NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 105 · 営業の実践ノート

「お疲れ様です」の意味と使い方:社内と社外の使い分け、「ご苦労様です」との違い

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「お疲れ様です」は、相手の苦労をねぎらう言葉で、職場のあいさつとしても使われます。辞書は「相手の労苦をねぎらう意で用いる言葉。また、職場で、先に帰る人へのあいさつにも使う。」と説明しています。社内では上司にも使われる言葉です。取引先には「お世話になっております」を使う会社が多く、使い分けが要ります。この記事では、意味、「ご苦労様です」との違い、場面ごとの言い方を、辞書と文化審議会の「敬語の指針」で確かめながら並べます。

今日できるようになること

自分が一日のうちに「お疲れ様です」と言う・書く場面を書き出し、相手ごとに、どの言葉を使うかを決める。

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こんなときに 上司や取引先に「お疲れ様です」と言ってよいのか、「ご苦労様です」と何が違うのかで迷うとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    「お疲れ様です」を使う場面と相手を、書き出す

  2. 2

    相手が社内か社外かで、あいさつの言葉を分ける

  3. 3

    上司には「お疲れ様です」か、お礼の言葉を選ぶ

  4. 4

    メールとチャットの書き出しを、職場の習慣に合わせる

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

「お疲れ様です」の意味:辞書で確かめる

入社して最初に覚えるあいさつの一つが、「お疲れ様です」です。廊下ですれ違うとき、電話を取り次ぐとき、メールの一行目。一日に何度も使ううちに、ふと迷います。部長にも言ってよいのか。取引先にも言ってよいのか。「ご苦労様です」とは、何が違うのか。

辞書を引きます。「 」の中は、辞書の文をそのまま写したものです。デジタル大辞泉は、「御疲れ様」をこう説明しています(コトバンク「御疲れ様」)。

「相手の労苦をねぎらう意で用いる言葉。また、職場で、先に帰る人へのあいさつにも使う。「ご苦労様」は目上の人から目下の人に使うのに対し、「お疲れ様」は同僚、目上の人に対して使う。」

ここから分かることは、三つあります。

  • ねぎらいの言葉である。相手の苦労に対して、声をかける言葉です。
  • 職場のあいさつでもある。苦労があったかどうかに関係なく、帰る人への声かけとして使われます。
  • 同僚にも、目上の人にも使う。辞書に、そう書かれています。

「です」を付けた「お疲れ様です」は、丁寧に述べる形です。文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日・文化庁)は、「です」「ます」を丁寧語とし、「話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。」(指針20ページ)と説明しています。

「ご苦労様です」との違い:辞書と「敬語の指針」

次に、「ご苦労様」を引きます。

言葉辞書の語釈語釈から言えること
御疲れ様「相手の労苦をねぎらう意で用いる言葉。また、職場で、先に帰る人へのあいさつにも使う。」(デジタル大辞泉)ねぎらいと、あいさつの両方に使う
御苦労様「御苦労2を丁寧に言う言葉。」(デジタル大辞泉「御苦労様」)/「他人の骨折りを感謝するていねいなことば。あいさつ語として用いることが多い。」(精選版 日本国語大辞典の1番目)「御苦労」の2番目の意味を、丁寧にした言葉
御苦労(2番目の意味)「他人に仕事を依頼したときなどに、その苦労をねぎらっていう語。同輩以下の者に対して用いる。」(デジタル大辞泉「御苦労」)仕事を頼んだ相手をねぎらう言葉。「同輩以下の者に対して用いる」と書かれている

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

デジタル大辞泉では、「ご苦労様」は同輩以下の人に向けた言葉、「お疲れ様」は同僚や目上の人に向けた言葉、と分けて説明されています。精選版 日本国語大辞典の「御苦労様」の項目には、相手の上下についての説明はありませんでした。

「敬語の指針」にも、この二つの言葉を扱った問いがあります。時間外に仕事を教えてくれた上司に「どうも御苦労様でした」と言ったら笑われた、という例です(指針45〜46ページ)。指針の説明を、文字どおり引きます。

  • 「御苦労様」は、「自分側のために仕事をしてくれた人,例えば,配達をしてくれた店員などに対して,「ねぎらい」の気持ちを込めて用いる表現である」(指針45〜46ページ)
  • 「ねぎらいは,上位者から下位者に向けたものとなるため,目上の人に対しては,「御苦労様(でした)」を用いない方が良い。」(指針46ページ)
  • 「お疲れ様」は、「一緒に仕事をした後など,お互いに声を掛け合うような場合にも多く用いる表現である」(指針46ページ)
  • 「お疲れ様でございました」などの「丁寧な言い方であれば,だれに対しても使える表現である。したがって,仕事上の上司であっても使うことができる。」(指針46ページ)

指針は、仕事を教えてくれた上司には、ねぎらいではなく「ありがとうございました」と感謝の言葉にすればよい、とも説明しています。「ねぎらう」という言葉そのものも、デジタル大辞泉に「苦労や骨折りに感謝し、いたわる。現代では、同等または下の人に対して用いる。」とあります(コトバンク「労う」)。

まとめると、こうなります。上司には「ご苦労様です」を使わないほうがよい。「お疲れ様です」は上司にも使える。何かをしてもらった後なら、「ありがとうございました」がいちばん合う。辞書と指針に書かれているのは、ここまでです。

実際の使われ方を、文化庁が調べています。平成17年度「国語に関する世論調査」(調査時期は平成18年2月14日〜3月14日)で、一緒に仕事をした人に、仕事が終わったとき何と言うかを尋ねた結果です。自分より職階が上の人には、「お疲れ様(でした)」が69.2%、「御苦労様(でした)」が15.1%。自分より職階が下の人には、「お疲れ様(でした)」が53.4%、「御苦労様(でした)」が36.1%でした。20年ほど前の調査なので、今の割合を示すものではありません。相手が上の人だと「お疲れ様」を選ぶ人が多かった、という記録として読んでください。

社内での使い方:あいさつと、メールの書き出し

社内では、「お疲れ様です」が三つの役目で使われています。

役目場面言い方(説明用の例)
すれ違うときのあいさつ廊下、エレベーター、休憩室「お疲れ様です」と言って、軽く頭を下げる
仕事が終わった人への声かけ先に帰る人、外回りから戻った人、会議が終わった後「お疲れ様でした」「お疲れ様です。お帰りなさい」
メール・チャット・内線の最初の一言社内あての連絡「お疲れ様です。営業部の[氏名]です。」

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

あいさつとして言うときは、言葉そのものより、相手を見て言うかどうかで伝わり方が変わります。画面を見たまま言うと、言葉は合っていても、相手には声をかけられた感じが残りません。

上司に使うとき。「お疲れ様です」で足ります。言い分けたいのは、上司に何かをしてもらった後です。同行してもらった、資料を直してもらった、教えてもらった。こういうときは、ねぎらいより先に、お礼を言います。

惜しい例:(同行してくれた上司に)「今日はお疲れ様でした」

良い例:「本日は同行していただき、ありがとうございました。価格の説明のしかたが、勉強になりました」

説明用の例です。惜しい例も、誤りではありません。ただ、上司は自分のために時間を使ってくれています。してもらったことには、お礼。一緒に働いた後には、お疲れ様。この分け方は、指針の説明とも合っています。

自分が先に帰るとき。残っている人には「お先に失礼します」と言い、相手から「お疲れ様でした」と返ってくる形が多いです。

社内メールの書き出し。「お疲れ様です。」の後に名乗り、すぐ用件に入ります。書き出し全体の組み立ては、ビジネスメールの書き出しにまとめています。件名の付け方はメールの件名を見てください。

社外の相手には使う?「お世話になっております」との使い分け

取引先に「お疲れ様です」を使ってよいかについて、公的な決まりは見当たりません。指針が取り上げているのは、社内の上司に向けた場面です。辞書は「職場で」のあいさつと説明しています。

そのうえで、社外あてのメールや電話の最初の一言には、「お世話になっております」を使う会社が多いです。理由は二つ考えられます。一つは、「お疲れ様です」が、同じ職場で一緒に働く人どうしの声かけとして使われてきたこと。もう一つは、取引先には、ねぎらいより、お付き合いへのお礼を先に伝えるほうが、関係に合っていることです。

相手最初の一言(一例)考え方
社内の人お疲れ様です。同じ職場のあいさつ
取引先(お客様)お世話になっております。お付き合いへのお礼を先に
一緒に作業をしている協力会社の人職場によって違う。相手の書き方と、先輩の書き方に合わせる同じ現場で働く仲間として、「お疲れ様です」を使う職場もある
取引先と、一緒に作業を終えた直後本日はありがとうございました。ねぎらいより、お礼にする

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

自分で決める基準は、相手が先にどう書いてきたかと、先輩がその相手にどう書いているかです。どちらも分からないときは、「お世話になっております」を選びます。「お世話になっております」の意味と、初めての相手への使い方は、「お世話になっております」の意味と使い方にまとめています。

展示会の片づけや、納品の立ち会いのように、取引先と並んで作業をした後は、「お疲れ様でした」と声をかけ合うことがあります。相手から言われたら、「お疲れ様でした。本日はありがとうございました」と、お礼を足して返します(説明用の例です)。

場面別の例:朝・帰り・電話・チャット

場面ごとの言い方を並べます。すべて説明用の例です。職場に決まった言い方があれば、そちらを先にします。

朝

朝、最初に会ったときは「おはようございます」と言う職場が多いです。「お疲れ様です」は、その日すでに働いている相手への声かけとして使われることが多いので、出社してすぐの相手には「おはようございます」のほうが合います。昼に近い時間に初めて会った人には、「お疲れ様です」に替えます。

帰り

自分が先に帰る:「お先に失礼します」

相手が先に帰る:「お疲れ様でした」

上司が外出先から戻った:「お疲れ様です。A社から、折り返しのお電話が一件ありました」

3つめは、あいさつの後に、伝言をすぐ続けています。あいさつは、次の用件を言い出しやすくする役目もあります。

電話

内線を受ける:「お疲れ様です。営業部の[氏名]です」

外出先から会社へかける:「お疲れ様です。[氏名]です。[上司の名前]課長は、席にいらっしゃいますか」

取引先からの電話を受ける:「お電話ありがとうございます。[自社名]でございます」

内線と外線で、最初の一言を分けます。外線の受け方は、電話対応の基本にまとめています。

チャット

1通目:「お疲れ様です。A社の見積もりの件で、一つ確認させてください」

2通目から:(挨拶なしで)「ありがとうございます。では、金曜に送ります」

チャットは、短く速くやり取りする場です。毎回「お疲れ様です」と書くと、用件が後ろに下がります。その日の1通目だけ入れる、まったく入れない、など、職場ごとに習慣があります。先輩たちのやり取りを見て、合わせます。

迷いやすい判断と、言い間違えたとき

判断1:「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」は、どう使い分ける?

辞書と指針に、二つを分ける説明は見当たりません。仕事がまだ続いている相手には「です」、終わった相手や帰る相手には「でした」、と使い分ける人が多いです。メールやチャットの書き出しは「です」が多く使われます。どちらかが誤りだ、という説明も見当たりません。

判断2:取引先から「お疲れ様です」と書いてきたら?

基準は、相手に合わせても、こちらが困らないかどうかです。相手が親しみを込めて書いてきたなら、「お疲れ様です」で返しても、やり取りは自然に続きます。迷うなら、「お世話になっております」で返して構いません。相手の書き方を直してもらう必要はありません。上司がCCに入っているメールでは、「お世話になっております」にしておくと、どの上司が読んでも引っかかりにくくなります。CCの使い方は、CCとBCCの違いを見てください。

判断3:上司から「ご苦労様」と言われた。何と返す?

上司から部下への「ご苦労様」は、辞書や指針の説明に合った使い方です。「ありがとうございます」か「お疲れ様です」で返します。同じ言葉で「ご苦労様です」と返すと、指針が「用いない方が良い」とする形になるので、避けます。

判断4:配達の人や、清掃の人には、どちらを言う?

指針は、「御苦労様」を、配達をしてくれた店員などに向けた表現だと説明し、その場面で「お疲れ様」と言うのは不自然だ、としています(指針46ページ)。ただ、受け取る側がどう感じるかは、人によって違います。迷うなら、「ありがとうございます」と言えば、どちらの問題も起きません。

失敗1:上司に「ご苦労様です」と言ってしまった

その場では:言った直後に気づいたら、「失礼しました。お疲れ様でした」と言い直します。長い説明は要りません。後で気づいた場合は、あらためて謝りに行くほどのことではないことが多いです。次から「お疲れ様です」に替えます。上司から指摘されたら、「ありがとうございます。これから気をつけます」と受け取ります(説明用の例です)。

後の記録:「上司には『お疲れ様です』。してもらった後は『ありがとうございました』」と、実践シートに書いておきます。

失敗2:取引先へのメールを、「お疲れ様です」で始めて送った

その場では:社内あてのメールを書いた直後に、起きやすい間違いです。訂正だけのメールは送らないことが多く、次のメールから「お世話になっております」に戻します。くわしい立て直し方は、「お世話になっております」の意味と使い方の「間違えて送ったとき」に書いてあります。

後の記録:送る前に、宛先と一行目を見比べる、と手順に足します。

失敗3:外線の電話に、「お疲れ様です」と出てしまった

その場では:内線だと思って取ったら、取引先だった、という間違いです。「失礼いたしました。[自社名]の[氏名]でございます」と、すぐ名乗り直します(説明用の例です)。その後は、ふだんどおり用件を聞きます。何度もおわびを重ねると、相手は用件を言い出しにくくなります。

後の記録:電話機の表示や呼び出し音で、内線と外線を見分ける方法を先輩に聞き、メモします。見分けられないときは、外線の出方にそろえる、と決めておきます。

今日やることは一つです。自分が「お疲れ様です」と言う・書く場面を書き出し、相手ごとに、どの言葉を使うかを決めてください。

訪問先などで言われる「お世話様です」は、「お世話様です」の意味と返事にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
最近送った社内あて・社外あてのメールを数通。先輩が同じ相手に送ったメールやチャット(見られる範囲で)。

記入例を見る(説明用)

「お疲れ様です」を使っている場面と相手=廊下ですれ違うとき(社内の全員)。社内メールの書き出し。帰るときに残っている人へ。協力会社の担当の方とのチャットでも使っている/社内の上司・先輩に使う言葉=すれ違うときと帰りは「お疲れ様です」。教えてもらった後は「ありがとうございました」に替える。朝は「おはようございます」/社外の相手に使う言葉=メールの書き出しは「お世話になっております」。打ち合わせの帰りは「本日はありがとうございました」/職場の習慣=先輩は、社内チャットでは2通目から挨拶を省いている。内線は「お疲れ様です、[部署名]の[氏名]です」で出ている。外線は会社名を名乗っている/直す所と、確かめたいこと=協力会社の方へ「お疲れ様です」でよいか、先輩に聞く(今日中)。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

「お疲れ様です」を使う場面と相手が書き出してあり、社内の上司、社外の相手、チャットや電話のそれぞれで、使う言葉が決めてある。

うまく進まなかったときは?

社外の相手に使ってよいか分からなければ、先輩に「◯◯社の方へのメールは、『お世話になっております』で始めていますか」と聞く。上司に何と言えばよいか迷う場面は、ねぎらいの言葉をやめて、「ありがとうございました」か「お先に失礼します」に替える。

NEXT NOTE

次に読むなら

「お世話になっております」の使い方を確かめるメールの書き出しを決める「了解しました」の使い分けを確かめる