NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 29 · 営業の実践ノート

手土産・接待の準備:渡す前に、相手と自分の会社のルールを確かめる

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手土産や会食は、品物や店を選ぶ前に「渡してよいか・誘ってよいか」を確かめます。自分の会社の規程、相手の会社のルール、相手が公務員かどうか。この3つを見てから、条件を決めて選びます。

今日できるようになること

買う前に、上司へ「渡してよいか、いくらまでか」を聞く。

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こんなときに 初めて手土産を持っていくとき、会食の段取りを任されたとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    渡してよいか・誘ってよいかを確かめる

  2. 2

    人数と条件を決め、候補を2つに絞る

  3. 3

    渡すタイミングと一言を決める

  4. 4

    会食は、会計の方法まで上司と決める

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

渡す前・誘う前に確かめる3つ:自分の会社・相手の会社・相手が公務員か

取引先へ初めて手土産を持っていく。会食(接待)の段取りを任された。そんなとき、最初に「何を買うか」「どの店にするか」から考えがちです。

先に確かめるのは、そもそも渡してよいか、誘ってよいかです。品物や店を決めたあとで「受け取れません」と言われると、相手に断る手間までかけてしまいます。確かめる先は、次の3つです。

1. 自分の会社の規程

仕事で渡す手土産や会食の費用は、会社の経費として扱うことがあります。金額の上限、事前の申請、領収書の出し方は、会社ごとに違います。

社内の規程や案内を探し、見つからなければ上司に聞きます。金額も自分では決めません。「今回、手土産を持っていってよいですか。いくらまでにすればよいですか」と、上司に決めてもらいます。

2. 相手の会社のルール

贈り物や会食を受けないと決めている会社もあります。前の担当者の記録や、先輩の話を先に確認します。

分からなければ、相手の担当者に聞いて構いません。「お菓子をお持ちしても、ご迷惑になりませんか」と前もって聞けば、相手も断りやすくなります。

3. 相手が公務員などの場合

相手が国の機関の職員(国家公務員)の場合は、法令のルールがあります。人事院の国家公務員倫理審査会は、事業者向けのページで、国家公務員は利害関係のある事業者から供応接待等を受けることが、法令により原則として禁止されていると案内しています。

同じ審査会の倫理法・倫理規程Q&Aは、「利害関係者」を、許認可・補助金・契約など、その職員が現に携わっている事務の相手方と説明しています。利害関係者から金銭・物品の贈与を受けること、供応接待を受けること、一緒に旅行やゴルフをすることなどが、禁止される行為として挙げられています。

相手が国の機関の職員なら、手土産も会食も自分で判断せず、渡す前・誘う前に上司へ相談します。地方公務員や、そのほかの団体の職員については、それぞれの自治体や組織の規程を確認してください。民間企業どうしの場合も、各社の規程が基準になります。

手土産を選ぶ5つの手順

渡してよいと確認できたら、品物を選びます。売り場へ行く前に条件を書き出しておくと、迷う時間が減ります。

  1. 渡す相手と人数を確かめる。担当者一人に渡すのか、部署で分けてもらうのかを決めます。部署に渡すなら、およその人数を先輩に聞くか、前回の訪問メモで確かめます。
  2. 金額の上限を上司に聞く。「A社の営業部の皆さんに、お菓子を考えています。いくらまでにすればよいですか」と、相手と用途を添えて聞きます。
  3. 条件を決める。下の表の4つを確かめます。
  4. 候補を2つに絞る。条件を満たす品を2つ選び、個数・賞味期限・値段を並べてメモします。決めきれなければ、メモを上司か先輩に見せて選んでもらいます。
  5. 買って、領収書を受け取る。宛名などの書き方は、会社の決まりに合わせます。渡す日まで日があくときは、賞味期限をもう一度見ます。
条件理由買う前に見るところ
個包装か部署で分けるとき、一つずつ包まれていると配りやすい入っている個数が、人数より多いか
日持ち渡した日に食べ切るとは限らない賞味期限が、渡す日から何日あるか
常温で置けるか冷蔵や冷凍が要る品は、相手に保管の手間がかかる保存方法の表示
持ち運び移動中に崩れたり、溶けたりすることがある箱の大きさと重さ、訪問先までの時間、持ち運び用の袋があるか

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

表は条件の一例です。相手から希望を聞いている場合や、会社に決まった品がある場合は、そちらを優先します。

渡すタイミングと、一言の例

渡すタイミングは、あいさつを済ませて席に着く前後が、一つの目安です。受付で預ける場合や、商談のあとに渡す場合もあります。同行する先輩がいれば、訪問の前に「どのタイミングで渡せばよいですか」と聞いておきます。

持ち運び用の紙袋は外し、品物だけを相手に向けて差し出すやり方が広く行われています。外で会うときなど、相手がそのまま持ち帰る場面では、「袋のままで失礼します」と添えて袋ごと渡すこともあります。

自分:「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。皆さんで召し上がってください」

相手:「ありがとうございます。お気遣いいただいて」

自分:「一つずつ包んであります。常温で置いておけます」

説明用の例です。品物の説明を長く続ける必要はありません。分けやすさと保存方法を一言添えると、受け取った人が部署で配りやすくなります。

「受け取れない決まりなんです」と言われたら、「失礼しました。持ち帰ります」と引き下がります。重ねてすすめません。帰ったら上司に伝え、次の担当者も分かるように顧客のメモへ残します。

買った店の袋がない日や、雨で袋がぬれそうな日もあります。箱が入る大きさの無地の紙袋を一枚かばんに入れておくと、袋を替えられます。

会食の段取り:6つの手順

会食の段取りを任されたら、店を探す前に、上司と決めておくことがあります。順番は次のとおりです。

  1. 上司と決める。誘ってよい相手か、誰が出席するか、一人あたりの予算、会計の方法(誰が、何で払うか)を聞きます。会社のカードか、自分の立て替えかで、当日の準備が変わります。
  2. 相手に都合を聞く。日時の候補を2〜3つ出し、人数を確かめます。あわせて「苦手なものや、食べられないものはありますか」と聞きます。お酒を飲むかどうかも、決めつけずに聞きます。
  3. 店を予約する。人数、開始時刻、予算、食べられないものを店に伝えます。支払い方法と、領収書を出してもらえるかも確かめます。
  4. 案内を送る。日時、店名、住所、予約した名前を相手に送り、上司にも同じ内容を伝えます。
  5. 当日は先に着く。会計は手順1で決めた方法で済ませ、領収書を受け取ります。参加した人の名前と人数をメモします。
  6. 翌日にお礼を伝え、精算する。領収書と参加者のメモを、会社の決まった方法で提出します。

手順5の記録には理由があります。国税庁のタックスアンサー No.5265(令和7年4月1日現在の法令等)は、得意先などへの接待や贈答のために会社が支出する費用を「交際費等」と説明しています。

同じページによると、飲食の費用を参加した人数で割って一人あたり10,000円以下になるものは、交際費等から除かれます(自社の役員・従業員やその親族だけを接待する費用は別です)。ただし、飲食の年月日、参加した相手の氏名または名称と関係、参加した人数、金額、店の名称と所在地などを書いた書類を保存している場合に限られます。

税の処理そのものは、経理の担当者の仕事です。営業担当は、領収書と参加者の記録を、会社の指示どおりに出します。

当日の席や注文、お酌で迷ったときの聞き方は、焼き鳥は串から外す?一言聞けば決められるにまとめています。

よくある失敗と直し方

確かめる前に、買ってしまう

先に買うと、渡せないと分かったときに品物も費用も宙に浮きます。買う前に、上司と相手のルールを確かめます。もう買ってしまったら、渡す前に上司へ相談します。

人数より、個数が足りない

部署で分けてもらうつもりが、数が足りないと配りにくくなります。手順1で人数を確かめ、人数より多く入った品を候補にします。人数が分からないときは、先輩に「何人くらいの部署ですか」と聞きます。

会計の方法を決めないまま、当日になる

誰が払うかが決まっていないと、レジの前で話し合うことになります。段取りの手順1で、上司と決めておきます。当日も、席を立つ前に「会計は私が済ませます」と上司へ一言伝えます。

食べられないものを聞かずに、予約する

当日になって料理を変えてもらうのは、店にも相手にも負担です。予約の前に聞きます。聞き忘れたら、分かった時点で店に電話し、変更できるかを相談します。

よくある質問

手土産の金額は、いくらくらい?

この記事では、相場の金額は示しません。基準になるのは、自分の会社の規程と上司の判断です。たとえば上司から「今回は3,000円までで」と言われたら、その範囲で条件に合う品を2つ探します(金額は説明用の例です)。

値段が高いほどよい、とは限りません。高価な品は、相手の会社のルールで受け取れない場合があります。

のし(かけ紙)は付ける?

用途や会社の慣例で変わります。先輩に「前回はどうしましたか」と聞くのが早道です。付ける場合は、買う店で用途を伝えて相談できます。

相手から会食に誘われたら?

返事をする前に、受けてよいかを上司に確認します。会社によっては、接待を受ける側にも規程があります。「上司に確認して、改めてご連絡します」と伝えれば、その場で決めずに済みます。

今日やることは一つです。買う前に、上司へ「渡してよいか、いくらまでか」を聞いてください。

ゴルフに誘われたときの準備は、接待ゴルフ・社内コンペに初めて呼ばれたらにまとめています。

当日、いつ・誰に・何と言って渡すかは、手土産の渡し方にまとめています。

取引先からお歳暮が届いたときのお礼は、お歳暮のお礼メールにまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
自分の会社の規程、上司の指示、相手の部署の人数、訪問日。

記入例を見る(説明用)

渡す相手と人数=A社の営業部の皆さん、約10人/渡してよいかの確認結果(誰に聞いたか)=上司に聞き、渡してよいと確認。A社の担当者にも「お菓子なら大丈夫です」と聞いた/条件(個包装・日持ち・予算の上限)=個包装で12個以上、賞味期限は渡す日から2週間以上、常温、上限は3,000円(上司の指示)/候補2つ=焼き菓子12個入り、せんべい15枚入り/渡すタイミングと一言=あいさつのあと、席に着く前に「皆さんで召し上がってください」。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

渡してよいかを上司と相手のルールで確かめ、条件に合う候補を2つ書けた。

うまく進まなかったときは?

確認が取れないうちは買わず、「未確認」と書いて、誰にいつ聞くかを決める。相手に断られたら持ち帰り、上司へ報告する。

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