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NOTE 180 · 営業の実践ノート

内定承諾メールの書き方:返事の前に確かめる3つと、承諾・保留・辞退の文例

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内定の連絡を受けたら、返事を書く前に、3つを確かめます。働く条件を書面やメールで受け取ったか、入社日はいつか、返事の期限はいつか、です。3つがそろえば、承諾のメールは短い文で書けます。この記事では、承諾の文例に加えて、返事を待ってほしいときの頼み方と、辞退するときの連絡のしかたもまとめます。法律の扱いは、厚生労働省の公式ページに書いてある範囲だけを紹介します。

今日できるようになること

内定の連絡一件について、条件の書面・入社日・返事の期限の3つを書き出し、足りないものを聞く文を書く。

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こんなときに 内定の連絡を受け、承諾の返事をどう書くか、返事を待ってもらえるか、辞退をどう伝えるかで迷っているとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    働く条件を、書面やメールで受け取ったかを確かめる

  2. 2

    入社日と、返事の期限を確かめる。今の会社の退職の決まりも読む

  3. 3

    承諾・保留・辞退のどれかを決め、結論を一文目に書く

  4. 4

    送った日時と、相手の返事を記録する

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

内定と承諾:言葉の意味と、返事の重さ

内定は、辞書では「正式の発表の前に内々で定まること。また、その決定。」(デジタル大辞泉「内定」)と説明されています。承諾は、「相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること。」(デジタル大辞泉「承諾」)です。内定承諾メールは、会社からの「採用したい」という連絡を、受け入れると伝えるメールです。

この返事は、あいさつのメールより重いものです。厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点」は、「採用内定について法的な定義はなく、また態様も様々ですが」と前置きしたうえで、次のように書いています(2026年10月4日に確認)。

「採用内定の状態において、既に、労働者と使用者との間に一定の労働契約が成立しているのであれば、使用者から内定を取り消されたり、又は労働者から内定を辞退したりすることは、一方的な契約破棄になります。」

内定の段階で労働契約が成り立っているかどうかは、場合によって違い、自分の件がどちらに当たるかを、この記事では言い切れません。確かなのは、承諾の返事が、働く約束につながる返事だということです。そのため、返事を書く前に、何を約束するのかを確かめます。

返事の前に確かめる3つ

1. 働く条件を、書面やメールで受け取ったか

給料、働く場所、時間、休日。これらを、口頭の説明だけで決めないようにします。厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「採用時にはどのような労働条件が明示されるのでしょうか?」には、労働契約を結ぶときに明示しなければならない労働条件について、「明示の方法は、①から⑥までの事項(⑤の昇給に関する事項を除く)については労働者に書面を交付して明示しなければならないとされています(労基法15)。」と書かれています(2026年10月4日に確認)。①から⑥は、次のとおりです(同じページからの引用)。

  • ① 労働契約の期間に関する事項
  • ② 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項及び期間の定めのある労働契約の更新回数上限がある場合の上限回数
  • ③ 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項及び就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲
  • ④ 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  • ⑤ 賃金(退職手当及び⑧の臨時に支払われる賃金を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  • ⑥ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

やさしく言いかえると、契約の期間、働く場所と仕事の中身、時間と休み、給料、退職に関することです。同じページには、「なお、この明示の方法については、労働者の希望がある場合には、FAXや電子メール等の送信による明示が認められています。」ともあります。厚生労働省「知って役立つ労働法」も、「これら以外の労働契約の内容についても、労働者と会社はできる限り書面で確認する必要があると定められています(労働契約法第4条第2項)。」と書いています(15ページ。2026年10月4日に確認)。

内定の連絡といっしょに、「労働条件通知書」などの名前の書面が届くことがあります。届いたら、求人票と面接のメモを横に置いて、違う所が無いかを見比べます。まだ届いていなければ、返事の前に頼みます。

惜しい例:「条件は面接で聞いたとおりですよね。承諾します」

良い例:「内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。お返事の前に、働く条件を、書面かメールでいただけますでしょうか。内容を確かめたうえで、〇日までにお返事いたします」

これは説明用の例です。惜しい例は、聞いた記憶だけで約束しています。良い例は、頼むことと、自分が返事をする日を、いっしょに書いています。

求人票と違う所を見つけたら、理由を聞きます。厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「求人票や求人広告に記載された条件が、実際の条件と違った場合の対処法」には、「ハローワークでの求人票や、新聞や就職情報誌などの求人広告に記載されている労働条件、就労条件が採用面接で説明された条件と異なっている場合、異なる理由を確認するべきであると思われます。」と書かれています(2026年10月4日に確認)。「求人票では〇〇でしたが、いただいた書面では△△でした。どちらが正しいでしょうか」と、事実を並べて聞きます(説明用の例です)。

2. 入社日

在職中の人は、入社日を答える前に、今の会社をいつ辞められるかを確かめます。厚生労働省「知って役立つ労働法」には、退職について、「一般的に就業規則などに「退職する場合は退職予定日の1か月前までに申し出ること」というように定めている会社も多いので、退職手続きがどうなっているか調べることも必要です。」と書かれています(56ページ)。今の会社の就業規則を読み、引き継ぎにかかる日数を足して、入社できる日を出します。

応募先の希望の日に間に合わないなら、承諾の返事の前に相談します。「現在の勤務先の引き継ぎに〇週間ほどかかる見込みです。入社日を〇月〇日とさせていただくことは可能でしょうか」(説明用の例です)。退職の申し出の順番は退職の伝え方に、書面の書き方は退職届の書き方にまとめています。

3. 返事の期限

内定の連絡に、「〇日までにお返事ください」と書いてあるかを見ます。書いていなければ、「お返事は、いつまでにお送りすればよろしいでしょうか」と聞きます(説明用の例です)。期限を知らないまま考えていると、相手は、いつまで待てばよいかが分かりません。

承諾のメールに書くことと、文例

3つがそろったら、承諾のメールを書きます。入れるのは、次の5つです。

  1. お礼。内定の連絡へのお礼を、一文で。
  2. 結論。「内定をお受けいたします」と、はっきり書きます。「前向きに考えております」では、承諾なのかどうかが伝わりません。
  3. 確かめた条件。入社日など、相手と決めたことを一つか二つ書きます。文字で残しておくと、あとで食い違いに気づけます。
  4. これからの手続き。出す書類や、次の連絡について、分からないことを聞きます。
  5. 結び。「入社後は、〇〇に努めます」と一文そえて終えます。

A社 人事部 佐藤様

お世話になっております。山田太郎です。

このたびは、内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。

内定を、謹んでお受けいたします。

〇月〇日にいただいた労働条件通知書の内容を確認いたしました。入社日は、ご相談のとおり、〇月1日でお願いいたします。

入社までに提出する書類や、手続きがありましたら、お知らせください。

一日も早く仕事を覚えられるよう努めます。どうぞよろしくお願いいたします。

山田太郎(電話番号・メールアドレス)

これは説明用の例です。結論が4行目までに出てきます。条件を確かめたことと、入社日が、文字で残っています。

件名は、内定の連絡のメールへの返信なら、そのままにします。新しく送るなら、「内定承諾のご連絡(山田太郎)」のように、用件と名前を入れます(メールの件名の書き方)。

場面で変わるところ

場面返事のしかた(一例)気をつけること
会社から直接、メールで連絡が来たそのメールに返信して、承諾を伝える宛名と会社名を、届いたメールの署名と見比べる
電話で連絡が来た電話ではお礼を伝え、「条件を書面で確かめてから、〇日までにお返事します」と言うその場で答えを求められても、確かめる時間をもらってよいかを聞く
転職エージェントを通している担当者に返事をする条件の書面も、担当者を通して受け取ることがある。応募先へ直接送ってよいかは、担当者に聞く
「内定承諾書」などの書面に、署名を求められた書いてある内容を読み、分からない所を聞いてから署名する控えを手元に残す

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

電話で承諾を伝えた場合も、そのあとに、同じ内容をメールで送っておきます。いつ、何を承諾したかが、お互いの手元に残ります。

返事を待ってほしいときの頼み方

ほかの会社の結果を待っている、家族と話す時間がほしい。そういうときは、返事を待ってもらえるかを聞きます。保留は、辞書では「その場で決定しないで延ばしておくこと。」(デジタル大辞泉「保留」)と説明されています。待ってもらえるかどうかを決めるのは、相手です。こちらは、理由を短く言い、いつまでに返事をするかを自分から言います。

惜しい例:「少し考えさせてください。また連絡します」

良い例:「内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。家族と相談する時間をいただきたく、お返事を〇月〇日(金)までお待ちいただくことは可能でしょうか。難しい場合は、ご指定の期日をお知らせください」

これは説明用の例です。惜しい例は、理由も期限もありません。相手は、いつまで席を空けておけばよいのかが分かりません。良い例は、理由・自分から出した期限・難しい場合の聞き方の3つが入っています。

ほかの会社の選考が理由なら、「選考中の会社が一社あり、〇日に結果が出る予定です」と、事実を言います(説明用の例です)。うその理由は作りません。待ってもらえることになったら、約束した日より前に返事をします。約束の日に決められなかったときも、その日のうちに連絡します。

内定を辞退するときの連絡

辞退を決めたら、早く・電話とメールで・理由は短く伝えます。

  • 早く。応募先は、入社の準備や、ほかの応募者への連絡を進めています。決めた日に伝えます。
  • 電話とメールで。どの手段で伝えるか、という公的な決まりは見当たりません。電話で伝えると、相手にすぐ届きます。メールを送ると、伝えた日時と内容が残ります。両方を使うと、早さと記録の両方がそろいます。転職エージェントを通しているなら、応募先ではなく、担当者に伝えます。
  • 理由は短く。「検討の結果、別の会社に入社することを決めました」で足ります。応募先の悪い点を並べることはしません。

(電話)「A社の内定をいただいております、山田太郎です。人事部の佐藤様はいらっしゃいますか。……内定をいただいた件で、お伝えしたいことがあり、お電話しました。検討の結果、今回は辞退させていただきたく存じます。お時間を割いていただいたのに、申し訳ございません」

(メール)A社 人事部 佐藤様

山田太郎です。先ほどはお電話で失礼いたしました。

お電話でお伝えしたとおり、このたびの内定を、辞退させていただきます。

検討の結果、別の会社に入社することを決めました。

選考にお時間を割いていただいたにもかかわらず、申し訳ございません。

山田太郎(電話番号・メールアドレス)

どちらも説明用の例です。メールは、結論を2文目までに書いています。断るメールの順番(お礼→結論→短い理由→結び)は、お断りメールの書き方で説明しています。

承諾したあとに辞退する場合と、迷いやすい判断

承諾したあとに、辞退する場合

承諾の返事をしたあとで、事情が変わることがあります。法律の扱いについて、この記事は、厚生労働省のページに書いてある文だけを紹介します。厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点」には、次のように書かれています(2026年10月4日に確認)。

「内定者側からの内定辞退は、基本的に問題ないものの、それがあまりに信義則に反するような場合は、損害賠償を求められる可能性もあり得るので、誠実と言えるか否かについて考えておかなければなりません。」

これは一般の説明です。自分の件が「信義則に反する」に当たるかどうか、損害賠償の話になるかどうかを、この記事は言い切れません。辞退できる、できない、とも言い切りません。やることは、次の3つです。

  1. 決めたら、すぐに連絡する。入社日が近づくほど、応募先の準備は進みます。電話で伝え、メールでも残します。
  2. 転職エージェントを通しているなら、担当者にもすぐ連絡する。応募先へ直接連絡する前に、担当者に伝え方を相談します。
  3. 困ったら、公的な窓口に相談する。損害賠償を求めると言われた、辞退を受け付けてもらえない、などのときは、一人で判断しません。厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」に、相談できる窓口の案内があります。

連絡では、事実とおわびを伝え、言い訳を重ねません。「内定をお受けするとお返事しましたが、事情が変わり、入社を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。ご準備を進めていただいている中、申し訳ございません」(説明用の例です)。

判断1:ほかの会社の結果を待っていることを、言ってよい?

基準は、うそを言わないことです。言うかどうかは選べますが、言うなら事実を言います。「ほかに選考中の会社があり、〇日に結果が出ます。それまでお待ちいただくことは可能でしょうか」(説明用の例です)。待てないと言われたら、その期日までに、今ある材料で決めます。

判断2:条件のことを質問すると、失礼になる?

失礼になるかどうかを決めた公的な決まりは、見当たりません。「返事の前に確かめる3つ」で見たとおり、働く条件を書面で明らかにすることは、会社の側に求められていることです。基準は、分からないまま承諾しないことです。聞くときは、「書面を拝見しました。1点、確認させてください」と、読んだうえで聞いていることを伝えます(説明用の例です)。

判断3:今の会社への退職の申し出は、いつする?

基準は、条件を確かめる→承諾の返事をする→退職を申し出るの順です。条件を書面で確かめる前に退職を申し出ると、条件が合わなかったときに、戻る場所が無くなることがあります。今の上司への切り出し方は、退職の伝え方にまとめています。

失敗のあと:入社日を確かめずに、承諾の返事をしてしまった

その場では:気づいた日に、応募先(エージェントを通しているなら担当者)へ連絡します。「内定をお受けするお返事をしましたが、入社日について、確認が足りていませんでした。現在の勤務先の退職の手続きに〇週間かかるため、入社日を〇月〇日にしていただくことは可能でしょうか」(説明用の例です)。承諾を取り消す話ではなく、入社日の相談だと分かるように書きます。

あとの記録:承諾した日、相談した日、相手の返事、決まった入社日を書きます。「返事の前に、条件の書面・入社日・返事の期限の3つを書き出す」と足しておきます。

今日やることは一つです。内定の連絡一件について、条件の書面・入社日・返事の期限の3つを書き出し、足りないものを聞く文を書いてください。

入社が決まったあとの初日のあいさつは、転職した初日の挨拶にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
内定の連絡(メールや書面)、労働条件が書かれた書面(届いていれば)、求人票、今の会社の就業規則。

記入例を見る(説明用)

内定の連絡の日・相手・方法=月曜の午後。A社 人事部の佐藤様から、電話とメールで/働く条件の書面=メールに「労働条件通知書」が付いていた。求人票と見比べた。給料・休日は同じ。働く場所は「本社」とあるが、変更の範囲が読み取れなかったので、佐藤様に聞く/入社日と、今の会社の退職の決まり=A社の希望は来月1日。今の会社の就業規則は「退職の1か月前までに申し出る」。引き継ぎを考えると、来月1日は難しい。再来月1日を相談する/返事の期限と、自分の結論=期限は今週の金曜。結論は承諾。ただし、入社日の相談と、働く場所の質問を先にする/送る文の一文目と、次にやること=一文目「内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。2点、確認させてください」。答えをもらったら、承諾のメールを送る。そのあとで、今の上司に退職を申し出る。(すべて説明用の例です)

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

3つ(条件の書面・入社日・返事の期限)を書き出せましたか。足りないものがあれば、返事の前に聞きます。承諾の返事を送ったら、今の会社への伝え方に進みます。

うまく進まなかったときは?

条件の書面が届いていないときは、「働く条件を、書面かメールでいただけますでしょうか」と一文で頼んでください。承諾か辞退かを決められないときは、決められない理由を一つ書き、その理由が消える日を期限として、返事を待ってもらえるかを聞きます。

NEXT NOTE

次に読むなら

退職の伝え方退職届の書き方面接のお礼メール