NOTE 70 · 営業の実践ノート
簡単な自己紹介の例文(ビジネス):名前・役割・相手との関係を、短く伝える
公開:2026年10月3日
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仕事の場面の簡単な自己紹介は、「名前→所属と役割→相手との関係(今日の用件)→ひとこと」の順に、短く言えば足ります。相手が知りたいのは、経歴よりも「誰か」「何の担当か」「自分とどう関わるのか」の3つだからです。この記事では、長さ別(一言・30秒ほど・1分ほど)と場面別の例文を、説明用の例として並べます。就職や転職の面接で話す自己紹介は、目的が違うので、この記事では扱いません。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 初めての訪問、配属や異動のあいさつ、オンライン会議の冒頭で、何をどこまで言えばよいか迷うとき。
- 1
自己紹介をする場面と、聞く相手を決める
- 2
名前→所属と役割→相手との関係→ひとことの順に書く
- 3
声に出して時間を計り、長ければ経歴から削る
- 4
名前と会社名を、ゆっくり言う練習をする
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
仕事の自己紹介で、相手が知りたい3つ
「簡単に自己紹介をお願いします」と言われると、何をどこまで話せばよいかで迷います。出身、学校、これまでの仕事、趣味。思いつくものを順に話すと、長くなり、聞いている人は「それで、この人は自分と何の関係があるのか」が分からないまま待つことになります。
仕事の場面で、相手が自己紹介から知りたいことは、多くの場合、次の3つです。
| 相手が知りたいこと | 自己紹介で言うこと | 言わないと、どうなるか |
|---|---|---|
| 誰か | 会社名と名前 | 後で名前を呼べず、連絡もしにくい |
| 何の担当か | 部署と、受け持っている仕事 | 何を聞いてよい人なのかが分からない |
| 自分とどう関わるのか | 相手との関係と、今日の用件 | 話を聞く理由が分からず、聞き流される |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
3つめが、抜けやすい所です。名前と部署を言って終わると、相手は「担当が変わるのか」「今日は何の話なのか」を自分で想像することになります。「あなたの会社を、今月から担当します」「今日は、見積もりの説明に来ました」のような一文があると、相手は聞く準備ができます。
経歴や人柄は、自己紹介で全部伝えなくても、その後のやり取りの中で伝わっていきます。最初は、3つに答えることを先にします。
なお、この記事で扱うのは、取引先や社内の人に向けた、仕事の場面の自己紹介です。就職や転職の面接で話す自己紹介は、自分を選んでもらうための場で、話す中身が変わります。この記事の例文は、面接向けではありません。
組み立て:名前→所属と役割→相手との関係→ひとこと
自己紹介は、4つの部品を順に並べて作ります。下の実践シートと同じ並びです。
- 名前を言う。会社名と名前を、ゆっくり言います。初めての相手には「[自社名]の[氏名]と申します」、何度か会っている相手には「[自社名]の[氏名]です」と名乗る形が、よく使われます。名前は、相手にとって初めて聞く言葉です。早口だと聞き取れず、相手は聞き返しにくいまま話が進みます。
- 所属と役割を言う。部署名と、何を受け持っているかを一文で言います。部署名だけでは仕事が伝わらないときは、「[地域]のお客様を担当しております」のように、動きで言い直します。相手は、何を聞いてよい人なのかが分かります。
- 相手との関係と、今日の用件を言う。「御社を担当します」「本日は、ごあいさつに伺いました」のように、相手と自分のつながりを言います。ここが、相手にとっていちばん知りたい所です。
- ひとことで終える。「どうぞよろしくお願いいたします」で終えます。終わりの言葉があると、相手は「ここで自己紹介が終わった」と分かり、次に話し始められます。
作るときは、先に紙に書きます。頭の中だけで組み立てると、話している途中で順番が入れ替わり、同じことを二度言いやすくなります。
書いたら、声に出して、時間を計ります。読むのと話すのとでは、かかる時間が違います。長いと感じたら、経歴の部分から削ります。相手との関係の一文は、最後まで残します。
長さ別の例文:一言・30秒ほど・1分ほど
自己紹介の長さは、場面で決まります。ここでは3つの長さの例を並べます。「30秒ほど」「1分ほど」は、きっちり合わせるための数字ではなく、声に出して計るときの目安です。話す速さは人によって違うので、自分の声で計って確かめてください。例文は、すべて説明用の例です。[ ]は、自分の内容に置き換えます。
一言:名乗るだけでよい場面
立ち話、会議で順番に名乗るとき、同行した先輩に「うちの新人です」と紹介された後などです。
「[自社名]の[氏名]と申します。[部署名]で、御社を担当しております。よろしくお願いいたします」
名前、役割、相手との関係が、一文ずつ入っています。これより短くするなら、役割を省いて、名前と「御社を担当しております」を残します。
30秒ほど:初めての訪問や、打ち合わせの冒頭
「はじめまして。[自社名]の[氏名]と申します。[部署名]で、[地域や商品]を担当しております。」
「今月から、[先輩の名前]と一緒に、御社を担当いたします。本日は、ごあいさつと、今お使いの商品の状況を伺いに参りました。」
「どうぞよろしくお願いいたします」
一言の形に、「誰と一緒に担当するのか」と「今日の用件」を足した形です。相手は、この後の話が何のためのものかを分かったうえで、聞き始められます。
1分ほど:時間をもらって話す場面
配属先の朝礼、顔合わせの会、「一人ずつ自己紹介を」と言われた会議などです。
「本日から[部署名]に配属になりました、[氏名]と申します。」
「前の部署では、[前の仕事]を担当しておりました。こちらでは、[先輩の名前]さんについて、[担当する仕事]を受け持つと聞いております。」
「分からないことが多く、質問をさせていただくことがあると思います。聞く前に自分で調べたことを添えて、伺うようにします。」
「どうぞよろしくお願いいたします」
長い形でも、足すのは「これまで何をしていたか」を一文と、「これからどう関わるか」です。経歴は、相手の仕事に関わる所だけを選びます。全部を順に話す必要はありません。
長さに迷ったら、短いほうを選びます。短ければ、相手が知りたいことを質問してくれます。長すぎた場合、相手は途中で止めにくく、待つだけになります。
場面別の例文
4つの部品は同じでも、場面によって、足す一言が変わります。次の表は一例です。
| 場面 | 相手が気にしていること | 足す一言(一例) |
|---|---|---|
| 取引先に初めて会う | この人は、何をしに来たのか | 今日の用件 |
| 前任から引き継いだ | これまでの話は、伝わっているのか | 前任者の名前と、引き継いだこと |
| 社内の配属・異動 | 誰について、何をする人か | 受け持つ仕事と、教わる相手 |
| オンライン会議の冒頭 | 今、話しているのは誰か | 会議での自分の役目 |
| 電話で名乗る | どこの誰からの電話か | 会社名を先に、用件を短く |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
1. 取引先に初めて会う
上の「30秒ほど」の形が、そのまま使えます。名刺を渡しながら名乗る場合は、名刺を出す動きと言葉が重なります。渡す向きや順番は、名刺の渡し方・名刺交換のやり方にまとめています。訪問の前に調べておくことは、初めての訪問で準備する3つのことにあります。
2. 前任から引き継いだ
「はじめまして。[自社名]の[氏名]と申します。[前任者の名前]に代わりまして、◯月から御社を担当いたします。」
「これまでのお取引の内容と、進行中の[案件名]については、[前任者の名前]から引き継いでおります。行き届かない点がありましたら、お知らせください。」
「どうぞよろしくお願いいたします」
担当が変わるとき、相手は「また一から説明するのか」と気にしています。何を引き継いでいるかを一文で言うと、相手は続きから話せます。引き継いでいないことまで「すべて伺っております」と言うと、後で食い違うので、聞いている範囲だけを言います。引き継ぎメモの作り方は引き継ぎメモに、メールであいさつする場合の文例ははじめましてのビジネスメールにあります。
3. 社内の配属・異動のあいさつ
上の「1分ほど」の形です。朝礼などで時間が短いと分かっているときは、名前、受け持つ仕事、ひとことの3つに縮めます。社内では、相手も自分の仕事の手を止めて聞いています。長さは、前に話した人に合わせると、外れにくくなります。
4. オンライン会議の冒頭
「[自社名]の[氏名]です。本日は、[先輩の名前]と一緒に参加しております。記録を担当しますので、途中で確認のためにお尋ねすることがあります。よろしくお願いいたします」
オンラインでは、画面に何人も並び、誰が話しているかが分かりにくくなります。会社名と名前を先に言い、会議での役目(説明する、記録する、同席する)を足すと、相手は誰に何を聞けばよいかが分かります。画面に出る表示名を「会社名+名前」にしておくかどうかは、会社の決まりや、先輩の表示に合わせます。
5. 電話で名乗る
「お世話になっております。[自社名]の[氏名]と申します。[用件]の件でお電話しました。[担当者名]様は、いらっしゃいますでしょうか」
電話では顔が見えないので、会社名を先に、名前をゆっくり言います。経歴や役割の説明は要りません。用件を一言足すと、取り次ぐ人が相手に伝えやすくなります。かけ方の全体は、営業電話のかけ方にまとめています。
言い方の例と、迷いやすい判断
次の3つは、取引先への初めての訪問を想定した、説明用の例です。
- 惜しい例1:「[氏名]と申します。出身は[地名]で、大学では[学部]を出まして、入社して最初は[部署名]におりまして、その後……」
- 惜しい例2:「[自社名]の[氏名]です。よろしくお願いします」
- 良い例:「[自社名]の[氏名]と申します。今月から、御社を担当いたします。本日は、ごあいさつに伺いました。よろしくお願いいたします」
惜しい例1は、内容に誤りはありませんが、相手が知りたい「自分とどう関わるのか」が、なかなか出てきません。経歴は、相手に聞かれたときに答えれば足ります。
惜しい例2は、短くて聞きやすい形です。ただ、相手との関係がありません。同行の先輩が先に紹介してくれた後なら、これで足ります。自分が最初に話すなら、「御社を担当いたします」の一文を足します。
良い例は、名前、関係、今日の用件が、一文ずつ入っています。
判断1:趣味や出身は、言ったほうがよい?
基準は、その場が何のための場かです。商談や打ち合わせの冒頭なら、用件が先なので、入れなくて構いません。歓迎会や、配属先での顔合わせのように、お互いを知ることが目的の場なら、一つだけ足すと、後で話しかけてもらうきっかけになります。
足すなら、一文にします。くわしく話すのは、相手から聞かれた後で構いません。場の目的が分からないときは、前に話した人が入れているかどうかを見て合わせます。
判断2:新人であることは、言ったほうがよい?
言うかどうかは、会社や上司の考え方で分かれます。先に、同行する先輩に「新人であることは、お伝えしてよいですか」と聞きます。
言う場合は、相手が困らない形にします。「新人なので、分かりません」で終えると、相手は誰に聞けばよいかが分かりません。「今年入社しました。お答えできないことは、持ち帰って、[先輩の名前]に確かめてからご連絡します」のように、分からないときにどう動くかを一緒に言います(説明用の例です)。
判断3:名刺が無いときは、どうする?
名刺がまだできていない、切らした、というときは、口頭の自己紹介が、相手の手元に残る唯一の情報になります。会社名と名前を、ふだんよりゆっくり言います。そのうえで、「名刺を切らしておりまして、申し訳ございません。後ほど、メールで連絡先をお送りします」と、どうやって連絡先を届けるかを伝えます(説明用の例です)。
帰ったら、その日のうちに送ります。名刺を切らしたときの動きは、名刺交換のやり方でも説明しています。
判断4:名前が読みにくい・聞き取りにくいときは?
自分の名前が、聞き間違えられやすいと分かっているなら、先に一言足します。「[氏名]と申します。[漢字の説明]と書きます」のように、漢字や区切りを伝えます(説明用の例です)。相手は、聞き返す手間がなくなり、後でメールを書くときにも迷いません。
相手の名前が聞き取れなかったときは、その場で聞くほうが、後で間違えるよりも相手に負担をかけません。聞き方は、次の「失敗3」に書きます。
自己紹介で失敗したとき
自己紹介の失敗は、その場で直せるものがほとんどです。その場の動きと、後の記録をセットにします。
失敗1:社名や名前を、かんだ・言い間違えた
その場では:そのまま流さず、言い直します。「失礼しました。[自社名]の[氏名]です」と、もう一度ゆっくり言います。相手にとって大事なのは、正しい会社名と名前が分かることです。短く言い直せば、相手は正しい名前を受け取れます。
後の記録:どこで詰まったかを書きます。「会社名から名前へ続けて言おうとして、かんだ。次からは、会社名の後で一拍おく」のように、どこで・何を変えるかまで書きます(説明用の例です)。言いにくい所は、訪問の前に声に出しておきます。
失敗2:話しているうちに、長くなった
その場では:長くなったと気づいた所で、切り上げます。「長くなりました。本日は、[用件]のお話で伺いました。よろしくお願いいたします」と、用件に戻して終えます(説明用の例です)。途中の話を最後まで言い切ろうとすると、さらに長くなります。
後の記録:何を話して長くなったかを書き、次に削る所を決めます。「前の部署の話を、三つ続けた。次からは一つにする」のような形です(説明用の例です)。書いた自己紹介を、もう一度声に出して計り直します。
失敗3:相手の名前を、聞きそびれた
その場では:名刺をもらっていれば、名刺で確かめます。名刺が無いときや、読み方が分からないときは、話の区切りで聞きます。「恐れ入ります。お名前を、もう一度伺ってもよろしいでしょうか」「お名前は、どのようにお読みすればよろしいでしょうか」と聞きます(説明用の例です)。聞くのが遅くなるほど、聞きにくくなります。
同行の先輩がいる場合は、帰り道で先輩に聞く方法もあります。
後の記録:相手の名前、読み方、部署、会った日を、その日のうちに書きます。次に会う前に、この記録を見てから出かけます。
今日やることは一つです。次に自己紹介をする場面を一つ決め、4つの部品を書いて、声に出して時間を計ってください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
自分の名刺(会社名・部署名の正しい書き方を見るため)。次に会う相手の名前と、会う目的が分かるメモ。時間を計れる時計かスマートフォン。
記入例を見る(説明用)
自己紹介をする場面と、聞く相手=[会社名]への初めての訪問。相手は[部署名]の[担当者名]様。先輩の[先輩の名前]さんが同行する/名前と、所属・役割の一文=「はじめまして。[自社名]の[氏名]と申します。[部署名]で、[地域や商品]を担当しております。」/相手との関係(今日の用件)の一文=「今月から、[先輩の名前]と一緒に、御社を担当いたします。本日は、ごあいさつと、今お使いの商品の状況を伺いに参りました。」/最後のひとこと=「どうぞよろしくお願いいたします。」/声に出して計った時間と、削った所・直した所=計ったら目安の30秒より長かった。入社の年と前の部署の話を削った。会社名を早口で言っていたので、会社名と名前の間で一拍おくことにした。相手の名前の読みは未確認。今日、先輩に聞く。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
名前、所属と役割、相手との関係(今日の用件)、ひとことが書いてあり、声に出して時間を計って、長い所を削ってある。
うまく進まなかったときは?
相手との関係が書けなければ、先輩に「今日は、どういう立場でごあいさつすればよいですか」と聞く。長くなるなら、経歴と趣味を先に削り、相手との関係の一文を残す。名前を言いにくければ、会社名と名前の間で一拍おいて、もう一度声に出す。