NOTE 63 · 営業の実践ノート
ビジネスメールの書き方:件名から署名まで、6つの部品と確かめる順番
公開:2026年10月3日
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ビジネスメールは、件名、宛名、挨拶と名乗り、用件、お願いと期限、結びと署名の、6つの部品でできています。書く前に「相手に何をしてほしいか」を一つ決め、本文は結論→理由→お願いの順に書きます。送る前には、名前・日付・数字・添付・CCとBCC・宛先を確かめます。この記事は、メールの書き方の全体の地図です。部品ごとのくわしい話は、それぞれの記事へ案内します。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 仕事で初めてメールを書くことになり、何から書けばよいか分からないとき。書いたメールが、長くて分かりにくいと言われたとき。
- 1
相手にしてほしいことを、一文で書き出す
- 2
件名を付け、宛名・挨拶・名乗りを書く
- 3
本文を、結論→理由→お願いと期限の順に書く
- 4
名前・日付・数字・添付・CC・宛先を確かめて送る
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
ビジネスメールの6つの部品
ビジネスメールは、上から順に、6つの部品でできています。それぞれに、相手にとっての役目があります。
| 部品 | 書くこと | 相手が何に使うか | くわしい記事 |
|---|---|---|---|
| 1. 件名 | 何の件で、何をしてほしいか | 開く順番を決める。後で探すときの目印にする | この記事の次の章 |
| 2. 宛名 | 相手の会社名・部署名・名前と敬称 | 自分あてかどうかを確かめる | ビジネスメールの書き出し |
| 3. 挨拶と名乗り | 関係に合った挨拶の一文と、自分の会社名・名前 | 誰から、どんな関係の人からかを確かめる | ビジネスメールの書き出し |
| 4. 用件 | 結論と、その理由 | 何の話かをつかむ | この記事の3つめの章 |
| 5. お願いと期限 | してほしいことと、いつまでか | 自分の予定に入れる | ビジネスメールの締め |
| 6. 結びと署名 | 結びのあいさつ、会社名・名前・連絡先 | 返事のしかたと、連絡先を確かめる | ビジネスメールの締め |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
初心者がつまずきやすいのは、上から順に書こうとして、挨拶の所で手が止まることです。挨拶の言葉を考えているうちに、何を伝えたかったのかがぼやけます。
書く順番は、並べる順番と同じでなくて構いません。先に「相手にしてほしいこと」を決め、5番(お願いと期限)と4番(用件)を書いてから、件名と書き出しを付けると、全体がぶれにくくなります。
メールの形には、会社ごとの決まりや慣例があります。この記事の例は、一般に使われることが多い形です。職場の決まりや、先輩が送っているメールの形があれば、そちらに合わせてください。
書く前に決める一つと、件名の付け方
書く前に:相手に何をしてほしいかを、一文で書く
メールを書く前に、「このメールを読んだ相手に、何をしてほしいか」を一文で書き出します。「見積書を見て、進めてよいかを返信してほしい」「打ち合わせの日を、3つの候補から選んでほしい」「発送したことを知っておいてほしい(返信は不要)」のような形です(説明用の例です)。
これを先に決める理由は、メールの中身がすべてここから決まるからです。してほしいことが決まれば、件名に何を書くか、理由をどこまで書くか、期限が要るかどうかが決まります。決めずに書き始めると、経緯の説明が長くなり、最後に「よろしくお願いします」で終わるメールになりがちです。
一文にならないときは、用件が二つ以上入っています。別々のメールに分けるか、番号を付けて分けます。
件名の付け方
相手は、件名を見て、いつ開くかを決めます。後で探すときも、件名で探します。件名には、何の件かと、何をしてほしいかを入れます。
- 惜しい例1:「お世話になっております」
- 惜しい例2:「ご連絡」「先日の件」
- 良い例1:「[商品名]のお見積書の送付(◯月◯日までにご確認のお願い)」
- 良い例2:「◯月◯日 お打ち合わせの日程のご相談([自社名] [氏名])」
説明用の例です。惜しい例は、開かないと中身が分かりません。ほかのメールにうもれ、後で探すこともできません。良い例は、件名だけで、何の件で、何をすればよいかが分かります。
件名の頭に【ご確認のお願い】のような【 】を付けるか、会社名と名前を入れるかは、会社の慣例に合わせます。返信のときは、件名を変えずに「Re:」のまま返す形が多いです。同じ件のやり取りが一つにまとまり、相手が流れを追えるからです。話題が変わったときは、新しい件名でメールを分けます。
本文の組み立て:結論→理由→お願い
書き出し(宛名・挨拶・名乗り)の後は、次の3つを、この順に書きます。
- 結論(用件)。何の件で、何を伝えたいのかを、一文目に書きます。相手は、ここで「何の話か」をつかみ、続きを読む心づもりができます。
- 理由(背景)。結論の理由や、相手が判断するために必要な事実を、2〜3文で書きます。経緯を最初から全部書くと、相手は何が大事かを選べません。
- お願いと期限。相手にしてほしいことと、いつまでかを書きます。お願いが二つ以上あるときは、番号を付けて分けます。
次は、見積書を送るメールの例です。社名・人名・日付・用件は、説明用の例です。
件名:[商品名]のお見積書の送付(◯月◯日までにご確認のお願い)
[会社名] [部署名] [担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
[商品名]のお見積書を添付しました。内容をご確認いただけますでしょうか。
先日のお打ち合わせで伺った数量と納期をもとに、作成しています。前回のお見積もりから変えた所は、納期の1か所です。
お手数ですが、◯月◯日(◯)までに、この内容で進めてよいかどうかをご返信いただけますでしょうか。社内の手配の都合で、期日をお願いしております。
ご不明な点がありましたら、お知らせください。よろしくお願いいたします。
[署名]
4行目が結論、5行目が理由、6行目がお願いと期限です。相手は4行目まで読めば、何の件かが分かります。
読みやすくするために、次の3つを行う人が多いです。段落の間に、空の行を1行入れる。一つの段落は2〜3文にする。日程や項目が3つ以上あるときは、文につなげずに、一行ずつ分けて書く。スマホで読む相手にも、区切りが見えるようになります。
書き出しの言葉の選び方はビジネスメールの書き出し、結びの一文と署名はビジネスメールの締めに、文例と一緒にまとめています。
送る前に確かめる6つ
メールは、送った後に取り消すことがむずかしい道具です。書き終えたら、次の6つを、この順番で確かめます。順番を決めておくと、急いでいるときも抜けにくくなります。
- 名前。相手の会社名・名前の漢字・敬称を、元の資料(名刺や相手のメールの署名)と見比べます。前のメールを写して書いたときは、本文の中に別の会社名や名前が残っていないかも見ます。
- 日付。日付と曜日が合っているかを、カレンダーを開いて確かめます。「明日」「来週」は、相手が読む日によって意味が変わるので、日付で書きます。
- 数字。金額・数量・時刻を、元の資料と見比べます。本文と添付の両方に同じ数字があるときは、二つが同じかを見ます。
- 添付。ファイルが付いているか、付けたファイルが相手あての物か、最新の物かを、開いて確かめます。添付で送ってよい資料かどうか、送り方(パスワードや共有の仕組みなど)は、会社の決まりに従います。
- CCとBCC。CCは、写しとして同じメールを届ける先です。BCCは、ほかの受け取り手にアドレスが見えない形で届ける先です。入れる人と入れ方は、最後の章の「判断4」のとおり、会社の決まりに合わせます。
- 宛先。アドレスの@より後ろ(会社の部分)を読みます。宛先の候補から選んだときは、似た名前の別の人を選んでいないかを見ます。
宛先を最後に確かめるのは、送るボタンを押す直前に見るためです。書いている途中で誤って送ることを防ぐために、宛先の欄は最後に入れる、というやり方をする人もいます。
確かめが終わったら、件名から署名までを、一度声に出して(または口の中で)読みます。目で追うだけでは気づかない、抜けた言葉や、長すぎる文が見つかります。
場面で変わるところと、言い方の例
6つの部品と、結論→理由→お願いの順は同じです。場面によって、結論に何を書くかと、力を入れる所が変わります。次の表は一例です。
| 場面 | 結論に書くこと・力を入れる所 | くわしい記事 |
|---|---|---|
| 依頼する | してほしいことと期限を、先に書く。難しい場合の返し方を添える | ビジネスメールの締め |
| 報告する | 結果を一文目に書く。返信が要らなければ、そう書く | ビジネスメールの締め |
| おわびする | 何が起きたかと、おわびを先に書く。言い訳を足さず、次に自分がやることと日付を書く | 営業で失敗したとき |
| 日程を調整する | 候補を2〜3つ、日付と曜日で書く。合わない場合の返し方を添える | 営業のアポ取り |
| 返信する | 相手の質問への答えを、一文目に書く。まだ答えられないことは、いつまでに答えるかを書く | お礼メールへの返信 |
| 初めての相手に送る | 誰が・なぜ・何をお願いするかを書く | はじめましてのビジネスメール |
| 会った後にお礼を送る | お礼・確認事項・次の行動を書く | 営業のお礼メール |
| 返事を待っている | 前に送った内容と、返事がほしい期限を書く | 催促メール |
| 季節の挨拶・贈り物のお礼 | 相手との今年の出来事や、受け取った物に触れる | 年末の挨拶メール/新年の挨拶メール/お歳暮のお礼メール |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
おわびのメールは、送る前に上司に見てもらいます。相手への伝え方を、自分だけで決めないためです。商談の後のお礼メールは、商談後メモからお礼メールを作る道具で、下書きを作ることもできます。
用件の一文目を比べる
- 惜しい例:「先日お打ち合わせをさせていただいた際に、納期のお話が出まして、その後、社内で確認をしておりましたところ……」
- 良い例:「ご質問いただいた納期について、回答します。◯月◯日(◯)に納品できます」
説明用の例です。惜しい例は、経緯から始まっていて、結論がどこにあるのかが分かりません。良い例は、何の件かと答えが、最初の2文に入っています。経緯が必要なら、答えの後に2〜3文で足します。
お願いが二つあるとき
- 惜しい例:「お見積もりをご確認いただき、あわせて、設置する場所の写真もお送りいただけますと幸いです。それと、お打ち合わせの日程ですが……」
- 良い例:「2点、お願いがあります。
1. お見積書の内容のご確認(◯月◯日(◯)まで)
2. 設置する場所の写真のご送付(◯月◯日(◯)まで)」
説明用の例です。惜しい例は、お願いが文の中にうもれていて、相手が一つを見落とすことがあります。良い例は、数を先に言い、番号と期限を付けています。相手は、番号ごとに返事を書けます。
迷いやすい判断と、失敗のあと
判断1:電話とメール、どちらで伝える?
基準は、記録に残したいかと、急ぐか・言いにくい話かです。日付・数量・金額など、後で見返すことは、メールが向いています。今日中に動いてほしいことや、おわび、込み入った相談は、電話や対面のほうが伝わりやすい場合があります。
両方を使うこともできます。電話で話した後に、決まったことをメールで送ると、記録が残ります。メールを送った後に、「先ほどメールをお送りしました」と電話で一言伝えるやり方もあります。どちらを先にするか迷ったら、上司に「[会社名]様への納期の変更は、先にお電話したほうがよいですか」と聞きます(説明用の例です)。電話のかけ方は、営業電話のかけ方にまとめています。
判断2:メールが長くなるときは?
まず、用件が一つかどうかを見ます。二つ以上なら、メールを分けるか、番号を付けて分けます。一つなのに長いときは、理由の段落が長くなっていることが多いです。相手が判断するのに必要な事実だけを残し、くわしい内容は添付の資料に回します。
それでも長くなる話は、メールより、電話や打ち合わせが向いているのかもしれません。「くわしくは、お電話でご説明させてください。◯月◯日(◯)の午後は、ご都合いかがでしょうか」と、話す場をお願いするメールに変えます(説明用の例です)。
判断3:届いたメールへの返事は、いつまでに返す?
返事の早さの目安は、会社や、相手との取り決めで違います。まず、職場に決まりや目安があるかを、先輩に聞きます。「お客様からのメールは、いつまでに返すことになっていますか」と聞けば足ります。
すぐに答えが出せない内容のときは、答えが出るまで黙って待つより、受け取ったことと、いつまでに答えるかを先に返すやり方があります。「ご連絡ありがとうございます。確認のうえ、◯月◯日(◯)までに回答します」と送れば、相手は、届いたかどうかを心配せずに済みます(説明用の例です)。
判断4:CCとBCCは、どう使う?
会社の決まりが先です。取引先へのメールは上司をCCに入れる、と決めている職場があります。決まりがなければ、上司に「[会社名]様へのメールは、CCでお入れしますか」と聞きます。
CCに入れた人のアドレスは、受け取った全員に見えます。お互いに面識のない社外の人たちを、同じメールの宛先やCCに並べると、アドレスをほかの人に知らせることになります。複数の社外の人へ同じ内容を送りたいときの送り方(BCCを使うのか、一通ずつ送るのか、別の仕組みを使うのか)は、自分で決めずに、会社の決まりを確かめます。
失敗のあと:宛先違い・添付忘れ・名前の誤り
3つとも、気づいたらすぐに、上司に報告します。分かっていることだけで、先に伝えます。
- 宛先を間違えた:別の人に、取引先の名前や資料が届いた場合は、情報の扱いに関わります。相手への連絡や、削除のお願いを、自分だけの判断で進めません。いつ・誰あてのメールを・誰に送ったか、本文と添付に何が入っていたかを、上司に伝えます。
- 添付を忘れた:添付を付けて送り直します。「先ほどのメールに、資料の添付がもれておりました。失礼いたしました。本メールに添付します」と書きます(説明用の例です)。
- 名前を間違えた:上司に伝えたうえで、どこを間違えたかを短く書いて、おわびを送ります。言い訳は足しません。
おわびのメールの例ははじめましてのビジネスメールに、報告の順番は営業で失敗したときにまとめています。
後の記録:何を間違えたかと、次からの動きを一行で書きます。「宛先の候補から、似た名前の人を選んだ。次からは、@より後ろを読んでから送る」「本文を先に送った。次からは、本文に『添付』と書いた時点でファイルを付ける」のような形です(説明用の例です)。「気をつける」で終わらせず、どの時点で・何を見るかまで書くと、次に同じ場面で手が動きます。
今日やることは一つです。これから送るメールを一通決め、相手にしてほしいことを一文で書いてから、6つの部品を順に埋めてください。
会う約束をメールでお願いするときは、アポイントメールの書き方を読んでください。
届いたメールへの返し方は、ビジネスメールの返信にまとめています。
会社や部署あての宛名に付ける言葉は、御中の使い方にまとめています。
複数の人へ一度に送るときの宛名は、各位の使い方を見てください。
件名の付け方をくわしく知りたいときはメールの件名の書き方を、宛先の欄の使い分けはCCとBCCの違いを見てください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
相手の名刺や、相手から届いたメールなど、会社名と名前が分かる元の資料。伝える内容のメモ(日付・数量・金額)。添付する資料。会社のメールの決まり(署名・CC・添付の扱い)。
記入例を見る(説明用)
相手と、相手にしてほしいこと=取引先の[会社名] [部署名]の[担当者名]様。見積書を見て、この内容で進めてよいかどうかを返信してほしい/件名=「[商品名]のお見積書の送付(◯月◯日までにご確認のお願い)」。【 】を付けるかは、先輩のメールの形に合わせる(未確認。今日聞く)/用件(結論を一文で)と、その理由=「[商品名]のお見積書を添付しました。」理由は、先日の打ち合わせで聞いた数量と納期をもとに作ったこと。前回から変えたのは納期の1か所/お願いと期限(日付と曜日)=「◯月◯日(◯)までに、この内容で進めてよいかどうかをご返信いただけますでしょうか。」理由は社内の手配の締め切り。曜日はカレンダーで確かめた/送る前に確かめること=名前は相手のメールの署名から写した。日付と曜日、見積書の金額と本文の金額が同じかを見た。添付は見積書1つ(ファイルを開いて、相手の会社名を確かめた)。CCは上司(入れるよう言われている)。宛先は最後に入れ、@より後ろを読んだ。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
相手にしてほしいことが一文で言えて、件名だけで用件が分かり、本文が結論から始まっていて、送る前の6つを確かめてある。
うまく進まなかったときは?
してほしいことが一文にならなければ、用件が二つ以上入っていないかを見る。入っていれば、メールを分けるか、上司に「どちらを先に送ればよいですか」と聞く。本文が長くなったら、理由の段落を2〜3文に削り、くわしい内容は添付の資料に回す。