NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 162 · 営業の実践ノート

報告書の書き方:結論・事実・自分の考え・次にやることの順に書く

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報告書は、読む人が次の判断をするための書類です。書く順は、結論→事実→自分の考え→次にやること・お願い、の4つにすると、読む人が知りたい順になります。この記事では、営業が書くことの多い、訪問・商談、出張、研修、月の報告を例に、書く前に確かめることと、事実と推測の分け方、数字と日付での書き方を説明します。会社に書式があれば、そちらが先です。

今日できるようになること

これから書く報告書を一つ決め、読む人と、その人が決めることを書いてから、結論の一文を先に書く。

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こんなときに 報告書を出すように言われたが、何から書けばよいか分からず、したことを時間の順に並べてしまうとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    読む人・その人が決めること・会社の書式を確かめる

  2. 2

    結論を一文で書く

  3. 3

    事実を、数字と日付で書く(推測は分ける)

  4. 4

    次にやることとお願いを書き、見直してから出す

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

報告書とは:報告する事柄を記した文書

報告書は、辞書では「報告する事柄を記した文書。」(デジタル大辞泉「報告書」)と説明されています。もとになる「報告」は、「告げ知らせること。特に、ある任務を与えられた者が、その経過や結果などを述べること。また、その内容。」(デジタル大辞泉「報告」)です。

語釈には、「ある任務を与えられた者が」とあります。報告書は、仕事を任された人が、任せた人へ、経過や結果を文書で渡すものです。任せた人は、その場にいませんでした。報告書を読んで、初めて何があったかを知り、次にどうするかを決めます。

営業が書く報告書には、次のような種類があります。呼び方は会社によって違います。

  • 訪問・商談の報告:お客様と何を話し、何が決まったか
  • 出張の報告:出張で何をし、何が分かったか
  • 研修の報告:研修で何を学び、仕事でどう使うか
  • 月の報告(月報):一か月の動きと数字、次の月にやること

初めて書くときは、したことを朝から順に並べたり、「大変勉強になりました」のような感想で終えたりしがちです。どちらも、読む人が次に何を決めればよいかが書かれていません。

報告書は後に残り、後から別の人が読むこともあります。だから、日付と数字と名前を入れて書きます。口頭での報告・連絡・相談の伝え方は、報連相とはにまとめています。この記事では、文書にするときの書き方を扱います。

書く前に確かめる3つ

書き始める前に、3つを確かめます。ここを飛ばすと、書き上げた後に「知りたいのはそこではない」「書式が違う」と言われ、書き直しになります。

確かめること確かめ方確かめないと、どうなるか
だれが読むか上司に「この報告書は、どなたまで回りますか」と聞く直属の上司だけが分かる略語で書き、ほかの部署の人が読めない
何を決めるために読むか「この報告で、何を判断されますか」と聞く。聞きにくければ、前の報告書の後に何が決まったかを見る読む人が知りたい数字や事実が、入っていない
会社の書式共有フォルダを探す。先輩に、前に出された報告書を見せてもらう決まった項目が抜け、出し直しになる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

二つめが、いちばん大事です。同じ訪問でも、読む人が決めることによって、書く中身が変わります。上司が「見積の条件を決めたい」のなら、相手の希望と数量と時期を厚く書きます。「次に同行するかを決めたい」のなら、相手の会社でだれが決めるのか、次の打ち合わせがいつかを厚く書きます。

報告書の書式は、会社ごとに違います。会社に書式があれば、項目の名前と順番は、それに合わせます。この記事の並びは、書式が無いときや、「所見」「報告事項」のような欄に何を書けばよいか分からないときの一例です。

並び:結論→事実→自分の考え→次にやること・お願い

中身は、次の4つの順に書きます。下の実践シートと同じ並びです。

  1. 結論。いちばん伝えたいことを、一文で書きます。「A社から見積の依頼を受けた」「研修で、見積書の確かめ方を学んだ」などです。読む人は、ここだけ読んでも要点が分かります。忙しい人は、最初の数行で、続きを今読むか後で読むかを決めます。
  2. 事実。見たこと、聞いたこと、数えたことを書きます。日付、数字、だれが言ったかを入れます。結論の裏づけになる部分です。
  3. 自分の考え。事実から、自分がどう考えたかを書きます。会社の書式では「所見」「考察」と呼ばれる欄です。事実とは、段落か欄を分けます。
  4. 次にやること・お願い。だれが、何を、いつまでにやるか。読む人に決めてほしいこと、手伝ってほしいことがあれば、ここに書きます。ここが無いと、報告書は「読んで終わり」になります。

事実と推測を分ける

辞書では、事実は「実際に起こった事柄。現実に存在する事柄。」(デジタル大辞泉「事実」)、推測は「ある事柄をもとにして推量すること。」(デジタル大辞泉「推測」)と説明されています。報告書では、この二つを混ぜないことが大切です。読む人は、書かれたことを事実として受け取り、それをもとに決めるからです。

種類見分け方書き方の例(説明用)
事実自分で見た、聞いた、数えた。記録で確かめられる佐藤様が「今の物は納期が遅い」と話した
推測事実から、自分が考えたこと納期の早さを示せば、比べてもらいやすいと考える(推測)
未確認まだ確かめていないことほかの会社にも見積を頼んでいるかは、未確認

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

見分けるときは、文の終わりを見ます。「〜と話した」「〜だった」「〜件」は事実、「〜と思われる」「〜だろう」「〜と考える」は推測です。相手の言葉は、言い換えずに、かぎかっこで書くと、事実のまま残ります。

数字と日付で書く

「多い」「近いうちに」「かなり」は、読む人によって受け取り方が違います。数えられるものは数字で、時期は日付と曜日で書きます。「多くの問い合わせ」ではなく「問い合わせ5件」、「来週」ではなく「◯月◯日(火)」です(説明用の例です)。数えていないものは、無理に数字にせず、「未測定」と書きます。出す前に、いつ・だれが・なにを、が抜けていないかを確かめる方法は、5W1Hとはにまとめています。

長さ

長さに、決まった基準はありません。目安は、読む人が決めるのに要る分だけです。会社の書式が一枚なら、一枚に収めます。経過を細かく残したいときは、本文には要点を書き、細かい記録は「別紙」として後ろに付けます。

惜しい例と良い例

同じ訪問を書いた、二つの例を比べます。どちらも説明用の例です。

惜しい例:

本日、A社を訪問しました。最初に会社の説明をし、その後、商品の説明をしました。佐藤様はとても熱心に聞いてくださり、良い雰囲気でした。いろいろとお話を伺うことができ、手応えを感じました。今後も、引き続き頑張ります。

良い例:

結論:A社から、見積の依頼を受けました。◯月◯日(金)までに出します。

事実:◯月◯日(火)14時に訪問。相手は総務の佐藤様。「今の物は納期が遅く、困っている」とのお話でした。数量は20個。決めるのは佐藤様の上司の課長で、来週の打ち合わせに同席される予定です。ほかの会社への見積の依頼は、未確認です。

考え:納期の早さを先に示すと、比べていただきやすいと考えます(推測)。

次にやること・お願い:私が◯月◯日(木)までに見積の案を作ります。納期を何日と書いてよいか、ご確認をお願いします。

違いは3つです。

  • 結論が先にあるか。惜しい例は、したことの順に書かれ、何が決まったのかが出てきません。
  • 事実が、数字と日付と名前で書かれているか。「良い雰囲気」「手応え」は、書いた人の感じ方です。読む人は、それをもとに決められません。
  • 次にやることがあるか。「引き続き頑張ります」は、だれが・何を・いつまでに、のどれも入っていません。

感想を書くなら、「考え」の欄に、事実と分けて書きます。

場面別の短い見本:訪問・出張・研修・月の報告

場面ごとに、書く中身の重みが変わります。次の表は、その一例です。

場面結論に書くこと事実に書くこと次にやること・お願い
訪問・商談何が決まったか、次に何をするか日時、相手、相手の言葉、数量、期限見積や資料の期限、上司に決めてほしい条件
出張出張の目的が、どこまで果たせたか行った先と日付、会った人、分かったこと持ち帰った宿題の担当と期限
研修何を学び、仕事のどこで使うか研修の名前・日付・内容の要点明日から変える行動を一つ、分からなかった点の質問
月の報告その月の数字と、いちばんの変化訪問や見積の数、決まった件、決まらなかった件次の月に変えること、上司に相談したいこと

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

短い見本を3つ示します。項目の名前は、会社の書式に合わせて変えてください。どれも説明用の例で、日付・数字・人名も例です。

1. 訪問の報告

前の章の「良い例」が、そのまま見本になります。件名は、「◯月◯日 A社 訪問報告(見積の依頼)」のように、日付・相手・要点を入れます。

2. 出張の報告

件名:◯月◯日〜◯日 ◯◯方面 出張報告

結論:目的としていた3社への訪問のうち、2社で次の打ち合わせの日が決まりました。1社は担当の方が不在で、あいさつのみです。

事実:◯日(水)B社を訪問。鈴木様と面談。新しい商品の資料を希望され、◯日(月)までに送る約束をした。◯日(木)午前、C社を訪問。高橋様と面談。次回は◯月◯日(火)にオンラインで打ち合わせ。同日午後、D社を訪問。担当の方が不在で、名刺と資料を受付に預けた。

考え:D社は、事前に日時の約束をしていなかったことが原因と考えます。

次にやること:B社への資料は、私が◯日(月)までに送ります。D社へは、◯日(金)に電話をして、あらためて日時を伺います。

出張の報告は、読む人が「目的が果たせたか」を知りたいので、結論は目的に照らして書きます。

3. 研修の報告

件名:◯月◯日 見積書の作り方研修 受講報告

結論:見積書を出す前に確かめる項目を学びました。明日から、送る前に、有効期限と納期の2か所を、注文の記録と見比べます。

事実:◯月◯日(火)13時〜15時、本社の会議室で受講。講師は営業部の先輩。内容は、見積書の項目、よくある誤り、送る前の確かめ方の3つ。

考え:自分がこれまでに出した見積書には、有効期限を書いていない物がありました。

次にやること・質問:今週出す見積書から、確かめを始めます。有効期限を何日にするかの決まりがあるか、教えてください。

研修の報告は、「勉強になりました」で終わりやすい所です。学んだことを一つ選び、いつから、どの仕事で、何を変えるかまで書くと、読む人は研修の成果を判断できます。研修中の記録の残し方と、作業・事実・数字・分かったこと・質問の5行の型は、「頑張りました」しか報告できなかった研修にまとめているので、ここでは重ねません。

月の報告

月の報告は、数字が中心になります。「訪問32件、見積6件、受注2件」のように、同じ項目を毎月同じ順に並べます(説明用の例です)。項目をそろえておくと、前の月と比べられます。数字の後に、「次の月に変えること」を一つ書きます。一週間ごとに数えて見直す方法は、PDCAとはで説明しています。

ほかの書類との違いと、迷いやすい判断

報告書と似た書類が、いくつかあります。次の表は、辞書の語釈をもとにした整理の一例です。呼び方と使い分けは、会社によって違います。

書類辞書の説明中心になる内容くわしい記事
報告書「報告する事柄を記した文書。」(デジタル大辞泉「報告書」)任された仕事の経過と結果、次にやることこの記事
日報「毎日行う報告。」(デジタル大辞泉「日報」)その日の動きと、次の日の予定営業日報テンプレート
議事録「議事の内容・審議経過・議決事項などを記録したもの。会議録。」(デジタル大辞泉「議事録」)会議で決まったこと、担当、期限議事録の書き方
顛末書「顛末」は「事の最初から最後までの事情。一部始終。」(デジタル大辞泉「顛末」)トラブルの経過、原因、再発を防ぐ手立て顛末書の書き方
始末書「過ちをわびるために、事情を記して関係者に提出する書類。」(デジタル大辞泉「始末書」)おわびと、事情の説明始末書の書き方

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

上司から「報告書を出して」と言われても、中身はトラブルの経過を求められている、ということがあります。名前だけで決めず、「何について、どなたあてに書く書類ですか」と確かめます。それぞれの書き方は、表の右の記事を見てください。

判断1:うまくいかなかったことも、書く?

書きます。報告書は、読む人が次を決めるための材料です。良いことだけを書くと、読む人は誤った前提で決めることになります。書き方は、事実→自分の考え→次にやること、の順です。「D社は担当の方が不在で、会えなかった。事前の約束をしていなかったため。次は、電話で日時を伺ってから訪問する」(説明用の例です)。

判断2:いつまでに出す?

会社に期限の決まりがあれば、それに合わせます。決まりが無ければ、頼まれたときに「いつまでにお出しすればよいですか」と聞きます。聞けなかったときは、記憶が確かなうちに、早めに出します。日がたつほど、相手の言葉や数字があいまいになるからです。急ぐ中身(お客様との約束の期限が近い、トラブルの気配がある)は、報告書を待たずに、先に口頭で伝えます。

判断3:メールやチャットで出してよい? 紙の書式が要る?

これも、会社の決まりによります。決まりが無ければ、上司に「メールの本文でよいですか、書式に入れて添付しますか」と聞きます。メールの本文で出すときも、並びは同じです。件名に日付と相手と要点を入れ、本文の最初に結論を書きます。出した報告書の控えは、後で月の報告や面談の資料に使えるので、探せる形で残します(書類の整理)。

出したあと1:数字や日付の誤りに気づいた

その場では:気づいた時点で、出した相手に伝えます。読んだ人が、その数字をもとに動き始めているかもしれないからです。「◯月◯日にお出しした訪問報告に、誤りがありました。見積の数量を30個と書きましたが、正しくは20個です。申し訳ございません。訂正したものをお送りします」(説明用の例です)。どこが、どう変わるかを書き、直した版を出します。直した版には、「◯月◯日 訂正」と入れ、前の版と区別できるようにします。

後の記録:なぜ間違えたかを、事実で書きます。「記憶で書いた。次からは、商談メモと見比べてから出す」のような形です(説明用の例です)。お客様へ出した書類の誤りにつながっていたら、先に上司へ報告します(営業で失敗したとき)。

出したあと2:推測を、事実のように書いていた

その場では:「◯◯の件は、相手に確かめたことではなく、私の推測でした」と伝えます。あわせて、いつ、だれに確かめるかを書きます。確かめた後で、結果をもう一度伝えます。

出したあと3:「知りたいのは、そこではない」と言われた

その場では:書き直す前に、聞きます。「失礼しました。どの点を、くわしくお知りになりたいですか」。全部を書き直すより、足りない所だけを足すほうが早く済みます。

後の記録:その上司が報告書で見る所を、メモに残します。「課長は、決める人と時期を先に見る」のような形です(説明用の例です)。次に書くときの「書く前に確かめる3つ」が、短く済みます。机の上で下書きや控えが散らかるなら、デスク周りの収納も見てください。

今日やることは一つです。これから書く報告書を一つ決め、読む人と、その人が決めることを書いてから、結論の一文を書いてください。

毎日の報告の書き方は、日報の書き方にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
商談メモや予定表、見積書や注文書の控え、会社の報告書の書式(あれば、前に出された報告書も)。

記入例を見る(説明用)

読む人と、その人がこの報告書で決めること=課長。A社へ出す見積の条件を、このまま進めてよいかを決める/結論=A社から見積の依頼を受けた。◯月◯日(金)までに出す/事実=◯月◯日(火)14時に訪問。相手は総務の佐藤様。今使っている物の納期が遅いことに困っている、と佐藤様が話した。数量は20個。決めるのは佐藤様の上司の課長で、来週の打ち合わせに同席される予定。ほかの会社にも見積を頼んでいるかは未確認/自分の考え=納期の早さを先に示すと、比べてもらいやすいと考える(推測)。金額の希望は聞けていない/次にやること・お願い=私が◯月◯日(木)までに見積の案を作る。納期を何日と書いてよいか、木曜の午前までにご確認いただきたい。次回の訪問は◯月◯日(火)(日付・社名・人名・数量は説明用の例)。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

読む人と、その人が決めることが書いてあり、結論が一文で先に書いてあり、事実と自分の考えが分けてあり、次にやることに担当と期限が付いている。

うまく進まなかったときは?

結論が書けなければ、「この報告で、いちばん伝えたいことは何か」を声に出して言い、その言葉をそのまま書く。事実と考えが混ざるなら、「見た・聞いた・数えた」ことだけを先に書き出し、残りを考えの欄へ移す。書式が分からなければ、上司に「前に出された報告書を、一つ見せていただけますか」と聞く。

NEXT NOTE

次に読むなら

5W1Hで抜けを確かめる議事録の書き方を見るPDCAで一週間を見直す