NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 79 · 営業の実践ノート

御中の使い方:「様」「各位」「殿」との使い分けと、「行」を御中に直す書き方

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御中(おんちゅう)は、封筒やはがきの宛名で、会社名や部署名の下に書き添える言葉です。宛名の最後が会社・部署なら「御中」、個人の名前なら「様」を付け、二つを重ねません。この記事では、「様」「各位」「殿」との使い分け、書き方の例、返信用封筒の「行」「宛」を御中に直す手順、メールの宛名での使い方を順に説明します。

今日できるようになること

これから出す封筒かメールを一通決め、宛名の最後が会社・部署か個人の名前かを見て、「御中」か「様」のどちらか一つを選んで書く。

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こんなときに 封筒やメールの宛名で、「御中」と「様」のどちらを付けるか迷ったとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    宛名の最後が、会社・部署か、個人の名前かを見る

  2. 2

    会社・部署なら「御中」、個人の名前なら「様」を選ぶ

  3. 3

    二つを重ねていないか、社名と名前の字を名刺で確かめる

  4. 4

    返信用の「行」「宛」は、二重線で消して書き直す

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

御中とは:会社や部署にあてるときの言葉

御中は「おんちゅう」と読みます。封筒やはがきの宛名で、会社名や部署名の下に書く言葉です。辞書(デジタル大辞泉「御中」)は、次のように説明しています。

「郵便物などで、個人名でなく、官庁・会社・団体などの宛名の下に書き添える語。」

同じページに載っている精選版 日本国語大辞典も、「個人でない官庁、会社、団体などへの手紙で、あて名の下に書き添える脇付の語。」と説明しています。どちらの辞書も、個人ではなく、組織にあてるときの言葉だとしています。

「その会社や部署の、どなたかに読んでいただきたい」という郵便物に付ける言葉、と考えると分かりやすくなります。担当の方が決まっていて、その人に読んでほしいなら、名前を書いて「様」を付けます。

営業を始めたばかりのころは、次のような場面で手が止まります。見積書を送る封筒に「A株式会社 御中 佐藤様」と書いてよいのか。取引先から届いた返信用封筒の「行」は、そのままでよいのか。メールの一行目にも「御中」は使うのか。

敬称は、相手への礼儀を表す部分です。宛名は、封筒を手にした相手が最初に見る所でもあります。ここが整っていると、中の書類も落ち着いて見てもらえます。逆に、相手の社名や名前の字が違っていると、中身を見る前に引っかかりが生まれます。

この記事では、使い分けの基本、書き方の例、「行」の直し方、メールでの使い方を順に説明します。封筒全体の書き方は封筒の宛名の書き方にまとめています。

「御中」「様」「各位」「殿」の使い分け

宛名に付ける言葉は、だれにあてるかで決まります。次の表は、辞書の説明と使う場面をまとめたものです。宛名の例は、説明用の例です。

言葉だれにあてるか辞書の説明宛名の例
御中会社・部署・団体「郵便物などで、個人名でなく、官庁・会社・団体などの宛名の下に書き添える語。」(デジタル大辞泉)A株式会社 営業部 御中
様個人「人を表す語(名詞・代名詞)または人名・役職名・団体名などに付いて、尊敬の意を表す。」(デジタル大辞泉)A株式会社 営業部 佐藤様
各位大ぜいの人の、一人ひとり「大ぜいの人を対象にして、その一人一人を敬って言う語。」(デジタル大辞泉)関係者各位
殿個人(公用の文書など)「氏名・役職名などに付けて、敬意を表す。」「現代では、公用の文書や手紙などに多く用いる。」(デジタル大辞泉)会社の決まった書式に印刷されているとき

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

出典は、デジタル大辞泉「様」、デジタル大辞泉「各位」、デジタル大辞泉「殿」です。

「各位」は、それだけで敬う意味を持っています。同じ辞書の補説には、「「各位殿」という表現は、敬意が重複することになるので、好ましくない。」とあります。「各位様」も同じ考え方で、重ねない書き方が一般的です。

「殿」について、精選版 日本国語大辞典は「現代では、官庁など公の場で用いるほか、書面などでの形式的なもの、または下位の者への軽い敬称としても用いる。」と説明しています。受け取る人によって感じ方が分かれる言葉なので、取引先あての封筒では「様」を選ぶほうが迷いません。

基本の決め方は3つ

  1. 宛名の最後が、会社・部署・係の名前なら「御中」。「A株式会社 御中」「A株式会社 営業部 御中」のように、一番下に来る組織の名前に付けます。
  2. 宛名の最後が、個人の名前なら「様」。「A株式会社 営業部 佐藤様」のように書きます。このとき、会社名と部署名には何も付けません。
  3. 「御中」と「様」は重ねない。辞書のとおり、御中は「個人名でなく」組織の宛名に添える言葉です。個人の名前を書いたら、敬称は「様」の一つにします。

迷ったら、宛名の一番下の行だけを見てください。そこが人の名前か、組織の名前か。見る所を一つに決めると、毎回同じ基準で選べます。

書き方の例:惜しい例と良い例

次の例は、すべて説明用の例です。会社名・人名は実在のものではありません。

例1:担当の方の名前が分かっている

惜しい例:A株式会社 御中 佐藤様

良い例:A株式会社 営業部 佐藤様

惜しい例は、「御中」と「様」が重なっています。会社にも敬意を表したい、という気持ちから起きやすい形です。個人の名前まで書くなら、「様」だけで足ります。

例2:部署にあてる

惜しい例:A株式会社 営業部 様

良い例:A株式会社 営業部 御中

請求書を「経理部」に送る、資料を「総務部」に送るなど、部署のどなたが受け取ってもよい場面です。宛名の最後が部署なので、「御中」を付けます。

例3:役職のある方にあてる

よく見る形:A株式会社 佐藤部長様

宛名で多い形:A株式会社 営業部 部長 佐藤様

辞書は、「様」が役職名にも付くと説明しています。「部長様」が誤りだとは言い切れません。ただ、封筒の宛名では、役職を名前の前に置き、名前の後に「様」を付ける書き方が多く見られます。名刺の並びのとおりに書けば、この形になります。

例4:担当の方の名前が分からない

書き方の一つ:A株式会社 営業部 御中

もう一つの書き方:A株式会社 営業部 ご担当者様

部署のどなたかに届けばよいなら「御中」。その件を担当している人に読んでほしいなら「ご担当者様」という書き方があります。「営業部 御中 ご担当者様」と重ねる形は避けます。

場面ごとの選び方

分かっていること宛名の書き方(一例)付ける言葉
会社名だけA株式会社御中
部署までA株式会社 営業部御中
担当の方の名前までA株式会社 営業部 佐藤 ◯◯様
担当の方がいるが、名前が分からないA株式会社 営業部 ご担当者様
同じ会社の二人にあてるA株式会社 営業部 佐藤 ◯◯/鈴木 ◯◯それぞれの名前に「様」を付ける書き方が多い
大ぜいにあてた案内関係者/お取引先各位

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

返信用封筒・はがきの「行」「宛」を直す

取引先から届く返信用封筒や返信用のはがきには、相手の宛名の下に「行」や「宛」と書いてあることがあります。相手が、自分あての宛名に「様」や「御中」を付けないために書く字、と説明されることが多い言い方です。

そのまま出すと、相手を敬称なしで呼ぶ形になります。返す側が、「行」「宛」を消して、敬称に書き直します。

  1. 宛名の最後を見る。会社・部署・係の名前なら「御中」、個人の名前なら「様」です。決め方は、ここまでの説明と同じです。
  2. 「行」「宛」を二重線で消す。線を2本引きます。字が読めなくなるまで塗りつぶしません。
  3. 近くに「御中」か「様」を書く。消した字の横か下に、宛名と同じくらいの大きさで書きます。
  4. 裏に、自分の住所・会社名・名前を書く。だれから返ってきたのかが、開ける前に分かります。

線の引き方と、書き直す位置は、郵便の決まりではなく書き方の慣習です。一つに決まってはいません。次の表は、一般的に見られる書き方です。

封筒の向き消し方(一般的な例)書き直す位置(一般的な例)
縦書き縦の二重線か、斜めの二重線消した字の左か、下
横書き横の二重線消した字の右

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

修正液や修正テープで消さず、二重線で消す書き方が一般的です。定規を当てると、線がそろいます。細かい向きに迷ったら、社内で前に返した人の書き方に合わせます。

受け取った返信用封筒を返すときの流れ全体と、こちらが返信用封筒を作るときの書き方は、返信用封筒の書き方にまとめています。

メールの宛名ではどうするか

メールの本文の一行目に書く宛名も、考え方は同じです。個人にあてるなら「様」、部署や窓口にあてるなら「御中」、大ぜいにあてるなら「各位」を使います。次の3つは、説明用の例です。

個人にあてる:A株式会社 営業部 佐藤様

部署や窓口にあてる:A株式会社 営業部 御中

大ぜいにあてる:関係者各位

問い合わせ窓口のように、どなたが読むか分からないアドレスへ送るときは、「A株式会社 ご担当者様」と書く形もよく使われます。メールでも、「御中」と「様」は重ねません。

一度やり取りが始まり、担当の方の名前が分かったら、次のメールからは名前に「様」を付けます。相手の署名に書かれた字を、そのまま写します。

宛名の後の挨拶や名乗りの書き方はビジネスメールの書き出し、メール全体の組み立てはビジネスメールの書き方にまとめています。

迷いやすい判断と、間違えたあとの立て直し

判断1:会社名に「様」を付けるのは間違い?

辞書は、「様」が団体名にも付くと説明しています。会話やメールの文中で「A社様」と呼ぶことは、実際によくあります。一方、封筒の宛名では、会社や部署には「御中」を使う書き方が一般的です。

基準は、宛名は「御中」、文中の呼び方は社内の言い方に合わせることです。文中での呼び方に迷ったら、先輩が書いたメールを一通見せてもらうと早く決まります。

判断2:「係」「窓口」「事務局」には、どちらを付ける?

「◯◯係」「◯◯窓口」「◯◯事務局」は、人の名前ではなく、仕事を受け持つ所の名前です。基準は同じで、宛名の最後が組織の名前なら「御中」です。「採用係 御中」「事務局 御中」のように書く形が一般的です。

判断3:会社の書式に「殿」が印刷されているときは?

見積書や請求書の宛名欄に、「殿」や「御中」が先に印刷されている書式があります。自分の判断で消したり、書き足したりしません。基準は、会社の書式は、会社の決まりに合わせることです。

聞き方の例です。「見積書の宛名欄に『殿』と入っています。個人の方にあてるときも、このままでよいですか」(説明用の例です)。答えは実践シートに書いておくと、次から迷いません。見積書そのものの書き方は、見積書の書き方にまとめています。

判断4:書いた後で、重ねていることに気づいたときは?

出す前に気づいたら、新しい封筒に書き直します。宛名を線で直した封筒は、相手に「書き間違えた物をそのまま送った」と見えます。封筒が残り少ないときや、社名入りの封筒を使ってよいか分からないときは、先輩に聞いてから書き直します。

出した後で、間違いに気づいたとき

その場では:まず、何を間違えたかを分けます。社名や名前の字を間違えた、別の人の名前を書いた、という場合は、上司に報告します。お詫びの連絡を入れるか、だれから伝えるかを決めてから動きます。報告のしかたは営業で失敗したときが使えます。

「御中」と「様」を重ねた、「行」を消し忘れた、という場合も、自分だけで決めず、上司に一言伝えます。「A社あての封筒で、『御中』と『様』を重ねて書いていました。ご連絡したほうがよいでしょうか」(説明用の例です)。

住所や宛先そのものを間違えて出した場合は、郵便局で手続きができることがあります。日本郵便は、よくあるご質問で「あて名・あて先変更や取戻請求ができます。」「手続には手数料が必要になる場合があります。」と案内しています。くわしいことは、出した郵便局に問い合わせます。

後の記録:取引先ごとに、宛名の控えを残します。「A株式会社 営業部 佐藤 ◯◯ 様。社名は株式会社が前。名刺で確認した日:◯月◯日」のように書きます(説明用の例です)。次に送るときは、控えを見て写せば、同じ間違いをくり返さずに済みます。

今日やることは一つです。これから出す封筒かメールを一通決め、宛名の最後が会社・部署か個人の名前かを見て、「御中」か「様」のどちらか一つを選んで書いてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
相手の名刺かメールの署名(会社名・部署名・役職・名前の正しい字が分かるもの)、これから出す封筒かメールの下書き、返信用封筒やはがきがあればその現物。

記入例を見る(説明用)

送る物と、送り先=見積書を一通、郵送する。A株式会社 営業部の佐藤様あて/宛名の最後は、会社・部署か、個人の名前か=個人の名前(佐藤様)。担当の方が分かっている/選んだ敬称と、その理由=「様」。宛名の最後が個人の名前なので。会社名と部署名には何も付けない。「御中」は使わない/清書した宛名=一行目「A株式会社」、二行目「営業部」、三行目「佐藤 ◯◯ 様」。役職は名刺に書かれていなかったので入れない/確かめたこと=名刺と見比べて、社名の「株式会社」が前に付くこと、佐藤様の名前の字を確かめた。「御中」と「様」は重ねていない。部署名は、先月の名刺のままでよいかを先輩に聞いた(変わっていないとのこと)。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

宛名の最後が会社・部署か個人の名前かを見て、「御中」か「様」のどちらか一つを選べており、社名と名前の字を名刺などで確かめてある。

うまく進まなかったときは?

どちらか決められなければ、宛名の一番下の行だけを見る。そこが人の名前なら「様」、会社・部署・係の名前なら「御中」。担当の方の名前が分からなければ、「営業部 ご担当者様」と書くか、先輩に「担当の方のお名前は分かりますか」と聞く。字が不安なら、名刺かメールの署名を見て書き写す。

NEXT NOTE

次に読むなら

封筒の宛名を、表と裏に書く返信用封筒を作る・返す書類に添える送付状を書く