NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 61 · 営業の実践ノート

ビジネスメールの書き出し:宛名・挨拶・名乗りを、相手との関係で決める

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ビジネスメールの書き出しは、宛名→挨拶→名乗りの3つを、この順に短く書く形が広く使われています。どの言葉を選ぶかは、相手との関係で決めます。初めての相手なら「はじめてご連絡いたします」、やり取りが続いている相手なら「いつもお世話になっております」、社内なら「お疲れ様です」が、一般によく使われます。この記事では、関係ごとの書き出しの表と文例、敬称や時候の挨拶で迷ったときの決め方を説明します。

今日できるようになること

これから送るメールを一通決め、相手との関係を見て、宛名・挨拶・名乗りの3行を書く。

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こんなときに メールを書こうとして、最初の一行で手が止まるとき。相手によって書き出しを変えるべきか迷うとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    相手の会社名・部署・名前を、元の資料で確かめる

  2. 2

    相手との関係(初めて・続いている・久しぶり・社内)を決める

  3. 3

    宛名→挨拶→名乗りの順に、3行で書く

  4. 4

    敬称と名前の漢字を見直し、すぐ用件に入る

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

書き出しの3つの部品:宛名・挨拶・名乗り

メールを開いた相手は、最初の数行で「自分あてか」「どんな関係の人からか」「誰からか」を確かめます。書き出しは、その確かめに答える場所です。部品は3つあります。

部品書くこと相手が何に使うか
宛名相手の会社名・部署名・名前と敬称自分あてのメールかどうかを確かめる。複数あてなら、誰が動くのかを見る
挨拶相手との関係に合った一文どんな関係の人からのメールかをつかむ。読む気持ちの準備をする
名乗り自分の会社名(社内なら部署名)と名前誰からかを確かめる。差出人の欄を見直さなくても分かる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

3つを、宛名→挨拶→名乗りの順に書く形が、広く使われています。順番がそろっていると、相手は毎回同じ場所を見れば済みます。

初心者がつまずきやすいのは、挨拶に時間をかけすぎることです。ていねいにしようとして挨拶を何文も重ねると、用件が下に押し出されます。スマホで読む相手は、画面を送らないと用件にたどり着けません。3つの部品は短く書き、名乗りの次の行から用件に入ります。

もう一つは、宛名を省くことです。宛名がないと、CC(写しを届ける先)に入っている人や、同じ部署の人は、自分が動くメールなのかを判断できません。一行で済むので、毎回書きます。

書き出しの言葉づかいには、会社ごとの慣例があります。この記事の例は、一般に使われることが多い形です。職場の先輩が送っているメールの形があれば、そちらに合わせてください。メール全体の組み立てはビジネスメールの書き方、終わり方はビジネスメールの締めにまとめています。

相手との関係で決める:書き出しの表

挨拶と名乗りは、相手との関係で変わります。書く前に、「この人と自分は、いまどんな関係か」を一つ決めます。次の表は、よく使われる形の一例です。

相手との関係挨拶の例名乗りの例気をつける所
初めて連絡するはじめてご連絡いたします[自社名]の[氏名]と申します名乗りの後に、連絡した理由を一文で続ける
やり取りが続いているいつもお世話になっております[自社名]の[氏名]です挨拶は一文にして、すぐ用件へ進む
久しぶりに連絡するご無沙汰しております[自社名]の[氏名]です前に何の件で関わったかを、一言添える
社内の上司・先輩お疲れ様です[部署名]の[氏名]です宛名の呼び方(役職を付けるか、さん付けか)は職場に合わせる
複数の人あて相手との関係に合わせる上と同じ宛名に全員の名前を書くか、「各位」「関係者の皆様」とする。誰に何をお願いするかを本文で分ける
相手のメールに返信するご連絡ありがとうございます[自社名]の[氏名]です相手がしてくれたこと(連絡・返信・資料の送付)へのお礼を、挨拶にする

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

名乗りの終わり方は、初めての相手には「と申します」、2回目以降は「です」と書く人が多いです。「申します」は、初めて名前を伝える場面で使われることが多い言い方だからです。

同じ日に何度かやり取りが続くときは、「たびたび失礼いたします」と書くことがあります。やり取りが続いている間は、挨拶と名乗りを短くする職場もあります。相手のメールの形と、先輩の形を見て合わせます。

なぜ関係で分けるのかというと、挨拶が関係と合っていないと、相手が一瞬迷うからです。初めての相手に「いつもお世話になっております」と書くと、相手は「どこかで会ったか」と記憶を探すことがあります。久しぶりの相手に何も触れずに用件から入ると、相手は「誰だったか」を思い出す所から始めることになります。

初めての相手へ送るときの、連絡した理由の書き方と全文の例は、はじめましてのビジネスメールにまとめています。

文例:書き出しから用件の一文目まで

5つの場面の書き出しを並べます。社名・人名・日付・用件は、どれも説明用の例です。[ ]と◯の所を、自分の案件に置き換えてください。

1. やり取りが続いている取引先へ

[会社名] [部署名] [担当者名]様

いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。

◯月◯日(◯)のお打ち合わせの時間について、ご相談があり、ご連絡しました。

宛名、挨拶と名乗り、用件の一文目の3行です。用件の一文目に「何の件か」が入っているので、相手は続きを読む前に、どの話かが分かります。

2. 久しぶりに連絡する相手へ

[会社名] [担当者名]様

ご無沙汰しております。[自社名]の[氏名]です。

◯月の展示会の件では、お世話になりました。

本日は、新しい資料ができましたので、ご案内のためにご連絡しました。

前に関わった件を一文入れています。相手が思い出す手がかりになります。どの件で関わったかが自分でも分からないときは、送る前に、会社の記録か前の担当者に確かめます。

3. 社内の上司へ

[名前]課長

お疲れ様です。[氏名]です。

[会社名]様のお見積もりの件で、ご相談があります。

同じ部署の上司には、部署名を省いて名前だけを名乗ることがあります。別の部署の人には、「営業部の[氏名]です」のように部署名を付けると、相手が誰からかを確かめやすくなります。

4. 複数の人へ

[会社名]
[担当者名A]様、[担当者名B]様
(CC:弊社 [上司名])

いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。

◯月◯日(◯)のお打ち合わせの議事メモをお送りします。[担当者名A]様には、2点ご確認をお願いしたいことがあります。

宛名に全員の名前を書き、だれに何をお願いするかを、用件の一文目で分けています。名前を並べる順番は、役職が上の人から書く形が多いです。順番が分からないときは、先輩に聞きます。人数が多いときは「関係者の皆様」「各位」とまとめることがあります。CCの人を宛名に書くかどうかは、会社の慣例に合わせます。

5. 相手のメールに返信する

[会社名] [担当者名]様

ご連絡ありがとうございます。[自社名]の[氏名]です。

ご質問いただいた納期について、回答します。

返信では、相手が連絡をくれたことへのお礼が、そのまま挨拶になります。「いつもお世話になっております」を前に足す人もいます。どちらの形でも、次の行で、相手の質問に答え始めます。

言い方の例:惜しい書き出しと、良い書き出し

次の4つは、説明用の例です。

  • 惜しい例1:宛名がなく、「お世話になっております。先日の件ですが」から始まる
  • 惜しい例2:「いつも大変お世話になっております。平素は格別のお引き立てをいただき、ありがとうございます。寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」と、挨拶が3文続く
  • 惜しい例3:「[会社名] [担当者名]様 先日はありがとうございました。さて、」と、名乗りがない
  • 良い例:「[会社名] [部署名] [担当者名]様/いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。/◯月◯日のお打ち合わせの時間について、ご相談があり、ご連絡しました」

惜しい例1は、誰にあてたメールかが本文から分かりません。相手が複数いる場合、だれが返事をするのかが決まらず、全員が待つことがあります。「先日の件」も、どの件かが相手に伝わりません。

惜しい例2は、言葉はていねいですが、用件が4文目まで出てきません。挨拶は一文にしぼります。残したいときは、相手との関係にいちばん合う一文を選びます。

惜しい例3は、相手が差出人の欄を見直すことになります。同じ会社に同じ名字の人がいる場合や、メールが転送された場合は、誰からかが分からなくなります。

良い例は、3つの部品が3行に収まり、用件の一文目に日付と件名があります。

挨拶に、一言だけ足したいとき

  • 惜しい例:「先日はありがとうございました」
  • 良い例:「◯月◯日は、お時間をいただきありがとうございました」

説明用の例です。惜しい例は、いつの何に対するお礼かが分かりません。良い例は、日付と、何へのお礼かが入っています。会った後のお礼を主な用件として書くときは、営業のお礼メールを見てください。

迷いやすい判断

判断1:「いつもお世話になっております」は、どんな相手に使う?

基準は、相手と、すでにやり取りがあるかどうかです。取引がある相手、何度かメールや電話をしている相手には、広く使われています。自分は初めてでも、会社として取引がある相手に使う職場もあります。

相手とも、相手の会社とも、やり取りがないときは、「はじめてご連絡いたします」などの書き出しのほうが、相手は迷いません。会社として取引があるかどうかが分からなければ、先輩に「[会社名]様とは、これまで取引がありますか」と聞いてから書きます。

判断2:「お疲れ様です」を、社外の人に使ってよい?

「お疲れ様です」は、社内のあいさつとして使われることが多い言葉です。社外の相手には「お世話になっております」を使う会社が多いです。一方で、長く一緒に仕事をしている協力会社との間で「お疲れ様です」を使う職場もあります。

自分で決める基準は、相手が先にどう書いてきたかと、先輩がその相手にどう書いているかです。どちらも分からないときは、社外には「お世話になっております」を選ぶと、相手が引っかかることは少なくなります。

判断3:会社名・部署・役職・敬称は、どう並べる?

一般には、会社名→部署名→役職→名前→敬称の順に書く形が多いです。敬称は、あて先によって次のように使い分けられることが多いです。

あて先敬称の例書き方の例
個人様[会社名] [部署名] [担当者名]様
会社や部署(個人名が分からない)御中[会社名] [部署名] 御中
担当者の名前が分からないご担当者様[会社名] [部署名] ご担当者様
複数の人各位、皆様関係者各位/[部署名]の皆様

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

よく言われる点を3つ挙げます。「御中」と「様」は重ねず、個人名があるときは「様」だけにする、とされることが多いです。役職を書くときは「部長 [担当者名]様」のように名前の前に置き、「[担当者名]部長様」のように役職と様を重ねる形は避ける、とされることが多いです。「株式会社」は「(株)」と略さずに書く、とされることも多いです。

ただし、会社や業界によって慣例が違います。「お客様各位」のように、広く使われている形もあります。迷ったら、先輩が同じ相手に送ったメールを見せてもらい、その形に合わせます。役職が分からないときは、推測で書かず、名前に「様」を付けます。

判断4:相手の名前の漢字に、自信がないときは?

基準は、元の資料を見て写すことです。名刺、相手から届いたメールの署名、相手の会社のホームページを見ます。「斉藤」と「斎藤」、「高」と「髙」のように、似た字がある名前は、手で打たずに、相手のメールの署名から写すと間違いが減ります。

電話で聞いただけの名前は、漢字が分かりません。先輩か、電話を取り次いだ人に「漢字を教えてください」と聞きます。分からないまま送る場合に、名字をひらがなやカタカナで書くかどうかは、上司に聞いて決めます。

判断5:時候の挨拶は、入れたほうがよい?

時候の挨拶は、「◯◯の候」のように、季節に触れる書き出しです。日々の用件のメールでは、入れずに書く人が多いです。メールは用件を早く伝える道具として使われているからです。

入れるかどうかの基準は、そのメールが、手紙や挨拶状の代わりかどうかです。年末年始の挨拶や、あらたまった案内では、季節の言葉を入れる会社があります。年末の挨拶は年末の挨拶メール、新年の挨拶は新年の挨拶メールにまとめています。

書き出しを間違えたとき

書き出しの間違いは、相手がいちばん先に目にする所で起きます。気づいたら、そのままにせず直します。その場の動きと、後の記録をセットで行います。

失敗1:名前の漢字や会社名を間違えた

その場では:上司に伝えたうえで、おわびを送ります。どこを間違えたかを短く書き、言い訳は足しません。おわびのメールの例は、はじめましてのビジネスメールの「間違えたときの動きと記録」に載せています。

後の記録:「名前を手で打った。次からは、相手のメールの署名から写す」のように、原因と次の動きを一行で書きます。

失敗2:敬称を付け忘れた

その場では:宛名が「[担当者名]」で止まったまま送った、という失敗です。気づいた時点で、「先ほどのメールで、お名前に敬称がもれておりました。大変失礼いたしました」と、短くおわびを送ります(説明用の例です)。おわびを別のメールで送るか、次の連絡に一文を足すかは、上司に聞いて決めます。

後の記録:「宛名を後回しにして、本文から書いた。次からは、宛名の行を敬称まで書いてから本文に進む」と書きます。

失敗3:前のメールを写して、別の人の宛名のまま送った

その場では:気づいたらすぐに、上司に報告します。宛名に別の会社の名前や担当者の名前が残っていた場合は、ほかの取引先の情報が相手に伝わったことになります。相手への連絡のしかたを自分だけで決めず、会社の決まりに沿って、上司の指示で動きます。報告の順番は、営業で失敗したときにまとめています。

後の記録:「前のメールを写して使った。次からは、写した直後に、宛名と本文の中の会社名・名前を書き換え、送る前に声に出して読む」と書きます。

今日やることは一つです。これから送るメールを一通決め、相手との関係を見て、宛名・挨拶・名乗りの3行を書いてください。

書き出しの「お世話になっております」を、初めての相手や社内に使ってよいかは、「お世話になっております」の使い方にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
相手の名刺や、相手から届いたメールの署名など、会社名と名前が分かる元の資料。これまでのやり取りの記録。職場の先輩が送ったメール(書き出しの形を見るため)。

記入例を見る(説明用)

相手と、自分との関係=取引先の[会社名]の[担当者名]様。先月から見積もりの件でやり取りが続いている。今回は、相手から届いた質問への返信/宛名と、確かめた元の資料=「[会社名] [部署名] [担当者名]様」。相手のメールの署名を見て、会社名と名前の漢字を写した。役職は署名に書かれていないので書かない/挨拶の一文=「ご連絡ありがとうございます。」返信なので、相手が連絡をくれたことへのお礼にする。「いつもお世話になっております」を前に足すかは、先輩のメールの形に合わせる(未確認。今日聞く)/名乗りの一文=「[自社名]の[氏名]です。」2回目以降なので「です」にする/用件の一文目と、送る前に見直すこと=「ご質問の納期について、回答します。」送る前に、宛名の漢字と敬称、前のメールの宛名が残っていないかを見る。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

宛名が元の資料どおりに書けていて、挨拶が相手との関係に合った一文になっていて、名乗りの次の行から用件が始まっている。

うまく進まなかったときは?

相手との関係が決められなければ、これまでのやり取りの記録を見るか、前の担当者や先輩に「この方とは、これまでどんなやり取りがありましたか」と聞く。敬称で迷ったら、先輩が同じ相手に送ったメールを見せてもらう。挨拶が2文以上になったら、一文だけ残して用件に入る。

NEXT NOTE

次に読むなら

メールの締め方を決めるメール全体の書き方を見る初めての相手へのメールを準備する