NOTE 198 · 営業の実践ノート
請求書を送るメールの書き方:件名・本文・添付の確かめ方と、送り間違えたときの文例
公開:2026年10月4日
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請求書をメールで送るときは、件名で「何月分の請求書か」を伝えます。本文には、添付の中身と支払期日を書きます。送る前には、添付を開いて、宛先と見比べます。請求書そのものの書き方は別の記事に任せ、この記事は送るメールだけを扱います。添付を忘れた、別の相手に送った、というときの動きと文例も載せます。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 請求書をメールで送ることになり、件名や本文に何を書き、送る前に何を見ればよいか分からないとき。
- 1
相手がメールでよいか、送り先はだれかを確かめる
- 2
件名に、書類の名前・何月分か・社名を入れる
- 3
本文に、添付の中身・金額・支払期日・原本の扱いを書く
- 4
添付を開いて、相手の社名・金額・宛先を見比べてから送る
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
請求書を送るメールとは:辞書の意味と、送る前に確かめること
請求書は、辞書では「物品や代金の支払いなどを請求するために出す文書。」(デジタル大辞泉「請求書」)と説明されています。「添付」は、「書類などに、付け添えること。」(デジタル大辞泉「添付」)です。請求書を送るメールは、請求書のファイルを付け添えて、相手に届けるメールです。
請求書に何を書くか、納品書や注文書とどう見比べるかは、請求書の書き方にまとめています。この記事は、送るメールだけを扱います。
書き始める前に、3つを確かめます。
- 相手は、メールでよいと言っているか。紙の原本を求める会社や、決まった仕組みへの登録を求める会社があります。
- 送り先は、だれか。ふだんの担当者か、経理の方か、請求書用のアドレスか。CCに入れる人の指定があるかも聞きます。
- 自分の会社では、だれが送る決まりか。経理が送る会社もあります。営業が送ってよいかを、先に聞きます。
なぜ先に確かめるのか。請求書は、相手の経理が、支払の手続きに使う書類だからです。届く先が違うと、手続きに回るのが遅れます。相手の締め日を過ぎれば、支払が次の回になることもあります。締め日と支払期日の読み方は、支払サイトとはにまとめています。
惜しい聞き方:「請求書、メールで送っちゃっていいですか」
良い聞き方:「今月分のご請求書は、PDFをメールでお送りしてよろしいでしょうか。送り先は、田中様あてでよいでしょうか。原本の郵送が要る場合は、あわせて教えてください」
これは説明用の例です。良い聞き方は、形・送り先・原本の3つを一度に聞いています。聞いた日と、答えてくれた人の名前を書いておきます。
件名:開く前に、何月分の請求書かが分かるように
件名に入れるのは、次の4つです。書類の名前(請求書)。何の分か(◯月分、または案件の名前)。自分の会社の名前。あれば、請求書の番号です。
惜しい件名1:「お世話になっております」
惜しい件名2:「請求書の件」
良い件名1:「【請求書】10月分ご請求書の送付(B社 山田)」
良い件名2:「【請求書送付】◯◯工事分 請求番号123(B社)」
これは説明用の例です。相手の経理は、いくつもの会社から請求書を受け取ります。あとで探すときの手がかりは、件名です。惜しい件名は、開かないと、どの会社の、何月分かが分かりません。
毎月送る相手には、件名の形をそろえます。「【請求書】◯月分ご請求書の送付(B社 山田)」の月だけを変えていけば、相手は並べて探せます。
別の用件のメールへの返信に、請求書を付けないようにします。件名が「Re: 打ち合わせの日程」のままでは、請求書が入っていることが分かりません。新しいメールを作ります。件名の組み立て方は、メールの件名の書き方にまとめています。
本文に書くことと、文例
本文に書くのは、次の6つです。
- 宛名。会社名、部署、名前。請求書の宛名と同じ会社になっているかを見ます。
- 名乗りと、用件。「◯月分の請求書をお送りします」と、初めに書きます。
- 添付の中身。ファイルの名前、件数、請求書の番号。
- 金額と、支払期日。請求書に書いた数字を、そのまま写します。本文に書くかどうかは、会社の決まりに合わせます。
- 原本の扱い。郵送するのか、しないのか。
- 問い合わせ先。内容に不明な点があったときの連絡先。
惜しい例:「お世話になっております。請求書を送ります。ご確認ください。」
惜しい例は、何月分か、何件付いているか、原本が届くのかが分かりません。添付が外れていても、相手は気づけません。
件名:【請求書】10月分ご請求書の送付(B社 山田)
A社 経理部 佐藤様
(CC:田中様)
いつもお世話になっております。B社の山田です。
10月分の請求書を、PDFで添付いたします。
・添付:請求書_B社_202610_No123.pdf(1件)
・ご請求金額:110,000円(税込)
・お支払期日:11月30日
原本の郵送は、行いません。郵送が必要な場合は、お知らせください。
内容にご不明な点がございましたら、山田までご連絡ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
これは説明用の例です。添付の名前と件数を書いてあるので、相手は、届いたファイルと見比べられます。金額と期日を書いてあるので、添付を開く前に、支払の予定に入れられます。
本文に金額を書くなら、気をつける点があります。本文と請求書で数字が違うと、相手はどちらが正しいかを聞くことになります。請求書の控えを横に置いて写し、送る前にもう一度見比べます。
CCに入れた人を宛名にどう書くかは、CCとBCCの違いにまとめています。
送る前に見る点:添付・ファイル名・宛先
| 見る点 | 確かめること | なぜ |
|---|---|---|
| 添付の中身 | 付いているか。開いて、宛名の会社・何月分・金額を見る | 別の会社あての請求書を送ると、取引の中身と金額が外に出る |
| ファイルの名前 | 書類の名前・自分の社名・何月分・番号が入っているか。「請求書.pdf」や「最新版.pdf」にしない | 相手が保存したあと、名前で探せる |
| ファイルの形 | 相手が開ける形か。会社が決めた形(PDFなど)か | 表計算のファイルのままだと、開いたときに数字を動かせてしまう |
| 宛先 | Toが、聞いておいた送り先か。似た名前の別の人が入っていないか | アドレスの候補から選ぶと、別の会社の同じ姓の人を選ぶことがある |
| CC | 相手の指定と、自分の会社の決まり(上司や経理を入れるか) | 担当者だけが知らない、上司だけが知らない、を防ぐ |
| 本文と添付の数字 | 何月分・番号・金額・支払期日が同じか | 食い違いがあると、相手の手続きが止まる |
| 送る日 | 相手の締め日に間に合うか | 締め日を過ぎると、支払が次の回になることがある |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
作る順番にも、工夫があります。一例です。先にファイルを付ける。次に本文を書く。宛先は最後に入れる。宛先が空のあいだは、書きかけのまま送ってしまうことがありません。
ファイルにパスワードを付けるか、どう伝えるかは、会社の決まりに従います。決まりが分からなければ、送る前に先輩に聞きます。
見るときは、声に出すか、指でさします。「A社あて。10月分。110,000円。Toは佐藤様」(説明用の例です)。目で流すだけより、違いに気づきやすくなります。
場面で変わるところと、電子データの保存
| 場面 | 変わるところ(一例) | ひとこと |
|---|---|---|
| 初めて送る相手 | 送り先・形・原本の扱いを、先に聞く。本文に、自分の連絡先を書く | 聞いた日と、答えた人を書いておく |
| 毎月送る相手 | 件名とファイル名の形をそろえる | 前の月のメールを写すなら、月・番号・金額・期日を全部直す |
| 訂正した請求書を送り直す | 件名に【再送】や【訂正】を入れ、どこを直したかを本文に書く | 前の請求書をどう扱ってほしいかも書く |
| 相手が、決まった仕組みへの登録を求める | 相手の案内どおりに登録する | 登録したことを、担当者へメールで知らせるかを聞く |
| 原本の郵送も求められる | メールに「原本は本日郵送します」と書く | 郵送に添える一枚は、送付状 |
| 領収書もほしいと言われた | 入金を確かめてから出す | 請求書と領収書は、役目が違う |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
郵送に添える一枚は送付状の書き方、領収書は領収書の書き方にまとめています。
電子データで受け渡した請求書の保存
請求書をメールで受け渡すと、保存の決まりが関わってきます。国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」には、「電子帳簿保存法は、税務関係帳簿書類のデータ保存を可能とする法律で、同法に基づく各種制度を利用することで、経理のデジタル化が図れます。」とあります(2026年10月4日に確認)。続けて、次のように書かれています。
また、取引に関する書類に通常記載される情報(取引情報)を含む電子データをやり取りした場合の、当該データに関する保存義務やその保存方法等についても同法により定められていますので、所得税法・法人税法上の保存義務者となる方は、特に「電子取引」についてご確認ください。
国税庁のパンフレット「電子帳簿保存法対応!令和6年1月以降の電子取引データの保存方法について」(PDF)には、次の文があります。
取引に関して、書面でやりとりしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書など)に相当する電子取引データを受領又は交付した場合、その電子取引データの電子保存が義務付けられています。
「受領又は交付」とあります。受け取った側だけでなく、渡した側にも関わる書き方です。ただ、自分の会社が何を、どこに、どの形で保存するかは、この記事では言い切れません。保存のしかたには要件があり、会社ごとに仕組みを決めているからです。
営業がやることは、2つです。送ったメールと請求書のファイルを、自分の判断で消さないこと。そして、経理の担当に「メールで送った請求書は、どこに残せばよいでしょうか」と聞くことです。税の扱いの判断は、経理の担当や税理士などの専門家に任せます。
迷いやすい判断と、送り間違えたとき
判断1:原本の郵送は、要る?
基準は、相手に聞いた答えと、自分の会社の決まりです。こちらで「要らないだろう」と決めません。聞いた結果は、メールの本文にも書きます。「原本の郵送は行いません」「原本は本日郵送します」のどちらかが書いてあれば、相手は待つべきかどうかが分かります。
判断2:返事が無いとき、届いたかを聞いてよい?
聞いてかまいません。基準は、相手の締め日の前に、確かめの形で聞くことです。「◯日にメールでお送りした10月分の請求書は、届いておりますでしょうか」と聞きます(説明用の例です)。支払を急がせる言い方にはしません。届いていなければ、送り先を確かめてから送り直します。
判断3:上司や経理を、CCに入れる?
基準は、会社の決まりです。請求書のメールには上司を入れる、経理の共有アドレスを入れる、と決めている会社があります。決まりが無ければ、先輩に「請求書を送るメールは、どなたをCCに入れていますか」と聞きます。BCCとの使い分けは、CCとBCCの違いにあります。
判断4:送ったあとで、請求書の中身の誤りに気づいたら?
基準は、黙って直したものを送り直さないことです。相手の手元に、正しいものと誤ったものの両方が残るからです。先に上司と経理へ報告します。出し直しの手順は、請求書の書き方の「間違えて出したあとの出し直し」にあります。送り直すメールには、どこを直したかを書きます。
送り間違えたとき1:添付を忘れた
その場では:気づいたら、すぐに送り直します。相手から言われる前に動きます。
件名:【再送】【請求書】10月分ご請求書の送付(B社 山田)
A社 経理部 佐藤様
先ほどのメールに、請求書を添付しておりませんでした。失礼いたしました。
あらためて、10月分の請求書(請求書_B社_202610_No123.pdf)を添付いたします。
先ほどのメールは、破棄していただけますでしょうか。
これは説明用の例です。件名に【再送】を入れ、何が抜けていたかを一文で書いています。
後の記録:「添付を付ける前に本文を書き、そのまま送った。次からは、先にファイルを付ける」と書きます。
送り間違えたとき2:別の相手に送った、別の会社の請求書を付けた
その場では:自分だけで済ませません。先に、上司へ報告します。だれに、何を、いつ送ったかを伝えます。請求書には、取引の相手と金額が書かれています。別の会社の情報が外に出たことになるので、どう動くかは上司と決めます。
上司と決めたうえで、誤って送った相手に連絡します。メールだけでなく、電話でも伝えます。
「B社の山田です。先ほど、別の会社あての請求書を、誤って佐藤様にお送りしてしまいました。申し訳ございません。お手数ですが、開かずに削除していただけますでしょうか。正しい請求書は、あらためてお送りします」
これは説明用の例です。書き方はお詫びメールの書き方にまとめています。情報が出てしまった側の会社へ伝えるかどうかも、上司の判断に従います。
後の記録:送った時刻、相手、付けたファイル、連絡した時刻、相手の返事を書きます。原因も書きます。「アドレスの候補から選び、確かめなかった」「前の月のメールを写して、添付を入れ替えなかった」などです。
今日やることは一つです。次に送る請求書のメールで、添付を開き、宛名の会社と宛先を、声に出して見比べてください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
送る請求書のファイル、相手の送り先(宛名とメールアドレス)が分かるメモ、請求書の控えと納品書、会社の決まりが分かる資料か聞ける先輩。
記入例を見る(説明用)
送り先と、メールでよいかの確認=A社 経理部の佐藤様。担当の田中様から「請求書はPDFで、経理の佐藤あてに。私はCCで」と聞いた(◯月◯日の電話)/件名=【請求書】10月分ご請求書の送付(B社 山田)/本文に書くこと=10月分。請求番号123。金額は110,000円(税込)。支払期日は11月30日。原本は郵送しない、と書く/送る前に見た点=添付を開いて、宛名がA社、10月分、110,000円であることを見た。ファイル名は「請求書_B社_202610_No123.pdf」。Toは佐藤様、CCは田中様と上司/保存の決まりと、送ったあとの確かめ=送ったメールと請求書のファイルは消さない。置き場所は経理の鈴木さんに確認する。3日たって返事が無ければ、佐藤様に届いているかを電話で聞く。(数字と名前は説明用の例)
CHECK
ここまでできたら、次へ。
送り先とメールでよいことを、だれから聞いたかが書いてあり、件名と本文に何月分・番号・支払期日が入っていて、添付を開いて宛先と見比べてある。
うまく進まなかったときは?
送り先が分からなければ、相手の担当者に「請求書は、どなたあてにお送りすればよいでしょうか」と聞く。本文の金額で迷ったら、請求書の控えを横に置いて写す。保存のしかたが分からなければ、経理の担当に「送った請求書のメールは、どこに残せばよいでしょうか」と聞く。