NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 127 · 営業の実践ノート

「かしこまりました」の意味と使い方:使う場面と、あとに続ける一言

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「かしこまりました」は、辞書では「命令・依頼などを謹んで承る意を表す」言葉と説明されています。頼まれたことや指示されたことを、謹んで引き受けた、と伝える返事です。この記事では、辞書の語釈をもとに、使う場面と合わない場面、「承知しました」との違い、返事のあとに続ける一言、できない依頼に言ってしまったあとの直し方を説明します。

今日できるようになること

最近受けた依頼を一つ思い出し、「かしこまりました」のあとに続ける復唱と期限の一言を書いて、声に出して言ってみる。

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こんなときに 取引先からの電話や商談で、頼まれごとにどう返事をすればよいか迷うとき。「かしこまりました」と言ったあと、言葉が続かないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    頼まれた中身を聞き、自分が引き受けてよいことかを考える

  2. 2

    引き受けられるなら「かしこまりました」と言う

  3. 3

    日付・数量・名前を、相手の言葉でくり返す

  4. 4

    次に自分がすることと期限を言い、メモに残す

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

「かしこまりました」の意味:辞書で確かめる

取引先から電話があり、「来週の打ち合わせ、木曜に変えてもらえますか」と言われた。「かしこまりました」と答えたものの、そのあとの言葉が続かず、少し間が空いた。電話を切ってから、同行する先輩の予定を見ていなかったことに気づいた。営業を始めたばかりの時期に、起きやすい場面です。

先に、言葉の意味を辞書で確かめます。「かしこまりました」は、「かしこまる(畏まる)」に「ます」「た」が付いた形です。コトバンクに載っている二つの辞書で「畏まる」を引きました。「 」の中は、辞書の文をそのまま写したものです。

  • 「命令・依頼などを謹んで承る意を表す。承りました。」(デジタル大辞泉「畏まる」の3番目)
  • 「つつしんで命令を受ける。つつしんで承諾するの気持を表わす。」(精選版 日本国語大辞典「畏まる」の6番目)
  • 「身分の高い人、目上の人の前などで、おそれ敬う気持ちを表して謹んだ態度をとる。」(デジタル大辞泉の1番目)

デジタル大辞泉は、3番目の意味の例として「はい、―・りました」を挙げています(「―」は見出しの言葉の部分です)。「はい、かしこまりました」という返事は、辞書に載っている使い方です。

語釈から分かることは、三つあります。

  • 受けるのは、命令や依頼。相手から何かを頼まれた、指示された、という場面で使う言葉です。
  • 「謹んで」受ける。1番目の意味にあるように、もとは、相手を敬って謹んだ態度をとることを言う言葉です。
  • 承諾の気持ちを表す。聞こえました、という合図ではなく、引き受けました、という返事です。

三つめが、この記事の中心です。「かしこまりました」と言った時点で、相手は「引き受けてもらえた」と受け取ります。相手はそこで、ほかの手を打つのをやめます。だから、言う前に引き受けてよいことかを考え、言ったあとに何を引き受けたかを言葉にする。この二つが要ります。

なお、文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日・文化庁)の全文を検索しましたが、「かしこまりました」という言葉は出てきません。誰に使うべきか、という公的な決まりは見当たりません。「ます」は丁寧語で、指針の説明は「話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。」(指針20ページ)です。

「承知しました」「承知いたしました」との違い

よく比べられる「承知」も、同じ辞書で引きます。

言葉辞書の語釈語釈から言えること
かしこまる「命令・依頼などを謹んで承る意を表す。承りました。」(デジタル大辞泉の3番目)命令や依頼を受けた、という返事。知っている、という意味は載っていない
承知「目上の人の命令などをうけたまわること。」(精選版 日本国語大辞典「承知」の1番目)/「依頼・要求などを聞き入れること。承諾。」(デジタル大辞泉の2番目)命令を受ける、頼みを聞き入れる、という返事
承知(別の意味)「事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。」(デジタル大辞泉の1番目)知っている、という意味もある。「承知しております」の形で使う

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

頼まれごとを引き受ける返事としては、どちらも語釈に合います。どちらが上か、どちらが丁寧か、を決めた説明は、この二つの辞書の項目にはありませんでした。指針にも、二つの言葉は出てきません。

語釈から言える違いは、次の二つです。

  • 知らせを受けたとき。「来週は休みをいただきます」のように、頼みごとではなく知らせを受けたときは、「知る」の意味がある「承知いたしました」が合います。「かしこまる」の語釈は、命令や依頼を受ける意味です。
  • 文の作り方。「承知」は「〜の件、承知いたしました」と、受けた内容を前に置けます。「かしこまりました」は、一言で言い切って、次の文で内容をくり返す形が合います。口で言う場面で使いやすいのは、このためです。

「承知しました」と「承知いたしました」の形の違いは「承知いたしました」の使い方に、「了解しました」を取引先や上司に使ってよいかは「了解しました」は敬語?にまとめています。この記事は、「かしこまりました」を使う場面と、あとに続ける言葉を扱います。

使う場面と、合わない場面

語釈のとおり、使うのは「頼まれた」「指示された」ときです。次の表は、場面ごとの一例です。職場に決まった言い方があれば、そちらを先にします。

場面言い方(一例)そうする理由
取引先から、電話で頼まれたかしこまりました。+内容のくり返し声だけで伝わる。短く言い切れて、すぐ次の言葉に移れる
商談の席で、資料や見積もりを頼まれたかしこまりました。+何を・いつまでに相手の前でメモを取りながら言うと、引き受けたことが目でも伝わる
来客の案内や受付など、接客に近い場面かしこまりました。ご案内いたします。相手は答えを待って立っている。返事と動きを、間を空けずに続ける
伝言や注文を預かったかしこまりました。+自分の名前誰が受けたかが分かると、相手は次に問い合わせる先が分かる
取引先へのメールかしこまりました。/承知いたしました。+受けた内容メールは、受けた内容を一文に入れやすい「〜の件、承知いたしました」も使いやすい
社内の上司・先輩からの指示職場の言い方に合わせる(かしこまりました/承知しました)下で説明

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

社内の上司に使うかどうか

公的な決まりは見当たりません。語釈は「命令・依頼などを謹んで承る」なので、上司の指示を受ける場面は、言葉の意味に合っています。使って誤りになる、という説明は、辞書にも指針にもありません。

一方で、毎日となりで働く相手には、改まりすぎて聞こえる、と感じる職場もあります。自分で決める基準は、先輩が、その上司にどう返事をしているかです。先輩が「承知しました」と言っているなら、合わせます。分からないときは、取引先と同じ言葉にそろえておくと、使い分けで迷いません。同じ上司でも、取引先が同席している場では、取引先に向ける言葉とそろえます。

合わない場面

頼まれていないのに「かしこまりました」と言うと、返事と中身がずれます。

  • 質問されたとき。「この商品は、来週の納品に間に合いますか」と聞かれて「かしこまりました」と答えると、相手は「間に合う」と受け取るかもしれません。質問には、答えを返します。分からなければ、「確認いたします」です。
  • 知らせを受けたとき。「担当が替わります」「来週は休みます」には、「承知いたしました。ご連絡ありがとうございます」のほうが、意味に合います。
  • 引き受けられるか、まだ分からないとき。次の章で説明します。

「かしこまりました」のあとに続ける一言

「かしこまりました」は、一言で言い切る言葉です。言い切ったあとに何も続かないと、相手には、何がどこまで伝わったのかが分かりません。続ける言葉は、次の三つです。

  • 復唱。相手が言った日付・数量・名前を、そのままくり返します。聞き間違いがあれば、相手がその場で直せます。
  • 期限。自分が次に何を・いつまでにするかを言います。相手は、いつまで待てばよいかが分かります。
  • 確かめたいこと。場所、届け先、連絡の方法など、相手が言わなかった所を一つ聞きます。

口で返事をするときの順番は、次のとおりです。

  1. 最後まで聞き、引き受けてよいことかを考える。自分の予定だけで決まることか、ほかの人や会社の決まりが関わることかを分けます。言う前に一拍おくのは、言ったあとで取り消すと、相手の予定を二度変えさせることになるからです。
  2. 引き受けられるなら、「かしこまりました」と言う。語尾まで、はっきり言います。
  3. 数字と名前をくり返す。「木曜の14時、でございますね」のように、相手の言葉から抜き出します。自分の言葉に言い換えると、そこで食い違いが入ります。
  4. 自分が次にすることと、期限を言う。「本日中に、変更後の日時をメールでお送りします」のように言います。
  5. メモに書く。電話なら切る前に、商談ならその場で書きます。書いている間に、言い忘れに気づけます。

言い方を比べます。取引先から、打ち合わせの日を変えてほしいと頼まれた場面です。3つとも説明用の例です。

惜しい例1:「かしこまりました。」(そのあと、何も言わない)

惜しい例2:「かしこまりました。よろしくお願いいたします。」

良い例:「かしこまりました。来週の打ち合わせを、木曜の14時に変更いたします。場所は、前回と同じ会議室でよろしいでしょうか。変更後の日時を、本日中にメールでお送りします」

惜しい例2は、言葉は丁寧です。けれども、火曜から木曜に変わったことが伝わったのかを、相手は確かめられません。良い例は、復唱・確かめたいこと・期限の三つが入っています。メールで返事を書くときの手順は、「承知いたしました」の使い方の「返事のあとに、復唱と期限を足す」に、4つの順で書いてあります。

電話・商談・メールの例

次の例は、すべて説明用の例です。

電話:伝言を預かる

相手「佐藤です。田中さんがお戻りになったら、折り返しをお願いできますか。今日は17時まで席におります」

自分「かしこまりました。A社の佐藤様へ、本日17時までに折り返すよう、田中に申し伝えます。私、営業部の鈴木が承りました」

伝言では、相手の名前・用件・時刻をくり返したあと、自分の名前を言います。「承る」は、デジタル大辞泉で「「聞く」の謙譲語。謹んで聞く。拝聴する。」と説明されている言葉です。誰が聞いたのかを伝える所で使います。電話の受け方と伝言メモは、電話対応の基本にあります。

商談:頼まれごとが二つあった

相手「見積もりを、数量200で出し直してもらえますか。それと、導入までの流れが分かる資料もほしいです」

自分「かしこまりました。二点ですね。一点目は、数量200でのお見積書。二点目は、導入までの流れが分かる資料。どちらも、金曜の午前中までにメールでお送りします」

頼まれごとが二つ以上あるときは、「二点ですね」と数を先に言います。数を言うと、相手は、抜けがないかを一緒に確かめてくれます。その場でメモに「1」「2」と番号を付けて書きます。来客の案内のように、相手が立って待っている場面では、「かしこまりました。B社の高橋様ですね。山田を呼んでまいります」と、返事のあとすぐに動きを言います。

メール

A社 佐藤様

いつもお世話になっております。[自社名]の鈴木です。

お打ち合わせの日程変更の件、かしこまりました。

変更後:[日付](木)14時〜15時 御社会議室

当日は、田中と私の二名で伺います。

メールでは、「かしこまりました」の前に、何の件かを書きます。

引き受けてよいか、まだ分からないとき

惜しい例:「かしこまりました。……あ、納期については、一度確認します」

良い例:「納期を一週間早めるご希望ですね。承りました。工場に確認して、明日の午前中にお返事いたします」

惜しい例は、先に引き受けた返事をしてから、あとで打ち消しています。相手には、最初の一言が残ります。良い例は、「聞きました」と「引き受けます」を分けています。希望を聞いたことは「承りました」で伝え、引き受けるかどうかは、確認のあとに答えます(説明用の例です)。

迷いやすい判断と、言ってしまったあとの直し方

判断1:自分では決められない依頼でも、まず「かしこまりました」と言ったほうが感じがよい?

言いません。基準は、その依頼を、自分一人で最後までやりとげられるかです。値引き、納期の前倒し、ほかの人の予定、会社の決まりが関わることは、一人ではやりとげられません。

感じのよさは、返事の速さと、次の連絡の時刻で出せます。「ご希望は承りました。確認して、本日15時までにお電話いたします」と言えば、相手は待つ時間が分かります(説明用の例です)。上司には、相手の言葉と、約束した時刻をそのまま伝えます。

判断2:相手の話の途中で、何度も「かしこまりました」と言ってよい?

話の途中は「はい」で受け、最後にまとめて「かしこまりました」と言う形が使いやすいです。区切りごとに言うと、相手は、一つずつ引き受けられたと受け取ります。最後まで聞いたら引き受けられない条件が出てきた、というときに、直す所が増えます。

判断3:指摘や注意を受けたときも、「かしこまりました」でよい?

中に依頼が入っているかで分けます。「次からは、前日までに連絡してください」は、依頼です。先にお詫びを言い、そのあとに「かしこまりました。次回から、前日の午前中までにご連絡いたします」と続けます(説明用の例です)。

「困りました」「残念です」のように、気持ちを伝えられた場面では、引き受ける依頼がありません。「かしこまりました」ではなく、お詫びと、これからすることを伝えます。お詫びの言葉の選び方は、「申し訳ございません」の意味と使い方にまとめています。

ここからは、言ってしまったあとの直し方です。その場の動きと、あとの記録をセットで決めておきます。

直し方1:できない依頼に「かしこまりました」と言い、その場で気づいた

その場では:会話が終わる前に言い直します。「失礼いたしました。先ほど、かしこまりましたと申し上げましたが、木曜の件は、同行する者の予定を確認してからのお返事になります。本日16時までに、お電話いたします」(説明用の例です)。

後の記録:「先輩の予定を見ずに、引き受けた。次からは、ほかの人が関わる依頼は『承りました。確認します』で受ける」と、次の手順の形で書きます(説明用の例です)。

直し方2:電話を切ったあと、引き受けられないと分かった

その場では:まず上司か先輩に、相手に言った言葉のまま伝えます。「A社の佐藤様に、木曜14時への変更を、かしこまりましたと答えました。そのあと、田中さんの予定が埋まっていると分かりました」(説明用の例です)。代わりに出せる日を決めてから、相手に連絡します。

相手には、お詫び・事実・代わりの案の順で伝えます。「先ほどお受けした木曜14時の件で、ご連絡いたしました。こちらの確認が足りず、同行する者の都合がつかないことが分かりました。申し訳ございません。木曜の16時、または金曜の午前でしたら、二名で伺えます。ご都合はいかがでしょうか」(説明用の例です)。連絡は、相手が次の予定を組む前に届くよう、気づいた日のうちにします。

後の記録:何を引き受けたか、なぜ引き受けられなかったか、相手にいつ伝え直したかの三つを書きます。お詫びをメールで送る場合の組み立ては、お詫びメールの書き方にあります。

今日やることは一つです。最近受けた依頼を一つ思い出し、「かしこまりました」のあとに続ける復唱と期限の一言を書いて、声に出して言ってみてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
最近受けた依頼のメモ(電話のメモやメール)。自分の予定表。自分で決めてよい範囲が分かるもの(先輩に聞いたメモでもよい)。

記入例を見る(説明用)

依頼を受けた相手と場面=A社の佐藤様。電話で受けた/頼まれた中身=来週の打ち合わせを、火曜の10時から、木曜の14時に変えてほしい。場所は同じ/自分が引き受けてよいことか=自分の予定は空いている。同行する先輩の予定は未確認。先輩の予定は自分では決められない/あとに続ける一言=「木曜の14時への変更のご希望、承りました。同行する者の予定を確認し、本日の16時までにお電話いたします」。先輩の予定が分かるまでは、「かしこまりました」と言い切らない/言ったあとの記録と、報告する相手=電話のメモに、日時と「16時までに折り返す」と書く。先輩に、木曜の14時が空いているかを今すぐ聞く。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

頼まれた中身が日付・数量・名前で書いてあり、自分が引き受けてよいことかを分けたうえで、返事のあとに続ける復唱と期限の一言が書いてある。

うまく進まなかったときは?

引き受けてよいか分からなければ、先輩に「A社から日程の変更を頼まれました。私がその場で返事をしてよいですか」と聞く。あとに続ける言葉が出ないなら、相手の言葉から数字と名前だけを抜き出して、そのままくり返す。期限が決められないなら、「いつまでにお返事すればよろしいでしょうか」と相手に聞く。

NEXT NOTE

次に読むなら

「承知いたしました」の形と返事の書き方を見る「了解しました」と言ってよいかを確かめる電話の受け方を確かめる