NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 49 · 営業の実践ノート

見積書の書き方:項目の意味と、初めて作るときの手順

広告:この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由の購入により、当サイトに報酬が支払われる場合があります。

見積書は、取引を始める前に、金額や条件を相手に示す書類です。書き方は、まず自分の会社の様式(決まった書式)に合わせます。そのうえで、宛名・件名・品名・数量・単価・合計・有効期限・納期・支払条件といった項目の意味を知り、「様式と承認の流れを確かめる→条件を確認する→下書きする→計算を確かめる→承認をもらう→送る」の順で作ります。

今日できるようになること

これから作る見積書一件について、項目ごとに「何を書くか」と「誰に確かめるか」を書き出す。

シートへ進む ↓
この記事の目次 読みたいところへ ↓

こんなときに 初めて見積書を作ることになり、どの欄に何を書けばよいか分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    会社の様式と、承認の流れを確かめる

  2. 2

    品名・数量・単価・納期などの条件を、先輩に確認する

  3. 3

    依頼の記録を見ながら下書きし、計算を確かめる

  4. 4

    承認をもらい、送る前の確認へ進む

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

見積書とは:取引の前に、金額と条件を示す書類

見積書(みつもりしょ)とは、取引を始める前に、「何を・いくつ・いくらで・どんな条件で」出せるかを相手に示す書類です。相手は見積書を見て、頼むかどうかを考えたり、ほかの会社と比べたりします。

初めて作るときは、欄の多い様式を前にして、手が止まりがちです。前に誰かが作った見積書を写し、数字だけ入れ替えて出す。その結果、相手から「この有効期限は、どういう意味ですか」と聞かれて答えられない、ということが起こります。

見積書は、自分がいない場でも読まれます。相手の担当者が、上司に見せて説明することもあります。だから、書いた本人がそれぞれの欄の意味を説明できることが大事です。

この記事では、見積書によく載っている項目の意味と、初めて作るときの手順を説明します。作った見積書を送る前の見直しと、送るときの文面は、見積書を送る前に確認する7項目にまとめています。

見積書の様式は、会社ごとに違います。この記事の項目は、よく見られる例です。自分の会社の様式と決まりを先に確かめ、そちらに合わせてください。

見積書によく載っている項目と、その意味

次の表は、見積書によく載っている項目の例です。会社の様式によって、欄の名前や順番が違ったり、載っていない項目があったりします。

項目意味書くときに確かめること
宛名見積書を出す相手。会社名、部署、担当者名名刺やメールの署名と、一文字ずつ見比べる
発行日見積書を出す日作った日ではなく、相手に出す日にするか。会社の決まりを聞く
見積番号会社が見積書を管理するための番号番号の付け方。様式やシステムが自動で付けることもある
件名何についての見積かを一行で表したもの相手が依頼のときに使った言葉と合っているか
品名売る商品や、行う作業の名前型番や仕様。依頼の内容と同じか
数量いくつ出すか。個、箱、台、月などの単位を付ける単位。「10個」と「10箱」のような取り違えがないか
単価一つあたりの金額価格表か、先輩に確かめた金額か。自分で決めない
金額単価に数量をかけた、その行の金額計算し直して合っているか
小計各行の金額を足したもの足す行に、もれがないか
消費税小計にかかる消費税の額表示のしかたは、会社の様式と経理の担当に確かめる
合計相手が支払う金額の合計小計と消費税を足した数字と合っているか
有効期限この金額と条件で出せる期限会社で決まった期間があるか
納期商品を届ける日や、作業を終える日在庫や作業の予定を、担当に確かめた日か
支払条件いつ、どの方法で支払ってもらうか会社が認めている条件か
発行者見積書を出す自分の会社の名前、住所、連絡先、担当者名押印が要るかどうかなど、会社の決まり

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

項目は多く見えますが、役目で分けると4つです。誰に出すか(宛名・件名)、何をいくらで出すか(品名・数量・単価・金額・小計・消費税・合計)、どんな条件か(有効期限・納期・支払条件)、誰が出したか(発行日・見積番号・発行者)です。

金額の欄は、上から順につながっている

単価に数量をかけたものが、その行の金額です。各行の金額を足したものが小計で、そこに消費税を足したものが合計になります。上の欄を一つ直すと、下の欄がすべて変わります。

消費税の書き方(税込か税抜か、税率ごとに分けるかなど)は、ここでは説明しません。税の表示は、会社の様式と経理の担当に確かめてください。様式に欄があれば、その欄のとおりに入れます。

条件の欄は、相手との約束になる

有効期限は、「この金額と条件で出せるのは、いつまでか」を示します。期限が書かれていないと、時間がたってから「あのときの金額でお願いします」と言われたときに、話がすれ違うことがあります。

納期と支払条件も、相手が社内で検討するときの材料になります。どれも、自分の考えで書く欄ではありません。会社が認めた内容を、確かめてから書きます。

備考の欄

様式に備考の欄があれば、金額や条件の前提を書きます。たとえば「設置作業は含みません」「送料は別途」などです(説明用の例です)。何を書くかは、送る前の確認の「対応範囲」と合わせて決めます。

初めて作るときの6つの手順

見積書は、様式を開いて上から埋める前に、確かめることがあります。順番は次のとおりです。

  1. 会社の様式と、承認の流れを確かめる。どの様式(ファイルやシステム)で作るか、相手に出す前に誰の確認が要るか、見積番号はどう付けるかを、先輩に聞きます。自己流の様式で作ると、作り直しになります。承認を通さずに出すと、会社が認めていない金額が相手の手元に残ります。
  2. 条件を先輩に確認する。品名、数量、単価、納期、有効期限、支払条件を、一つずつ確かめます。単価は自分で決めません。価格表があればそれを見て、載っていないものは先輩に聞きます。
  3. 依頼の記録を見ながら、下書きする。相手からのメールや商談メモを横に置き、様式の上から順に入れます。分からない欄は、想像で埋めずに「確認中」と自分用のメモを残します。想像で入れた数字は、あとで自分でも見分けがつかなくなるからです。
  4. 計算を確かめる。単価×数量、小計、合計を、電卓で計算し直します。表計算ソフトの様式でも、行を足したり消したりしたときに、合計の式がその行を含んでいないことがあります。
  5. 承認をもらう。下書きと、相手からの依頼の記録を、一緒に見せます。記録があると、確認する人は「頼まれた内容と合っているか」まで見られます。
  6. 送る前の確認をして、送る。宛名、対応範囲、版などを見直します。確認の項目は見積書を送る前に確認する7項目に、仕事中にすぐ使える形は見積提出前チェックにあります。

手順1と2を飛ばして下書きから始めると、手順5で「様式が違う」「この単価は誰に聞いたの」と戻されます。先に確かめるほうが、結果として早く出せます。

手順4の計算は、画面の数字を目で追うだけでなく、手元で計算し直すと、違いに気づきやすくなります。

場面で変わるところ

手順の骨組みは同じですが、場面によって、先にやることが変わります。次の表は一例です。会社に決まりがあれば、そちらを優先してください。

場面気をつける所進め方(一例)
口頭で「だいたい、いくら」と聞かれたその場で数字を作らない「条件を確認して、見積書でお伝えします」と答え、いつまでに送れるかを伝える
相見積もりだと言われたほかの会社と比べやすい形にする相手が示した数量・仕様・提出の期限に合わせる。値引きは自分で決めない
条件がまだ決まっていない決まっていないことを、決まったように書かない何が未定かを書き出し、未定のまま出してよいかを先輩に聞く
数量や条件が変わり、作り直す前の見積書と区別がつくようにするどこを変えたかを書き出し、番号や日付の付け方を先輩に聞く
急ぎで頼まれた承認にかかる時間を先に確かめる相手に「いつまでに必要か」を聞き、先輩に承認の時間を聞いてから、出せる日を答える

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

相見積もりのとき

相見積もり(あいみつもり)は、相手が複数の会社から見積を取って比べることです。相手は、同じ条件で並べて比べたいと考えています。数量や仕様を自分の都合で変えると、比べられない見積になります。

相手から条件の指定があれば、その条件のとおりに作ります。別の案も出したいときは、指定どおりの見積とは別に用意してよいかを、先輩に相談します。

作り直すとき

数量が変わった、作業を足した、というときは、見積書を作り直します。前の見積書と新しい見積書が相手の手元に両方残るので、どちらが新しいかが分かるようにします。

見積番号を新しくするのか、同じ番号に版を付けるのか、日付をどうするかは、会社の決まりに合わせます。送るときは、「数量を2台から3台に変更しました」のように、変えた所を一文で伝えます(説明用の例です)。

条件がまだ決まっていないとき

納期や作業の範囲が決まらないまま、見積を頼まれることがあります。未定のまま出してよいかどうかは、会社の方針によります。出す場合の書き方は、送る前の確認の納期の章を見てください。

言い方の例:良い言い方と惜しい言い方

見積書を作る途中では、先輩にも、相手にも、聞くことが出てきます。次の例は、すべて説明用です。社名、名前、金額は例です。

先輩に条件を聞く

惜しい言い方:「見積書って、どう書けばいいですか」

良い言い方:「A社の佐藤様から、本体2台の見積を頼まれました。様式は共有フォルダのものを使います。単価は価格表で確かめました。納期と有効期限の欄が分からないので、どなたに確かめればよいか教えてください」

惜しい言い方は、先輩が何から説明すればよいか分かりません。良い言い方は、誰の・何の見積か、自分で確かめた所、分からない欄の順に伝えています。先輩は、分からない欄だけ答えれば済みます。

相手に条件を確かめる

惜しい言い方:「では、とりあえず見積をお出ししますね」

良い言い方:「お見積りを作るにあたり、3点だけ確認させてください。数量は2台でよろしいでしょうか。納品の場所は本社でしょうか。ご希望の時期はございますか」

「とりあえず」で出すと、条件を想像で埋めることになります。良い言い方は、聞くことの数を先に伝えています。相手は、どれだけ答えればよいかが分かります。

その場で金額を聞かれた

惜しい言い方:「たぶん、10万円くらいだと思います」

良い言い方:「正確な金額は、条件を確認して見積書でお伝えします。◯月◯日(水)までにお送りします」

口頭で言った数字は、相手の記憶に残ります。あとで見積書の金額が違うと、「前に聞いた金額と違う」という話になります。おおよその金額を口頭で伝えてよいかどうかは、会社によって方針が違うので、先輩に確かめてください。

迷いやすい判断と、失敗のあと

判断1:分からない欄は、空けたままでよい?

基準は、その欄が、相手の検討に関わるかです。有効期限、納期、支払条件は、相手が頼むかどうかを考える材料になります。空けたまま出さず、確かめてから書きます。

様式にあっても、今回の取引では使わない欄もあります。その欄を空けてよいか、消してよいかは、「この欄は今回使わないと思うのですが、空欄のままでよいですか」と先輩に聞きます。

判断2:「一式」と書いてよい?

「一式」は、いくつかの品や作業をまとめて一行にする書き方です。基準は、何が含まれているかを、相手が見積書だけで分かるかです。分からないなら、内訳を分けて書くか、含むものを備考に書きます。

内訳をどこまで出すかは、会社の決まりがあることも多いので、過去の見積書を見るか、先輩に聞きます。

判断3:納期と有効期限は、自分で決めてよい?

決めません。ただし、決めてもらうための材料は、自分で集められます。相手の希望の日を聞く、在庫や作業の予定を誰が知っているかを調べる、の2つです。

そのうえで、「A社は来月上旬の納品を希望されています。この時期で見積に書いてよいか、どなたに確かめればよいですか」と聞きます(説明用の例です)。希望の日と、確かめた日は、別のものとしてメモします。

判断4:値引きを頼まれたら?

その場で答えません。自分でできるのは、相手の希望を正確に聞き取ることです。いくらなら検討できるのか、数量や時期は変わらないのか、いつまでに返事が要るのかを聞き、「社内で確認して、◯日までにお返事します」と伝えます。

上司には、相手の言葉、数量、返事の期限をそろえて相談します。承認が出てから、見積書を作り直します。

失敗1:送る前に、計算の違いに気づいた

その場では:直した所だけでなく、その下の小計と合計も計算し直します。すでに承認をもらっていた場合は、直した見積書を、もう一度承認する人に見せます。「合計の金額が変わりました」と、変わった所を先に伝えます。

あとの記録:「行を一つ足したとき、合計の式に入っていなかった。次回から、行を足したら電卓で合計を計算し直す」のように、原因と次の動きを書きます(説明用の例です)。

失敗2:承認をもらう前に、送ってしまった

その場では:気づいた時点で、上司に報告します。自分だけの判断で、相手に取り消しの連絡をしたり、直して送り直したりしません。相手への伝え方は、上司と決めます。報告の順番は営業で失敗したときにまとめています。

あとの記録:いつ、何を、誰に送ったか。上司に報告した時刻と、決まった対応を書きます。あわせて、「下書きのファイル名に『承認前』と付ける」など、次に同じことが起きにくくなる工夫を一つ書きます。

失敗3:相手から「この欄はどういう意味ですか」と聞かれて、答えられなかった

その場では:想像で答えません。「確認して、本日中にお答えします」と伝え、先輩に聞いてから折り返します(期限は説明用の例です。守れる期限を伝えます)。

あとの記録:聞かれた欄と、その答えを、自分のノートに書きます。次に同じ様式で作るとき、その欄の意味を確かめてから出せます。

今日やることは一つです。会社の見積書の様式を開き、それぞれの欄に「何を書くか」と「誰に確かめるか」を、下のシートに書いてください。見積を出したあとの進め方は、「検討します」の後にまとめています。

見積書を郵送するときに添える一枚は、送付状の書き方にまとめています。

見積書を送るメールの「ご査収ください」という言い方は、「ご査収ください」の意味と使い方にまとめています。

こちらから仕入先やメーカーへ見積を頼むときは、見積依頼メールの書き方を見てください。

見積の金額を決めるときに出てくる言葉は、粗利とはと掛け率とはにまとめています。

納めたあとの流れは、納品書とはと検収とはにまとめています。

価格を上げることをお客様へ伝える文書は、値上げのお知らせの書き方にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
相手からの依頼メールや商談メモ、会社の見積書の様式、価格表(あれば)。

記入例を見る(説明用)

使う様式と、承認してもらう人=共有フォルダにある会社の様式を使う。送る前に課長の確認が要る、と先輩に聞いた。見積番号の付け方は未確認(明日、先輩に聞く)/見積の相手と、件名=A社 総務部の佐藤様。件名は「事務所用の機器2台の納品」/品名・数量・単価=本体2台。単価は会社の価格表で確かめた。送料は価格表に載っていないので未確認(先輩に聞く)/有効期限・納期・支払条件=有効期限と支払条件は、会社でいつも使っている書き方があると先輩に聞いた。納期は、倉庫に在庫を確認中。佐藤様の希望は来月の上旬/まだ決まっていないことと、次にやること=設置作業が必要かどうかを、佐藤様に聞いていない。明日の午前に電話で確かめる。そのあと下書きを作り、依頼メールと一緒に課長へ見せる。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

使う様式と承認する人が分かっていて、品名・数量・単価・有効期限・納期・支払条件のそれぞれに「どこで、誰に確かめたか」が書いてあり、分からない欄には「未確認」と確かめる先が書いてある。

うまく進まなかったときは?

様式が見つからなければ、先輩に「見積書はどの様式で作りますか」と聞く。単価や納期が分からなければ、自分で数字を入れず、誰に聞けば決まるかを先輩に聞く。相手の希望があいまいなら、数量・納品の場所・希望の時期の3つだけ、相手に確かめる。

NEXT NOTE

次に読むなら

見積書を送る前に確認する提案書を作る「検討します」の後を進める