NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 113 · 営業の実践ノート

「ご容赦ください」の意味と使い方:使う場面・合わない場面と、お許しください・ご了承くださいとの違い

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「ご容赦ください」は、「ゆるしてください」「大目に見てください」と、相手に願う言い方です。返事が遅くなる、品切れになるかもしれない、といった行き届かない点を、先に断っておく場面に合います。すでに起きた大きな迷惑には、この言葉だけでは足りません。お詫びの言葉と、起きたこと、これからの対応が先です。この記事では、辞書の語釈から言える範囲で、近い言葉との違いと、メールや案内文の例を、説明用の例として並べます。

今日できるようになること

これから送る連絡一通について、許してもらいたいことが「これから起きるかもしれないこと」か「すでに起きたこと」かを分け、前者なら理由と代わりにできることを添えて一文を書く。

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こんなときに 返事が遅れそうなとき、希望に応えられないときに、「ご容赦ください」と書いてよいか迷うとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    許してもらいたいことを、一つ書き出す

  2. 2

    これから起きることか、すでに起きたことかを分ける

  3. 3

    理由と、代わりにできることを一文ずつ書く

  4. 4

    「ご容赦ください」の形を一つ選び、すでに起きたことなら、お詫びを先に書く

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

「ご容赦ください」の意味:先に、許しを願う言い方

出張の前に、取引先へ「返信が遅くなります」と伝えたい。そのとき、「申し訳ございません」と書くのは、まだ何も起きていないのに大げさな気がする。かといって、何も添えないのも気が引ける。こういう場面で使えるのが、「ご容赦ください」です。

「容赦」は、デジタル大辞泉(コトバンク)に、1つ目の意味として「ゆるすこと。大目に見ること。」とあります。2つ目の意味は「手加減すること。控え目にすること。」で、用例に「容赦なく追及する」が挙がっています。「ご容赦ください」で使うのは、1つ目の意味です。

形も確かめます。文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日・文化庁)は、24ページで、尊敬語の一般的な形の例に「お(ご)……くださる(例:読む→お読みくださる,指導する→御指導くださる)」を挙げています。「ご容赦ください」は、この形で、相手に頼む言い方です。

合わせると、「ご容赦ください」は、「(行き届かない点を)ゆるしてください、大目に見てください」と相手に願う言葉です。

この言葉が合うのは、まだ起きていないこと、起きるかもしれないことを、先に断る場面です。先に断っておくと、相手は、その前提で予定を組めます。返事が翌日になると分かっていれば、急ぎの用件は電話にする、と相手の側で選べるからです。何も言わずに返事が遅れると、相手は、届いていないのか、後回しにされたのかが分かりません。

使う場面と、合わない場面

使う場面を、4つに分けます。次の表は一例です。

場面許してもらいたいこと一緒に書くこと
行き届かない点がある急いで作った資料に、整っていない所がある。長いメールになったどこが整っていないか。いつ整えた版を送るか
返事が遅くなる出張や休みで、すぐ返信できないいつからいつまでか。急ぎのときの連絡先
品切れ・数に限りがある希望の数をそろえられないことがある次の入荷の見込み。分かる範囲で
対応できないことを断る時間外の配送、対象外の修理など、受けられない依頼受けられない理由。代わりにできること

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

どの場面でも、「ご容赦ください」だけで終わらせないのがこつです。許してもらうお願いは、相手に我慢を頼むことです。理由と、代わりにできることがあると、相手は、我慢する範囲が分かります。

合わない場面:すでに起きた大きな迷惑

納期に遅れた、金額を間違えて請求した、約束の時刻に行けなかった。こうした、すでに起きて、相手が困っていることには、「ご容赦ください」は合いません。

理由は、言葉の中身にあります。「詫びる」は、同じ辞書に「自分の非を認めて、相手の許しを請う。あやまる。」とあります。お詫びには、自分の非を認めることが入っています。「容赦」の語釈は「ゆるすこと。大目に見ること。」で、非を認める意味は入っていません。迷惑をかけた相手に「ご容赦ください」だけを送ると、非を認めないまま、許すことだけを求めた形になります。

惜しい例:「納品が一日遅れました。ご容赦ください」

良い例:「◯月◯日(◯)お届けのお約束が、一日遅れました。申し訳ございません。原因は、当社の出荷の手配の誤りです。本日◯時に、お届けを済ませております。今後は、出荷の前日に、手配の内容を二人で確認いたします」

どちらも説明用の例です。良い例は、お詫びの言葉、起きた事実、原因、今の状況、これからの対応の順に書いています。お詫びの連絡は、送る前に上司へ報告します。順番と文例は、お詫びメールの書き方にまとめています。

相手から苦情を受けた場面で、自社に非があるかどうかがまだ分からないときは、お詫びの範囲を分けます。分け方は、クレーム対応の基本にあります。

お許しください・ご了承ください・申し訳ございません・ご勘弁くださいとの違い

近い言葉を、辞書の語釈で比べます。「 」の中は、デジタル大辞泉(コトバンク)の文をそのまま写したものです。

言い方元の言葉と語釈語釈から言えること
ご容赦ください容赦:「ゆるすこと。大目に見ること。」大目に見てもらう。行き届かない点を、先に断るときに合う
お許しください許す:「過失や失敗などを責めないでおく。とがめないことにする。」過失や失敗を、とがめないでもらう。起きた失礼に対して使える
ご了承ください了承:「事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。」事情を納得して、受け入れてもらう。許す・許さないの話ではない
申し訳ございません申し訳ない:「言い訳のしようがない。弁解の余地がない。相手にわびるときに言う語。」相手に頼む言葉ではなく、わびる言葉。起きた迷惑には、これが先
ご勘弁ください勘弁:「他人の過失や要求などを許してやること。堪忍。」過失を許してもらうほか、要求を受けられないときにも使う

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

取り違えやすい所を、3つ挙げます。

「ご容赦」と「ご了承」:許してもらうのか、受け入れてもらうのか

対応できないことを断るとき、どちらも使われます。分ける基準は、相手が期待していたかどうかです。「土曜と日曜は、出荷を休んでおります」のように、決まりを知らせるなら、受け入れてもらう話なので「ご了承ください」です。相手から「土曜に届けてほしい」と頼まれて断るなら、期待に添えないことを許してもらう話なので、「ご容赦ください」が合います。

知っておいてもらうだけの連絡は、また別の言葉になります。「ご承知おきください」の意味と使い方にまとめています。

「申し訳ございません」は、頼みではなく、お詫び

「ご容赦ください」は、相手に「許して」と頼む言葉です。「申し訳ございません」は、自分がわびる言葉です。向きが逆です。起きた迷惑には、わびる言葉を先に書きます。そのうえで「何とぞご容赦くださいますよう、お願い申し上げます」を足すかどうかは、会社の文例や上司の指示に合わせます。

なお、同じ辞書の補説は、「申し訳ありません」「申し訳ございません」と言うことについて、「一概に誤りとは言えない。」としています。

「ご勘弁ください」は、断るときにも使う言葉

「勘弁」の語釈には、「過失」のほかに「要求」が入っています。辞書の用例にも「保証人になる話は―してもらった」とあり、頼まれごとを断る場面で使われる言葉だと分かります。

「ご容赦ください」と「ご勘弁ください」のどちらが丁寧か、取引先に使ってよいかを決めた説明は、上の辞書の語釈にはありません。「敬語の指針」にも、「容赦」「勘弁」という言葉は出てきません。公的な決まりは見当たらないので、会社の文例と、先輩が取引先へ送った文面に合わせます。

手紙で見かける「ご海容ください」は、同じ辞書に「海のように広い寛容な心で、相手の過ちや無礼などを許すこと。主に手紙文で用いる。」とあります。メールより、改まった手紙で使う言葉だと、辞書から分かります。

形:「何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます」

「ご容赦」の後ろに付ける形で、調子が変わります。次の表は一例です。

形特徴向く場面(一例)
ご容赦ください相手に直接頼む形。短い案内文や注意書き。社内への連絡
ご容赦くださいますよう、お願い申し上げますお願いの形にする取引先へのメール。書面の案内
何とぞご容赦くださいますよう、お願い申し上げます「何とぞ」で、願う気持ちを強める相手の不便が大きいとき。改まった書面
ご容赦いただけますと幸いです自分の気持ちを述べる形。やわらかい小さな行き届かなさを、個別のメールで断る
ご容赦願います短く、事務的掲示や、社内の事務連絡

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

「何卒(なにとぞ)」は、同じ辞書に「相手に強く願う気持ちを表す。どうぞ。どうか。」とあり、用例に「何卒お許しください」が挙がっています。強く願う言葉なので、小さなことに毎回付けると、どれが大事なお願いかが分かりにくくなります。一通に一回、いちばん許してもらいたい所に使います。

「平に」という言葉もあります。同じ辞書に「相手に懇願するさま。なにとぞ。どうか。」とあり、用例は「平に御容赦を願います」です。意味は「何とぞ」と近いことが、語釈から分かります。

「幸いです」を付ける形の強さの選び方は、「幸いです」の意味と使い方にまとめています。

文例:メールと案内文

4つの例です。どれも説明用の例で、内容は自分の会社の決まりに合わせて書き換えます。

1. 返事が遅くなる(メール)

◯月◯日(◯)から◯日(◯)まで、出張のため、メールの確認が夜のみとなります。

ご返信が翌営業日になる場合がございます。ご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。

お急ぎの際は、[部署名]の[氏名](電話:[番号])までご連絡ください。

いつからいつまで、どうなるか、急ぎのときはどうすればよいか、の3つを書いています。代わりに受ける人の名前と連絡先は、本人と上司に確かめてから書きます。

2. 急いで作った資料を送る(メール)

お打ち合わせに間に合うよう、取り急ぎ、概要のみをまとめた資料をお送りします。

図と数字の出どころは、まだ入れておりません。行き届かない点は、ご容赦ください。

整えた版は、◯月◯日(◯)までにお送りします。

どこが足りないかを先に書いています。相手は、足りない所を自分で探さずに済みます。ただし、数字の誤りは「行き届かない点」ではありません。金額や数量は、急ぎでも見直してから送ります。

3. 品切れ(案内文)

数に限りがあるため、ご注文が重なった場合は、お届けまでに日数をいただくことがございます。

何とぞご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。

お届けの見込みは、ご注文の翌営業日に、メールでお知らせいたします。

大勢に向けた案内文の例です。相手が次にいつ・何で知らされるかを、最後に書いています。

4. 対応できないことを断る(メール)

このたびは、ご相談をいただき、ありがとうございます。

あいにく、土曜日のお届けは、配送の便がなく、お受けすることができません。ご希望に添えず、申し訳ございません。何とぞご容赦ください。

金曜日の午後、または月曜日の午前でしたら、お届けできます。ご都合をお聞かせいただけますでしょうか。

断る理由、お詫び、代わりの案の順です。相手の頼みを断るので、ここでは「申し訳ございません」を先に書き、その後ろに「ご容赦ください」を置いています。代わりの案で終えると、相手は次の返事を書きやすくなります。

迷いやすい判断と、送ったあと

判断1:取引先や上司に、「ご容赦ください」を使ってよい?

上の辞書の語釈に、使う相手を限る説明はありません。「敬語の指針」にも、この言葉は出てきません。基準は、相手が誰かより、許してもらいたいことの大きさに合っているかです。小さな行き届かなさを先に断るなら合います。相手がすでに困っていることなら、相手が誰でも、お詫びが先です。

判断2:理由は、どこまで書く?

基準は、相手が予定を立てるのに要る分だけです。「出張のため」「配送の便がないため」で足ります。社内の事情や、ほかの取引先の名前は書きません。書いてよいか迷う理由は、先輩に「この理由は、取引先にそのまま伝えてよいですか」と聞きます。

判断3:相手から「ご容赦ください」と届いたら?

相手が先に断ってきた、ということです。困らないなら、「承知いたしました。ご事情、理解いたしました」と短く返します。困ることがあるなら、黙って受け入れず、困る点を一つ書きます。「◯日の午前に使う予定でした。前の日に一部だけ受け取ることはできますか」のような形です(説明用の例です)。相手を責める言葉は足しません。

判断4:同じ相手に、何度も「ご容赦ください」と書いている

先に断る連絡が続くなら、言葉より、段取りを見直す合図です。基準は、同じ理由が二回続いたかです。「返信が遅れる」が続くなら、返信の時間を一日の予定に入れる、不在のときの代わりの人を決める、という手を上司に相談します。相談するときは、「A社への返信が、今月二回、翌日になりました。不在のときの受け方を決めたいです」と、事実と回数を添えます(説明用の例です)。

失敗1:起きた迷惑に、「ご容赦ください」だけで送った

その場では:相手の返事を待たずに、上司へ報告します。送った文面を見せ、追ってお詫びをする方法(電話か、メールか、誰からか)を決めてもらいます。追う連絡では、「先ほどのメールは、お詫びの言葉が足りておりませんでした。申し訳ございません」と、言い訳を足さずに伝え、起きたことと、これからの対応を言います(説明用の例です)。

後の記録:「遅れた後なのに、先に断るときの言葉で書いた。次からは、書く前に、相手が今もう困っているかを一行書く」と、次の手順の形で残します。

失敗2:断ったあと、相手が困ったままになった

その場では:「ご容赦ください」で断って、代わりの案を書かなかったときに起きます。気づいたら、こちらから連絡します。「先日はご希望に添えず、失礼いたしました。別の方法を確認しましたので、ご案内します」と伝え、できることを一つ示します(説明用の例です)。できることがないなら、上司に相談してから連絡します。

後の記録:断った内容、相手が本当に困っていたこと、代わりに出した案の3つを書きます。次に同じ頼みが来たとき、最初から代わりの案を添えられます。

失敗3:先に断った期限も、守れなかった

その場では:「翌営業日に返信します」と書いて、それも過ぎたなら、もう先に断る場面ではありません。お詫びの連絡になります。遅れたことをわび、今の状況と、次にいつ返事をするかを伝えます。

後の記録:「できる日を、余裕なく書いた。次からは、予定表を見て、確かに空いている時間を入れてから日付を書く」と残します(説明用の例です)。上司には、遅れた事実と、伝え直した期限を報告します。報告の順番は、営業で失敗したときにあります。

今日やることは一つです。これから送る連絡一通について、許してもらいたいことが「これから起きるかもしれないこと」か「すでに起きたこと」かを分け、前者なら、理由と代わりにできることを添えて一文を書いてください。

依頼や誘いを断るメールの書き方は、お断りメールの書き方と文例にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
これから送る連絡の下書き。相手の希望や期限が分かるメール。自分の予定表(いつなら対応できるかを書くため)。

記入例を見る(説明用)

許してもらいたいこと=A社の佐藤様からの問い合わせに、今週はすぐ返信できない/これから起きることか、すでに起きたことか=これから起きること。◯月◯日(◯)から◯日(◯)まで出張で、メールを見られる時間が夜だけになる/理由=出張で外出が続くため。行き先や用件は書かない/代わりにできること=急ぎの用件は、同じ課の鈴木が受ける。鈴木の連絡先を書いてよいか、鈴木本人と上司に確かめる(未確認)。自分からの返信は、翌営業日の午前中までにする/使う形と、先に書く言葉=「ご返信が翌営業日になる場合がございます。ご容赦くださいますよう、お願い申し上げます」。まだ迷惑は起きていないので、お詫びの言葉は先に置かない。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

許してもらいたいことが一つ書いてあり、これから起きることか、すでに起きたことかを分けて、理由と代わりにできることを添えた一文になっている。

うまく進まなかったときは?

すでに起きたことか、これからのことかが決まらなければ、「相手は今、もう困っているか」を考える。困っているなら、お詫びが先。代わりにできることが書けなければ、先輩に「この件、いつまでなら対応できると書いてよいですか」と、下書きを見せて聞く。

NEXT NOTE

次に読むなら

お詫びメールの書き方を確かめる「ご承知おきください」との違いを確かめる「ご放念ください」の使い方を確かめる