NOTE 55 · 営業の実践ノート
年末の挨拶メール(ビジネス):取引先へ送る文例と、送る前に確かめること
公開:2026年10月3日
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年末の挨拶メールで伝えることは、今年のお礼、年末年始の休みと休み中の連絡先、来年もよろしくお願いします、の3つです。書き始める前に、会社としてまとめて送るのか自分で個別に送るのか、休みの日程、急ぎの連絡先、訪問して挨拶する相手かどうかを確かめます。この記事では、相手ごとの文例と、送る日の決め方、間違えたときの直し方まで説明します。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 年末が近づき、取引先へ挨拶のメールを送ることになったが、何を書けばよいか決まらないとき。
- 1
会社の送り方・休みの日程・急ぎの連絡先を確かめる
- 2
相手ごとに、今年の出来事を一つ思い出して書く
- 3
休みの案内と、年明けに最初にやることを書く
- 4
宛名・日付・宛先を見直し、相手の最終営業日より前に送る
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
年末の挨拶メールで伝える3つ
年末の挨拶メールは、一年の仕事を締める連絡です。長い文は要りません。相手が読んで知りたいことは、次の3つにまとまります。
- 今年のお礼。一年の取引へのお礼を書きます。その相手との出来事を一つ入れると、全員に同じ文を送ったのではないことが伝わります。
- 年末年始の休みと、休み中の連絡先。相手にとって、いちばん実用的な部分です。いつまで連絡がつき、いつから再開するかが分かれば、相手は急ぎの用件を年内に済ませるかどうかを決められます。
- 来年もよろしくお願いします。進行中の件があれば、年明けに最初に何をするかを一言添えます。相手は、休み明けにどちらから連絡するのかで迷わずに済みます。
挨拶だけの文になりがちですが、相手の仕事に役立つのは2番目と3番目です。お礼は短く、日付は正確に、を目安にします。
年が明けてから送る挨拶は、役目が違います。年末は「締める連絡」、新年は「始める連絡」です。新年の書き方は新年の挨拶メールにまとめています。
送る前に確かめる4つ
文を考える前に、次の4つを確かめます。ここを飛ばすと、文がていねいでも、日付や送り方の間違いで相手に手間をかけることになります。
1. 会社としてまとめて送るのか、個別に送るのか
会社や部署の名前で、休みの案内をまとめて送ることがあります。その場合、同じ相手に自分からも送ると、案内が二重に届きます。上司に「年末のご挨拶は、会社から送りますか。私から個別に送ってよい相手はどなたですか」と聞きます。
個別に送ってよいと言われたら、休みの案内は会社の文書と同じ表現にそろえます。自分の言葉で書き直すと、日付や連絡先が食い違うもとになります。
2. 休みの日程
自分の会社の最終営業日と、仕事始めの日を、会社の案内の文書で確かめます。記憶や去年のメールから写すと、今年の日付とずれることがあります。日付には曜日も添えると、相手が予定表と見比べやすくなります。
相手の会社の最終営業日も、分かる範囲で確かめます。相手からの案内メール、相手の会社のホームページ、前の年の記録が手がかりです。分からなければ、やり取りのついでに「年内は何日までいらっしゃいますか」と聞いて構いません。
3. 休み中の急ぎの連絡先
休み中に急ぎの用件があったとき、どこへ連絡してもらうかを確かめます。会社の代表番号なのか、当番の担当者なのか、自分の携帯電話なのかは、会社で違います。
自分の判断で、個人の携帯番号を書かないでください。会社の決まりを上司に聞き、言われたとおりに書きます。「休み中は対応できない」と決まっている会社なら、いつから対応できるかを書きます。
4. 訪問して挨拶する相手かどうか
年末に、上司や先輩と訪問して挨拶をする取引先があります。その相手にメールでも挨拶を送るかどうかは、会社や先輩の考え方で分かれます。訪問の予定がある相手の一覧を先輩に見せてもらい、メールを送る相手と分けます。
自分:「年末のご挨拶のメールについて教えてください。休みの案内は、会社からまとめて送りますか。私の担当先には、私から個別に送ってよいでしょうか」
上司:「休みの案内は総務から送るよ。担当先には、自分の名前でお礼を送っていい。A社は一緒に訪問するから、メールは訪問の後にしよう」
自分:「分かりました。休み中の連絡先は、どこを書けばよいですか」
やり取りは説明用の例です。聞いた答えは、実践シートの1つ目と2つ目に書いておきます。
文例:相手ごとの書き方
3つの文例を並べます。社名・人名・日付・用件は、どれも説明用の例です。[ ]と◯の所を、自分の案件に置き換えてください。言い回しは、会社や先輩が使っているものがあれば、そちらに合わせます。
取引先の担当者あて
件名:年末のご挨拶([自社名] [氏名])
[会社名] [部署名] [担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
本年は、納品回数の見直しでご相談をいただき、ありがとうございました。現場の皆さまにもお時間をいただき、助かりました。
弊社の年末年始の休業日は、次のとおりです。
・休業:◯月◯日(◯)〜◯月◯日(◯)
・営業開始:◯月◯日(◯)
・休業中の緊急のご連絡先:[会社で決められた連絡先]お見積もりの修正版は、年明け◯月◯日(◯)までにお送りします。
来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
[署名]
お礼の段落に、その相手との出来事が一つ入っています。休みの案内は、箇条書きにして日付を探しやすくしています。最後に、年明けに自分がやることと期限を書いています。
しばらく連絡していない相手あて
件名:年末のご挨拶([自社名] [氏名])
[会社名] [担当者名]様
ご無沙汰しております。[自社名]の[氏名]です。
春に、倉庫の保管方法についてお話を伺いました。その節は、お時間をいただきありがとうございました。
その後ご連絡ができておらず、失礼いたしました。年末のご挨拶を申し上げたく、ご連絡しました。
弊社の年末年始の休業日は、次のとおりです。
・休業:◯月◯日(◯)〜◯月◯日(◯)
・営業開始:◯月◯日(◯)来年も、お役に立てることがありましたら、お声がけください。どうぞよいお年をお迎えください。
[署名]
間が空いた相手には、いつ・何の件で会ったかを先に書きます。相手が「誰だったか」を思い出す手がかりになるからです。挨拶のメールに、新しい提案や売り込みを重ねて書かないほうが、相手は受け取りやすくなります。提案があるなら、年明けに別のメールで送ります。
社内の上司・先輩あて
件名:今年一年、ありがとうございました([氏名])
[上司・先輩の名前]さん
お疲れさまです。[氏名]です。
今年は、A社の見積もりで数量の確認を一緒に見ていただき、ありがとうございました。出す前に条件を声に出して読む、というやり方は、今も続けています。
年明けは、◯月◯日(◯)から出社します。最初に、A社の修正見積もりを仕上げます。
来年も、よろしくお願いいたします。
[氏名]
社内あてのメールを送るかどうかは、職場の雰囲気で違います。最終日に口頭で挨拶する職場なら、メールは要らないこともあります。周りの先輩がどうしているかを見て決めます。送るなら、教わったことを一つ、具体的に書きます。
場面で変わるところと、言い方の例
伝える3つは同じでも、相手との関係で、力を入れる所が変わります。次の表は一例です。
| 場面 | 力を入れる所 | 書き方(一例) |
|---|---|---|
| 会社からまとめて送る | 休みの日程と連絡先の正確さ | 文面と宛先の扱いは、会社の決まりに従う。自分で宛先を足したり、文を変えたりしない |
| 自分から個別に送る | その相手との出来事 | お礼に、今年の出来事を一つ入れる。休みの案内は会社の文書と同じ表現にする |
| 進行中の案件がある相手 | 年内に済ませることと、年明けにやること | 「年内に◯◯をお送りします」「年明け◯月◯日までに◯◯をします」と、期限を分けて書く |
| 今年トラブルがあった相手 | おわびを蒸し返しすぎない | その後の対応へのお礼を一文で書く。書き方は、送る前に上司に見てもらう |
| 初めて年を越す相手 | 取引が始まったことへのお礼 | 「今年◯月からお取引をいただき」と、始まった時期を入れる。相手の最終営業日を聞いておく |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
今年トラブルがあった相手には、挨拶のメールで原因の説明をやり直す必要はありません。「◯月の納品の件では、ご対応にお時間をいただき、ありがとうございました」のように、相手がしてくれたことへのお礼にします(説明用の例です)。おわびをどこまで書くかは、自分で決めず、上司に文面を見せて決めてもらいます。
年末に、取引先からお歳暮が届くことがあります。そのお礼は、挨拶のメールとは別に、受け取ったときに伝えます。書き方はお歳暮のお礼メールにまとめています。
お礼の言い方を比べる
次の3つは、説明用の例です。
- 惜しい例1:「本年は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。来年も変わらぬご愛顧のほど、お願い申し上げます」だけで終わる
- 惜しい例2:「年内は◯日までです。来年もよろしくお願いします」
- 良い例:「本年は、納品回数の見直しでご相談をいただき、ありがとうございました。弊社は◯月◯日(◯)から◯月◯日(◯)まで休業します。お見積もりの修正版は、年明け◯月◯日(◯)までにお送りします」
惜しい例1は、言葉はていねいですが、相手の名前を入れ替えれば誰にでも送れる文です。定型の挨拶を使うこと自体は問題ありません。その後に、相手との出来事を一文足すと、自分あての連絡だと伝わります。
惜しい例2は、「◯日まで」が営業の最終日なのか、その日から休みなのかが読み取れません。再開する日もありません。良い例は、お礼(出来事つき)→休みの始まりと終わり→年明けにやることの順で、相手が予定を立てるのに使えることを書いています。
迷いやすい判断
判断1:いつ送る?
「何日に送るのが正しい」という決まった日付は、この記事では示しません。会社や相手によって、休みに入る日が違うからです。基準は、自分の会社と相手の会社の最終営業日のうち、早いほうです。その日より前に、相手が読んで、年内に用件を済ませられる余裕を残して送ります。
相手の最終営業日が分からないときは、早めに送るほうが、相手が休みに入った後に届くことを避けられます。会社で送る時期が決まっていれば、それに合わせます。先輩には「A社へのご挨拶は◯日に送るつもりです。早すぎますか」と、自分の案を添えて聞きます。
判断2:相手から返信が来たら、さらに返す?
基準は、相手の返信に、質問や用件が入っているかどうかです。入っていれば、その用件に答えます。「こちらこそ、来年もよろしくお願いします」という挨拶だけなら、そこで終えてよい場合が多いです。返すなら「ご返信ありがとうございます。よいお年をお迎えください」と一文で足ります。返すかどうかの決め方は、お礼メールへの返信にまとめています。
相手から先に挨拶のメールが届いた場合は、返信の形で送ります。自分の会社の休みの日程を足すと、一通で用が済みます。
判断3:喪中の相手に、送ってよい?
年末の挨拶は、一年のお礼と休みの案内が中心で、お祝いの言葉は入らないことが多いです。そのため、ふだんどおり送ることが多く見られます。結びの言葉をどうするかは、考え方が分かれます。迷うときは「来年もどうぞよろしくお願いいたします」で結ぶと、お祝いの意味を含みません。
相手の事情を知っている先輩がいれば、「佐藤様は喪中と伺いました。年末のご挨拶は、この文面でよいでしょうか」と、下書きを見せて聞きます。
判断4:何人かに、BCCでまとめて送ってよい?
自分で決めず、会社の決まりに従います。宛先の欄を間違えると、取引先どうしにメールアドレスが見えてしまうからです。BCCと間違えて、TOやCCに入れる事故が起こりえます。
まとめて送る方法や、使ってよい仕組みが会社で決まっていることがあります。上司に「担当先の10社に同じ文を送りたいのですが、一通ずつ送るのと、まとめて送るのと、どちらがよいですか」と聞きます(説明用の例です)。決まりがなく、数が多くないなら、一通ずつ宛名を変えて送るほうが、間違いに気づきやすくなります。
間違えたとき・送り忘れたとき
挨拶のメールは、同じ文を何人にも送るので、写し間違いが起きやすい連絡です。間違いに気づいたら、直す連絡と、帰ってからの記録をセットで行います。
失敗1:休みの日程を間違えて送った
その場では:気づいたら、まず上司に伝えます。そのうえで、訂正のメールを送ります。件名に「訂正」と入れ、正しい日付だけを短く書きます。
件名:【訂正】年末年始の休業日について([自社名] [氏名])
[会社名] [担当者名]様
先ほどお送りしたメールで、休業日の記載に誤りがありました。申し訳ございません。
誤:営業開始 ◯月◯日(◯)
正:営業開始 ◯月◯日(◯)お手数をおかけしますが、ご確認をお願いいたします。
[署名]
説明用の例です。おわびを長く書くより、どこが誤りで、正しくは何かが一目で分かる形にします。相手が、古い日付で予定を組んでしまうことを防ぐためです。
帰ってからの記録:「休みの日付を、去年のメールから写した。次からは会社の案内の文書を見て書き、曜日も確かめる」のように、原因と次の動きを書きます。
失敗2:宛名や会社名を間違えた
その場では:別の会社の名前を入れたまま送った、名前の漢字を間違えた、という失敗です。気づいたらすぐに上司に報告し、指示を受けてから、おわびの連絡をします。別の取引先の名前や内容が入っていた場合は、情報の扱いに関わるので、自分だけで判断しません。報告の順番は営業で失敗したときにまとめています。
帰ってからの記録:「前のメールを写して、宛名を書き換え忘れた。次からは、宛名を最後に入れず、最初に書く。送る前に、会社名とお名前を声に出して読む」と書きます。
失敗3:送り忘れたまま、相手が休みに入った
その場では:相手が休みに入った後に、あわてて送る必要はありません。休み明けに読まれるメールは、年末の挨拶より、新年の挨拶のほうが自然です。年明けに新年の挨拶メールとして送り、昨年のお礼をそこで伝えます。
ただし、年内に伝える約束だった用件(納期、見積もり、休み中の連絡先など)があるなら、話は別です。上司に相談し、相手の会社の休み中の連絡方法を確かめます。
帰ってからの記録:送る相手の一覧を作り、送った日を書きこむ欄を足します。来年のために、「◯月の第◯週に一覧を作る」と予定表に入れておきます。
今日やることは一つです。送る相手を一人決め、休みの日程と連絡先を確かめたうえで、その相手との今年の出来事を一つ入れた文を下書きしてください。
件名から署名までの全体はビジネスメールの書き方、書き出しはビジネスメールの書き出し、結びはビジネスメールの締めにまとめています。
手紙や案内状で季節の言葉を書くときは、時候の挨拶の一覧を見てください。
休業日を知らせる文の結び方は、「ご承知おきください」の意味と使い方を見てください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
会社の年末年始の休みの案内、担当している取引先の一覧、今年のやり取りの記録(メールや商談メモ)。
記入例を見る(説明用)
送る相手と、送り方=A社の佐藤様。会社からの一斉の案内は総務が送ると、上司に聞いた。自分は担当として個別に送る。訪問しての挨拶は予定なし(上司に確認済み)/休みの日程と、休み中の連絡先=◯月◯日(◯)から◯月◯日(◯)まで休み。会社の案内の文書で確かめた。休み中の急ぎの連絡先は、会社の代表番号を書くよう上司に言われた/お礼に入れる、その相手との今年の出来事=秋に、納品の回数を見直す相談をいただいた。現場の方へ聞き取りの時間を作ってもらった/年明けに最初にやること=見積書の修正版を、仕事始めの週に送る約束がある。日付は上司に確かめてから書く(未確認)/送る日と、送る前に見直すこと=A社の最終営業日は佐藤様から聞いた◯月◯日。その2〜3日前の午前中に送る。会社名・お名前・休みの日付と曜日・宛先の欄を、送る前に声に出して読む。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
会社の送り方と休みの日程を確かめてあり、相手との今年の出来事が一つ入っていて、年明けに最初にやることと送る日が決まっている。
うまく進まなかったときは?
休みの日程や連絡先が分からなければ、書く前に上司か総務へ聞く。今年の出来事が思い出せなければ、その相手とのメールを一年分さかのぼって件名だけ読む。文が長くなったら、お礼・休みの案内・年明けの予定の3つに戻し、ほかは消す。