NOTE 65 · 営業の実践ノート
アポイントメールの書き方:日程の候補と目的を、1通で伝える文例
公開:2026年10月3日
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アポイントメールとは、会う約束(アポイント)をお願いするメールのことです。相手が知りたいのは、誰が・何のために・どれくらいの時間・いつ・どこで、の5つです。この5つを1通に入れ、日程の候補を日付と曜日つきで並べると、相手は選ぶだけで返事ができます。この記事では、相手ごとの文例と、日程が決まった後の確認メール、変更のお願いまで説明します。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 会う約束をメールでお願いすることになったが、何をどの順番で書けばよいか決まらないとき。
- 1
誰に・何のために会いたいのかを、一文で書く
- 2
所要時間と、日程の候補(日付・曜日・時刻)を書く
- 3
場所(訪問かオンラインか)と、こちらの参加者を書く
- 4
日付と曜日・宛名・URLを見直して送り、決まったら確認メールを送る
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
アポイントメールで相手が知りたい5つ
アポイントメールとは、会う約束(アポイント)をお願いするメールのことです。言葉の意味と、約束を取ってから当日までの流れは、アポイントとはにまとめています。
メールを受け取った相手は、会うかどうか、いつにするかを決めるために、次の5つを知りたいと考えます。
- 誰が。差出人の会社名と名前。当日、ほかに誰が来るのか。
- 何のために。何の話をして、何を決めたいのか。相手は、これで会う必要があるかどうかと、用意する物を決めます。
- どれくらいの時間。何分ほしいのか。相手は、前後の予定を見て、入れられる枠を探します。
- いつ。日程の候補。日付、曜日、時刻。
- どこで。こちらが訪問するのか、来てもらうのか、オンラインなのか。
初心者がつまずきやすいのは、2番目と3番目が抜ける形です。「ごあいさつに伺いたい」「ご都合のよい日を教えてください」だけだと、相手は、何の話で何分かかるのかを聞き返すことになります。聞き返す手間があると、返事は後回しになりがちです。
この記事は、取引のある相手、紹介を受けた相手、問い合わせをくれた相手など、連絡するいきさつがある相手へのメールを扱います。電話でお願いするときの組み立ては営業のアポ取りにまとめています。
書く順番:件名から署名まで
次の7つを、この順番で書きます。5つの「相手が知りたいこと」が、もれなく入る並びです。
- 件名。何のお願いかと、所要時間が分かるようにします。「お打ち合わせのお願い」だけより、「納品回数についてのご説明(30分)のお願い」のほうが、開く前に中身が伝わります。
- 宛名。会社名、部署名、名前の順に書きます。名刺や、相手のメールの署名を見て写します。
- 名乗りと、いきさつ。誰からのメールかと、なぜ連絡したのかを書きます。取引のある相手なら前回のやり取り、紹介なら紹介者の名前、問い合わせなら問い合わせへのお礼です。
- 目的と所要時間。「◯◯についてご説明したく、30分ほどお時間をいただけないでしょうか」のように、一文にまとめます。
- 日程の候補と場所。候補は、1行に1つずつ書きます。日付、曜日、時刻をそろえます。場所は、訪問かオンラインかを書きます。
- 返事のしかた。「ご都合のよい日をお知らせください」に、「いずれも難しい場合は、ご都合のよい日時をお聞かせください」と添えます。候補が合わない相手も、返事を書きやすくなります。
- 署名。会社名、部署、名前、電話番号、メールアドレス。電話で返したい相手もいるからです。
候補を1行に1つずつ書くのは、相手が、その行をそのまま引用して返事できるからです。文の中に「火曜か木曜の午後か、金曜なら午前でも」と続けて書くと、相手は読み解くところから始めることになります。
候補を出したら、送る前に、予定表に「仮」と書いて押さえます。
文例:5つの場面
5つの文例を並べます。社名・人名・日付・用件は、どれも説明用の例です。[ ]と◯の所を、自分の案件に置き換えてください。書き出しや結びの言い回しは、会社や先輩が使っているものがあれば、そちらに合わせます。
1. 取引のある相手へ
件名:納品回数についてのご説明(30分)のお願い
[会社名] [部署名] [担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
先日ご相談いただいた納品回数の件で、週1回と週2回の場合の条件をまとめました。ご説明と、今後の進め方のご相談のため、30分ほどお時間をいただけないでしょうか。
次の日程でしたら、私と[先輩の氏名]の2名で、貴社へ伺えます。
・◯月◯日(火)14:00〜
・◯月◯日(木)10:00〜
・◯月◯日(金)15:00〜ご都合のよい日をお知らせください。いずれも難しい場合は、ご都合のよい日時をお聞かせいただけますと幸いです。
[署名]
目的と所要時間が、件名と本文の両方に入っています。こちらの人数も書いてあります。
2. 紹介を受けた相手へ
件名:B社 鈴木様のご紹介でご連絡しました([自社名] [氏名])
[会社名] [部署名] [担当者名]様
はじめてご連絡いたします。[自社名]で営業を担当しております、[氏名]と申します。
B社の鈴木様より、備品の発注は[担当者名]様がご担当と伺い、ご連絡しました。
今の発注のしかたをお聞かせいただき、弊社でお役に立てる所があるかを確かめたく、30分ほどお時間をいただけないでしょうか。
次の日程でしたら、貴社へ伺えます。オンラインをご希望でしたら、合わせます。
・◯月◯日(月)午後
・◯月◯日(水)午前
・◯月◯日(木)午後ご都合のよい日時をお知らせください。難しい場合は、その旨だけでもお知らせいただけますと幸いです。
[署名]
初めての相手なので、名乗りの次に、紹介者の名前といきさつを書いています。送る前に、紹介者が相手に伝えてくれているか、名前を出してよいかを確かめます。初めての相手への書き出しや宛名の考え方は、はじめましてのビジネスメールにまとめています。
3. 問い合わせをくれた相手へ
件名:お問い合わせの件(ご説明のお時間のお願い)
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。このたびは、お問い合わせをいただき、ありがとうございます。
ご質問の、10名でご利用の場合の料金は、添付の料金表のとおりです。
ご利用の条件によって、初期の費用が変わります。今の状況を伺いながらご説明したく、30分ほど、オンラインでお時間をいただけないでしょうか。
・◯月◯日(火)11:00〜
・◯月◯日(水)15:00〜
・◯月◯日(金)10:00〜ご都合のよい日をお知らせいただけましたら、接続用のURLをお送りします。メールでのご回答をご希望でしたら、その旨をお知らせください。
[署名]
相手の質問に、先に答えています。答える前に約束だけをお願いすると、相手は「質問に答えてもらえていない」と感じるからです。会わずにメールで済ませたい相手のために、その道も書いています。問い合わせを受けてからの動きは、反響営業とはにまとめています。
4. 日程が決まった後の確認メール
件名:◯月◯日(火)14:00 お打ち合わせの確認([自社名] [氏名])
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。日程のご調整をいただき、ありがとうございます。下記のとおり伺います。
日時:◯月◯日(火)14:00〜14:30
場所:貴社 本社2階(受付で[担当者名]様をお呼びします)
参加者:[自社名] [先輩の氏名]、[氏名]
内容:納品回数を変えた場合の条件のご説明
当日の連絡先:[携帯電話の番号]ご都合が変わられた場合は、上記の連絡先までお知らせください。当日は、どうぞよろしくお願いいたします。
[署名]
件名に日時を入れています。相手が後からメールを探すとき、件名だけで見つけられます。日時・場所・参加者・内容・連絡先を、行を分けて書いているので、相手は上司や同席者に、そのまま転送できます。オンラインの場合は、「場所」の行にURLを書きます。
5. 日程変更のお願い
件名:【日程変更のお願い】◯月◯日(火)14:00 のお打ち合わせ
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。
お約束しておりました◯月◯日(火)14:00のお打ち合わせにつきまして、こちらの都合により、日程の変更をお願いしたく、ご連絡しました。お時間を空けていただいていたところ、誠に申し訳ございません。
勝手なお願いですが、次の日程で、ご都合のよい日はございますでしょうか。
・◯月◯日(水)14:00〜
・◯月◯日(木)10:00〜
・◯月◯日(金)15:00〜いずれも難しい場合は、ご都合のよい日時をお聞かせください。そちらに合わせます。
[署名]
件名で、どの約束の変更かが分かります。本文は、元の日時、おわび、代わりの候補の順です。理由は「こちらの都合により」と短くし、長い事情は書いていません。約束の日が迫っているときは、メールを送ったうえで、電話でも伝えます。
場面で変わるところと、言い方の例
7つの順番は同じです。相手との関係と会い方によって、書き足すことが変わります。次の表は一例です。
| 場面 | 書き足すこと(一例) | 送る前に確かめること |
|---|---|---|
| 取引のある相手 | 前回のやり取りに一言ふれる | 前回のメモ。約束した宿題が済んでいるか |
| 初めての相手(紹介) | 紹介者の名前と、いきさつ | 紹介者が相手に伝えているか。名前を出してよいか |
| 問い合わせをくれた相手 | 相手の質問への答えを先に書く | 問い合わせの文。希望の連絡方法 |
| 訪問する | こちらの人数 | 相手の建物の場所と、受付のしかた |
| 来てもらう | 自社の住所、最寄りの駅、受付のしかた | 会議室が空いているか |
| オンライン | 使う道具と、URLをどちらが送るか | URLが開くか。会社で使ってよい道具か |
| 相手が複数 | 誰に来てほしいかを、押しつけずに書く | 窓口の人が誰か。宛先に入れる人 |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
お願いの書き方を比べる
惜しい例:「一度お打ち合わせをさせていただきたく、ご都合のよい日を教えてください」
良い例:「納品回数を変えた場合の条件をご説明したく、30分ほどお時間をいただけないでしょうか。◯月◯日(火)14:00〜、◯月◯日(木)10:00〜のいずれかで、ご都合はいかがでしょうか」
説明用の例です。惜しい例は、相手に日を決めてもらう形で、ていねいに見えます。けれども相手は、何の話か、何分かかるかが分からないまま、自分の予定表から候補を探すことになります。良い例は、目的・所要時間・候補がそろっていて、相手は選ぶだけです。
迷いやすい判断
判断1:返事が来ないときは?
まず、自分の側を確かめます。宛先のアドレスは合っていたか。候補の日が、もう近づいていないか。お願いが一つにしぼられていたか、の3つです。
もう一度連絡するときの基準は、候補の日が来る前に、候補を出し直すことです。最初の候補が過ぎてから「いかがでしょうか」と送ると、相手は答えようがありません。「先日お送りした日程が近づいてまいりましたので、あらためて候補をお送りします」と書き、新しい候補を並べます(説明用の例です)。元のメールへの返信の形で送ると、相手は前の内容を探さずに済みます。
何度も送り続けることは避けます。回数や、電話に切り替えるかどうかは、上司に「A社の佐藤様に◯日にメールを送り、返事がありません。あさって、一度お電話してよいですか」と、送った日と自分の案を添えて聞きます。
判断2:候補が全部合わない、と言われたら?
基準は、次は相手の都合を先に聞くことです。こちらからもう一度候補を並べると、また合わないことがあります。「ご都合のつきやすい曜日や時間帯を、お聞かせいただけますでしょうか」と聞き、返ってきた範囲の中で、こちらが合わせます。
判断3:オンラインか訪問か、どちらでお願いする?
会社の方針が先です。決まりがなければ、基準は、相手が選べるように書くことです。「貴社へ伺います。オンラインをご希望でしたら、合わせます」と書けば、相手が都合のよいほうを選べます。
見本を見せたいなど、訪問でないと進まない理由があるときは、「見本をお持ちしたいので、伺ってもよろしいでしょうか」と、理由を一言書きます。
判断4:上司が同席するときは、どう書く?
当日になって人数が増えると、相手は席や資料を用意し直すことになります。メールに、役職か立場、名前、同席の理由を書きます。「当日は、上司の[役職][氏名]も、ごあいさつのため同席いたします」のように書きます(説明用の例です)。
上司をCCに入れるかどうかは、会社の決まりが先です。入れるときは、本文に「弊社の[氏名]にも、同じメールを送っております」と一文書くと、相手は、知らないアドレスが入っている理由が分かります。
判断5:やり取りのない相手に、まとめて送ってよい?
自分で決めないでください。この記事の文例は、取引・紹介・問い合わせなど、いきさつのある相手に、一通ずつ送るためのものです。やり取りのない相手へ案内のメールを送ってよいかどうかは、会社の決まりを確かめ、上司に相談してから決めます。考え方は、はじめましてのビジネスメールの「迷いやすい判断」に書いています。
間違えたときの動きと記録
アポイントメールの間違いは、当日の行き違いにつながります。気づいたら、すぐ直します。直す連絡と、後の記録をセットで行います。
失敗1:日付と曜日が、合っていなかった
その場では:「◯月◯日(火)」と書いたが、その日は水曜だった、という間違いです。相手は、日付と曜日のどちらが正しいのか分かりません。気づいたら、すぐ訂正のメールを送ります。
件名:【訂正】日程の候補について([自社名] [氏名])
[会社名] [担当者名]様
先ほどお送りしたメールで、日程の曜日に誤りがありました。失礼いたしました。正しくは、次のとおりです。
・◯月◯日(水)14:00〜
・◯月◯日(木)10:00〜お手数をおかけしますが、こちらでご確認をお願いいたします。
[署名]
説明用の例です。間違えた行だけでなく、候補をすべて書き直して送ります。相手は、新しいメールだけを見れば済みます。
後の記録:「先月の予定表を見ながら書いた。次からは、候補を1行書くたびに、予定表のその日を見る」のように、原因と次の動きを書きます。
失敗2:オンラインのURLを、貼り忘れた
その場では:気づいた時点で、URLを書いたメールを送ります。「先ほどのメールに、接続用のURLがもれておりました。失礼いたしました。下記よりご参加ください」と書きます(説明用の例です)。当日の直前に気づいた場合は、メールを送ったうえで、電話でも知らせます。
後の記録:「本文に『URL』と書いたら、その場で貼る。送る前に、自分でURLを開いてみる」と書きます。
失敗3:宛名を、間違えた
その場では:会社名や名前の表記を間違えたと気づいたら、上司に伝えたうえで、おわびのメールを送ります。どこを間違えたかと、正しい表記を短く書き、言い訳は足しません。別の会社の人に送ってしまった場合は、情報の扱いに関わるので、自分だけで動かず、すぐ上司に報告します。おわびの文例と報告のしかたは、はじめましてのビジネスメールの「間違えたときの動きと記録」にあります。
後の記録:「前に送った別の会社あてのメールを写して、宛名を直し忘れた。次からは、宛名は相手の署名を見て、最初に書く」と書きます。
今日やることは一つです。アポイントをお願いする相手を一人決め、目的・所要時間・日程の候補・場所を書いた下書きを作ってください。
候補日の出し方から確定までのやり取りは、日程調整メールの書き方にまとめています。
訪問の約束で使う「お伺いします」の形は、「お伺いします」は二重敬語?使い分けにまとめています。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
相手の名刺かメールの署名、自分と同行者の予定表、これまでのやり取りのメール。
記入例を見る(説明用)
相手と、連絡するいきさつ=A社の総務の佐藤様。取引のある相手。先月、納品の回数について相談を受けた/会う目的=週1回と週2回で、条件がどう変わるかを説明し、どちらで進めるかを相談したい/所要時間と、日程の候補=30分。◯月◯日(火)14時から、◯月◯日(木)10時から、◯月◯日(金)15時から。3つとも予定表に「仮」と書いた。先輩の予定も確認済み/場所と、こちらの参加者=A社へ訪問。先輩と自分の2名。オンラインのほうがよければ合わせる、と書く/件名と、送る前に見直すこと=件名「納品回数についてのご説明(30分)のお願い」。日付と曜日を予定表で見直す。宛名を佐藤様のメールの署名と見比べる。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
目的・所要時間・日程の候補・場所の4つが本文にあり、候補の日付と曜日が予定表と合っていて、相手が日付を選ぶだけで返事ができる。
うまく進まなかったときは?
目的が一文にならないときは、「会った後に、何が決まっていればよいか」を先に書く。候補が出せないときは、同行者の予定を先に確かめる。送ってよい相手かどうかが分からないときは、送らずに、先輩か上司に聞く。