NOTE 48 · 営業の実践ノート
営業の服装(女性):会社の決まりと、動きやすさから一組を決める
公開:2026年10月3日
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営業の服装(女性)は、先に会社の決まり、先輩の服装、訪問先の指定を確かめます。そのうえで、上着・インナー・ボトム・靴・かばんを一組に決め、座る、かがむ、階段を上るなどの動きで確かめます。パンツかスカートか、靴のかかとの高さなどは、会社やその日の動きで変わるので、この記事では一つに決めません。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 営業の仕事で何を着ればよいか迷い、パンツかスカートか、靴はどれにするかが決まらないとき。
- 1
会社の決まり・先輩・訪問先を確かめる
- 2
ボトムから順に、一組を決める
- 3
着たまま、座る・かがむ・歩くを試す
- 4
季節と場面の備えを足す
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
営業の服装(女性)で迷うのは、選ぶ物が多いから
営業の仕事を始めると、朝や前の晩に「何を着て行けばよいか」で手が止まることがあります。スーツにするか、上着と別のボトムを合わせるか。パンツか、スカートか。靴のかかとは、どのくらいの高さにするか。選ぶ物が多いぶん、決めにくくなります。
答えが一つにならないのは、服装の決まりが、会社、業界、訪問先、季節で変わるからです。応接室で話す日と、工場や倉庫に入る日では、合う服が違います。この記事でも、「女性の営業はこの一組が正解」とは決めません。どう見えるかの受け止め方も、相手によって違います。
代わりに、決める順番を持っておきます。確かめる→一組を決める→動きで確かめる→季節と場面の備えを足すの4つです。この順番なら、手持ちの服から選べます。
前の晩に服を並べて決める手順そのものは、営業の服装にまとめています。この記事は、パンツかスカートか、インナー、靴、アクセサリーなど、選ぶ物が多いときの決め方にしぼります。
先に確かめる3つ:会社の決まり・先輩・訪問先
服を選ぶ前に、次の3つを確かめます。先に確かめるのは、買ってから「決まりと違った」と分かると、買い直すことになるからです。
1. 会社の決まり
会社によっては、服装の決まりが就業規則や社内の案内に書かれています。制服や、社名入りの上着が貸し出される会社もあります。見る点は、上着が要るか、ボトムや靴に指定があるか、アクセサリーに決まりがあるか、夏に上着を省いてよい期間があるか、などです。
書いたものが見つからなければ、上司か先輩に聞きます。「周りが着ているから」と推測で決めるより、一度聞いたほうが早く決まります。
2. 先輩の服装
同じ仕事をしている先輩が、訪問の日に何を着ているかを見ます。決まりに書かれていない所は、職場でのふだんのやり方が目安になることが多いからです。
近くに女性の先輩がいない職場もあります。その場合は、上司や、同行する先輩に聞いてかまいません。聞くときは、自分の案を先に言います。
惜しい聞き方:「何を着て行けばいいですか」
良い聞き方:「来週、A社へ同行します。紺の上着とパンツ、かかとの低い黒の靴で行くつもりです。変えたほうがよい点があれば教えてください」
どちらも説明用の例です。惜しい聞き方は、相手が一から考えることになり、答えにくくなります。良い聞き方は、訪問先・自分の案が入っているので、相手は直す所だけを答えられます。
3. 訪問先の指定
訪問先から届いた案内メールや、前に訪問した人の話を確かめます。工場や倉庫などの現場では、ヘルメット、安全靴、帽子、長そでなど、身につける物を指定されることがあります。靴を脱いで上がる訪問先もあります。指定がある日は、見た目の好みより指定を優先します。
一組の決め方:上着・インナー・ボトム・靴・かばん・アクセサリー
確かめたら、手持ちの服から一組を決めます。次の表は、選ぶときに見る所の一例です。会社や訪問先の指定がある場合は、そちらを優先してください。
| 選ぶ物 | 見る所(一例) | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 上着(ジャケット) | 肩と袖の長さが合っているか。腕を前に伸ばせるか | 上着が要るか。夏に省いてよいか |
| インナー(ブラウス、カットソーなど) | 前にかがんだときに、胸元が開きすぎないか。明るい所で透けないか | 上着を脱ぐ場面があるか |
| ボトム(パンツ、スカート) | 座る、しゃがむ、階段を上るときに、きつくないか。スカートは、座ったときの丈 | 現場に入る日の指定 |
| 靴 | 歩く距離に合うか。かかとの高さと太さ。脱ぎはきのしやすさ | 靴を脱ぐ訪問先か。現場での指定 |
| かばん | 資料が折れずに入るか。床に置いたときに倒れにくいか | 会社の決まり。持ち歩く物の量 |
| アクセサリー、時計 | 動いたときに音がしないか。資料や機械に引っかからないか | 現場で外すよう指定されるか |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
色は、紺、グレー、黒などの落ち着いた色を出発点にすることが多いとされます。ただし、会社や業界で違います。先に、会社の決まりと先輩の服装を見てから決めます。
決める順番は、次のとおりです。
- ボトムを先に決める。その日の動きに、いちばん関わるからです。現場に入る、しゃがむ、階段が多い、車に乗り降りする、といった予定を見て選びます。
- 上着とインナーを合わせる。上着を脱ぐ場面がある日は、インナーだけになったときの見え方も確かめます。
- 靴とかばんを決める。歩く距離と、持ち歩く物の量で選びます。服だけ決めて靴を後回しにすると、朝になって合う靴がないと気づくことがあります。
- アクセサリーは最後に決める。迷ったら、外します。足すかどうかで迷う物は、なくても仕事に困らないからです。
スーツを買い足すときの条件の決め方は営業のスーツの選び方、かばんの決め方は営業のかばんの選び方にまとめています。
動きで確かめる:座る・かがむ・階段・車の乗り降り・靴を脱ぐ
一組を決めたら、着たまま動いてみます。鏡の前に立った姿だけを見ると、座ったときや、かがんだときのことが分かりません。商談の途中で服が気になると、相手の話に集中しにくくなります。
| 動き | 確かめる所 | 合わないときの直し方(一例) |
|---|---|---|
| いすに座る | スカートの丈。パンツの腰やひざがきつくないか。上着の前がつっぱらないか | 別のボトムに替える。座るときに上着のボタンを外してよいか、先輩に聞く |
| 前にかがむ(資料を指す、名刺を渡す) | インナーの胸元。背中側のすそが出ないか | えりもとの詰まったインナーに替える。丈の長いインナーにする |
| 腕を前に伸ばす | 袖がつっぱらないか。肩がきつくないか | 別の上着に替える。直しに出せるかを店に聞く |
| 階段を上り下りする | 靴のかかとが抜けないか。すそを踏まないか | かかとの低い靴に替える。すその長さを直す |
| 車に乗り降りする | 足を動かしやすいか。運転する日は、運転しやすい靴か | ボトムを替える。運転のときの靴について、会社の決まりを確かめる |
| 靴を脱いで上がる | 脱ぎはきに時間がかからないか。靴の中敷きの汚れ。ストッキングや靴下のつま先 | 脱ぎはきしやすい靴にする。替えのストッキングや靴下を持つ |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
確かめるときは、明るい場所で、前・横・後ろを見ます。後ろは、手鏡を使うか、家族に見てもらいます。靴は、はいて数歩ではなく、部屋の中を少し長めに歩いてみます。
合わない所が見つかったら、買う前に、手持ちの別の一枚に替えられないかを先に考えます。靴の形や底の選び方、手入れは、営業の靴の選び方と手入れにまとめています。
季節と場面で変わるところ
一組が決まったら、季節と、その日の場面に合わせて備えを足します。
暑い日
上着を省いてよい期間があるかは、会社で違います。省いてよい日は、インナーだけで人に会うことになるので、透けと胸元をもう一度確かめます。移動中は上着を手に持ち、建物に入る前に着るやり方もあります。汗をふくハンカチやタオルを、取り出しやすい所に入れます。
寒い日
コートをどこで脱ぐかは、同行する先輩に聞いておくと、当日あわてません。室内は暖かいことがあるので、中に着る物は、脱いだり着たりしやすい形にします。上着の下に着こんで腕が動かしにくくならないかも、動いて確かめます。
雨の日
折りたたみ傘と、ぬれたかばんや足元をふくタオルを足します。靴がぬれると困る訪問先がある日は、替えの靴下やストッキングを入れます。すそが長いボトムは、ぬれた地面につかないかを見ます。
場面ごとの出発点
| 場面 | 気をつける所 | 進め方(一例) |
|---|---|---|
| 現場・工場・倉庫に入る日 | 安全の決まりが、見た目より先 | 訪問先の指定を前日までに確かめる。動きやすいボトムと、かかとの低い靴を候補にする。アクセサリーは外す指定がないか聞く |
| 式典や、あらたまった場 | ふだんより、きちんとした身なりが求められることがある | 案内状の服装の指定を読む。分からなければ、同じ場に出る先輩に聞く |
| オンラインの商談 | 画面に映るのは、上半身と背景 | 始まる前に、カメラに映した自分を見る。えりもとと、上着の肩の位置を確かめる。立ち上がる場面に備え、ボトムも仕事の服にする |
| 一日に何件も歩く日 | 足の疲れと、午後の乱れ | 歩きやすい靴を選ぶ。昼に一度、鏡で前・横・後ろを見る |
| 靴を脱ぐ訪問先がある日 | 脱ぎはきと、足元 | 脱ぎはきしやすい靴にする。替えのストッキングか靴下を持つ |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
よくある失敗と、迷いやすい判断
先に、よくある失敗です。その場の立て直し方と、帰ってからの記録をセットで決めておきます。
失敗1:訪問先で、ストッキングが伝線していると気づいた
その場では:相手に言い訳をする必要はありません。商談が終わってから、建物の外やトイレで替えます。替えがなければ、次の訪問までに買える店があるかを見ます。約束の時間に遅れないほうを優先します。
帰ってからの記録:かばんに入れる物の一覧に、「替えを一つ」と書き足します。使ったら、その日のうちに補います。
失敗2:座ったら、丈や胸元が気になって、話に集中できなかった
その場では:ひざの上に資料やかばんを置く、上着の前を閉じる、など、その場でできることを一つだけします。何度も直すと、かえって目立ちます。気持ちを、相手の話のメモに戻します。
帰ってからの記録:「どの動きで、どこが気になったか」を書きます。「座ると、スカートの丈が上がる」のように書くと、次に選ぶときの条件になります(説明用の例です)。次からは、決めた一組で座る動きを試します。
失敗3:現場に入ることになり、靴が合わなかった
その場では:歩きにくい靴で、無理に入りません。同行する先輩か、訪問先の方に「この靴で入ってよいでしょうか」と聞きます。貸し出しの靴がある現場もあります。安全についての指示があれば、それに従います。
帰ってからの記録:訪問先のメモに、「現場に入ることがある。靴の指定:◯◯」と書きます。次にその訪問先へ行く人も、同じことで困らずに済みます。
ここからは、迷いやすい判断です。
判断1:スカートとパンツ、どちらにする?
この記事では、どちらがよいとは決めません。基準は、次の順番です。会社の決まり→その日の動き→自分が動きやすいほう。決まりに指定があれば、それに合わせます。指定がなければ、現場に入る、しゃがむ、階段が多い、といった予定を見て選びます。
どちらでもよい日は、自分が動きやすく、気にならないほうで構いません。迷いが残るときは、先輩に「A社の訪問は、パンツで行くつもりです。問題があれば教えてください」と、自分の案を言って聞きます(説明用の例です)。
判断2:靴のかかとは、どのくらいの高さがよい?
高さを、数字では決めません。基準は、その日の歩く距離、立っている時間、階段の多さです。家の中で歩き、階段を上り下りして、かかとが抜けたり、ぐらついたりしない物を選びます。
会社に靴の決まりがあり、足が痛む、体の事情で合わない、というときは、一人で我慢せず、上司や人事の担当に相談してください。足の痛みが続くときは、医療機関に相談してください。
判断3:色や柄は、どこまでよい?
基準は、会社の決まりが先、次に、先輩と訪問先の様子です。決まりがなく、迷うときは、手持ちの中で落ち着いた色の物から選ぶと、合わせる物を決めやすくなります。
明るい色や柄の物を着たいときは、着る前に聞きます。「この色のインナーは、訪問の日に着てもよいですか」と、実物か写真を見せて聞くと、答えが早く返ってきます。
判断4:メイク・ネイル・香りは、どうする?
する・しないを、この記事では決めません。会社と訪問先の決まりを先に確かめます。確かめ方と、香りの強さの考え方は、営業の身だしなみにまとめています。髪の長さやまとめ方は、営業の髪型を見てください。
判断5:先輩によって、言うことが違うときは?
服装の考え方は、人によって少しずつ違います。その日の訪問に同行する人の指示に合わせるのが、分かりやすい決め方です。それでも迷うときは、上司に「どちらに合わせればよいですか」と聞き、答えを実践シートに書いておきます。
今日やることは一つです。会社の決まりと訪問先の指定を確かめ、明日の一組を靴とかばんまで決めて、着たまま座る・かがむ・歩くを試してください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
会社の服装の決まり、訪問先の案内、当日の予定と天気、手持ちの服と靴。
記入例を見る(説明用)
会社の決まりと、訪問先の指定=会社:訪問の日は上着を着る。パンツかスカートかの指定はなし(先輩に確認)。靴とアクセサリーの決まりは書かれていない(未確認。明日、上司に聞く)。訪問先:A社。倉庫の見学があると案内メールに書いてある。靴の指定は未確認(同行の先輩に聞く)/当日の動き=駅から歩く。応接室で座って商談。その後、倉庫の中を歩く。階段あり。靴を脱ぐ場面はない見込み/選んだ一組=紺の上着、白のインナー、紺のパンツ、かかとの低い黒の靴、A4の資料が入る黒のかばん。アクセサリーは時計だけ/動きで確かめた結果=座る・かがむ・階段、どれも問題なし。かがんだときにインナーの胸元が開いたので、別の一枚に替えた/季節の備えと、足りない物=雨の予報なので、折りたたみ傘とタオル。替えのストッキングをかばんに入れる。買い足す物は今のところなし。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
会社の決まりと訪問先の指定が書いてあり(分からない所は「未確認」と、誰に聞くかが書いてある)、選んだ一組で座る・かがむ・歩くを試してある。
うまく進まなかったときは?
決まりが分からなければ、買う前に上司か先輩に聞く。合わない所があれば、手持ちの別の一枚に替える。足りない物だけを書き出し、買うのはその後にする。