NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 41 · 営業の実践ノート

反響営業とは:問い合わせを受けてから、最初の連絡までにやること

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反響営業とは、広告やホームページ、チラシなどを見たお客様からの問い合わせ(反響)をきっかけに始める営業のことです。こちらから訪問や電話で声をかける新規開拓と違い、相手が先に動いています。最初の連絡では、相手が何を見て、何を知りたくて連絡したのかを確かめ、その問いに先に答えます。

今日できるようになること

届いた問い合わせ一件について、何を見て・何を知りたいのかを書き出し、最初の一言を声に出して言ってみる。

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こんなときに 問い合わせへの対応を任され、最初に何を言えばよいか分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    問い合わせの文を読み、何を見て・何を知りたいのかを書き出す

  2. 2

    過去のやり取りと、希望の連絡方法を確かめる

  3. 3

    最初の連絡で、名乗り・用件・質問への答えを伝える

  4. 4

    次に誰が何をするかと、期限を決めて記録する

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

反響営業とは:お客様からの問い合わせをきっかけに始める営業

反響営業とは、お客様からの問い合わせをきっかけに始める営業のことです。「反響」とは、広告、ホームページ、チラシ、看板などを見た人から届く反応を指します。問い合わせの電話やメール、資料の請求、来店や相談の予約などです。

個人のお客様に向けた商品でも、会社に向けた商品でも行われます。問い合わせに応える仕事を「インバウンド」と呼ぶ会社もあります。営業の種類の全体は、営業の種類にまとめています。

言葉の使い方には、会社ごとの幅があります。問い合わせへの最初の連絡だけを受け持つ仕事もあれば、その後の訪問や契約まで一人で受け持つ仕事もあります。自分の担当がどこまでかは、上司や先輩に聞いて確かめます。

初めて担当になると、「向こうから連絡が来たのだから、すぐに説明の約束を取ればよい」と考えがちです。ところが、問い合わせた人は、まず自分の質問への答えを待っています。この記事では、問い合わせを受けてから、最初の連絡までにやることを説明します。

新規開拓・飛び込み営業との違い

新規開拓の営業は、まだ取引のない相手に、こちらから声をかけます。約束なしで訪問する飛び込み営業や、電話で訪問の約束を取るやり方があります。次の表は、違いを比べた一例です。

比べる点反響営業こちらから声をかける営業
きっかけお客様からの問い合わせこちらからの訪問や電話
最初の連絡のとき、相手は知りたいことがあり、返事を待っているこちらのことを知らないことが多い
最初に伝えること問い合わせへのお礼と、質問への答え自分の会社と、訪問や電話の用件
先に確かめること何を見て、何を知りたくて連絡したか相手の仕事と、話を聞いてもらえる時間
つまずきやすい点質問に答える前に、売り込みを始めてしまう断られることが続く

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

気をつけたいのは、問い合わせた人が、買うと決めているとは限らないことです。料金だけ知りたい人、ほかの会社と比べている人、上司に頼まれて調べている人もいます。相手がどの段階にいるかは、問い合わせの文と、最初の連絡で確かめます。

すでに取引のあるお客様を回る仕事はルート営業にまとめています。ルート営業の担当が、既存のお客様からの問い合わせを受けることもあります。

問い合わせを受けたら確かめる4つ

連絡する前に、次の4つを確かめます。問い合わせの文や電話のメモを、最初から最後まで読むことから始めます。

1. 何を見て、連絡したのか

どの広告、どのページ、どのチラシを見て連絡したのかを見ます。相手が見た物を、自分も開いて読みます。相手は、そこに書いてあることを知ったうえで連絡しています。こちらが同じ物を見ていないと、話がかみ合いません。

2. 何を知りたいのか

質問や相談の文を、相手の言葉のまま書き写します。「料金を知りたい」「うちの場合でも使えるか」「いつから始められるか」など、知りたいことは人によって違います。こちらの言葉に言い換えると、相手の問いからずれることがあります。

何も書かれていない資料請求もあります。その場合は「知りたいこと:未確認」と書き、最初の連絡で一つだけ聞きます。

3. 前にやり取りがなかったか

会社の記録を見て、同じ人や同じ会社から、前に問い合わせがなかったかを確かめます。すでに取引のあるお客様や、ほかの担当者が話を進めている相手かもしれません。知らずに「初めまして」と連絡すると、相手は一から説明し直すことになります。

4. 希望の連絡方法と、時間帯

電話がよいか、メールがよいか、何時ごろがよいかが書かれていれば、それに合わせます。「メールで」と書いた人に電話をかけると、相手の希望を読んでいないことが伝わってしまいます。書かれていないときの決め方は、会社の決まりを先輩に聞きます。

4つを確かめたら、最初の連絡で答えることと、まだ答えられないことを分けて書きます。答えられないことには、誰に聞くかと、いつまでに答えるかを書き添えます。下の実践シートの項目とつながっています。

お客様の名前や連絡先は個人情報です。どこに記録するか、私物のノートやスマホに書いてよいかは、会社の決まりに従います。

電話で話しながら記録する仕事なら、メモを取る道具も確かめておきます。書く場所が決まったノートが一冊あると、後で会社の仕組みに入力するときに探さずに済みます。両手を空けて話したい場合は、ヘッドセット(頭に付けるマイク付きのイヤホン)を使う方法もあります。

最初の連絡の言い方の例

問い合わせた人は、返事を待っています。すぐに全部は答えられなくても、受け取ったことと、いつ答えるかを先に伝えると、相手は待つあいだの見通しが立ちます。連絡までの時間の目安は会社ごとに決まっていることが多いので、先輩に確かめます。

最初の連絡で伝える順番は、次の4つです。

  1. 名乗る。会社名と自分の名前を言います。
  2. 何の件かを言う。「昨日、ホームページからお問い合わせいただいた件で」と、相手が思い出せる手がかりを添えます。
  3. 質問に答える。分かることは答え、分からないことは、いつまでに答えるかを言います。
  4. 次を決める。相手が次に知りたいことを一つ聞き、次に誰が何をするかを確かめます。

電話の例

惜しい言い方:「お問い合わせありがとうございます。一度、詳しいご説明に伺いたいのですが、来週のご都合はいかがでしょうか」

良い言い方:「◯◯商事の山田と申します。昨日、ホームページから料金についてお問い合わせをいただいた件で、お電話しました。今、少しお時間よろしいでしょうか」

(相手が「はい」と答えた後)「10人でお使いの場合の料金は、料金表の◯◯プランになります。初期の設定の費用は、条件を確認して、明日の午前中にメールでお送りします。ほかに、先に知っておきたいことはありますか」

社名・人数・やり取りは説明用の例です。惜しい言い方は、ていねいですが、相手が聞いた料金に答えないまま、訪問の約束に進んでいます。相手から見ると、「質問に答えてもらえなかった」という印象が残ります。

良い言い方は、何の件かを最初に言い、今話せるかを聞いてから、質問に答えています。答えられない部分には、期限を付けています。訪問や詳しい説明を提案するのは、相手の質問に答えた後です。電話の話し方の型は、アポ取り電話の台本も使えます。

メールの例

件名:料金についてのお問い合わせの件(◯◯商事・山田)

A社 佐藤様

お問い合わせありがとうございます。◯◯商事の山田と申します。10人でお使いの場合の料金について、お答えします。

料金は、料金表の◯◯プランになります。初期の設定の費用は、条件を確認のうえ、明日の午前中に改めてメールでお送りします。

お使いになりたい時期がお決まりでしたら、教えていただけますか。時期に合わせて、進め方をご案内します。

これも説明用の文例です。件名に、何の件か・誰からかを書いています。本文は、相手の質問への答えから始め、こちらから聞くことは一つにしぼっています。質問をいくつも並べると、相手は返信に時間がかかり、返事が後回しになりがちです。

場面で変わるところ

確かめる4つと、伝える順番は同じです。問い合わせの届き方と、相手の急ぎ具合で、進め方が変わります。次の表は一例です。

場面力を入れる所進め方(一例)
電話で問い合わせが来たその場で、聞き取って書く名前・連絡先・知りたいことを聞き、くり返して確かめる。答えられないことは、折り返す日時を伝える
メールや問い合わせフォームで来た書かれた文を読む書かれた質問に、同じ方法で答える。電話をかけるなら、かけてよいかを先に確かめる
資料の請求だけが来た知りたいことを一つ聞く資料を送り、「どの点を詳しくお知りになりたいですか」と一つ聞く
急いでいるできること・できないことを先に言う希望の日を聞き、間に合うかを社内で確かめてから答える。確かめる前に「できます」と言わない
情報を集めている段階相手の進み方に合わせる質問に答え、資料を送る。その後の連絡をしてよいか、いつごろがよいかを聞く
電話がつながらない用件を残す留守番電話かメールに、名前・何の件か・次に連絡する時間を残す

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

急いでいる相手には、早く約束したくなります。けれども、納期や在庫を確かめる前の「できます」は、後で守れないことがあります。「確認して、◯時までにお返事します」と、返事の時刻を約束します。

訪問や商談に進んだ後の聞き方は商談ヒアリング、商談全体の進み方は商談とはにまとめています。

個人のお客様に、電話で商品をすすめる仕事の場合

事業者が個人の消費者に電話で勧誘し、申込みを受ける取引には、特定商取引法の「電話勧誘販売」のルールがあります。消費者庁の特定商取引法ガイド「電話勧誘販売」には、勧誘に先立って告げなければならない事項として、事業者の氏名(名称)、勧誘を行う者の氏名、販売しようとする商品(権利、役務)の種類、契約の締結について勧誘する目的である旨、の4つが挙げられています。契約しない意思を示した人に、勧誘を続けたり、もう一度勧誘したりすることも禁止されています。

同じページには、営業のため、または営業として結ぶ契約など、この法律が適用されない場合も書かれています。自分の仕事がこのルールに当たるかどうかは、自分で判断せず、会社の法務の担当や上司に確認してください。

よくある失敗と、迷いやすい判断

失敗は、その場の立て直し方と、後の記録をセットで決めておきます。

失敗1:問い合わせの文を読まずに連絡し、同じことを聞いた

その場では:「フォームに書きましたよ」と言われたら、言い訳をせず、「失礼しました。◯◯についてのお問い合わせですね」と、書かれていた内容を自分の口で言い直します。手元に文がなければ、「確認して、すぐにかけ直します」と一度切ります。

後の記録:「確かめる4つ」を書いてから連絡する、と自分の手順に足します。相手が言った内容は、言葉のまま記録に残し、次に連絡する人が同じ質問をしないようにします。

失敗2:質問に答える前に、訪問の約束を取ろうとした

その場では:相手の声が固くなった、返事が短くなったと感じたら、「失礼しました。先に、お問い合わせの料金についてお答えします」と、質問に戻ります。約束の話は、答えた後に、相手が望むかを聞いてからにします。

後の記録:「訪問は希望されず。料金のみ回答。来月、もう一度検討するとのこと」のように、相手の返事を言葉のまま書きます(説明用の例です)。「見込みなし」とは書きません。次に何を、いつするかが分からなくなるからです。

失敗3:「折り返します」と言って、期限を伝えなかった

その場では:気づいた時点で連絡し、「先ほどの件、明日の午前中にお返事します」と期限を伝え直します。期限を過ぎてしまったら、おわびと新しい期限を一緒に伝えます。相手は、待っているあいだ、ほかの予定を決められずにいることがあります。

後の記録:約束は、中身・期限・誰がやるか、の3つで書きます。引き継ぐときの書き方は引き継ぎメモにまとめています。

判断1:答えが分からない質問が来たら?

基準は、推測で答えないことです。分かる部分だけ先に答え、残りは「確認して、◯日の◯時までにお返事します」と期限を伝えます。先輩には、相手の質問を言葉のまま見せて、「この質問に、どう答えればよいですか」と聞きます。

判断2:電話がつながらないとき、何度もかけてよい?

まず、相手が希望した連絡方法と時間帯を見直します。書かれていれば、それに合わせます。書かれていなければ、留守番電話かメールに、名前・何の件か・次に連絡する時間を残します。相手は、知らない番号からの着信に出ないだけかもしれません。

かけ直す回数や間隔は、会社で決まっていることがあります。先輩に「つながらない問い合わせは、何回まで、どの方法で連絡しますか」と聞きます。相手から「もう連絡は要りません」と言われたら、それ以上すすめず、言われた日と言葉を記録して上司に伝えます。

判断3:「まだ情報を集めているだけ」と言われたら?

基準は、相手が次に知りたいことです。「比べるときに、気になっている点はありますか」と一つ聞き、それに答える資料を送ります。その後の連絡については、「来月の初めに、状況を伺ってもよろしいですか」と、相手に決めてもらいます(説明用の例です)。

判断4:自分の担当ではない問い合わせだったら?

自分で答えようとせず、担当の人へ渡します。相手には、「担当の者から、本日中にご連絡します」と、誰から・いつ連絡が行くかを伝えます。渡すときは、問い合わせの文と、自分が相手に伝えたことを、そのまま添えます。相手が同じ説明をくり返さずに済むからです。

今日やることは一つです。届いた問い合わせ一件について、何を見て・何を知りたいのかを書き出し、最初の一言を声に出して言ってみてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
届いた問い合わせの文(または電話のメモ)、相手が見た広告やページ、会社の対応の決まり。

記入例を見る(説明用)

問い合わせの日時と方法=昨日の夕方、ホームページの問い合わせフォームから。A社の佐藤様。連絡はメール希望と書いてある。会社の記録を見たが、過去のやり取りはなし/何を見て、何を知りたいのか=料金のページを見て、「10人で使う場合の料金を知りたい」と書いてある。使い始めたい時期は書かれていない(未確認)/最初に伝える答えと、まだ答えられないこと=10人の場合の料金は、料金表のとおり答えられる。初期の設定にかかる費用は、条件で変わるので未確認。先輩に聞いて、明日の午前中に答える/連絡の方法と、最初の一言=メールで返信する。「お問い合わせありがとうございます。10人でお使いの場合の料金について、お答えします」から書き始める。訪問の提案は、最後に一行だけ添える/次にやること=自分:今日中に料金を返信する。初期費用は明日の午前中にもう一度メールする。佐藤様:使い始めたい時期を、返信で教えていただく。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

相手が何を見て・何を知りたいのかが相手の言葉で書いてあり、最初の連絡でその問いに答えていて、次にやることに期限が付いている。

うまく進まなかったときは?

知りたいことが読み取れなければ、最初の連絡で「どの点を詳しくお知りになりたいですか」と一つ聞く。答えが分からなければ、分かる部分と、残りを答える期限を伝える。連絡の方法や回数で迷ったら、先輩に会社の決まりを聞く。

NEXT NOTE

次に読むなら

商談で相手の話を聞く訪問の約束を取る飛び込み営業の準備をする