NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 126 · 営業の実践ノート

見積依頼メールの書き方:相手がそのまま見積を作れるように、項目をそろえて頼む

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見積依頼メールは、相手が聞き返さずに見積を作れるように、品名・数量・納期・納入場所などの項目をそろえて頼むメールです。項目が足りないと、相手は想像で埋めるか、問い合わせるかのどちらかになり、見積が届くのが遅れます。この記事では、営業が仕入先・外注先・メーカーへ見積を頼むときの書き方と、取引先から見積依頼を受けたときに確かめることの両方を説明します。

今日できるようになること

これから見積を頼む一件について、品名・数量・納期・納入場所・提出の期限を書き出し、決まっていない項目に「未定」と書く。

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こんなときに お客様への提案のために、仕入先やメーカーへ見積を頼むことになり、何を書けばよいか分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    お客様の依頼から、見積に要る条件を書き出す

  2. 2

    決まっている項目と、未定の項目を分ける

  3. 3

    件名と本文に、項目を箇条書きで書く

  4. 4

    提出の期限と、質問の連絡先を書いて送る

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

見積依頼メールで、相手が知りたいこと

お客様から「10台入れたら、いくらになりますか」と聞かれた。自分の会社で作っていない商品なので、仕入先に値段を聞くことになる。営業は、見積を出す側であると同時に、見積を頼む側にもなります。

このとき、「[商品名]の見積をお願いします」とだけ送ると、相手は見積を作れません。何台か、いつまでに、どこへ届けるのか。数量で単価が変わる商品もあれば、届け先で送料が変わる商品もあります。相手は、次のどちらかをすることになります。

  • 分からない条件を、質問のメールで聞き返す。やり取りが一往復増え、見積が届くのが遅れる。
  • 分からない条件を、想像で埋めて見積を作る。後で条件が違うと分かり、作り直しになる。

どちらも、困るのは自分です。お客様に約束した日に、見積を出せなくなります。見積依頼メールで大事なのは、文章の丁寧さよりも、相手が聞き返さずに見積を作れるだけの項目がそろっていることです。

自分が見積書を出す側のとき、何を確かめるかを思い出すと、分かりやすくなります。見積書に載る項目の意味は見積書の書き方に、送る前の点検は見積書を送る前に確認する7項目にまとめています。見積を頼むメールは、その裏返しです。相手が見積書の欄を埋めるのに要る材料を、こちらから渡します。

なお、会社によっては、見積を頼む相手の選び方や、何社から見積を取るかに、購買の決まりがあります。この記事ではメールの書き方を扱います。決まりそのものは、自分の会社の購買の決まりに従ってください。

依頼に書く項目と、件名

次の表は、見積依頼に書く項目の一例です。商品や取引の形で、要る項目は変わります。

項目書くこと書かないと、どうなるか
品名・型番商品名と、カタログに載っている型番。仕様(色・大きさなど)似た別の商品で見積が届く
数量台数・個数と単位。数量で比べたいなら「10台の場合と20台の場合」数量で単価が変わる商品だと、金額が合わない
納期いつまでに届けてほしいか。希望か、動かせない日か間に合わない前提の見積が届く
納入場所届け先の地域と、届け方(自社へ・お客様へ直接)送料や運び方が決まらない
支払条件これまでの取引と同じか、変えたい点があるか後で条件の話になり、決まるのが遅れる
見積の有効期限いつまで有効な見積がほしいかお客様の返事を待つ間に、期限が切れる
提出の期限いつまでに見積がほしいか(日付と時刻)相手が優先の順番を決められない
その他設置や作業が要るか、見積書の宛名、質問の連絡先作業の費用が抜ける。宛名が違う

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

見積の有効期限は、相手が決めるものです。ただ、こちらの事情(お客様の会議が月末にある、など)を伝えておくと、相手は期限を考えるときの材料にできます。

項目は、文章の中に埋めずに、箇条書きにします。相手は、メールを見ながら見積書の欄を埋めていきます。箇条書きなら、欄と一つずつ見比べられます。

件名

件名は、開く前に「見積の依頼だ」「何の商品か」「いつまでか」が分かる形にします。

  • 惜しい例:「お見積りのお願い」
  • 良い例:「【お見積り依頼】[商品名]10台(◯月◯日までにご提出のお願い)/[自社名][氏名]」

惜しい例は、相手が後でメールを探すときに、ほかの依頼と区別が付きません。件名の組み立て方は、メールの件名の書き方にまとめています。

惜しい例と良い例

次の二つは、仕入先へ見積を頼むメールの、説明用の例です。社名・人名・商品・数量・日付は、すべて例です。

惜しい例

B社 鈴木様

いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。

[商品名]の見積をお願いできますでしょうか。なるべく早めにいただけると助かります。

よろしくお願いいたします。

言葉づかいに、失礼な所はありません。足りないのは項目です。数量、納期、届け先が無く、「なるべく早め」がいつなのかも分かりません。鈴木様は、聞き返すメールを書くことになります。

良い例

B社 鈴木様

いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。

下記の内容で、お見積りをお願いできますでしょうか。お客様への提案に使うためのものです。

・品名:[商品名](型番:[型番])

・数量:10台

・納期:◯月◯日(◯)までに納品

・納入場所:[市区町村]のお客様先へ、直接納品(設置の作業は不要です)

・支払条件:これまでのお取引と同じ条件

・見積書の宛名:[自社名]

お客様の社内の会議が今月末にあるため、見積の有効期限は、来月末までいただけますと助かります。

お手数ですが、◯月◯日(◯)の正午までに、メールでお送りいただけますでしょうか。期限が難しい場合は、ご都合をお知らせください。

色は、お客様に確認中です。分かり次第、ご連絡します。色によって価格が変わる場合は、あわせてお知らせください。

ご不明な点は、このメールへの返信か、[電話番号]までお願いいたします。

良い例には、四つの工夫があります。

  1. 何のための見積かを書いている。「お客様への提案に使う」と分かれば、相手は、急ぎの度合いや、後で数量が変わるかもしれないことを見込めます。
  2. 項目が箇条書きになっている。相手は、見積書の欄と見比べながら作れます。
  3. 提出の期限が、日付と時刻で書いてある。「なるべく早め」は、人によって受け取り方が違います。日付があれば、相手は間に合うかどうかを答えられます。難しい場合の逃げ道も書いてあります。
  4. 未定の項目を、未定と書いている。何が決まっていないかが分かれば、相手は、そこを除いて作るか、待つかを選べます。

メール全体の組み立て(宛名・名乗り・結び・署名)は、ビジネスメールの書き方を見てください。

場面で変わるところ:条件が未定のとき・複数の会社へ頼むとき

条件が決まっていないとき

お客様の話がまだ固まっておらず、数量や納期が決まらないまま、先におおよその金額を知りたいことがあります。このときは、「概算でよい」ことと、何が未定かを、はっきり書きます。

「お客様の検討が始まったところで、数量と納期はまだ決まっておりません。予算の目安をお伝えするために、10台の場合の概算の金額を教えていただけますでしょうか。正式なお見積りは、条件が決まりましたら、あらためてお願いいたします」

相手は、正式な見積書を作るのか、目安の金額を答えればよいのかで、かける手間が変わります。概算だと伝えずに頼むと、相手は正式な見積を作り、こちらは後で「条件が変わったので、もう一度」と頼むことになります。相手の手間を二度使うことになります。

受け取った概算を、お客様にどう伝えるかにも気をつけます。目安の金額を、決まった金額のように伝えない書き方は、見積書を送る前に確認する7項目の「未確定の納期を、確約に変えない」の章と同じ考え方です。

複数の会社へ頼むとき

同じ内容の見積を複数の会社から取って比べることを、相見積もり(あいみつもり)と呼びます。このときに気をつけることは、三つあります。

気をつけること理由やり方
同じ条件で頼む条件が違うと、金額を比べられない品名・数量・納期・納入場所の箇条書きを、同じ文面にする
ほかの会社のあて先を見せないどの会社に頼んでいるかは、相手に見せる情報ではない一社ずつ、別のメールで送る。CCに並べない
ほかの会社の金額や見積書を見せない相手の会社の取引の情報を、別の会社に渡すことになる見積書を転送しない。金額を引き合いに出して交渉するかどうかは、上司に相談する

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

一斉に送ろうとして、あて先に複数の会社を並べると、頼んだ相手の全員に、ほかの会社の名前とアドレスが見えます。手間でも、一社ずつ送ります。To・CC・BCCの違いと、あて先を間違えたときの動きは、CCとBCCの違いにまとめています。

相見積もりであることを、相手に伝えるかどうか。これは、会社の方針で分かれます。伝えると、相手は、採用されないこともあると分かったうえで作れます。伝えない会社もあります。自分で決めずに、先輩に「相見積もりであることは、お伝えしてよいですか」と聞きます。伝える場合の一文は、「今回は、複数の会社にお見積りをお願いしております」です(説明用の例です)。どの会社に頼んでいるかまでは、書きません。

急ぎのとき

提出の期限が短いときは、メールを送った後に、電話で一言伝えます。「先ほど、見積のお願いをメールでお送りしました。期限が短く、申し訳ありません。◯日の正午までに、間に合いそうでしょうか」と聞きます(説明用の例です)。間に合わないと分かれば、お客様に伝える日を、早めに相談できます。

見積を受け取ったあとの返事と、依頼を受けたときに確かめること

受け取ったら、まず返事をする

見積が届いたら、その日のうちに、受け取ったことを返します。相手は、届いたかどうか、いつ結果が分かるかを気にしています。

「お見積りをお送りいただき、ありがとうございます。確かに受け取りました。お客様へは◯日に提案し、◯日ごろにお返事をいただく予定です。結果が分かりましたら、あらためてご連絡します」

届いた見積書は、頼んだ項目と一つずつ見比べます。数量、納期、届け先が、依頼と同じかどうか。違う所があれば、理由を相手に聞きます。相手が何かに気づいて変えていることもあります。

断るときの一言

見積を作ってもらったのに、発注しないこともあります。お客様が見送った、ほかの会社に決まった、という場合です。結果が出たら、頼んだ相手に知らせます。返事が無いままだと、相手は在庫や人手を空けて待つことになり、次に頼むときに頼みにくくなります。

「先日は、[商品名]のお見積りをいただき、ありがとうございました。お客様の社内で検討した結果、今回は導入を見送ることになりました。お手間をおかけしたにもかかわらず、申し訳ございません。また機会がありましたら、ご相談させてください」

断るメールに書くのは、お礼、結果、おわびの三つです。ほかの会社に決まった場合も、その会社の名前や金額は書きません。理由をどこまで伝えるか(価格か、納期か)は、上司に確かめてから書きます。

取引先から見積依頼を受けたとき

今度は、自分が頼まれる側です。お客様から届く依頼は、項目がそろっているとは限りません。見積を作り始める前に、上の項目の表を、点検の表として使います。

  1. 届いたことを返す。「お見積りのご依頼、ありがとうございます。◯日までにお送りします」と、いつ出せるかを伝えます(説明用の例です)。
  2. 足りない項目を数える。品名・型番、数量、納期、納入場所、提出の期限のうち、書かれていないものを書き出します。
  3. まとめて聞く。「お見積りを作るにあたり、2点確認させてください」と、数を先に伝えて、一度で聞きます。思いついた順に何度も聞くと、相手の手を何度も止めます。
  4. 想像で埋めない。分からない条件を自分で決めて見積を作ると、後で食い違います。確かめられなかった条件は、見積書やメールに「◯◯の場合の金額です」と前提を書きます。

見積書の作り方と、送る前の点検は、見積書の書き方と見積書を送る前に確認する7項目に続きます。

迷いやすい判断と、間違えたあと

判断1:お客様の名前は、仕入先に伝えてよい?

会社や案件によって分かれます。お客様先へ直接納品してもらうなら、届け先として伝える必要が出てきます。一方、まだ提案の段階で、お客様の名前を出さないほうがよい案件もあります。基準は、相手が見積を作るのに、その情報が要るかどうかです。要らない段階なら、「[市区町村]のお客様」のように、地域だけを伝えます。迷ったら、先輩に「お客様の社名は、仕入先に伝えてよいですか」と聞いてから送ります。

判断2:電話で頼んでもよい?

急ぎのときや、内容を相談しながら決めたいときは、電話が向いています。ただ、電話だけだと、数量や納期が記録に残りません。電話で頼んだ後に、同じ内容をメールで送ります。「先ほどお電話でお願いした内容を、念のためお送りします」と書き、項目を箇条書きにします(説明用の例です)。聞き違いがあれば、相手がメールを見て気づけます。

判断3:期限を過ぎても、見積が届かないときは?

相手が忘れているとは限りません。メールが届いていない、メーカーへの確認に時間がかかっている、ということもあります。責める書き方にせず、状況を尋ねる形にします。「◯日にお願いしたお見積りの件、その後いかがでしょうか。行き違いでしたら申し訳ありません」と書きます(説明用の例です)。催促の書き方は、催促メールの書き方にまとめています。

判断4:見積をもらった後で、条件が変わったら?

数量や納期が変わったら、早めに相手に知らせて、見積の出し直しを頼みます。古い見積のまま話を進めると、発注の段階で金額が合わなくなります。頼むときは、何が、どう変わったかを一文で書きます。「数量が、10台から15台に変わりました。ほかの条件は同じです」のような形です(説明用の例です)。

間違えたあと1:数量や型番を間違えて頼んだ

その場では:気づいた時点で、すぐに連絡します。相手がすでに見積を作り始めているかもしれないので、メールに加えて電話でも伝えます。「先ほどの依頼に誤りがありました。数量は10台ではなく、20台です。お手数をおかけして申し訳ありません」と、誤りと正しい内容を並べて伝えます(説明用の例です)。件名には「【訂正】」と入れ、どのメールの訂正かが分かるようにします。

後の記録:「お客様のメモの数量を、写し間違えた。次からは、送る前に、お客様の依頼と自分の依頼メールを並べて、項目を一つずつ見比べる」のように、どこで間違えたかと、次に見る所を書きます(説明用の例です)。

間違えたあと2:複数の会社を、同じメールのあて先に並べて送った

その場では:自分だけで片づけようとせず、すぐに上司に報告します。「何時に、どの会社へ、どの欄で送ったか」を伝えます。相手へのおわびや、その後の動きは、上司の指示と会社の決まりに従います。送ってしまったメールを、黙って送り直すことはしません。

後の記録:送った時刻、あて先、報告した相手、その後に取った動きを、順に書きます。次からは、一社ずつ別のメールで送り、送る前にあて先の欄を声に出して読みます。

今日やることは一つです。これから頼む見積を一件決め、品名・数量・納期・納入場所・提出の期限を書き出して、未定の項目に「未定」と書いてください。

見積を出す側の営業がやることは、相見積もりとはにまとめています。

注文を受けたあとに出す書類は、注文請書の書き方と印紙の確認にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
お客様からの依頼のメモやメール(品名・数量・希望の時期)。商品のカタログや型番が分かる資料。会社の購買の決まり(誰の承認が要るか、何社から見積を取るか)が分かるもの。

記入例を見る(説明用)

見積を頼む相手と、何のための見積か=仕入先のB社、営業の鈴木様。A社(お客様)への提案に使う/品名・型番・数量=[商品名]、型番[型番]、10台。色は未定(A社に確認中)/納期・納入場所=◯月◯日(◯)までに、A社の本社([市区町村])へ直接納品。設置の作業は不要/支払条件・見積の有効期限・提出の期限=支払条件はB社との取引の決まりのとおり。有効期限は、A社の会議が月末なので、来月末まであるとありがたいと伝える。提出は◯月◯日(◯)の正午まで/未定の項目と、いつ・誰に確かめるか=色。A社の佐藤様に、明日の電話で確かめる。B社には「色は未定。分かり次第、連絡します。色で価格が変わる場合は教えてください」と書く。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

品名・数量・納期・納入場所・提出の期限が書いてあり、未定の項目には「未定」と、いつ・誰に確かめるかが書いてある。

うまく進まなかったときは?

項目が埋まらなければ、お客様からの依頼のメモを見直し、書かれていない項目を「未定」として並べる。お客様に確かめる前に、先輩に「見積を頼むのに、この項目が未定です。先に頼んでよいですか」と聞く。誰に頼めばよいか分からなければ、同じ商品を前に仕入れた先輩に聞く。

NEXT NOTE

次に読むなら

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