NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 86 · 営業の実践ノート

各位の使い方:「各位様」「お客様各位」の扱いと、メール・案内状の例

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各位(かくい)とは、大ぜいの人に向けて、その一人一人を敬って言う語です。語そのものに敬う意味があるので、「関係者各位」「営業部各位」のように、後ろに「様」や「殿」を付けずに使います。この記事では、辞書の説明をもとに、各位の意味、「各位様」「お客様各位」の扱い、取引先や目上の人に使ってよいか、メールと案内状での例、「皆様」との使い分けを説明します。

今日できるようになること

複数の人に送る連絡を一つ選び、宛名を「各位」「皆様」「名前を並べる」のどれにするかを決めて、理由を一行書く。

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こんなときに 複数の人にメールや案内を送るとき、宛名に「各位」と書いてよいか迷ったとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    送る相手が誰と誰で、何人いるかを書き出す

  2. 2

    名前を並べるか、「各位」「皆様」にまとめるかを決める

  3. 3

    「◯◯各位」の前に付ける言葉を決め、「様」「殿」を重ねていないか見る

  4. 4

    会社の過去の連絡と見比べ、上司に見せてから送る

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

各位とは:大ぜいの人の、一人一人を敬って言う語

各位(かくい)は、複数の人にあてた文書やメールの宛名に使う言葉です。辞書(デジタル大辞泉「各位」)は、「大ぜいの人を対象にして、その一人一人を敬って言う語。皆様。皆様方。多く、改まった席上や書面で用いる。」と説明しています。例として「会員各位にお知らせします」が挙げられています。

この説明から、使い方の骨組みが三つ分かります。一つ目は、相手が大ぜいのときの言葉であること。二つ目は、語そのものに、相手を敬う意味があること。三つ目は、あらたまった場や書面で使う言葉であることです。

使うときは、誰に向けた連絡なのかを表す言葉を前に置き、「◯◯各位」の形にします。次は、よく見かける形の例です。

書き方の例誰に向けた連絡か
関係者各位その件に関わる人たち
社員各位/営業部各位社内の人たち/その部署の人たち
お取引先各位取引のある会社の担当者たち
会員各位/出席者各位会員の人たち/会に出る人たち

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

なぜ、こうした言葉があるのでしょうか。相手が20人いるとき、全員の名前を宛名に並べると、本文が始まるまでに何行もかかります。順番を間違える心配も出ます。「各位」は、名前を並べる代わりに、一人一人に向けて書いていますと示すための言葉です。

初めて使うときは、「各位だけでは呼び捨てのようで失礼ではないか」と感じて、「様」を足したくなりがちです。この記事では、その迷いを、辞書の説明に沿って一つずつ確かめます。

「各位様」「各位殿」「お客様各位」の扱い

「各位殿」

同じ辞書の補説に、「「各位殿」という表現は、敬意が重複することになるので、好ましくない。」とあります。各位がすでに敬う言葉なので、敬称の「殿」を重ねなくてよい、という説明です。

「各位様」

辞書の補説が取り上げているのは「各位殿」です。「各位様」も、敬う意味のある語の後ろに敬称を重ねる点は同じ形です。この記事では、「各位」で止める書き方をすすめます。「様」を付けなくても、各位だけで敬意は表せているからです。

「お客様各位」「お得意様各位」

店の掲示や案内状で、広く見かける形です。辞書の補説は、この形には触れていません。「お客様」「お得意様」という呼び名の後ろに各位を付けた形で、各位の後ろに敬称を足した「各位様」「各位殿」とは、言葉の並びが違います。

会社が過去に出した案内で使われているなら、同じ形に合わせて構いません。気になるときは、「お客様へ」「ご利用の皆様へ」と書く方法もあります。

「関係者各位」「関係各位」

どちらも、その件に関わる人たちへ向けた宛名として使われています。社内の連絡でも、取引先を含む連絡でも見かけます。どちらを使うかは、会社の過去の連絡に合わせます。

並べて整理すると、次のとおりです。

書き方この記事での扱い理由
関係者各位/営業部各位そのまま使う各位で止めている
各位殿避ける辞書の補説に、敬意が重複することになるので好ましくない、とある
各位様「各位」に直す敬う語の後ろに敬称を重ねる点が、各位殿と同じ形
お客様各位会社の過去の案内に合わせる広く見かける形。辞書の補説は触れていない
関係者各位の皆様どちらか一つにする辞書は、各位の言いかえとして「皆様」を挙げている

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

目上や取引先に使ってよいか

辞書の説明のとおり、各位は相手を敬って言う語で、あらたまった書面で使う言葉です。取引先あての案内状や、上司を含む社内の連絡で使われています。目上の人が含まれているから使えない、という言葉ではありません。

ただ、各位はまとめて呼ぶ言葉です。受け取った人には、「自分一人に向けて書かれた連絡」とは感じにくい面があります。そこで、使うかどうかは、相手の人数と、連絡の中身で分けます。次の表は一例です。

場面宛名の書き方(一例)理由
取引先の多くの会社へ、同じ案内を送るお取引先各位人数が多く、全員に同じ内容を伝える
社内の一つの部署へ、お知らせを送る営業部各位部署の全員が対象
取引先の2〜3人へ、打ち合わせの日程を送る名前を並べる(佐藤様、高橋様)名前を書ける人数なら、名前のほうが自分あてだと伝わる
役員など、特に立場が上の人が含まれる会社の慣例に合わせる。名前を先に書く形もある会社ごとに決まった書き方があることが多い
お詫びや、個別のお願い一人ずつ、名前あてに送る相手ごとに事情が違い、まとめて呼ぶ言葉が合わない
口頭のあいさつ(会の始まりなど)「皆様」と言う話し言葉では「皆様」のほうがなじむ

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

同じ案内を送る相手の中に、特にお世話になっている人がいる場合は、その人にだけ、名前入りで別に送る方法があります。手間はかかりますが、相手は「自分あてに来た」と受け取れます。

メール・案内状・社内連絡での例

次の例は、どれも説明用です。会社名・人名・日付は、自分の件に置き換えてください。

1. 社内連絡のメール

件名:【ご連絡】◯月◯日 営業会議の時間変更

営業部各位

お疲れ様です。営業部の田中です。

◯月◯日の営業会議の開始時刻が、10時から13時に変わりました。場所は、第2会議室のままです。

都合がつかない方は、◯月◯日までに田中へお知らせください。

宛名は「営業部各位」で止めています。件名で用件が分かり、一文目から変更の中身を書いています。最後に、誰が・何を・いつまでにするかを書いています。

2. 取引先への案内状(文書)

◯年◯月◯日

お取引先各位

株式会社B 営業部

製品説明会のご案内

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素より格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。

さて、このたび下記のとおり、製品説明会を開くこととなりました。ご多用のところ恐れ入りますが、ご出席くださいますようお願い申し上げます。

敬具

記

日時:◯月◯日 ◯時から◯時

場所:[会場名]

以上

文書では、宛名を左上に書きます。「拝啓」「敬具」「記」「以上」の使い方は拝啓と敬具の使い方、季節のあいさつの選び方は時候の挨拶にまとめています。

3. 取引先への一斉メール

件名:年末年始の営業日のお知らせ(株式会社B)

お取引先各位

平素より大変お世話になっております。株式会社B 営業部の田中です。

年末年始の営業日について、お知らせいたします。

休業:◯月◯日から◯月◯日まで

休業前の最終の出荷は、◯月◯日です。お急ぎのご注文は、◯月◯日までにお知らせください。

取引先の多くの会社へ同じメールを送るときは、ほかの会社のアドレスが、受け取った人に見えない送り方にします。送り方は会社で決まっていることが多いので、送る前に上司に聞きます。CCとBCCの違いは、CCとBCCの違いにまとめています。

宛名の書き方を比べる

惜しい書き方1:「関係者各位様」

惜しい書き方2:「各位」

惜しい書き方3:「営業部各位 佐藤様」

良い書き方:「◯◯プロジェクト関係者各位」

惜しい書き方1は、各位の後ろに「様」を重ねています。2は、使われることもある形ですが、誰に向けた連絡なのかが宛名から分かりません。受け取った人は、自分が対象なのかを、本文を読んで判断することになります。

3は、まとめて呼ぶ言葉と、一人の名前が並んでいます。佐藤様だけにお願いがあるなら、宛名は「営業部各位」とし、本文で「佐藤様には、資料のご準備をお願いします」と分けて書くと伝わります。良い書き方は、どの件の関係者かを前に付け、各位で止めています。

一人あてには使わない/「皆様」との使い分け

辞書の説明に「大ぜいの人を対象にして」とあるとおり、各位は複数の人に向けた言葉です。一人だけに送るメールや手紙には使いません。相手が一人なら「佐藤様」と名前を書きます。部署や会社あてで、個人の名前が分からないときの書き方は、御中の使い方にまとめています。

「皆様」は、辞書(デジタル大辞泉「皆様」)に、「その場にいる人、また、かかわりのある人全員を、敬意をもっていう語。多くの人々に呼びかける語としても用いられる。」とあります。どちらも、複数の人を敬って言う言葉です。

比べる点各位皆様
辞書の説明(デジタル大辞泉)「多く、改まった席上や書面で用いる。」「多くの人々に呼びかける語としても用いられる。」
向いている場面(一例)案内状、通知、社内の文書、あらたまったメールの宛名口頭のあいさつ、やわらかく書きたいメール、本文の中
書き方の例関係者各位関係者の皆様/営業部の皆様

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

向いている場面の行は、この記事での整理の一例です。迷ったときは、文書の硬さに合わせると決めやすくなります。「拝啓」で始めるような文書なら「各位」、ふだんのメールで少しやわらかくしたいなら「皆様」です。

本文の中で相手を指すときも、同じ考え方で選べます。「関係各位のご協力に、感謝申し上げます」「皆様のご協力に、感謝申し上げます」は、どちらも使える形です(説明用の例です)。一通の中では、どちらかにそろえると読みやすくなります。

迷いやすい判断と、間違えたあとの立て直し

判断1:何人から「各位」にする?

辞書の説明は「大ぜいの人」で、人数の線は示されていません。この記事での目安は、名前を並べて、宛名が2行に収まるかどうかです。収まるなら名前を書き、収まらないなら「各位」か「皆様」にまとめます。名前を並べるときの順番は、ビジネスメールの書き出しにまとめています。

判断2:社長や役員も読む社内連絡に、「社員各位」でよい?

各位は敬って言う語なので、言葉としては使えます。ただ、社内の文書は、会社ごとの慣例が強い分野です。過去に同じ相手へ出された連絡を一つ見せてもらい、その形に合わせます。見つからなければ、上司に「宛名は『社員各位』でよいでしょうか。役員の方は、別に書きますか」と、案を添えて聞きます。

判断3:「営業部各位」と「営業部御中」、どちらを書く?

基準は、読んでほしいのが、部署の中の一人一人かどうかです。部署の全員に読んでほしいお知らせなら「営業部各位」と書きます。相手の会社の部署へ書類を送り、その部署の誰かが受け取ればよいときは「御中」が使われます。御中の使い方は御中の使い方を見てください。

判断4:返信するとき、宛名はどうする?

「各位」で届いた連絡に、送り主へ返事をするときは、送り主の名前を宛名に書きます。返事の相手は一人だからです。全員に返信する必要があるかどうかは、元の連絡に書かれた指示に従います。指示がなければ、送り主だけに返すのが、相手の受信箱を増やさない動き方です。返信の書き方はメールの返信にまとめています。

失敗1:「各位様」と書いて、送ってしまった

その場では:日時・場所・金額など、用件の中身に誤りがなければ、相手の行動は変わりません。訂正のためだけにもう一通送ると、相手が読むメールが増えます。自分で決めず、上司に「宛名を『各位様』と書いて送りました。訂正を送ったほうがよいですか」と聞いて、判断をもらいます。

後の記録:使ったひな形や、過去のメールの写しを直します。同じ文を次も使うなら、元を直しておかないと、同じ誤りをくり返します。「ひな形の宛名を『関係者各位』に直した」と一行残します。

失敗2:一人あてのメールに、「各位」と書いた

その場では:ほかの人あての文を写して使ったときに起きやすい誤りです。相手は、「ほかの人にも同じ文を送っているのだな」と受け取ることがあります。気づいたら上司に伝え、お詫びを送るかどうかを決めます。送る場合は、「先ほどのメールで、宛名を誤って記載しておりました。失礼いたしました」と、短く伝えます(説明用の例です)。

後の記録:「前のメールを写して、宛名を直さなかった。次からは、送る前に、宛名を声に出して読む」と、抜けた手順を書きます。

失敗3:ほかの会社のアドレスが見える形で、一斉に送ってしまった

その場では:これは宛名の言葉の誤りとは重さが違い、メールの誤送信に当たります。自分で取り消しや削除のお願いを送る前に、すぐ上司へ報告します。動き方はお詫びメールの書き方の「メールを誤送信した」にまとめています。

後の記録:どの欄に宛先を入れたか、送る前に何を確かめなかったかを書き、会社の送り方の決まりを上司に聞いて残します。

今日やることは一つです。複数の人に送る連絡を一つ選び、宛名を「各位」「皆様」「名前を並べる」のどれにするかを決めて、理由を一行書いてください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
送る相手の一覧(会社名・部署・名前)、会社が過去に出した案内やお知らせ、送る文の下書き。

記入例を見る(説明用)

送る相手=来月の製品説明会にご案内する取引先の担当者。A社の佐藤様、B社の高橋様など、合わせて15社・18名。お互いに面識のない会社どうし/宛名と、その理由=「お取引先各位」。人数が多く、名前を並べると長くなるため。会社が去年出した案内状も同じ書き方だった。「各位様」とは書かない/件名と、最初の一文=件名「製品説明会のご案内(◯月◯日開催)」。一文目「平素より格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます」/一人一人にお願いすること=出欠のお返事を、◯月◯日までに、このメールへの返信でいただく。会場の都合で、1社2名までとお伝えする/送る前に確かめること=メールは、ほかの会社のアドレスが見えない送り方にする(やり方は課長に確認する)。文面を課長に見せてから送る。特にお世話になっているA社の佐藤様には、同じ内容を、名前入りで別に送る。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

送る相手と人数が書いてあり、宛名をどれにしたかと理由が書いてあり、「各位」の後ろに「様」「殿」が付いておらず、一人一人にお願いすることと期限が本文で分かる。

うまく進まなかったときは?

各位か名前かで迷ったら、相手の名前を全部書いてみて、宛名が2行に収まるなら名前を並べる。前に付ける言葉が決まらなければ、会社の過去の案内を一つ見せてもらう。失礼に当たらないか不安なら、下書きを上司に見せて「宛名はこの形でよいでしょうか」と聞く。

NEXT NOTE

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