NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 73 · 営業の実践ノート

上座・下座とは:会議室・応接室・車・エレベーター・会食の席順と、営業の動き方

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上座(かみざ)とは、その場でいちばん上位とされる席のことです。下座(しもざ)は、その反対の席です。一般的には、入口からいちばん遠い席が上座、入口にいちばん近い席が下座とされます。お客様や目上の人に上座へ座ってもらい、迎える側や若手が下座に座ります。この記事では、場所ごとの席順と、訪ねるとき・迎えるときの動き方を説明します。

今日できるようになること

次に使う部屋か車を一つ選び、どこが上座でどこが下座か、自分はどこで待ち、どこに座るかを書く。

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こんなときに 客先の応接室に通されて、どこに座ればよいか分からなかったとき。来客を会議室へ案内することになったとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    入口の場所を見て、いちばん遠い席といちばん近い席を確かめる

  2. 2

    訪ねたときは、すすめられるまで入口に近い側で待つ

  3. 3

    迎えるときは、奥の席を手で示して案内する

  4. 4

    迷ったら、相手のすすめと会社のやり方を先にする

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

上座・下座とは:その場でいちばん上位の席と、その反対の席

上座(かみざ)とは、その場でいちばん上位とされる席のことです。辞書(デジタル大辞泉「上座」)には、「席のうち、最も上位の席。」とあります。「じょうざ」とも読み、「上席(じょうせき)」も同じ意味で使われます。

下座(しもざ)は、その反対です。辞書(デジタル大辞泉「下座」)には、「人々が並んですわるとき、目下の者がすわる座席。」とあります。「末席(まっせき)」も同じ意味で使われます。

仕事の場では、お客様や目上の人に上座へ座ってもらい、迎える側や若手が下座に座ります。席の位置で、「あなたを大切なお客様として迎えています」という気持ちを表すためです。言葉にしなくても伝わる、あいさつの一つと考えると分かりやすくなります。

初めのうちは、次のような場面で手が止まりがちです。客先の応接室に通され、「おかけになってお待ちください」と言われたが、どこに座ればよいか分からない。来客を会議室に案内したが、どの席をすすめればよいか分からない。上司とお客様とタクシーに乗ることになり、自分がどこに乗るのか迷う。

席順には、法律や公的な決まりがあるわけではありません。広く行われている習慣です。会社や業界、部屋の造りによって変わります。この記事の説明は一般的な目安として読み、会社のやり方と、その場の相手のすすめを先にしてください。

席順の基本の考え方:入口から遠い席が上座、近い席が下座

場所ごとの席順を一つずつ覚える前に、もとになる考え方を3つ押さえます。これを知っていれば、初めて入る部屋でも見当が付きます。

1. 入口からいちばん遠い席が上座、いちばん近い席が下座

一般的には、入口からいちばん遠い席が上座、入口にいちばん近い席が下座とされます。入口の近くは、人の出入りがあり、落ち着きにくい場所です。お茶を受け取る、資料を取りに出る、電話に呼ばれて席を立つ、といった用事も入口の近くで起こります。

つまり、奥は落ち着いて話せる席、入口の近くは動く役目の人の席です。下座は「低く見られる席」というより、「用事を引き受ける人の席」と考えると、自分が座る理由が分かります。

2. 部屋の造りで、上座が変わることがある

入口から遠い席でも、次のような部屋では上座が変わることがあります。窓からの眺めが良い席がある。絵や飾りが正面に見える席がある。長いす(ソファ)と一人がけのいすが置いてある。画面やスクリーンを見ながら話す。

考え方は同じで、相手がいちばん心地よく過ごせる席が上座になります。入口からの遠さは、その見当を付けるための目安です。

3. 相手のすすめと、会社のやり方が先

訪ねた先で「こちらへどうぞ」と席をすすめられたら、その席に座ります。席順の知識より、相手の案内が先です。迎える側が、部屋の事情を考えて席を決めていることがあるからです。

自社の会議室や応接室は、「この部屋はこの席にお客様を案内する」と決まっている会社が多くあります。初めて使う部屋は、前の日までに先輩に聞いておきます。

場所ごとの上座と下座:会議室・応接室・車・エレベーター・会食

次の表は、場所ごとの席順の一例です。広く案内されている形をまとめたもので、決まりではありません。部屋の造りや人数で変わります。

場所上座(一般的な目安)下座(一般的な目安)気を付ける所
会議室入口からいちばん遠い席。机をはさんで向かい合うなら、入口から遠い側の列の、奥の席入口にいちばん近い席画面やスクリーンを使うときは、見やすい席をお客様にすすめる
応接室長いす(ソファ)の、入口からいちばん遠い席一人がけのいすの、入口にいちばん近い席長いすがお客様の席、一人がけのいすが迎える側の席、という置き方が多い
タクシー運転席の後ろの席助手席助手席の人が、行き先を伝え、支払いをする。後ろに3人で座るなら、まん中が後ろの席の中での下座
持ち主が運転する車助手席後ろの席のまん中運転する人がお客様や上司のときの目安。運転する人の隣に、同じ立場の人が座る
エレベーター入口から見て奥の位置操作盤(ボタン)の前操作盤の前の人が、扉を開けておく・行き先の階を押す役目をする
会食(和室)床の間の前の席。床の間がなければ、入口からいちばん遠い席入口にいちばん近い席下座の人が、店の人とのやり取りや注文を受け持つ
会食(テーブル席)入口からいちばん遠い席。眺めが良い席があれば、その席入口にいちばん近い席壁側の長いすと通路側のいすがあるときは、壁側の奥をすすめることが多い

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

表の「奥」「手前」は、入口の扉を開けて中を見たときの位置です。入口から遠いほうが奥、入口に近いほうが手前です。

会議室と応接室

会議室は、机をはさんで、お客様の側と迎える側に分かれて座るのが一般的です。入口から遠い側の列がお客様、入口に近い側の列が迎える側です。それぞれの列の中では、入口から遠い席ほど上位の人が座ります。

応接室は、いすの種類でも分かれます。長いすは、ゆったり座れるので、お客様の席とされることが多くあります。迎える側は、向かいの一人がけのいすに座ります。長いすが入口の近くに置いてある部屋もあるので、自社の応接室は先輩に確かめます。

車:タクシーと、持ち主が運転する車で変わる

タクシーでは、運転席の後ろが上座、助手席が下座とされます。助手席の人は、運転手さんに行き先を伝え、支払いをします。若手が助手席に乗るのは、この役目を引き受けるためです。

お客様や上司が自分の車を運転するときは、助手席が上座とされます。運転する人の隣に誰も座らず、全員が後ろに乗ると、運転する人を運転手のように扱う形になるからです。

ただし、車は乗り降りのしやすさが人によって違います。奥まで入るのが大変な人、荷物が多い人、先に降りる人がいます。「奥の席と手前の席、どちらが乗りやすいですか」と聞いて構いません(説明用の例です)。

エレベーター

エレベーターでは、操作盤の前が下座、奥が上座とされます。操作盤の前に立った人が、扉を開けておき、行き先の階を押します。左右のどちらの奥が上位かは、説明によって違いがあります。

お客様を案内するとき、自分が先に乗るか後に乗るかも、会社によって教え方が違います。自社のやり方を先輩に聞きます。短い時間なので、順番を気にするより、扉を手で押さえ、お客様が安全に乗り降りできることを先にします。混んでいるときは、席順にこだわりません。

会食の席

和室では、床の間の前が上座とされます。床の間は、辞書(デジタル大辞泉「床の間」)に「日本建築で、座敷の床を一段高くし、掛け軸・置物・花などを飾る所。」とある場所です。床の間がなければ、入口からいちばん遠い席を上座と考えます。

テーブル席でも、入口から遠い席が上座です。下座の人は、店の人に声をかける、注文をまとめる、会計に立つ、といった役目をします。予約のときに、店の人へ「お客様をお迎えする席です」と伝えると、席を考えてもらえることがあります。

訪ねるとき・迎えるときの動き方と、言い方の例

営業は、訪ねる側にも、迎える側にもなります。立場が変わると、動き方が反対になります。

客先を訪ねたとき

  1. 部屋に通されたら、入口に近い側で待つ。席をすすめられていないときは、下座の近くで立って待ちます。奥の席に先に座っていると、後から入ってきた相手が、席をすすめる機会をなくします。
  2. 席をすすめられたら、その席に座る。「こちらへどうぞ」と奥の席をすすめられたら、「失礼いたします」と言って座ります。訪ねた側はお客様として迎えられているので、上座をすすめられるのは自然なことです。
  3. 上司と一緒なら、上司に奥へ進んでもらう。部屋に入る順番を、上司が先、自分が後にします。そうすると、上司が奥、自分が入口に近い席になります。
  4. かばんは足元に置く。隣のいすや机の上は、相手の場所です。足元の、自分のいすの横に置きます。
  5. 相手が入ってきたら、立ってあいさつする。座って待っていたときも、立ち上がります。名刺の渡し方は名刺交換のやり方にまとめています。

案内の人に「おかけになってお待ちください」とだけ言われ、席を示されなかったときは、入口に近い席に座って待ちます。相手が来て「どうぞ奥へ」と言われたら、そのとき移ります。

自社にお客様を迎えるとき

  1. 前もって部屋を見て、上座を決める。入口、いすの種類、画面の位置を見ます。迷う部屋は、先輩に聞いておきます。
  2. 扉を開け、奥の席を手で示して案内する。「どうぞ、奥の席へおかけください」と言います。手で示すと、相手はどの席かを迷いません。
  3. 自分は、入口にいちばん近い席に座る。お茶を受け取る、資料を取りに行く、といった用事を、話を止めずに引き受けられます。
  4. 帰りは、扉を開けて見送る。エレベーターまで送るか、玄関まで送るかは、会社のやり方に合わせます。

約束を取ってから当日までの準備はアポイントとは、手土産を渡す場面は手土産の渡し方にまとめています。

言い方を比べる

迎えるとき・惜しい言い方:「どこでも、お好きな席にどうぞ」

迎えるとき・良い言い方:「どうぞ、奥の席へおかけください」(手で席を示す)

訪ねたとき・惜しい言い方:「いえいえ、私はこちらで結構です」(すすめられた席を、何度も断る)

訪ねたとき・良い言い方:「ありがとうございます。失礼いたします」

4つとも説明用の例です。「お好きな席に」は親切に聞こえますが、相手に席を選ばせることになります。相手は、上座に自分から座ってよいのか迷います。迎える側が席を決めて示せば、相手は迷わずに座れます。

訪ねたときに遠慮を重ねると、相手は何度もすすめ直すことになり、話が始まりません。すすめられた席に座ることが、相手の案内を受け取ることになります。

迷いやすい判断

判断1:どこが上座か、見ても分からない部屋では?

入口が2つある、席が横一列に並んでいる、丸い机を囲む、といった部屋では、見ただけでは決めにくくなります。基準は、よく使う入口から遠く、人が後ろを通らない席です。

迎える側なら、その基準で一つ決めて、手で示して案内すれば足ります。訪ねる側なら、自分で決めず、相手の案内を待ちます。自社の部屋で迷うときは、「この部屋は、どの席にお客様をご案内していますか」と先輩に聞きます。

判断2:お客様が、下座に座ってしまったら?

一度だけ、「どうぞ、奥の席へ」とすすめます。「ここで結構です」と言われたら、そのままにします。入口に近いほうが楽な人、次の予定があってすぐ出たい人もいます。

基準は、席順より、相手の希望を先にすることです。くり返しすすめると、相手に気を使わせます。

判断3:画面を使う打ち合わせや、オンラインをつなぐ部屋では?

画面を見ながら話すときは、画面が見やすい席をお客様にすすめます。奥の席が画面に近すぎる、斜めで見にくい、という部屋では、入口からの遠さより見やすさを先にします。

「画面が見やすいので、こちらの席へどうぞ」と理由を添えると、相手も迷いません(説明用の例です)。自分は、機器を操作しやすく、入口に近い席に座ります。

判断4:タクシーで、お客様が「前に乗るよ」と言ったら?

お客様の言葉に従います。道をよく知っている、足を伸ばしたい、といった理由があるかもしれません。「ありがとうございます。では、お願いいたします」と言って、自分は後ろに乗ります。

その場合も、支払いは自分がします。降りる前に「こちらで支払います」と声をかけます。会社の決まり(領収書のもらい方など)は、前もって先輩に確かめます。

間違えたあとの立て直し方

席を間違えても、それだけで取引がなくなるものではありません。気づいたときに短く直し、話に戻ります。長いお詫びは、かえって相手に気を使わせます。

失敗1:客先で、先に上座に座ってしまった

その場では:相手が入ってきたら、立ち上がってあいさつします。「先に座らせていただいておりました。こちらの席でよろしかったでしょうか」と一言聞きます(説明用の例です)。「どうぞそのまま」と言われたら、そのまま座ります。

帰ってからの記録:「A社の応接室。案内の方に席を示されなかった。次からは、入口に近い席で待つ」のように、場所・起きたこと・次の動きを一行で書きます(説明用の例です)。

失敗2:自社で、お客様を下座に案内してしまった

その場では:お客様が座る前に気づいたら、「失礼しました。どうぞ、奥の席へ」と言い直します。話が始まった後に気づいたら、途中で席を替えてもらうことはしません。話を止めるほうが、相手の負担になるからです。

帰ってからの記録:同席した上司に、気づいたことを伝えます。「第2会議室で、入口側の席にご案内してしまいました。次からは奥の左の席にご案内します」(説明用の例です)。部屋ごとの上座をメモに残すと、次に同じ部屋を使う人も迷いません。報告の順番は報連相とはにまとめています。

失敗3:車で、自分が上座に乗ってしまった

その場では:走り出した後は、席を替えません。降りるときに先に降りて扉を押さえる、荷物を持つ、支払いを引き受けるなど、下座の人がする役目を引き受けます。

帰ってからの記録:「タクシーは、自分が助手席。行き先と支払いを受け持つ」と、次の動きを書きます。乗る前に、自分から「私が前に乗ります」と言えば、次は迷いません。

今日やることは一つです。次に使う部屋か車を一つ選び、上座と下座の場所、自分が待つ場所と座る席、かける一言を、下のシートに書いてください。

来てもらうお願いや、出迎えの一言は、「ご足労」の使い分けにまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
次に使う会議室や応接室の見取り図(頭の中でもよい)、同行する人の名前、メモ用紙。

記入例を見る(説明用)

場面=来週の火曜、自社の第2会議室。A社の佐藤様と上司の方の2名が来社。こちらは課長と自分/その部屋や車の上座と下座=入口は部屋の手前の右。上座は、入口からいちばん遠い奥の左の席。下座は、入口のすぐ横の席/自分が待つ場所と、座る席=受付まで迎えに行き、部屋では扉を開けて先に入っていただく。自分は入口のすぐ横の席。課長はその隣/席をすすめるとき・すすめられたときの一言=「どうぞ、奥の席へおかけください」。自分が客先ですすめられたときは「失礼いたします」/分からないときに聞く人と、聞き方=課長に、前の日に聞く。「第2会議室は、奥の左の席にお客様をご案内する形でよいでしょうか」。(会社名・人名・部屋は説明用の例です)

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

次の場面について、上座と下座の場所が「入口から見てどこか」で書いてあり、自分が待つ場所・座る席・かける一言が決まっている。

うまく進まなかったときは?

上座が分からなければ、入口からいちばん遠い席に印を付け、先輩に「この部屋は、ここにお客様をご案内する形でよいですか」と聞く。客先での動き方が不安なら、「すすめられるまで入口の近くで待つ」の一つだけ決める。一言が出てこなければ、「どうぞ、奥の席へ」と「失礼いたします」の二つだけ書く。

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