、添付を見ます。下書きのまま残っていた、別の人に送っていた、ということがあります。口頭で頼んだだけなら、相手の手元に記録がありません。
- 期限を伝えていたか。最初のメールを読み直します。「お手すきの際に」「なるべく早く」と書いていたら、相手にとっては期限がありません。
- 相手が動けない理由が、自分の側にないか。相手から質問が来ていて答えていない、送ると言った資料を送っていない、などです。自分が止めているのに催促すると、相手を困らせます。
- 相手からの返事を、見落としていないか。別の件名での返信、迷惑メールの箱、電話の伝言、同僚あての連絡を見ます。近くの人に「A社の佐藤様から、連絡は来ていませんか」と聞きます(説明用の例です)。
確かめた結果で、書くメールが変わります。
| 確かめた結果 | 書くメール |
|---|---|
| 依頼は届いていて、期限も伝えていた | 期限と用件をもう一度伝える(この記事の文例) |
| 期限を伝えていなかった | 「期限を過ぎています」とは書かない。今回、期限と理由を初めて伝える |
| 依頼が届いていなかった(あて先の誤り、下書きのまま) | こちらの不手際をおわびし、あらためて依頼する |
| 自分の側に、返していない物があった | 先に自分の分を返す。お願いは、その後にする |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
書く順番:件名から、行き違いへの一言まで
催促メールは、次の5つの部品でできています。この順番で書きます。例は、打ち合わせの日程の返事をお願いする場面です。
| 部品 | 書くこと | 例(説明用) |
|---|---|---|
| 件名 | 開かなくても、何の件かが分かる言葉 | 【ご確認のお願い】お打ち合わせの日程について(◯月◯日送付の件) |
| 前回の連絡 | いつ、何を送ったか | ◯月◯日に、お打ち合わせの候補日をメールでお送りしました。 |
| お願いしたいこと | 相手にしてほしいことを一つ | ご都合のよい日を、お知らせいただけますでしょうか。 |
| 期限と、その理由 | いつまでに必要か。なぜその日か | 会議室の予約の都合で、◯月◯日(木)までにお返事をいただけますと助かります。 |
| 行き違いへの一言 | すでに返信をもらっていた場合のおわび | 行き違いでご連絡をいただいておりましたら、申し訳ございません。 |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
それぞれに、理由があります。
件名は、「再送」「ご確認ください」だけにしません。相手は、件名の一覧から、先に開くメールを決めます。何の件かと、いつ送った物かが分かれば、前のメールも探しやすくなります。最初のメールに返信する形で送ると、前のやり取りが下に残ります。件名の書き方に会社の習慣があれば、それに合わせます。
前回の連絡は、日付と中身を書きます。「先日の件」では、相手はどの件かを思い出す所から始めることになります。前に送った内容を、もう一度本文に載せるか、添付し直すと、相手は探す手間が省けます。
お願いしたいことは、一つにしぼります。二つ以上を並べると、全部がそろうまで返事が後回しになることがあります。
期限と理由は、セットで書きます。理由があると、相手はほかの仕事との順番を決めやすくなります。理由は、本当のことだけを書きます。急がせるために、実際にはない事情を作って書くことはしません。
行き違いへの一言は、確かめても見落としが残ることへの備えです。相手がすでに返していた場合に、責められたと感じにくくなります。
もう一つ、相手が返しやすくなる一文があります。「難しい場合は、ご回答いただける時期だけでもお知らせください」です。全部はそろっていなくても、時期だけなら返せることがあります。時期が分かれば、こちらも自分の予定を組み直せます。
文例:返事・資料や見積・社内への催促
三つの文例を見ていきます。会社名・人名・日付・数量は、すべて説明用の例です。[ ]は、自分の用件に置き換えます。
文例1:取引先に、返事をお願いする(1回目)
件名:【ご確認のお願い】お打ち合わせの日程について(◯月◯日送付の件)
[会社名] [部署名] [担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
◯月◯日に、お打ち合わせの候補日をメールでお送りしました。念のため、同じ内容を下に記載します。
・◯月◯日(火)午後 ・◯月◯日(水)午前 ・◯月◯日(金)午後
会議室の予約の都合で、◯月◯日(木)までにお返事をいただけますと助かります。ご都合が合わない場合は、ほかの日をお知らせください。
行き違いでご連絡をいただいておりましたら、申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。
[署名]
候補日をもう一度載せているので、相手は前のメールを開かずに返事ができます。
文例2:仕入れ先などに、資料や見積をお願いする
件名:【お見積のお願い】[品名][数量]の件(◯月◯日にご依頼)
[会社名] [担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
◯月◯日にお願いした、[品名][数量]のお見積について、ご状況を伺いたくご連絡しました。
当社からお客様へ、◯月◯日(金)に回答する予定です。そのため、◯月◯日(水)までにいただけますと助かります。
全部がそろっていない場合は、分かる範囲の内容と、残りがいつごろになるかだけでも、お知らせいただけますでしょうか。
行き違いでお送りいただいておりましたら、申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。
[署名]
文例3:社内の人に、確認をお願いする
件名:【確認のお願い】A社向け見積書(◯月◯日(水)午前まで)
鈴木課長
お疲れさまです。田中です。◯月◯日にお送りした、A社向けの見積書の確認をお願いしたく、ご連絡しました。
A社の佐藤様に、◯月◯日(水)中に送るとお約束しています。水曜の午前までに、見ていただけますでしょうか。
見ていただきたいのは、金額と納期の2か所です。お時間が取りにくければ、口頭で5分ほどご相談させてください。
社内あては、短くします。忙しい人には、どこを見てほしいかを書くと、確認にかかる時間の見当がつきます。メールではなくチャットで頼む会社もあります。ふだん使っている手段に合わせます。
場面で変わるところと、言い方の例
期限と用件をもう一度伝える、という骨組みは同じです。場面によって、力を入れる所が変わります。次の表は一例です。
| 場面 | 力を入れる所 | 進め方(一例) |
|---|---|---|
| 1回目 | 行き違いを前提に書く | 「念のため」と、前回の内容をもう一度載せる。責める言葉を入れない |
| 2回目 | 手段を変えるかを考える | 同じ文をくり返さない。届いているかを確かめる電話にするか、上司に相談する |
| 取引先あて | 返しやすさ | 期限の理由と、「難しければ時期だけでも」を添える |
| 社内あて | 短さと、見てほしい所 | 用件・期限・見てほしい所を、短く書く。会社で使う連絡の手段に合わせる |
| 期限が今日・明日に迫っている | 電話を先にする | メールの返事を待たずに電話する。話した内容は、後で短くメールに残す |
| 相手が不在だと分かった | 代わりの方がいるかを聞く | 不在を知らせる自動の返信や電話で分かったら、戻る日を確かめる。別の人へ送り直す前に、上司に相談する |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
電話に切り替える目安
何回送ったら電話にする、という数字は、この記事では決めません。会社の決まりがあれば、それに従います。目安は、次のどれかに当てはまるときです。
- 期限までの時間が少なく、メールの返事を待てない。
- メールが相手に届いているのかどうかが、分からない。
- メールを2回送っても、返事がない。
- 事情がこみいっていて、文字では伝えにくい。
電話では、催促ではなく確認として話し始めます。「◯月◯日にお送りしたメールの件で、届いているかの確認でお電話しました」と言います(説明用の例です)。相手が「見ていませんでした」と答えやすい聞き方です。電話のかけ方は営業電話のかけ方にまとめています。
次は、言い方の例です。どれも説明用の例です。
惜しい言い方:「先日の件、まだでしょうか。」
良い言い方:「◯月◯日にお願いしたお見積の件で、ご状況を伺いたくご連絡しました。◯月◯日(水)までにいただけますと助かります。」
惜しい言い方は、どの件か、いつまでに要るのかが入っていません。相手に伝わるのは、待たされているという気持ちだけです。良い言い方は、どの件・いつまでが入っていて、相手は次の動きを決められます。
惜しい言い方:「至急ご返信ください。」
良い言い方:「お客様への回答が◯月◯日(金)のため、◯月◯日(水)までにお返事をいただけますでしょうか。」
「至急」は、いつまでなのかが人によって違います。日付と理由を書くと、相手は「水曜なら間に合う」「水曜は難しいが木曜の朝なら」と、具体的に返せます。
惜しい言い方:「何度もご連絡しておりますが、お返事をいただけておりません。」
良い言い方:「◯月◯日と◯月◯日に、メールをお送りしました。届いておりますでしょうか。」
「何度も」は、相手を責める言葉として伝わります。送った日を事実として並べ、届いているかを聞く形にすると、同じ内容でも受け取られ方が変わります。
迷いやすい判断と、失敗のあと
判断1:期限を過ぎて、どのくらいで送ってよい?
日数は、この記事では決めません。基準は、自分の次の作業が、いつ止まるかです。予定表を見て、この返事がないと困り始める日を書き、そこから逆に考えます。相手が休み明けや月末で忙しい時期かどうかも、分かる範囲で見ます。
迷ったら、先輩に事実を並べて聞きます。「C社への見積の依頼は、期限が昨日でした。お客様への回答は金曜です。今日、確認のメールを送ってよいですか」(説明用の例です)。期限の日が来る前に、「明日が期限の件です」と確認の連絡を入れておく方法もあります。
判断2:2回送っても、返事がないときは?
3通目に、同じメールは送りません。まず、電話に切り替えて、届いているかを確かめます。電話もつながらなければ、上司に相談します。「◯月◯日に依頼、◯月◯日と◯月◯日に確認のメール、今日の午前に電話して不在でした」と、日付と手段を並べて伝えます。
相手の上司や、別の部署の人へ、自分の判断で連絡することはしません。担当の方の、社内での立場に関わることがあるからです。
判断3:上司をCCに入れてよい?
CCとは、同じメールを同時に届ける、あて先のことです。入れるかどうかは、会社の習慣が先です。ふだん入れていないのに、2回目から急に自分の上司や相手の上司を足すと、相手は圧力をかけられたと受け取ることがあります。
入れたいときは、送る前に上司に聞きます。「C社への2回目の確認メールに、課長をCCで入れてよいですか」と、何回目のメールかまで伝えます。
ここからは、失敗のあとの動きです。その場の立て直し方と、後の記録をセットで決めておきます。
失敗1:相手は、すでに返信していた
その場では:気づいたら、すぐにおわびします。「ご返信をいただいておりました。こちらの確認が足りず、失礼いたしました」と、言い訳を足さずに書きます。相手の返信への答えも、同じメールに書きます。
後の記録:どこで見落としたのかを書きます。迷惑メールの箱、別の件名、同僚あて、などです。次から、送る前に見る場所に足します。
失敗2:期限を伝えていなかったのに、「期限を過ぎています」と書いた
その場では:相手から「期限は聞いていません」と返ってきたら、言い返さずに、最初のメールを読み直します。伝えていなかったと分かったら、「期限をお伝えしておりませんでした。失礼いたしました。あらためて、◯月◯日までにお願いできますでしょうか」と書きます(説明用の例です)。
後の記録:依頼のメールを書くときに、期限と理由を入れることを決めます。依頼を送ったら、自分の予定表に「期限の日」と「確認の連絡をする日」を書いておきます。期限を文字で残す書き方は、営業のお礼メールも参考になります。
失敗3:強い言葉で、送ってしまった
その場では:あわてて長いおわびのメールを重ねる前に、送った文を上司に見せて相談します。おわびをするなら、「先ほどのメールで、失礼な書き方をいたしました。申し訳ございません」と短く伝えます。用件そのものは取り下げず、期限と理由を、落ち着いた言葉で伝え直します。
後の記録:どの言葉が強かったのかを書き写し、言い換えを横に書きます。急いでいるときほど、送る前に声に出して読む、という手順を足します。報告のしかたは営業で失敗したときにまとめています。
お礼のメールに返事が来ないときの考え方は、催促とは別です。お礼メールへの返信にまとめています。
今日やることは一つです。返事が来ていない用件を一件選び、送る前の4つを確かめてから、件名と、本文の最初の2文を書いてください。
件名から署名までの全体はビジネスメールの書き方、書き出しはビジネスメールの書き出し、結びはビジネスメールの締めにまとめています。
頼みごとの前に置く言葉の選び方は、「お手数をおかけしますが」の使い方にまとめています。
急がない依頼に付ける「お手すきの際に」と、期限の書き方は、「お手すきの際に」の意味と使い方にまとめています。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
最初に送った依頼のメール(送信済みの箱)、相手とのこれまでのやり取り、自分の予定表(いつまでに必要かが分かるもの)。
記入例を見る(説明用)
催促する用件と、最初に頼んだ日・方法=仕入れ先のC社の山田様に、商品の見積をお願いした。◯月◯日にメールで依頼/送る前に確かめたこと=送信済みの箱で、あて先と送信の日時を確認した。期限は「◯月◯日(月)まで」と書いてあった。山田様からの質問や、自分が返していない物はない。迷惑メールの箱と、同僚あての連絡も見たが、返信は来ていない/必要な期限と、その理由=◯月◯日(水)まで。自分のお客様のA社に、◯月◯日(金)に回答する約束があるため/件名と、本文の最初の2文=件名:【お見積のお願い】商品◯◯ 100個の件(◯月◯日にご依頼)。本文:「◯月◯日にお願いした、商品◯◯ 100個のお見積について、ご状況を伺いたくご連絡しました。当社からお客様へ◯月◯日(金)に回答する予定のため、◯月◯日(水)までにいただけますと助かります」/返事がないときの次の手=◯月◯日(火)の午後に、メールが届いているかの確認の電話をする。つながらなければ、送った日と内容を並べて、鈴木課長に相談する。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
送る前の4つを確かめた結果が書いてあり、メールに「何を・いつまでに・なぜ」が入っていて、責める言葉がなく、返事がないときの次の手が決まっている(分からない所は「未確認」と書いてある)。
うまく進まなかったときは?
期限の理由が書けなければ、自分の予定表を見て「この返事がないと、いつ・何が止まるか」を一つ書く。言葉がきつくないか迷ったら、送る前に声に出して読み、先輩に「この文で送ってよいですか」と見せる。支払いの催促は、自分で書かず、経理か上司に聞く。