NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 37 · 営業の実践ノート

商談とは:意味と流れ、初めての商談で準備すること

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商談とは、売り手と買い手が、取引の条件を話し合う場のことです。流れは「準備→あいさつ→聞く→提案→確認→次の約束→記録」の7つに分けて、この記事では説明します。初めての商談では、今日のゴールを一つ決め、聞くことを3つ書いてから行きます。

今日できるようになること

次の商談について、今日のゴールを一つと、聞くことを3つ、紙に書く。

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こんなときに 初めての商談の前に、全体の流れと準備を確かめたいとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    相手と場面を確かめ、今日のゴールを一つ決める

  2. 2

    あいさつの後、聞くことから始める

  3. 3

    決まったことと、次の約束を声に出して確かめる

  4. 4

    建物を出たら、その日のうちに記録する

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

商談とは:売り手と買い手が、取引の条件を話し合う場

商談とは、売り手と買い手が、取引の条件を話し合う場のことです。何を、いくつ、いくらで、いつまでに、どんな条件で、という中身を、お互いに確かめながら決めていきます。一回で決まることもあれば、何回かに分けて進むこともあります。

似た言葉に「打ち合わせ」と「面談」があります。打ち合わせは、すでに決まった仕事の進め方を相談する場面、面談は、人と会って話すこと全般、という意味で使い分けられることが多い言葉です。ただ、線の引き方は会社によって違います。社内で「来週の打ち合わせ」と呼ばれている予定が、中身は商談であることもあります。

呼び名より大事なのは、その場で何を決めたいかです。初めての人は「うまく話さなければ」と考えがちです。けれども商談は、一方的に説明する場ではありません。相手と一緒に、条件を確かめていく場です。

この記事は、商談全体の地図です。全体の流れと、初めての人が準備することを説明します。各段階のくわしいやり方は、それぞれの記事へ案内します。

商談の流れ:準備から記録までの7つの段階

商談の進め方は、会社や商品で違います。ここでは、広く行われている順番を7つの段階に分けます。右の列は、その段階を飛ばすと起きやすいことです。

段階やること飛ばすと起きやすいこと
1. 準備相手を調べ、今日のゴールを一つ決め、持ち物をそろえる終わった後に、話が進んだのかどうかが分からない
2. あいさつ名乗り、時間をもらったお礼を言い、用件と終わりの時刻を確かめる相手が「何の話で、いつ終わるのか」を気にしたまま聞くことになる
3. 聞く今のやり方と、困っていることを聞く相手に関係のない説明を、長く続けてしまう
4. 提案聞いたことに合わせて、商品や条件を伝える相手が、自分の話を聞いてもらえたと感じにくい
5. 確認決まったことと、まだ決まっていないことを声に出すお互いの受け取り方が違ったまま帰ることになる
6. 次の約束誰が・何を・いつまでにやるか、次にいつ会うかを決める「検討します」のまま、連絡するきっかけがなくなる
7. 記録聞いたことと約束を、その日のうちに書く約束の中身と期限を思い出せなくなる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

それぞれの段階には、くわしい記事があります。

初回の商談で、7つすべてが進むとは限りません。初めて会う日は、聞くところまでで時間になり、提案は次回、という進み方もよくあります。提案まで行かなかったから失敗、ではありません。聞けたことと、次の約束が残っていれば、商談は次へつながっています。

初めての商談で準備する5つのこと

当日の受け答えは、準備で大きく変わります。前の日までに、次の5つを紙に書きます。下の実践シートと同じ並びです。

  1. 相手と場面を確かめる。誰が出てくるか、何人か、場所はどこか、時間は何分か。分からない点は、約束を取った人か先輩に聞きます。人数が分かると、資料と名刺の数が決まります。
  2. 今日のゴールを一つ決める。「次回、見積を出す約束をもらう」「今の買い方を聞く」のように、終わったときにできたかどうかが分かる形にします。ゴールがないと、何を話しても「良い商談だった」としか振り返れません。
  3. 聞くことを3つ書く。今のやり方、困っていること、決める人、の3つから始めると書きやすくなります。頭で覚えるより、ノートに書いて持っていくほうが、緊張しても聞きもらしが減ります。
  4. 持ち物をそろえる。名刺、会社案内、資料(人数分と予備)、ノートとペン、訪問先の地図や連絡先。資料は、相手の机の上で向きを変えて見せられるように、取り出しやすい順にかばんへ入れます。
  5. 終わりに言う一言を決める。「次回は◯◯をお持ちします。来週のご都合はいかがですか」のように、次の約束を聞く言葉を先に作っておきます。その場で考えると、言い出せないまま席を立つことになりがちです。

持ち物は、高い物である必要はありません。資料が折れずに入ること、相手の前で名刺がすぐ出せること、の2つができていれば足ります。かばんは、床に置いたときに倒れないと、資料を出す手が止まりません。

先輩に同行する場合は、もう一つあります。自分の役割を、前の日に聞いておくことです。「明日の商談で、私は何をすればよいですか。メモ係でよいですか」と聞きます。役割が分からないまま座ると、話してよいのかどうかを迷い続けて、メモも取れなくなります。

場面で変わるところ

7つの段階という骨組みは同じでも、場面によって力を入れる所が変わります。次の表は一例です。

場面力を入れる所進め方(一例)
初回の商談聞くことと、次の約束説明は短くし、今のやり方を聞く。提案は次回に回してもよい
2回目以降の商談前回の約束の結果から話す「前回お約束した◯◯をお持ちしました」と始める。前回のメモを読んでから行く
対面資料の見せ方と、相手の様子資料は相手が読める向きで置く。相手が資料を見ている間は、話を止めて待つ
オンライン区切りごとの確認と、終わった後の文字接続と資料の画面を、始まる前に確かめる。話の区切りで「ここまでで、分かりにくい所はありませんか」と聞く
相手が1人その人が決められる範囲を聞く「お決めになるのは、どなたですか」と確かめる
相手が複数誰が何を気にしているかを分けてメモする発言した人の名前を、メモの行の頭に書く。一人だけに向かって話し続けない
先輩に同行役割を守り、メモを取る話すのは先輩。聞かれたら短く答える。帰りに、先輩とメモを見比べる
一人で行く答えられないことの持ち帰り方その場で決められないことは、返事の期限を約束して持ち帰る

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

オンラインでは、相手の表情や手元が見えにくくなります。対面なら、相手が首をかしげた所で説明を足せます。オンラインではそれが分かりにくいので、こちらから区切って聞きます。終わった後は、決まったことと次の予定を、メールで文字にして送ると、受け取り方の違いに早く気づけます。

相手が複数のときは、役職が上の人だけを見て話しがちです。けれども、実際に商品を使う人や、手配をする人が同席していることがあります。その人が気にしている点を聞きもらすと、後で「現場が困る」と話が止まることがあります。

相手がその場で決められない場合の進め方は、「社長に相談します」と言われたらにまとめています。

言い方の例:始めの一言と、終わりの確認

商談でいちばん言葉に詰まりやすいのは、始めと終わりです。ここに挙げる会話は、どれも説明用の例です。自分の商品と相手に合わせて言い換えてください。

始めの一言

惜しい言い方:「本日はよろしくお願いします。早速ですが、弊社の商品をご説明します」

良い言い方:「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。30分と伺っております。最初に、今のコピー用紙の買い方を少し伺って、その後で弊社の案内をいたします。よろしいでしょうか」

惜しい言い方は、礼儀は足りていますが、相手は「何分かかるのか」「何を聞かれるのか」が分かりません。良い言い方は、時間・順番・相手の了解の3つを先に置いています。相手は、聞かれる心づもりができます。

終わりの確認

惜しい言い方:「本日はありがとうございました。ぜひご検討ください。またご連絡します」

良い言い方:「本日伺ったのは、月に一度まとめて買っておられること、置き場所が足りないこと、の2点でした。次回、小分けで納める場合の見積をお持ちします。来週の木曜か金曜で、ご都合はいかがでしょうか」

惜しい言い方は、誰が・いつ・何をするのかが残りません。「またご連絡します」は、こちらの都合だけを伝えています。良い言い方は、聞いたことの要約・自分がやること・次の日取りを言っています。聞き違いがあれば、相手がその場で直してくれます。

答えられない質問を受けたとき

惜しい言い方:「たぶん、大丈夫だと思います」

良い言い方:「正確にお答えしたいので、社内で確認します。明日の午後までに、お電話でお返事します」

「たぶん」で答えると、相手はそれを約束として受け取ることがあります。分からないことは、分からないと言い、返事の期限と方法を約束します。持ち帰ること自体は、失礼ではありません。期限がないまま持ち帰ることが、相手を待たせます。

迷いやすい判断と、失敗のあと

判断1:値引きや納期を、その場で聞かれたら?

基準は、自分に決めてよいと言われている範囲かどうかです。範囲の中なら答えます。範囲が分からない、または外なら、「できます」とも「できません」とも言わず、返事の期限を約束して持ち帰ります。

上司には、相手の言葉をそのまま伝えます。「A社から、月に2回の納品にできるかと聞かれました。お受けしてよいですか。明日の午後までに返事をすると伝えています」のように、内容と期限をそろえて聞きます(説明用の例です)。見積を出す前の確認は見積書を送る前に確認する7項目にまとめています。

判断2:相手の話が長くなり、時間が足りなくなったら?

相手の話をさえぎって、用意した説明を始める必要はありません。相手が話している内容は、聞くつもりだったことの答えであることが多いからです。基準は、終わりの時刻の5分前になったら、次の約束だけは確かめることです。

「お時間が近づいてまいりました。続きは次回、資料をお持ちしてご案内してもよろしいでしょうか」と言います。説明が残っても、次の約束があれば、続きができます。

判断3:商談中に、メモを取ってよい?

メモは取ってかまいません。始める前に「メモを取らせていただいてもよろしいですか」と一言断ると、相手も話しやすくなります。メモを取らずに聞いていると、相手からは、後で覚えているのかどうかが分かりません。

書くのは、相手の言葉のうち、数字・日付・名前と、困り事の言い回しです。全部を書こうとすると、顔を上げられなくなります。書き切れなかった所は、建物を出てすぐに足します。

判断4:商談の後、連絡はいつすればよい?

自分が「やります」と言ったことは、約束した期限までに届けます。それとは別に、会った日のうちか次の日に、お礼と、確かめた内容を短く送ると、約束の中身が文字で残ります。送る内容に迷ったら、商談後メモからお礼メールを作る道具が使えます。

失敗1:説明ばかりして、何も聞けなかった

その場では:話し過ぎたと気づいたら、そこで止めます。「ここまで一方的にお話ししてしまいました。今のやり方を、少し伺ってもよろしいですか」と言って、聞く側に回ります。残り時間が少なくても、一つ聞ければ、次回の話の入口になります。

帰ってからの記録:「説明した」で終わらせず、「聞けたこと:置き場所が足りない。聞けなかったこと:決める人、今の買い値。次回の最初に聞く」のように、聞けたことと聞けなかったことを分けて書きます(説明用の例です)。

失敗2:次の約束を決めずに、帰ってしまった

その場では:建物を出てから気づいても、間に合います。その日のうちに、お礼の連絡と一緒に、「次回、◯◯をお持ちしたいのですが、来週のご都合はいかがでしょうか」と聞きます。日がたつほど、相手の中で話が遠くなります。

帰ってからの記録:「次の約束:未定。本日メールで日程を伺った。返事がなければ、◯日に電話する」と、自分の次の動きと日付を書きます。次からは、終わりの一言をノートの最初の行に書いておきます。

失敗3:間違ったことを、答えてしまった

その場では:商談の途中で気づいたら、すぐ言い直します。「先ほどの納期は、私の思い違いでした。正しい日は、確認してお伝えします」。帰ってから気づいた場合は、次に会う日を待たず、その日のうちに連絡します。相手が、間違った内容を社内へ伝える前に直すためです。

帰ってからの記録:何を・どう間違えて・いつ・どう直したかを書き、上司にも伝えます。報告の順番は、営業で失敗したときにまとめています。

今日やることは一つです。次の商談について、今日のゴールを一つと、聞くことを3つ、ノートに書いてください。

打ち合わせの内容を残す書き方は、議事録の書き方にまとめています。

商談の最初の数分はアイスブレイクとはに、最後に決めることはクロージングとはにまとめています。

一回の訪問で話す順番は、営業トークのコツにまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
次の商談の予定(相手・日時・場所)、相手の会社のホームページ、ノートとペン。

記入例を見る(説明用)

相手と場面=A社の総務の佐藤様。初回。対面で、相手は1人の予定。先輩に同行する。時間は30分/今日のゴール=今お使いのコピー用紙の買い方を聞き、次回、見積をお持ちする約束をもらう/聞くこと3つ=(1)今はどこから、どれくらいの間隔で買っているか (2)今の買い方で困っていることはあるか (3)買う先を決めるのは、どなたか/持ち物=名刺(予備を入れて10枚)、会社案内2部、商品の一覧2部、ノートとペン、訪問先の地図/終わりに確かめること=「次回、見積をお持ちしてよいか」「いつ頃がよいか」。同行なので、最後の確認は先輩が言う。自分はメモを取り、帰りに先輩とメモを見比べる。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

今日のゴールが一つ書いてあり、聞くことが3つあり、終わりに確かめる「次の約束」を言葉にしてある。

うまく進まなかったときは?

ゴールが決まらないときは、「次に会う約束をもらう」にする。聞くことが浮かばなければ、「今はどうされていますか」「お困りの点はありますか」「どなたが決められますか」の3つから始める。相手の人数や時間が分からなければ「未確認」と書き、約束を取った人か先輩に聞く。

NEXT NOTE

次に読むなら

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