NOTE 93 · 営業の実践ノート
日程調整メールの書き方:候補日の出し方・返信・出し直し・確定までの文例
公開:2026年10月3日
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日程調整のメールは、相手が予定表を一度見るだけで返事できるように書きます。候補は1行に1つ、日付・曜日・開始と終わりの時刻をそろえ、所要時間と場所(訪問かオンラインか)を添えます。日が決まったら、決まった内容を一通にまとめて送り、選ばれなかった候補の仮押さえを消します。この記事は、取引先との打ち合わせや訪問の調整を扱います。就職や転職の面接の日程調整は扱いません。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 取引先と打ち合わせの日を決めるやり取りで、候補の出し方や返事の書き方に迷うとき。
- 1
自分と同行者の予定を確かめ、候補を決める
- 2
候補を1行に1つ、日付・曜日・時刻で書いて送り、予定表に「仮」を入れる
- 3
返事が来たら、決まった日時を書き直して返す
- 4
確定の内容を一通にまとめ、ほかの候補の「仮」を消す
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
日程調整メールで、やり取りが増える理由
打ち合わせの日を決めるだけなのに、メールが四往復、五往復になる。その間に候補の日が過ぎてしまう。日程調整では、こうしたことが起きがちです。
やり取りが増える理由は、たいてい次の三つです。
- 相手が、予定表を見ただけでは答えられない。所要時間や場所が書かれていないと、相手は枠を探せません。聞き返す一往復が増えます。
- 候補が読み取りにくい。「来週の前半か、木曜以降の午後」のような書き方は、相手が日付に直すところから始めることになります。
- 決まったのかどうかが、あいまい。「では、その日で」で終わると、どの日の何時からなのか、お互いの理解がずれたまま当日になることがあります。
この記事は、すでに会うことは決まっていて、日時を決めるやり取りを扱います。会ってもらうお願いそのものの書き方(目的の伝え方、件名から署名までの順番)は、アポイントメールの書き方にまとめています。約束を取ってから当日までの流れは、アポイントとはにあります。
候補日の出し方:5つをそろえる
候補を出すときは、次の5つをそろえます。相手が予定表を一度見るだけで、返事を書けるようにするためです。
| 書くこと | 書き方(一例) | 書かないと、どうなるか |
|---|---|---|
| 日付 | ◯月10日 | 「来週の火曜」だけでは、送った日と読んだ日で週がずれることがある |
| 曜日 | (火) | 日付の書き間違いに、相手が気づける |
| 時間帯 | 14:00〜14:30 | 開始だけだと、相手は終わりの時刻を自分で計算することになる |
| 所要時間 | 30分ほど | 相手は、前後の予定を入れられるかを判断できない |
| 場所 | 貴社へ伺います/オンライン | 相手は、会議室を取るのか、移動が要るのかが分からない |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
書く前に、自分の側を固めます。手順は次のとおりです。
- 同行者の予定を先に確かめる。先輩や上司が同席するなら、候補を出す前に聞きます。出した後で「その日は行けない」となると、相手に出し直すことになります。
- 移動の時間を足して、空いている枠を探す。訪問なら、行きと帰りの時間を前後に足します。打ち合わせの時間だけを見て入れると、前の予定から間に合わないことがあります。
- 候補を、日を分けて選ぶ。同じ日の午前と午後だけを並べると、その日が合わない相手には、選ぶものがありません。曜日や午前・午後を散らします。
- 1行に1つずつ書く。相手は、その行をそのまま引用して返事できます。
- 予定表に「仮」と入れる。候補を出した枠は、返事が来るまで、ほかの予定を入れません。
候補の書き方を比べる
- 惜しい例1:「来週でしたら、火曜か木曜の午後、または金曜の午前中でしたら調整可能です。」
- 惜しい例2:「10日 14時、12日 10時、13日 15時」(曜日・月・終わりの時刻が無い)
- 良い例:次の文例のとおり。
件名:Re: 納品回数のご説明の件(日程のご相談)
[会社名] [部署名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。お時間をいただけるとのこと、ありがとうございます。
ご説明は30分ほどで、私と[先輩の氏名]の2名で貴社へ伺います。次の日程で、ご都合はいかがでしょうか。
・◯月10日(火)14:00〜14:30
・◯月12日(木)10:00〜10:30
・◯月13日(金)15:00〜15:30
恐れ入りますが、◯月6日(金)までにお知らせいただけますと幸いです。いずれも難しい場合は、ご都合のつきやすい曜日や時間帯をお聞かせください。
[署名]
社名・人名・日付は説明用の例です。惜しい例1は、文としては丁寧ですが、相手が自分で日付に直す手間があります。惜しい例2は、短くて見やすい半面、月の変わり目や、日付の打ち間違いに気づく手がかりがありません。
良い例は、5つがそろっていて、返事をもらいたい日も書いてあります。いちばん早い候補が近いときは、返事の目安を書くと、相手は「いつまでに返せばよいか」が分かります。日を区切るのが強く感じられる相手には、「◯月10日の候補は、◯月6日ごろまで押さえております」と、こちらの事情として書く方法もあります(説明用の例です)。お願いの前に置く言葉は「恐れ入りますが」の使い方、結びの「幸いです」は「幸いです」の使い方にまとめています。
時刻は、「14:00」のように24時間で書くと、午前と午後の読み違いが起きにくくなります。「2時」と書くなら、「午後2時」と書きます。
相手から候補をもらったときの返信
相手のほうから候補を出してくれることもあります。返信で書くことは、場合によって変わります。
| 場合 | 返信に書くこと | 気をつけること |
|---|---|---|
| 候補の中に、合う日がある | 選んだ日付・曜日・時刻を書き直す。場所と参加者を添える | 「2番目の日で」と番号で返さない。読み違いに気づけない |
| 合う日はあるが、時刻を少しずらしたい | その日を選んだうえで、「30分遅らせていただくことは可能でしょうか」と聞く。難しければ元の時刻で伺う、と添える | 相手の候補を先に受けてから相談する |
| 同行者の予定が、まだ分からない | いつまでに返事するかを書く。「◯月◯日(◯)の午前中までに、お返事いたします」 | 返事を待たせるあいだ、相手も枠を空けている。期限を短くする |
| どの候補も合わない | おわび、合わない旨、こちらの候補を3つほど | 理由は短く。「あいにく先約があり」で足りる |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
合う日があるとき
選んだ日を一行で書き直す返信の文例は、ビジネスメールの返信の「日程を返す」にあります。ここでは、時刻の相談を足す場合の例を挙げます。
件名:Re: お打ち合わせ日程のご相談
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。候補をいただき、ありがとうございます。
◯月12日(木)でお願いいたします。
一点ご相談です。当日は前の予定からの移動があり、10:00開始を、10:30開始に変えていただくことは可能でしょうか。難しい場合は、10:00に伺います。
当日は、私と[先輩の氏名]の2名で、貴社へ伺います。
[署名]
説明用の例です。先に日を決め、相談は一つにしぼり、断られたときにどうするかまで書いています。相手は「10:30で大丈夫です」か「10:00でお願いします」のどちらかを返すだけで済みます。
すぐに返事できないとき
同行者の予定が分からない、社内の会議と重なるかもしれない、という場合です。候補をもらったまま黙っていると、相手はその枠を空けたまま待つことになります。受け取ったことと、返事の期限を、その日のうちに返します。
「候補をいただき、ありがとうございます。同席する者の予定を確かめ、明日◯月◯日(◯)の午前中までに、お返事いたします。」
説明用の例です。期限は、自分が守れる中で、できるだけ早い時刻にします。
合わないときの出し直しと、変更のお願い
相手の候補が、どれも合わないとき
書く順番は、お礼→合わない旨→代わりの候補です。
件名:Re: お打ち合わせ日程のご相談
[会社名] [担当者名]様
[自社名]の[氏名]です。候補をいただき、ありがとうございます。
あいにく、いただいた3日間はいずれも先約があり、伺うことができません。申し訳ございません。
勝手なお願いですが、次の日程でご都合はいかがでしょうか。
・◯月17日(火)10:00〜10:30
・◯月18日(水)14:00〜14:30
・◯月20日(金)11:00〜11:30
こちらも難しい場合は、◯月の第4週でご都合のつきやすい曜日や時間帯をお聞かせください。そちらに合わせます。
[署名]
説明用の例です。「先約」の中身は書きません。ほかの会社の名前や、社内の事情を書くと、相手は「そちらが優先なのか」と読むことがあります。
こちらの候補が、どれも合わなかったとき
相手から「いずれも難しいです」と返ってきたら、もう一度こちらから候補を並べる前に、相手の都合を聞きます。考え方は、アポイントメールの記事の「判断2」に書いています。聞くときは、範囲をしぼります。
- 惜しい聞き方:「ご都合のよい日をお知らせください。」
- 良い聞き方:「◯月17日の週と24日の週で、ご都合のつきやすい曜日や時間帯はございますか。午前・午後だけでもお聞かせいただければ、こちらで合わせます。」
説明用の例です。惜しい聞き方は、相手が予定表のすべてを見て、候補を作ることになります。良い聞き方は、週をしぼり、「午前か午後かだけでもよい」と、答える手間を小さくしています。
二回出し直しても決まらないときは、メールを続けるより、電話で聞くほうが早いことがあります。電話で決めた後は、決まった日時をメールで送ります。
決まった後で、変更をお願いするとき
こちらの都合で日を変えてもらうときは、分かった時点で伝えます。書くのは、元の日時、おわび、代わりの候補の三つです。文例はアポイントメールの書き方の「日程変更のお願い」に、伝える順番と、日が迫っているときの電話の考え方はアポイントとはの「判断2」にあります。
日程調整の中で気をつけることは、二つです。一つめは、元の約束を、相手の返事が来るまで消さないこと。変更を断られた場合は、元の日時で伺うことになるからです。二つめは、代わりの候補にも「仮」を入れること。変更をお願いしておいて、出した候補にまた別の予定が入ると、二度目の変更をお願いすることになります。
決まったあとの確定メールと、場面で変わるところ
日が決まったら、決まった内容を一通にまとめて送ります。やり取りの途中のメールには、選ばれなかった候補や、相談中の時刻が混ざっています。後から見返したとき、どれが決まった内容かを探さずに済むようにします。
確定メールに書くのは、日時、場所、参加者、内容、当日の連絡先です。文例はアポイントメールの書き方の「日程が決まった後の確認メール」にあります。日程調整のやり取りから続けて送るときは、次の三つを確かめます。
- 件名に、決まった日時を入れる。「Re: Re: Re: 日程のご相談」のままだと、相手が後から探しにくくなります。
- やり取りの中で変わった所を、反映する。時刻を30分ずらした、オンラインに変えた、同席者が増えた、などです。最初のメールの内容を写すと、古い内容が残ります。
- 送った後、予定表を直す。決まった日の「仮」を外し、選ばれなかった候補の「仮」を消します。同行者にも、その日のうちに伝えます。
相手が先に確定のメールをくれた場合は、こちらからもう一通送る必要はありません。日時と場所を読み、合っていれば「承知いたしました。当日はよろしくお願いいたします」と返します。返事の言葉の選び方は、「了解しました」と「承知しました」にあります。
場面によって、書き足すことが変わります。次の表は一例です。
| 場面 | 書き足すこと | 理由 |
|---|---|---|
| こちらが訪問する | こちらの人数 | 相手が、部屋と席を用意できる |
| 来社してもらう | 住所、最寄りの駅、受付のしかた | 相手が、移動の時間を見積もれる。足を運んでもらうことへのお礼も添える |
| オンライン | 使う道具と、URLをどちらが送るか | 当日に「URLが無い」とならない |
| 相手の参加者が複数 | 窓口の人に、全員の都合を聞いてもらうお願い | こちらが一人ずつに聞くと、返事がばらばらに届く |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
来社してもらうときの言い方は、「ご足労」の使い方にまとめています。
迷いやすい判断と、間違えたときの動き
判断1:候補は、どのくらい先まで出す?
基準は、相手が返事を書く時間と、自分が準備する時間の両方が取れるかです。明日やあさっての候補は、相手がメールを読む前に過ぎてしまうことがあります。急ぐ用件なら、メールで候補を並べるより、電話で聞くほうが合っています。先すぎる日程ばかりだと、用件そのものが後回しになります。迷ったら、上司に「A社への説明は、いつごろまでに済ませればよいですか」と、用件の期限を聞きます。
判断2:候補を出した枠に、別の急な予定が入りそうなときは?
基準は、先に出した候補を守ることです。相手は、その枠を見て返事を考えています。どうしても動かせない予定が入った場合は、相手の返事が来る前に、「先ほどの候補のうち、◯月12日(木)が難しくなりました。申し訳ございません。残りの2日でご検討いただけますでしょうか」と、取り下げる候補を知らせます(説明用の例です)。黙って予定を入れ、相手がその日を選んだ後で断る、という順番にはしません。
判断3:日程調整の道具(空いている時間を選んでもらうURL)を使ってよい?
会社の決まりが先です。使ってよい道具か、取引先に送ってよいかを、上司か情報システムの担当に確かめます。使う場合も、相手によっては、URLを開いて選ぶことを手間に感じることがあります。「下記のURLからお選びいただくか、ご都合のよい日時をこのメールにご返信ください」と、メールで返す道も残します(説明用の例です)。
失敗1:返信で、選んだ日を書き間違えた
その場では:12日を選ぶつもりで「13日」と書いた、という間違いです。気づいたら、すぐ訂正のメールを送ります。「先ほどのメールで、日付に誤りがありました。失礼いたしました。正しくは、◯月12日(木)10:00〜10:30でお願いいたします」と、正しい日時を一行で書きます(説明用の例です)。相手がすでに13日で予定を入れていたら、おわびのうえで、どちらの日がよいかを相手に決めてもらいます。
後の記録:「相手の候補を見ずに、記憶で書いた。次からは、相手の行をそのまま写してから、言葉を足す」と書きます。
失敗2:同行者の予定を確かめずに、候補を出した
その場では:相手が選んだ日に、先輩が行けないと分かった場合です。まず先輩に、「一人で伺ってよいか、日を変えるか」を聞きます。自分で決めません。日を変えるなら、相手におわびをして、代わりの候補を出します。
後の記録:「候補を書く前に、同行者の予定を聞く」を、手順の1番目に書き足します。
失敗3:決まった後、選ばれなかった候補の「仮」を消し忘れた
その場では:相手には迷惑がかかっていませんが、空いている時間に予定を入れられず、社内の人から「その日は空いていないのか」と聞かれることになります。気づいた時点で消します。逆に、「仮」を入れ忘れて同じ時間に二つの約束を入れてしまった場合の動きは、アポイントとはの「失敗3」にあります。
後の記録:「確定メールを送ったら、その場で予定表を開く」と残します。
今日やることは一つです。調整中の予定を一つ選び、候補を1行に1つずつ(日付・曜日・時刻)書いて、予定表に「仮」と入れてください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
自分の予定表、同行する先輩の予定、相手からのメール、移動にかかる時間が分かる地図や路線の案内。
記入例を見る(説明用)
相手と、打ち合わせの目的・所要時間=A社 購買部の佐藤様。納品回数を変えた場合の条件の説明。30分/場所と、参加する人=A社へ訪問。こちらは先輩の田中さんと自分の2名。移動は片道40分ほど/候補の日時=◯月10日(火)14:00〜14:30/◯月12日(木)10:00〜10:30/◯月13日(金)15:00〜15:30。3つとも、田中さんの予定を今朝確かめた/返事をもらいたい日と、合わないときの聞き方=10日が近いので「◯月6日(金)までにお知らせいただけますと幸いです」と書く。合わない場合は「ご都合のつきやすい曜日や時間帯をお聞かせください」と添える/送った後にやること=自分と田中さんの予定表に、3つとも「仮:A社」と入れる。前後40分も空けておく。返事が来たら、決まった日以外の「仮」をその日のうちに消し、田中さんに伝える。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
候補が1行に1つずつ、日付・曜日・時刻つきで書いてあり、所要時間と場所が入っていて、予定表に「仮」が入っている。
うまく進まなかったときは?
候補が決められなければ、先に同行者の予定を聞く。相手の都合が読めなければ、候補を並べる前に「ご都合のつきやすい曜日や時間帯はございますか」と聞く。返事の書き方で迷ったら、決まった日付・曜日・時刻を一行で書き直すことだけ先にやる。