NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 193 · 営業の実践ノート

KPIとは:営業の初心者が、自分の一週間に当てはめる4つの手順

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KPIは、目標に向かって仕事がどこまで進んだかを、数字で見るための目じるしです。この記事では、辞書の説明とKGIとの違いを確かめたあと、自分の一週間に当てはめる4つの手順をまとめます。4つとは、結果の数字を一つ決める、そこへ至る行動の数字を選ぶ、数え方を決める、週に一度見る、です。会社が決めたKPIがある人は、そちらが先です。

今日できるようになること

結果の数字を一つ、行動の数字を一つ決め、何を1件と数えるかと、見る曜日を書く。

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こんなときに 上司から「KPIを意識して」と言われたが、何の数字を、どう数えればよいのかが分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    結果の数字を一つ決める(会社の目標があれば、それを使う)

  2. 2

    そこへ至る行動の数字を、一つか二つ選ぶ

  3. 3

    何を1件と数えるか、どこで数えるかを決める

  4. 4

    週に一度、決めた曜日に数字を見て、変えることを一つ決める

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

KPIとは:辞書の意味

KPIは、英語の key performance indicator の頭文字です。辞書では、次のように説明されています。

「企業などの組織において、個人や部門の業績評価を定量的に評価するための指標。」(デジタル大辞泉「KPI」)

同じ項には、日本語の言い方として「重要業績評価指標。」が載っています。少し固い言葉なので、一つずつ見ます。指標は、「物事を判断したり評価したりするための目じるしとなるもの。」(デジタル大辞泉「指標」)です。定量的は、「数値・数量で表せるさま。」(デジタル大辞泉「定量的」)です。

合わせると、KPIは仕事ぶりを、数字で見るための目じるしです。これは、辞書の説明をもとにした、この記事での言い方です。

辞書の説明には、続きがあります。

「達成すべき目標に対し、どれだけの進捗がみられたかを明確にできる指標が選択される。」

「これをもとに、日々の進捗把握や業務の改善などが行われる。」

進捗(しんちょく)は、「物事がはかどること。」(デジタル大辞泉「進捗」)です。この2つの文から、3つのことが分かります。

  • 目標が先にある。KPIは、目標に対する進み具合を見るものです。目標が決まっていないと、何を数えればよいかも決まりません。
  • 進み具合が分かる数字を選ぶ。数えられるものなら何でもよい、というわけではありません。
  • 見て終わりにしない。数字は、日々の進み具合をつかみ、やり方を直すために使います。

KPIは、もとは会社や部門の単位で使われる言葉です。何をKPIにするかは、会社が決めていることがあります。その場合は、会社の決まりが先です。この記事では、営業を始めたばかりの人が、自分の一週間を見るために使う方法を説明します。

KGIとの違い:最終的な成果と、途中の進み具合

KPIと並んで出てくる言葉に、KGIがあります。key goal indicator の頭文字です。辞書では「企業などの組織において、個人や部門が達成すべき最終的な成果を定量的に表した指標。」(デジタル大辞泉「KGI」)と説明されています。続けて、「売上高や利益額のように具体的に定義できるものが選択される。」とあります。日本語の言い方は「重要目標達成指標。」です。

2つの違いについて、百科事典には次の説明があります。

「KGIが1年や5年といった長期間を対象とするのに対し、KPIは短期間で結果のわかる数値を指標にするという違いがある。」(ニッポニカ「KPI」)

同じ項には、KPIは「日次、週次、月次など一定期間ごとに数値をチェックして」進み具合を見る、という説明もあります。整理すると、次の表のようになります。左の2列は辞書の説明、右の列はこの記事での例です。

言葉辞書の説明(デジタル大辞泉)営業での例(説明用)
KGI達成すべき最終的な成果を定量的に表した指標今月の受注の件数、今月の売上高
KPI目標に対し、どれだけの進捗がみられたかを明確にできる指標今週の訪問の件数、次の約束が決まった件数

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

営業を始めたばかりの時期は、売上や受注のような結果の数字が、一週間では動かないことがあります。結果だけを見ていると、今週の動きが合っていたのかどうかを、確かめる材料がありません。途中の数字を見るのは、そのためです。

ただし、途中の数字が増えれば、結果も増えるとは限りません。選んだ数字が、結果につながっていないこともあります。そのため、数字を決めたあとも、週に一度見て、選び方が合っているかを確かめます。

自分の一週間に当てはめる4つの手順

手順1:結果の数字を一つ決める

最初に決めるのは、行動の数字ではなく、行き先になる結果の数字です。会社や上司から渡された目標があれば、それを使います。「今月の受注3件」「今月の新しい見積もり4件」のような形です(説明用の例です)。

渡されていないときは、自分で作らず、上司に聞きます。「私が今月、いちばん見ておくべき数字は何でしょうか」(説明用の例です)。自分で決めた行き先が、会社の見ている方向と違うと、数えた手間がむだになるからです。

決めるときは、何を・いつまでに・いくつの3つをそろえます。「売上を伸ばす」には、期限も数もありません。これでは、あとで届いたかどうかを確かめられません。

手順2:そこへ至る行動の数字を選ぶ

次に、結果の数字から、手前へさかのぼります。辞書では、逆算は「逆の順序で、さかのぼって計算すること。」(デジタル大辞泉「逆算」)と説明されています。

たとえば、受注の前には、見積もりがあります。見積もりの前には、困り事を聞けた訪問があります。訪問の前には、約束を取る電話やメールがあります(説明用の例です)。会社や商品によって、この道すじは違います。自分の仕事の道すじは、先輩に聞いて書き出します。

道すじが書けたら、その中から、行動の数字を選びます。基準は3つです。

  1. 自分の行動で、増やしたり減らしたりできる。相手の返事しだいの数字だけにすると、今週なにを変えればよいかが決まりません。
  2. 一週間で数えられる。月に一度しか起きないことは、週に一度見ても、変化が分かりません。
  3. 結果につながる理由を、一文で言える。「見積もりは2回目の訪問のあとに出すことが多いので、次の約束を増やす」のような一文です(説明用の例です)。

数は、一つか二つにします。多いと、数えること自体が仕事になり、続きにくくなります。数えられる材料の例は、PDCAとはの「確かめるに使う材料」にまとめています。

手順3:数え方を決める

同じ「訪問3件」でも、数え方が決まっていないと、週によって中身が変わります。決めるのは、次の3つです。

  • 何を1件と数えるか。「次に会う日時が決まった訪問を1件と数える。『また連絡します』で終わった訪問は数えない」のように、数えないものまで書きます(説明用の例です)。
  • どこで数えるか。予定表、電話の発信の履歴、送ったメールの一覧など、あとから見直せる場所を決めます。記憶で数えると、週の終わりに数字があいまいになります。
  • いつ書くか。動いたその日に書きます。週の終わりにまとめて思い出そうとすると、抜けが出ます。

数え方を途中で変えたら、「今週から、電話で決まった約束も数える」と、変えたことを書き残します(説明用の例です)。書いておかないと、先週と比べたときに、増えた理由を読み違えます。

手順4:週に一度見る

見る曜日と時間を、先に決めます。「金曜の夕方に15分」のような形です(説明用の例です)。決めていないと、忙しい週ほど見なくなります。見るのは、次の3つです。

  1. 行動の数字は、いくつだったか。
  2. 先週と比べて、増えたか、減ったか。
  3. その理由を、事実で一文書けるか。

そのうえで、来週変えることを、一つだけ決めます。いくつも変えると、何が効いたのかが分かりません。計画から見直しまでを回す考え方は、PDCAとはにまとめています。毎日の記録は、日報の書き方の5項目がそのまま使えます。

惜しい例と良い例、場面で変わるところ

決め方を、並べて見てみます。どちらも説明用の例です。

惜しい例:「今月は、訪問をもっとがんばる」

良い例:「結果の数字は、今月の新しい見積もり4件。行動の数字は、次の約束が決まった訪問を週に3件。予定表で数え、金曜の夕方に見る」

惜しい例には、数も、期限も、数え方もありません。週の終わりに、がんばれたかどうかを、気分で決めることになります。良い例は、行き先と、途中の数字と、数える場所と、見る日がそろっています。

週に一度見たときの書き方にも、差が出ます。

惜しい例:「今週は1件。少なかった。来週はがんばる」

良い例:「訪問6件のうち、次の約束が決まったのは1件。決まらなかった5件は、帰る前に次の日程を聞いていなかった。来週は、席を立つ前に日程を聞く」

惜しい例は、数字と感想だけです。良い例は、数字・理由になった事実・来週変えることの3つが書かれています。数字そのものは同じ1件でも、次の週の動きが変わります。

仕事の中身によって、選びやすい数字は違います。次の表は一例です。自分の会社の道すじに合わせて、選び直してください。

場面行動の数字の例(説明用)気をつける所
新しいお客様を探す仕事が中心担当の人と話ができた件数、次の約束が決まった件数連絡した件数だけを追うと、話ができたかどうかが見えない
決まったお客様を回る仕事が中心困り事を一つ聞けた訪問の件数、宿題を期限までに返した件数回った件数だけだと、顔を出して終わりの訪問も同じ1件になる
電話やメールが中心質問に当日中に答えた件数、次の予定が決まった件数件数が多い仕事なので、数える場所を一つに決める
入社して間もない先輩に同行した件数、同行のあとに書いたメモの件数結果の数字がまだ無いときは、上司に何を見ればよいかを聞く
会社のKPIが決まっている会社の決めた数字数え方が会社で決まっているかを、先に確かめる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

それぞれの仕事の進め方は、新規開拓とは、ルート営業、インサイドセールスとはにまとめています。

迷いやすい判断

判断1:「何件なら良い」という目安はある?

この記事では、目安の件数を示しません。商品や相手によって違い、確かな出典が無いからです。比べる相手は、2つです。会社に目標の数があるなら、その数。無いなら、先週の自分の数字です。

上司に聞くなら、自分の数字を添えます。「先週は、次の約束が決まった訪問が1件でした。週に何件を目指せばよいでしょうか」(説明用の例です)。数字があると、上司は答えやすくなります。

判断2:数字にしにくい仕事は、どうする?

お客様との関係づくりや、資料の準備のように、件数にしにくい仕事もあります。基準は、「やった・やらなかった」が、あとから分かる形にできるかです。「訪問の前の日に、前回のメモを読み返したか」なら、訪問ごとに丸を付けて数えられます(説明用の例です)。

それでも数字にならないことは、事実のメモで残します。お客様が言った言葉を、そのまま書きます。数字が少ないときの整理のしかたは、営業実績の書き方にまとめています。

判断3:会社のKPIと、自分で見たい数字が違うときは?

報告に使うのは、会社の決めた数字です。自分で選んだ数字は、手元のメモとして続けて構いません。両方を数えるのが負担なら、上司に見せて聞きます。「会社の数字のほかに、次の約束の件数も数えています。見る数字として、合っていますか」(説明用の例です)。

判断4:行動の数字を、途中で変えてよい?

変えて構いません。基準は、何週か続けて見たうえで、結果とのつながりが見えないかどうかです。一週間だけで変えると、たまたまなのか、選び方が合っていないのかを分けられません。変えるときは、変えた日と理由を書きます。

数え忘れたあと、数字が動かなかったあと

数えるのを忘れた週があった

その場では:記憶で数字を埋めません。予定表や発信の履歴から数えられる分だけを数え、「予定表から数えた」と数え方を添えます。分からない分は、「記録なし」と書きます。

次の週から:書く時刻を一つ決めます。「訪問先を出て、次の移動を始める前に書く」のような形です(説明用の例です)。それでも続かないなら、数字を一つに減らします。

行動の数字は増えたのに、結果が動かない

まず確かめること:数え方が、途中でゆるくなっていないかを見ます。「次の約束」の中に、日時の決まっていないものが混ざっていないか、です。

数え方が同じなら:選んだ数字の、一つ先を見ます。訪問は増えたのに見積もりが増えないなら、訪問の中身に理由があるかもしれません。上司には、数字を見せて相談します。「訪問は週6件に増えましたが、見積もりは増えていません。訪問で何を聞けていないか、見ていただけますか」(説明用の例です)。

報告した数字が、間違っていた

気づいた時点で、報告した相手に訂正を伝えます。「先週の訪問は6件とお伝えしましたが、予定表を数え直すと5件でした。訂正します」(説明用の例です)。数字を良く見せるために、数え方をあとから変えることはしません。数字が合わなくなり、次に何を直せばよいかが、自分でも分からなくなるからです。伝え方は、営業で失敗したときにまとめています。

今日やることは一つです。結果の数字を一つ、行動の数字を一つ決めて、何を1件と数えるかと、見る曜日を書いてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
会社や上司から渡された目標(あれば)、今週の予定表、記録に使うノートか表。

記入例を見る(説明用)

結果の数字=今月、新しい見積もりを4件出す。上司から渡された目標/行動の数字と、選んだ理由=「次の約束が決まった訪問」を、週に3件。見積もりは、2回目の訪問のあとに出すことが多いので、まず次の約束を増やす/数え方=訪問のうち、次に会う日時が決まったものを1件と数える。「また連絡します」で終わった訪問は数えない。予定表に、次の日時を書けたものに丸を付けて数える。書くのは、訪問したその日/見る曜日と時間=金曜の夕方に15分/今週の数字と、来週変えること=訪問6件のうち、次の約束が決まったのは1件。決まらなかった5件は、帰る前に次の日程を聞いていなかった。来週は、席を立つ前に「次は、いつごろ伺ってよろしいでしょうか」と聞く。(すべて説明用の例です)

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

結果の数字と行動の数字が一つずつ決まり、何を1件と数えるかが書けましたか。一週間たったら、決めた曜日に数字を見て、来週変えることを一つ書きます。

うまく進まなかったときは?

結果の数字が決められないときは、上司に「私が今月、いちばん見ておくべき数字は何でしょうか」と聞いてください。行動の数字が選べないときは、先輩に「その数字の一つ手前で、何を数えていますか」と聞きます。数えるのが続かないときは、数字を一つに減らします。

NEXT NOTE

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PDCAとは日報の書き方営業実績の書き方