NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 72 · 営業の実践ノート

営業企画とは:営業との違いと、営業担当が頼れること・伝えること

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営業企画とは、営業の人たちが動きやすくなるように、計画・資料・仕組みを作る仕事を指して使われることが多い言葉です。お客様と直接やり取りする営業に対して、営業企画は、営業の全体を後ろから支える役目を持つことが多くあります。ただし、仕事の中身は会社によって大きく違います。この記事では、営業との違いと、営業担当から見て「何を頼れるか」「何を伝えるとよいか」を説明します。

今日できるようになること

自分の会社で、営業企画に当たる仕事を誰がしているかを確かめ、頼りたいこと一つと、伝えたいお客様の声一つを書き出す。

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こんなときに 「営業企画」という部署や言葉を聞いて、営業と何が違うのか、自分とどう関わるのかを知りたいとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    自分の会社で、営業企画の仕事を誰がしているか確かめる

  2. 2

    頼りたいこと(資料・数字・情報)を一つ書く

  3. 3

    伝えたいお客様の声を、事実と場面で書く

  4. 4

    先輩に見せてから、窓口の人に伝える

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

営業企画とは:営業が動きやすくなる計画・資料・仕組みを作る仕事

配属されてしばらくすると、「それは営業企画に聞いて」「営業企画から資料が来ているよ」という言葉を聞くことがあります。同じ「営業」が付くので、営業の一種に見えますが、仕事の中身は少し違います。

営業企画は、営業の人たちが動きやすくなるように、計画・資料・仕組みを作る仕事を指して使われることが多い言葉です。お客様と直接やり取りするのが営業担当だとすると、営業企画は、その営業担当の全体を支える側に立つことが多い仕事です。

営業企画の仕事として挙げられることが多いのは、次のようなものです。

  • 売上の目標や、営業の計画を立てる
  • 売上や訪問の数字を集めて、まとめる
  • 提案資料やカタログ、資料のひな形を作る
  • キャンペーンや、売り方の施策を考える
  • 顧客の管理表や、報告のしくみなど、営業の道具を整える
  • 営業向けの研修や勉強会を開く

ただし、仕事の中身は、会社によって大きく違います。上の全部を受け持つ会社もあれば、数字の集計が中心の会社、資料づくりが中心の会社もあります。「営業企画」という名前の部署が無く、営業の管理職や、営業を支える事務の担当、本部の別の部署が、同じ仕事をしている会社もあります。

そのため、言葉の意味を覚えるより先に、自分の会社では、誰が何をしているかを確かめます。組織図や社内の案内を見て、分からなければ先輩に聞きます。「営業企画課は、私たちの仕事のどんな所に関わっていますか」「提案資料は、どこが作っていますか」と聞けば、足ります(説明用の例です)。

営業そのものの説明は営業とはに、営業の呼び名の整理は営業の種類にまとめています。

営業との違い

次の表は、営業と営業企画の違いを比べた一例です。会社によって分かれ方が違うので、「〜ことが多い」という目安として読んでください。

比べる点営業営業企画
主に向き合う相手お客様であることが多い社内の営業担当や、管理職であることが多い
主な仕事訪問・提案・見積もり・納品後の対応など、一件ごとの仕事が多い計画・資料・数字のまとめ・施策など、全体に関わる仕事が多い
見ている範囲自分が担当するお客様や地域が中心になることが多い部署や会社の営業全体を見ることが多い
手元にある情報お客様の声、現場で起きたこと全体の数字、ほかの担当や地域の動き

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

表のいちばん下が、関わり方を考えるうえでの出発点になります。営業担当は、お客様の声を直接聞いています。営業企画は、全体の数字や、ほかの地域の動きを見ています。お互いが、相手の持っていない情報を持っていることが多い、という関係です。

似た言葉に、「マーケティング」や「経営企画」があります。営業企画との線の引き方は、会社によって違います。同じ仕事を、ある会社では営業企画が、別の会社ではマーケティングの部署が受け持っていることもあります。この記事では、違いを言い切りません。自分の会社の組織図で、それぞれの部署が何を受け持っているかを確かめてください。

営業担当から見た関わり方:頼れること・伝えること

営業担当にとって、営業企画(に当たる仕事をしている人)との関わりは、「頼る」と「伝える」の二つに分けて考えられます。

頼れること

次の表は、頼れることの一例です。何を頼めるかは会社によって違うので、頼む前に確かめます。

頼れることの例使う場面頼む前に、自分で確かめること
提案資料・比較表・ひな形商談の準備すでにある資料の中に、同じ物が無いか
売上や実績の数字上司への報告、提案の裏づけ社内の集計表や、報告のしくみで自分で見られないか
キャンペーンや施策の情報お客様への案内届いているお知らせに、条件と期間が書かれていないか
道具の使い方(管理表、報告のしくみ)日々の記録手引きや、先輩が知っていないか

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

右の列を先にやるのは、相手の時間を使わないためです。すでに配られている資料を「作ってください」と頼むと、相手は探して送り直すことになります。探したうえで見つからなければ、「共有フォルダを探しましたが、見つかりませんでした」と添えて頼めます。

資料を自分で作るときの考え方は、営業資料の作り方にあります。

伝えること

営業担当から伝えられるのは、現場で聞いたお客様の声です。資料のどこで質問が出たか、キャンペーンの案内にどんな反応があったか、ほかの会社の商品と比べて何を言われたか、などです。

営業企画の側は、お客様と直接会う機会が少ないことが多く、資料や施策が現場でどう受け取られたかを、数字だけでは知りにくい立場にあります。現場の声が届かないと、作った資料が使われているのか、どこが足りないのかが分からないまま、次の資料を作ることになります。

お客様の困り事を持ち帰って、社内やメーカーと一緒に改善を考える進め方は、顧客の困り事から、メーカーと改善を考えるにまとめています。この記事では、その手前の「どう伝えるか」にしぼります。

伝え方の手順:事実→件数や場面→自分の考え→お願い

お客様の声を伝えるときは、次の順に書きます。下の実践シートと同じ並びです。

  1. 事実を書く。誰が(どんなお客様が)、何と言ったかを、聞いた言葉に近い形で書きます。「分かりにくいと言われた」より、「『うちの規模だと、どれくらい使うのかが分からない』と言われた」のほうが、相手は直す所を見つけられます。
  2. 件数や場面を書く。何件のお客様から聞いたか、どんな場面で出たか(初めての提案、価格の説明のとき、など)を書きます。一件だけなら「一件」と書きます。多く見せる必要はありません。相手は、その声がどれくらい広く起きていそうかを考える材料にします。
  3. 自分の考えを書く。「こうすると説明しやすいと考えた」という案を、事実と分けて書きます。事実と考えが混ざると、相手は、どこまでがお客様の言葉なのかが分かりません。
  4. お願いを書く。相手にしてほしいことを書きます。「直してください」と決めつけるより、「足せるかどうか、相談させてください」と、相手が判断できる形にします。

次は、この順で書いた例です(説明用の例です)。

「お疲れ様です。[部署名]の[氏名]です。[商品名]の提案資料について、お客様から聞いた声をお伝えします。」

「事実:『うちの規模だと、どれくらいの量を使うのかが分からない』と言われました。」

「件数と場面:今月の訪問で、3件のお客様から同じ内容を聞きました。いずれも、初めて提案したお客様です。」

「考え:規模ごとの使う量の例が一枚あると、説明しやすいと考えました。」

「お願い:資料に例を足せるかどうか、ご相談させてください。必要でしたら、聞いた内容をくわしくお伝えします。」

件数の「3件」は、説明のための数字です。自分の件数に置き換えてください。伝える前に、先輩か上司に見せ、直接伝えてよいか、上司を通すのかを確かめます。部署をまたぐ連絡の通し方は、会社によって決まりがあります。

伝えた後は、いつ・誰に・何を伝えたかを、商談メモに書いておきます。後でお客様から同じ声を聞いたときに、「すでに伝えてある」と分かり、件数を足して伝え直すこともできます。

場面で変わるところと、言い方の例

関わり方は、会社のつくりや、用件によって変わります。次の表は一例です。

場面先に確かめること進め方(一例)
営業企画の部署がある窓口の人と、連絡の通し方先輩に窓口を聞き、決まった通し方で頼む・伝える
営業企画の部署が無い同じ仕事を、誰がしているか上司や先輩に「資料や数字は、誰に相談すればよいですか」と聞く
資料を頼むときすでにある資料に無いか。いつ、何に使うか用途・使う日・ほしい中身を書いて頼む
施策への意見を伝えるときお客様の声か、自分の感想か事実→件数や場面→考え→お願い、の順で伝える
数字の報告を求められたとき何の数字を、いつまでに、どの形で期限と形を確かめ、分からない項目は早めに聞く

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

部署が無い会社でも、計画を立てる人、資料を作る人、数字をまとめる人は、どこかにいます。上司がその役目を兼ねていることもあります。名前にこだわらず、「誰に頼り、誰に伝えるか」を確かめれば、この記事の手順はそのまま使えます。

数字の報告を求められたときは、相手がその数字を集めて、全体の計画や会議の資料に使うことが多くあります。一人の報告が遅れると、全体のまとめが止まります。期限に間に合わないと分かったら、分かった時点で「◯月◯日(◯)の午前までにお出しします」と、出せる日を伝えます(説明用の例です)。日々の記録の残し方は、「頑張りました」しか報告できなかった研修で、報告の型として説明しています。

言い方を比べる

次の3つは、配られた資料が商談で使いにくかったときの、説明用の例です。

  • 惜しい例1:「この資料、使えません」
  • 惜しい例2:「お客様の評判が、あまり良くないようです」
  • 良い例:「初めて提案するお客様に3ページ目を見せたとき、『うちの規模だと、どれくらい使うのかが分からない』と言われました。今月、同じ声を3件聞いています。規模ごとの例を足せるか、相談させてください」

惜しい例1は、どこが、どんな場面で使えなかったのかが分かりません。作った人は、直す所を見つけられず、言われた言葉だけが残ります。

惜しい例2は、やわらかい言い方ですが、誰が、何と言ったのかがありません。「ようです」では、聞いた事実なのか、自分の感じたことなのかも分かりません。

良い例は、どの場面で(初めての提案で、3ページ目を見せたとき)、何が足りなかったか(規模ごとの量)が入っています。作った人は、どこを直せばよいかが分かります。

迷いやすい判断と、失敗のあと

判断1:営業企画の仕事に、興味があるときは?

向いているかどうかを、この記事で決めつけることはできません。会社によって中身が大きく違い、同じ名前の部署でも、求められることが変わるからです。

自分で確かめられるのは、今の仕事の中にある、似た動きです。数字をまとめる、資料を作る、ほかの人が使いやすい形に整える。こうした作業が苦にならないか、時間を忘れて取り組めるかを、一週間メモします。そのうえで、上司との面談の場などで、「営業企画の仕事に関心があります。今の仕事で、身につけておくとよいことはありますか」と聞きます(説明用の例です)。異動のしくみは会社によって違うので、決まりも一緒に確かめます。

働き方そのものを見直したいときは、営業を続けるか迷ったらも読んでください。

判断2:どこまで頼んでよい?

基準は二つあります。一つは、自分で調べれば分かることではないか。もう一つは、自分一人のためだけの物ではないかです。

すでにある資料や、自分で見られる数字は、先に自分で探します。また、一件のお客様だけに合わせた資料を一から作ってもらえるかどうかは、会社によって違います。「このお客様向けの資料は、自分で作るものですか。相談してよいものですか」と、先輩に聞いてから頼みます。頼むときは、用途と、使う日を書きます。相手が、ほかの仕事との順番を決められるからです。

判断3:現場の声が、通らないと感じたときは?

伝えたのに変わらない、返事が無い、ということはあります。営業企画の側は、ほかの地域の声や、費用、時期など、こちらから見えていない条件も合わせて判断していることが多いので、一つの声がそのまま通るとは限りません。

自分でできるのは、伝え方を見直すことと、結果を聞くことです。事実と件数が入っていたかを見直します。そのうえで、「先日お伝えした資料の件、その後いかがでしょうか。難しい場合は、理由を教えていただけると、お客様への説明に生かせます」と聞きます(説明用の例です)。通らなかった理由が分かれば、今ある資料でどう説明するかを、先輩と考えられます。

相手の仕事のやり方に意見を言いたくなったときは、先に相手の仕事を知る所から始めます。進め方は、業務改善の進め方にあります。

失敗1:使う日の直前に、資料を頼んだ

その場では:無理を通そうとせず、事情を伝えて、できる範囲を聞きます。「私の依頼が遅くなりました。◯月◯日(◯)の訪問で使いたいのですが、間に合う範囲はありますか」と聞きます(説明用の例です)。間に合わなければ、今ある資料で説明し、足りない分は「後日お送りします」とお客様に伝える形を、先輩と決めます。

後の記録:「訪問の前日に頼んだ。次からは、訪問の日が決まった時点で、要る資料を書き出す」と書きます(説明用の例です)。

失敗2:感想だけを伝えて、相手に伝わらなかった

その場では:「使いにくい」とだけ言って、相手が困った顔をした、気まずくなった、というときは、言い直します。「言い方が足りませんでした。お客様から聞いた言葉を、整理してあらためてお伝えします」と伝え、事実・件数や場面・考え・お願いの順に書き直して送ります。

後の記録:商談メモに、お客様の言葉をそのまま書く欄を作ります。「次からは、資料について言われたことを、その日のうちに、言葉のまま書く」と決めます(説明用の例です)。

失敗3:報告した数字が、間違っていた

その場では:気づいたら、すぐに訂正を伝えます。相手は、その数字を全体のまとめに使っているかもしれません。「◯月◯日にお出しした訪問件数に、誤りがありました。正しくは[正しい数字]です。申し訳ございません」と、どの数字が、どう変わるかを書きます(説明用の例です)。上司にも同じ内容を伝えます。報告の順番は、営業で失敗したときにまとめています。

後の記録:なぜ間違えたかを書きます。「記憶で数えた。次からは、予定表と商談メモを見て数える」のような形です(説明用の例です)。

今日やることは一つです。自分の会社で、営業企画に当たる仕事を誰がしているかを確かめ、頼りたいこと一つと、伝えたいお客様の声一つを書いてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
会社の組織図や、社内の案内(部署の名前と役割が分かるもの)。最近の商談メモ。営業企画や本部から届いた資料・お知らせ。

記入例を見る(説明用)

営業企画に当たる仕事をしている部署や人=部署の名前は「営業企画課」。提案資料のひな形と、キャンペーンの案内は、ここから届いている。窓口の人は未確認(今日、先輩に聞く)/頼りたいこと=[商品名]の比較表。[会社名]への提案で使う。◯月◯日(◯)の訪問で持っていきたい。すでにある資料の中に無いかは、共有フォルダで探した(見つからなかった)/伝えたいお客様の声=[商品名]の資料について、お客様から「うちの規模だと、どれくらいの量を使うのかが分からない」と言われた/件数や場面と、自分の考え=今月の訪問で、3件のお客様から同じ内容を聞いた(説明用の例)。いずれも、初めて提案したお客様。規模ごとの使う量の例があると、説明しやすいと考えた/お願いと、先輩へ確かめること=資料に、規模ごとの例を足せるかを相談したい。伝える前に、先輩に「直接、営業企画課へ伝えてよいか。上司を通すか」を聞く。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

自分の会社で営業企画に当たる仕事を誰がしているかが書いてあり(分からなければ「未確認」と、誰に聞くか)、頼りたいことに用途と期限が付き、お客様の声が事実と場面で書いてある。

うまく進まなかったときは?

営業企画の部署が見つからなければ、先輩に「提案資料や売上の数字は、誰がまとめていますか」と聞く。頼りたいことが決まらなければ、直近の商談で「手元に無くて困った物」を一つ書く。お客様の声が感想になってしまうなら、誰が・いつ・何と言ったかに書き直す。

NEXT NOTE

次に読むなら

営業の種類を整理する営業資料の作り方を見る顧客の困り事を社内へ伝える