NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 57 · 営業の実践ノート

はじめましてのビジネスメール:初めての相手に、誰が・なぜ・何をお願いするかを書く

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初めての相手に送るビジネスメールでは、相手が知りたい3つを先に書きます。誰からのメールか、なぜ自分に送られてきたのか、何をしてほしいのか、です。書く順番は、件名→宛名→名乗り→連絡した理由→用件→お願い→署名です。この記事では、紹介を受けたとき、問い合わせに返すとき、前任者から引き継いだときなど、場面ごとの文例と、迷いやすい判断を説明します。

今日できるようになること

初めて連絡する相手を一人決め、「誰が・なぜ・何をお願いするか」を一文ずつ書いて、件名を付ける。

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こんなときに 会ったことのない相手に初めてメールを送ることになり、書き出しと順番が決まらないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    相手の会社名・名前・連絡先を、元の資料で確かめる

  2. 2

    誰が・なぜ・何をお願いするかを、一文ずつ書く

  3. 3

    件名から署名まで、決まった順番に並べる

  4. 4

    宛先・名前・添付を見直してから送る

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

初めての相手が知りたい3つ

知らない人からメールが届くと、相手は開く前に身構えます。読むか、後回しにするか、閉じるかを、件名と最初の数行で決めます。そのとき相手が知りたいことは、次の3つです。

  1. 誰からか。会社名と名前、どんな仕事をしている人かです。これが分からないと、相手は続きを読む理由がありません。
  2. なぜ自分に来たのか。誰かの紹介なのか、自分が問い合わせた件の返事なのか、前の担当者からの引き継ぎなのか。いきさつが分かると、相手は「読んでよいメールだ」と判断できます。
  3. 何をしてほしいのか。返事がほしいのか、日程を選んでほしいのか、資料を見てほしいのか。お願いが一つにしぼられていると、相手は返事を書きやすくなります。

初心者がつまずきやすいのは、2番目です。自分の会社や商品の説明から書き始め、なぜその人に送ったのかが抜けることがあります。相手から見ると、誰にでも送っている宣伝と区別がつきません。

この記事は、紹介・問い合わせ・引き継ぎなど、連絡するいきさつがある相手への最初の一通を扱います。会ったことのない相手に、営業の案内を大量に送る方法は扱いません。その理由は、この後の「迷いやすい判断」に書いています。

書く順番:件名から署名まで

初めての相手へのメールは、次の7つを、この順番で書きます。順番が決まっていると、書き出しで手が止まりません。

  1. 件名。用件と、自分の会社名・名前を入れます。「ご挨拶」「お世話になります」だけの件名は、開かないと中身が分かりません。紹介なら、紹介者の名前を入れると、相手が見つけやすくなります。
  2. 宛名。会社名、部署名、名前の順に書きます。名刺や問い合わせの文など、元の資料を見て写します。会社名や名前の間違いは、最初の一通でいちばん避けたい失敗だからです。
  3. 名乗り。「はじめてご連絡いたします。[自社名]の[氏名]と申します」のように書きます。初めての相手なので、「いつもお世話になっております」と書くと、相手は「どこかで会ったか」と迷うことがあります。
  4. 連絡した理由。なぜその人に送ったのかを、一文で書きます。「◯◯様からご紹介をいただき」「お問い合わせをいただいた件で」「前任の◯◯に代わり」などです。
  5. 用件。何の話かを、2〜3文で書きます。自分の会社の紹介は、ここで一文あれば足ります。くわしい説明は、資料や次の機会に回します。
  6. お願い。相手にしてほしいことを、一つ書きます。日程なら候補を2〜3つ、返事がほしいなら「いつごろまでに」を添えます。相手が、はい・いいえや、日付だけで返せる形にします。
  7. 署名。会社名、部署、名前、電話番号、メールアドレスを入れます。電話で返したい相手もいるからです。署名の形が会社で決まっていれば、それを使います。

書き終えたら、3番から6番を声に出して読みます。一息で読めない長さなら、用件の段落を削ります。

文例:4つの場面

4つの文例を並べます。社名・人名・日付・用件は、どれも説明用の例です。[ ]と◯の所を、自分の案件に置き換えてください。書き出しや結びの言い回しは、会社や先輩が使っているものがあれば、そちらに合わせます。

1. 紹介を受けて連絡する

件名:B社 鈴木様のご紹介でご連絡しました([自社名] [氏名])

[会社名] [部署名] [担当者名]様

はじめてご連絡いたします。[自社名]で営業を担当しております、[氏名]と申します。

B社の鈴木様より、備品の管理については[担当者名]様がご担当と伺い、ご連絡しました。

弊社は、事務所の備品の発注をまとめる仕組みを扱っています。今のやり方をお聞かせいただき、お役に立てる所があるかを確かめたいと考えています。

30分ほど、お話を伺うお時間をいただけますでしょうか。次の日程でしたら、こちらから伺えます。
・◯月◯日(◯)午前
・◯月◯日(◯)午後
・◯月◯日(◯)終日

ご都合のよい日をお知らせいただけますと幸いです。難しい場合は、その旨だけでもお知らせください。

[署名]

件名と本文の両方に、紹介者の名前があります。送る前に、紹介者が相手へ「連絡が行く」と伝えてくれているか、紹介者の名前を出してよいかを確かめます。伝わっていないまま名前を出すと、紹介者にも相手にも迷惑がかかるからです。会う約束のお願いのしかたは、営業のアポ取りにまとめています。

2. 問い合わせへの最初の返事

件名:お問い合わせの件(10名でご利用の場合の料金について)

[会社名] [担当者名]様

はじめてご連絡いたします。[自社名]の[氏名]と申します。

このたびは、弊社のホームページよりお問い合わせをいただき、ありがとうございます。いただいたご質問の担当として、ご連絡しました。

10名でご利用の場合の料金は、添付の料金表のとおりです。初期の設定にかかる費用は、条件によって変わりますので、確認のうえ、◯月◯日(◯)までにあらためてお知らせします。

確認のため、1点お聞かせください。ご利用を始めたい時期は、お決まりでしょうか。

[署名]

相手が先に連絡をくれているので、「なぜ自分に来たのか」は、お問い合わせへのお礼で伝わります。相手の質問に、最初の段落で答えています。まだ答えられないことは、いつまでに答えるかを書いています。問い合わせを受けてからの動きは、反響営業とはにまとめています。

3. 相手の資料やホームページを見て連絡する

件名:貴社ホームページの「協力会社募集」を拝見しました([自社名] [氏名])

[会社名] ご担当者様

はじめてご連絡いたします。[自社名]で営業を担当しております、[氏名]と申します。

貴社ホームページの「協力会社募集」のページを拝見し、ご連絡しました。

弊社は、梱包用の資材を扱っています。募集の内容に合うかどうかを、ご相談させていただきたく存じます。

会社案内を添付しました。ご担当の方へおつなぎいただくことは、可能でしょうか。

[署名]

相手が、連絡を受け付けていると分かる場合の例です。何を見て連絡したのかを、ページの名前まで書いています。担当者の名前が分からないので、宛名は「ご担当者様」とし、お願いは「担当の方につないでほしい」の一つにしています。

4. 前任者から引き継いだ

件名:担当変更のご挨拶([自社名] [氏名])

[会社名] [部署名] [担当者名]様

はじめてご連絡いたします。[自社名]の[氏名]と申します。

◯月より、前任の[前任者名]に代わり、貴社を担当することになりました。

これまでの経緯は、[前任者名]から引き継いでおります。進行中のお見積もりの件は、◯月◯日(◯)までに、私からご連絡します。

一度、ご挨拶に伺いたく存じます。ご都合のよい日時を、お聞かせいただけますでしょうか。

今後のご連絡は、下記の私あてにお願いいたします。

[署名]

相手がいちばん気にするのは、「これまでの話が、新しい担当に伝わっているか」です。そのため、引き継いだことと、進行中の件を誰がいつまでにやるかを書いています。前任者と連名で送るか、前任者から先に一報を入れるかは、上司に決めてもらいます。引き継ぐ内容の残し方は、引き継ぎメモにまとめています。

場面で変わるところと、言い方の例

7つの順番は同じです。いきさつによって、「連絡した理由」の書き方と、送る前に確かめることが変わります。次の表は一例です。

場面連絡した理由の書き方(一例)送る前に確かめること
紹介を受けた「◯◯様よりご紹介をいただき」と、紹介者の名前を書く紹介者が相手に伝えてくれているか。名前を出してよいか
問い合わせへの返事「お問い合わせをいただいた件で」と、相手の質問に触れる相手の質問の文。希望の連絡方法。過去のやり取りの有無
相手の資料やホームページを見た「◯◯のページを拝見し」と、見た物を書く相手が連絡を受け付けているか。自社で送ってよい相手か
前任者から引き継いだ「前任の◯◯に代わり」と、引き継いだことを書く進行中の件と期限。前任者からの連絡の有無
名刺交換だけした相手「◯月◯日の◯◯でご挨拶した」と、会った場を書く名刺の会社名と名前。その場で話した内容
相手が複数(部署あて)誰にあてた用件かを書く窓口になる人が誰か。分からなければ「ご担当者様」にする

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

名刺交換をした相手や、商談で会った相手へのお礼は、営業のお礼メールにまとめています。

書き出しを比べる

次の3つは、説明用の例です。

  • 惜しい例1:「いつもお世話になっております。弊社は創業以来、お客様第一で……」と、会社の紹介が続く
  • 惜しい例2:「突然のご連絡失礼いたします。ぜひ一度、お時間をください」
  • 良い例:「はじめてご連絡いたします。[自社名]の[氏名]と申します。B社の鈴木様よりご紹介をいただき、ご連絡しました」

惜しい例1は、誰からかは分かりますが、なぜ自分に来たのかが出てきません。惜しい例2は、理由と用件がなく、相手は何のために時間を取るのかを判断できません。良い例は、名乗り→連絡した理由が2文で済んでいて、相手は3文目から用件を読めます。

「突然のご連絡失礼いたします」「はじめてご連絡いたします」「はじめまして」は、どれも初めての相手への書き出しとして、一般に使われている言い方です。どれが合うかは、会社や相手との関係で違います。書き出しの言葉より、その次に名乗りと理由が続いているかのほうが、相手の読みやすさを左右します。

お願いの書き方を比べる

  • 惜しい例:「ご検討のほど、よろしくお願いいたします」
  • 良い例:「次の3つの日程のうち、ご都合のよい日をお知らせいただけますでしょうか。難しい場合は、その旨だけでもお知らせください」

説明用の例です。惜しい例は、相手が何を返せばよいかが決まっていません。良い例は、日付を選ぶだけで返せます。断る道も書いてあるので、相手は返事をしやすくなります。

迷いやすい判断

判断1:相手の名前や役職が分からないときは?

基準は、確かめられたことだけを書くことです。名前が分からなければ、「[会社名] [部署名] ご担当者様」とします。役職が分からなければ、役職は書かず、名前に「様」を付けます。推測で役職を書くと、間違えたときに失礼になります。

名前の漢字は、名刺、相手からのメールの署名、相手の会社のホームページなど、元の資料から写します。耳で聞いただけの名前は、紹介者や先輩に「漢字を教えてください」と聞きます。

判断2:返事が来ないときは?

初めての相手には、返事をする義務がありません。まず、自分の側を確かめます。宛先のアドレスは合っていたか、迷惑メールとして扱われそうな件名でなかったか、お願いが一つにしぼられていたか、です。

もう一度連絡するかどうかの基準は、相手にとって用件があるかどうかです。問い合わせへの返事や、引き継ぎの連絡は、相手にも関係があるので、数日おいて電話かメールで確かめます。紹介の場合は、紹介者に「ご連絡しましたが、まだお返事をいただいていません。もう一度お送りしてよいでしょうか」と相談します。

何度も送り続けることは避けます。回数や間隔は、会社の方針を上司に聞きます。「A社の佐藤様に◯日にメールを送り、返事がありません。来週、一度だけお電話してよいですか」と、送った日と自分の案を添えます(説明用の例です)。

判断3:CCに上司を入れる?

会社の決まりが先です。初めての相手への連絡は、上司をCCに入れると決めている職場があります。決まりがなければ、上司に「A社への最初のメールに、CCでお入れしますか」と聞きます。

CCに入れるときは、本文に「弊社の[上司名]にも、同じメールを送っております」と一文書きます。相手は、知らないアドレスが入っている理由が分かります。紹介者をCCに入れるかどうかは、紹介者に聞いてから決めます。

判断4:紹介も問い合わせもない相手に、営業の案内を送ってよい?

自分で決めないでください。総務省のページには、広告・宣伝メールを送信する場合、そのメールは原則として特定電子メール法の規制対象となる、と書かれています。送ってよい相手や書き方は、会社の決まりを確かめ、上司や法務の担当に相談してから決めます。

上司には、「この一覧の会社に、案内のメールを送りたいと考えています。送ってよい相手かどうか、どなたに確認すればよいですか」と聞きます。答えが出るまでは送りません。

間違えたときの動きと記録

初めての一通の間違いは、相手にとって、こちらの第一印象になります。気づいたら、隠さずに直します。直す連絡と、帰ってからの記録をセットで行います。

失敗1:会社名や名前を間違えて送った

その場では:気づいたら、上司に伝えたうえで、おわびのメールを送ります。件名に「おわび」と入れ、どこを間違えたかと、正しい表記を短く書きます。

件名:【おわび】お名前の表記の誤りについて([自社名] [氏名])

[会社名] [担当者名]様

先ほどお送りしたメールで、お名前の表記を誤っておりました。大変失礼いたしました。

先のメールの内容につきましては、あらためてご確認いただけますと幸いです。

[署名]

説明用の例です。言い訳は足しません。

帰ってからの記録:「先輩から聞いた名前を、そのまま書いた。次からは、名刺か相手のメールの署名を見て写す」と、原因と次の動きを書きます。

失敗2:添付を忘れた

その場では:すぐに、添付したメールを送り直します。「先ほどのメールに、資料の添付がもれておりました。失礼いたしました。本メールに添付します」と書きます(説明用の例です)。件名は、元の件名の前に「再送」と入れると、相手がどちらを読めばよいか分かります。

帰ってからの記録:「本文に『添付』と書いたら、その時点でファイルを付ける。送る前に、添付の欄を見る」と書きます。

失敗3:宛先を間違えて、別の人に送った

その場では:気づいたらすぐに、上司に報告します。別の会社の人に、取引先の名前や内容、資料が届いた場合は、情報の扱いに関わります。相手への連絡や、削除のお願いを、自分だけの判断で進めないでください。会社の決まりに沿って、上司の指示で動きます。

報告では、いつ・誰あてのメールを・誰に送ったか、本文と添付に何が入っていたかを伝えます。分かっていることだけで、先に報告します。報告の順番は、営業で失敗したときにまとめています。

帰ってからの記録:「宛先の候補から、似た名前の人を選んだ。次からは、宛先のアドレスの@より後ろ(会社の部分)を、送る前に読む」と書きます。

今日やることは一つです。初めて連絡する相手を一人決め、「誰が・なぜ・何をお願いするか」を一文ずつ書いて、件名を付けてください。

件名から署名までの全体はビジネスメールの書き方、書き出しはビジネスメールの書き出し、結びはビジネスメールの締めにまとめています。

しばらく連絡していなかった相手へ送るときは、「ご無沙汰しております」の使い方を見てください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
相手の名刺や問い合わせの文など、会社名と名前が分かる元の資料。連絡することになったいきさつのメモ。会社のメールの決まり。

記入例を見る(説明用)

相手の会社名・名前と、確かめた元の資料=A社 総務部の佐藤様。先輩がもらった名刺の写しで、会社名と漢字を確かめた。役職は未確認なので書かない/誰からのメールか=「[自社名]で営業を担当しております、[氏名]と申します」/なぜこの相手に連絡したのか=B社の鈴木様から、「備品の管理の件なら佐藤様に」とご紹介をいただいた。鈴木様から佐藤様へ、私から連絡が行くことは伝えてあると聞いた(先輩に確認済み)/何をお願いするか(一つ)と、返事の期限=30分ほど、今のやり方を聞かせてもらう時間をいただきたい。候補日を3つ書く。期限は書かず、「ご都合のよい日をお知らせください」にする/件名と、送る前に見直すこと=件名は「B社 鈴木様のご紹介でご連絡しました([自社名] [氏名])」。会社名・お名前の漢字・宛先・CC(上司を入れるよう言われた)を、声に出して確かめる。添付はなし。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

相手の会社名と名前を元の資料で確かめてあり、誰が・なぜ・何をお願いするかが一文ずつ書けていて、件名だけで用件が分かる。

うまく進まなかったときは?

「なぜこの相手に連絡したのか」が書けなければ、連絡することになったいきさつを上司か先輩に聞く。お願いが二つ以上になったら、今回は一つにしぼり、残りは返事をもらってからにする。名前の読みや漢字が分からなければ、元の資料を持っている人に見せてもらう。

NEXT NOTE

次に読むなら

会う約束のお願いのしかたを見る問い合わせへの最初の連絡を準備する会った後のお礼メールを書く