NOTE 147 · 営業の実践ノート
注文請書とは:注文書との関係、書く項目、印紙を確かめるところ
公開:2026年10月3日/更新:2026年10月4日
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注文請書(ちゅうもんうけしょ)とは、注文を受けた側が、「この内容で受けました」と相手に伝えるために出す書類です。注文書は頼む側が出し、注文請書は受ける側が出します。大事なのは、注文書と中身が合っていることです。注文請書には、収入印紙が要る場合があります。要るかどうかは書類の中身で変わるので、国税庁のページを確かめたうえで、会社の経理や法務の担当に聞きます。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 取引先から注文書が届き、先輩に「請書を出しておいて」と言われて、何を書けばよいか分からなかったとき。
- 1
注文書を、最初から最後まで読む
- 2
注文請書の項目を、注文書と一行ずつ見比べる
- 3
印紙と押印のことを、経理や上司に確かめる
- 4
相手に送り、送った日と方法を記録する
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
注文請書とは:注文を受けたことを、相手に伝える書類
見積書を出して、取引先から注文書が届いた。うれしい場面ですが、先輩から「請書(うけしょ)を出しておいて」と言われて、手が止まることがあります。注文書をもらったのに、こちらからも書類を出すのか。何を書くのか。
辞書には、「注文請書」という見出しは見当たりません。載っているのは「注文書」と「請書」です。
| 言葉 | 辞書の語釈 |
|---|---|
| 注文書 | 「注文の条件を書き記した書類。注文状。」(デジタル大辞泉「注文書」) |
| 請書(請け書) | 「依頼などに対して承知した旨を書いて相手に差し出す文書。承諾書。うけがき。」(デジタル大辞泉「請書」) |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
2つを合わせると、注文請書は、注文を承知したことを書いて、注文した相手に差し出す書類、という意味で使われています。「注文請書」「請書」「受注書」など、呼び方は会社によって違います。
なぜ出すのか。注文書だけだと、相手は「注文は届いたのか」「その条件で受けてもらえたのか」が分かりません。注文請書が届くと、相手は、納期や金額が確かめられたものとして、次の予定を組めます。こちらにとっても、何を・いくらで・いつまでに受けたかを、書面で残すことになります。
注文請書を出すかどうかは、取引と会社によります。相手から求められたとき、会社の決まりで出すことになっているとき、などです。出す決まりがあるかどうかは、先輩に聞きます。
注文書と注文請書の関係:頼む側が出す/受ける側が出す
書類の流れを、出す側で分けると、次のようになります。取引によっては、ない書類や、順番が違うものもあります。
| 書類 | 出す側 | 伝えること |
|---|---|---|
| 見積書 | 受ける側(売る側) | この内容・金額・条件で出せます |
| 注文書 | 頼む側(買う側) | この内容で注文します |
| 注文請書 | 受ける側(売る側) | この内容で、注文を受けました |
| 納品書 | 受ける側(売る側) | この内容で納めました |
| 請求書 | 受ける側(売る側) | この金額を、お支払いください |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
辞書も、頼む側と受ける側を、対になる言葉で説明しています。「発注」は「注文を出すこと。」(デジタル大辞泉「発注」)、「受注」は「注文を受けること。」(デジタル大辞泉「受注」)です。注文書は発注の書類、注文請書は受注の書類、と覚えると混ざりません。
見積書の項目は見積書の書き方、自分が頼む側になって見積を依頼するときの文は見積依頼メールの書き方にまとめています。納めた後の書類は納品書とは、相手が受け取りを確かめる手続きは検収とはで扱います。
営業が気をつけたいのは、注文請書を出すと、「その条件で受けた」と相手に伝えたことになる点です。注文書に書かれた納期や金額が、見積と違っていても、そのまま請書に写して出せば、相手はその条件で進めます。だから、出す前の見比べが大事になります。
書く項目と、注文書と合っているかの確かめ方
注文請書の様式は、会社ごとに違います。次の表は、よく載っている項目の例です。日本大百科全書(ニッポニカ)は、注文について、「注文に際しては、品質、数量、価格、受け渡しの時期と場所、代金決済の期日と方法、荷造り、輸送方法などを明確にしなければならない。これらを明記した注文用の文書を注文書という。」(日本大百科全書(ニッポニカ)「注文」)と説明しています。注文請書は、その注文書に答える書類なので、項目も対応します。
| 項目 | 書くこと | 注文書と見比べて確かめること |
|---|---|---|
| 日付 | 注文請書を出す日 | 注文書の日付より前になっていないか |
| あて先 | 注文した会社の名前、部署、担当者 | 注文書の差出人と、一文字ずつ同じか |
| もとの注文書 | 注文書の日付や番号 | どの注文への返事かが、相手に分かるか |
| 注文の内容 | 品名、型番や仕様、数量、単位 | 「10個」と「10箱」のような取り違えがないか |
| 金額 | 単価、合計、消費税の扱い | 見積書・注文書の金額と同じか |
| 納期 | 納める日 | 出荷や作業の担当に確かめた日か |
| 納入場所 | 届ける場所 | 見積のときと、場所が変わっていないか |
| 支払条件 | いつ、どの方法で支払ってもらうか | 会社が認めている条件か |
| 受けた会社名 | 自分の会社の名前、住所、担当者 | 押印が要るかどうかは、会社の決まり |
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見比べ方:注文書と見積書を、左右に並べる
確かめ方は、次の手順です。
- 注文書を、最初から最後まで読む。欄外の備考や、小さく書かれた条件も読みます。
- 見積書の控えと、左右に並べる。品名、数量、金額、納期、納入場所、支払条件を、一行ずつ指で追います。
- 違う所に、印を付ける。どちらが正しいかを、自分で決めません。相手に確かめる所と、社内で確かめる所に分けます。
- 確かめてから、注文請書を作る。注文書の数字を写すのは、その後です。
よく違いが出るのは、納期と納入場所です。見積のときは「ご注文から約3週間」と書いていたのに、注文書には日付で書かれている、ということがあります(説明用の例です)。その日に間に合うかは、出荷や作業の担当に確かめないと分かりません。注文から納めるまでの期間の考え方はリードタイムとはで扱います。
複数の会社から見積を取ったうえでの注文なら、条件が途中で変わっていることもあります。見積を比べられる場面の動き方は相見積もりとはにまとめています。
印紙が要る場合があること:国税庁のページで確かめる
注文請書には、収入印紙を貼る場合があります。ここは税金の話なので、国税庁のページに書かれていることを、そのまま引きます。
まず、「請書」が契約書に含まれることについて。タックスアンサーNo.7117「契約書の意義」には、印紙税でいう契約書に、「念書、請書その他契約の当事者の一方のみが作成する文書または契約の当事者の全部もしくは一部の署名を欠く文書で、当事者間の了解または商慣習に基づき契約の成立等を証することになっているものも含まれます。」と書かれています。名前が「契約書」でなくても、対象になることがある、ということです。
次に、どんな注文請書が例に挙がっているか。No.7102「請負に関する契約書」には、次のように書かれています。
請負とは当事者の一方(請負人)がある仕事の完成を約し、相手方(注文者)がこれに報酬を支払うことを約束することによって成立する契約をいいます。
具体的には、工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、会計監査契約書などが請負に関する契約書に該当します。
税額は、書類に書かれた契約金額で変わります。同じページの表には、たとえば「1万円未満のもの」は「非課税」、「1万円以上100万円以下のもの」は「200円」と載っています。ただし、ページには「印紙税は、契約書に記載された内容により取扱いが異なりますのでご注意ください。」という注意も書かれています。金額の表は、この記事には写しません。No.7102と、No.7140「印紙税額の一覧表(その1)」で、そのときの表を確かめてください。
判断のしかたについて、No.7100「課税文書に該当するかどうかの判断」は、「課税文書に該当するかどうかの判断は、文書に記載されている内容に基づいて判断します。」としています。書類の名前ではなく、中身で決まる、ということです。
だから、「注文請書なら印紙が要る」とも「要らない」とも、ひとまとめには言えません。この記事では、個別の書類について判断しません。営業は、注文書と請書の下書きを経理や法務の担当に見せて、「この請書に、印紙は要りますか」と聞きます。印紙を貼ったあとの消印については、割印とはに、国税庁のページの説明をまとめています。
メールやPDFで送る場合
注文請書を、紙で渡さず、メールやFAXで送る場合について、国税庁のページには次の説明があります。
タックスアンサーNo.7120「契約書の写し、副本、謄本等」には、「ファックスや電子メール等により送信する場合も正本等は送付元に保存され、送付先に交付されておらず、送付先で出力された文書は写しと同様であり、課税対象とはなりません。」と書かれています。
質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」は、書面の注文請書に代えて、電子署名を付けた電磁的記録をメールで送る場合について、「印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません。」と答えています。
ただし、送ったあとで紙も渡す場合は、話が変わります。福岡国税局の文書回答事例(平成20年10月24日回答)では、照会した会社が、「電子メールで送信した後に本注文請書の現物を別途持参するなどの方法により相手方に交付した場合には、課税文書の作成に該当し、現物の注文請書に印紙税が課されるものと考える。」という見解を示し、福岡国税局は「ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。」と回答しています(回答・別紙)。
質疑応答事例と文書回答事例には、事実関係が違えば扱いが変わることがある、という注意が付いています。「PDFで送れば印紙は要らない」と営業が自分で決めて、送り方を変えないでください。送り方は、会社の決まりと、相手の希望で決めます。印紙のことは、経理や法務の担当に確かめます。
惜しい例と良い例、送り方で変わるところ
注文請書を送るときに添える文の例です。どちらも説明用の例です。
惜しい例
A社 佐藤様
ご注文ありがとうございます。請書を添付いたします。よろしくお願いいたします。
お礼は伝わりますが、どの注文への返事かが分かりません。相手が同じ時期にいくつも注文を出していると、照らし合わせるのに時間がかかります。納期や納入場所を確かめたかどうかも、読み取れません。
良い例
件名:注文請書のご送付(◯月◯日付ご注文・番号◯◯)
A社 購買部 佐藤様
いつもお世話になっております。◯◯商事の山田です。
このたびは、ご注文をいただき、ありがとうございます。◯月◯日付のご注文書(番号◯◯)について、注文請書をお送りします。
・納期:◯月20日(◯) 出荷の担当に確認済みです。
・納入場所:御社 第二倉庫 お電話で伺ったとおり、午前中にお届けします。
内容に違いがありましたら、お手数ですが、山田までお知らせください。
件名と本文に、もとの注文書の日付と番号を書いています。相手と確かめた所(納期・納入場所)を、本文にも抜き出しています。相手は、添付を開く前に、大事な所が合っているかを見られます。
送り方で変わる所は、次の表のとおりです。一例です。
| 送り方 | 確かめること | 添えるもの |
|---|---|---|
| 郵送で、紙を送る | 押印と印紙のことを、社内で確かめたか。相手の部署名と担当者名 | 送付状。書き方は送付状の書き方に |
| メールにPDFを添付する | 相手がPDFでよいと言っているか。会社が認めている方法か | 本文に、注文書の日付・番号と、確かめた所 |
| 相手の様式に記入して返す | 書く欄と、押す欄 | 分からない欄は、相手の担当者に聞く |
| 相手のシステムで受ける | 操作できる人と、入力する内容 | 入力した内容の控えを残す |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
送ったら、いつ・どの方法で送ったかを記録します。紙で送ったなら、控えを会社の決まった場所に残します。
迷いやすい判断と、内容を間違えて出したあと
判断1:注文書の内容が、見積と違っていたら?
基準は、請書を出す前に確かめるです。違いを一つずつ書き出し、相手に「ご注文書の納期が◯月20日となっておりますが、お見積りでは約3週間とお伝えしておりました。◯月20日で進めてよいか、社内で確認して、明日中にお返事します」のように、違う所と、返事の期限を伝えます(説明用の例です)。黙って見積のほうの条件で請書を出すと、相手は違いに気づかないまま進めることになります。
判断2:納期が確かめられないまま、請書を急がれたら?
基準は、確かめていない日付を書かないです。相手には、「納期を確認しております。◯日の午前中に、請書をお送りします」と、いつ出せるかを伝えます。出荷の担当には、注文書を見せて「この日に納められますか。難しければ、いつなら納められますか」と、代わりの日も一緒に聞きます。
判断3:印紙は、どちらが負担する?貼らずに出してよい?
どちらも、営業が自分で決めることではありません。その請書に印紙が要るかどうかは、書類の中身で変わります。経理や法務の担当に、注文書と請書の下書きを見せて聞きます。お客様から聞かれたら、「確認してお返事します」と答え、国税庁のページの説明を自分の言葉で言い換えて伝えることは避けます。
判断4:注文書が届かず、口頭やメールだけで注文を受けたら?
何をもって注文とするかは、会社と取引によります。「注文書をいただいてから手配する」という決まりの会社もあります。先輩に「A社から、メールで注文をいただきました。注文書がなくても、進めてよいですか」と聞きます(説明用の例です)。進める場合も、受けた内容を、メールで相手に書いて返しておくと、あとで食い違いが出にくくなります。
内容を間違えて出したあと
その場では:数量、金額、納期などを間違えた請書を出したと気づいたら、まず上司に報告します。直した請書を黙って送り直すことはしません。相手の手元に、内容の違う2枚が残り、どちらが正しいかが分からなくなるからです。
上司の指示を受けてから、相手に連絡します。「◯月◯日にお送りした注文請書に、誤りがありました。納期を◯月12日と書いておりましたが、正しくは◯月20日です。申し訳ございません。正しいものをお送りしますので、先のものは破棄をお願いできますでしょうか」と、どの書類の・どこが・正しくはどうかを書きます(説明用の例です)。印紙を貼った請書の扱いは、経理の担当に聞きます。おわびの文の組み立てはお詫びメールの書き方にまとめています。
後の記録:なぜ間違えたかを書きます。「注文書ではなく、見積書の納期を写した。次からは、注文書と見積書を並べて、違う所に印を付けてから作る」のような形です(説明用の例です)。報告の順番は営業で失敗したときにまとめています。
今日やることは一つです。受け取った注文書を一つ用意し、注文請書に書く項目と一行ずつ見比べて、違う所・未確認の所に印を付けてください。
注文を出す側の書類は、発注書とはにまとめています。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
受け取った注文書、その前に出した見積書の控え、自分の会社の注文請書の様式。
記入例を見る(説明用)
もとになる注文書=A社 購買部の佐藤様から、◯月◯日付で届いた注文書(番号 ◯◯)。メールにPDFで添付されていた/注文書と見比べた項目=品名と型番:見積書と同じ。数量:10台で同じ。金額:税抜の合計が見積書と同じ。納期:注文書は「◯月20日」。見積書には「ご注文から約3週間」と書いていた。納入場所:注文書は「A社 第二倉庫」。見積書の住所と違う。支払条件:同じ/違っていた所・未確認の所=納期:◯月20日に間に合うかは未確認(今日、出荷の担当に聞く)。納入場所:第二倉庫の住所と、受け取りの時間が未確認(佐藤様に聞く)/印紙と押印=経理の担当に、注文書と請書の下書きを見せて聞く。押印は総務に申請する。答えは未記入(明日の午前に聞く)/送る方法と、送った後に確かめること=A社が紙の原本を希望するか、PDFでよいかを佐藤様に聞く。送ったら、日付と方法を記録し、届いたかを確かめる。納期が確かめられるまでは、請書を出さない。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
注文書と注文請書を一行ずつ見比べてあり、違う所・未確認の所に、誰に確かめるかが書いてあり、印紙と押印のことを社内の担当に聞いてある。
うまく進まなかったときは?
様式が分からなければ、先輩に、前に出した注文請書の控えを見せてもらう。注文書の内容が見積と違っていたら、請書を出す前に、相手に「◯◯の点を確認させてください」と一つずつ聞く。印紙のことは、自分で判断せず、経理か法務の担当に聞く。