NOTE 150 · 営業の実践ノート
納品書とは:書く項目と、請求書・領収書・受領書との違い
公開:2026年10月3日/更新:2026年10月4日
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納品書(のうひんしょ)とは、品物を届けるときに、何をいくつ届けたかの明細を書いて、相手に渡す書類です。相手は、納品書と、届いた品物と、自分が出した注文を見比べて、合っているかを確かめます。この記事では、辞書の語釈、ほかの書類との違い、書く項目、出す前の確かめ方を説明します。金額や数量は、すべて説明用の例です。
この記事の目次 読みたいところへ ↓
こんなときに 初めて納品書を作ることになり、何を書けばよいか分からないとき。請求書や受領書と、何が違うのか分からないとき。
- 1
会社の納品書の書式と、相手の注文書を手元に並べる
- 2
日付・あて先・品名・数量・単価・金額・注文番号を書く
- 3
注文書と一行ずつ見比べ、届ける品物の数とも合わせる
- 4
渡し方(同梱・PDF・郵送)を相手の決まりに合わせて出す
会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。
納品書とは:届けた品物の明細を書いて、相手に渡す書類
初めての注文をもらい、先輩に「納品書、作っておいて」と言われた。見積書は作ったことがあるけれど、納品書には何を書くのか。請求書とは何が違うのか。営業を始めて間もないころに、よくある場面です。
納品書は「のうひんしょ」と読みます。辞書の説明は次のとおりです。
- 「商品やサービスを届けたり提供したりする際に、その明細を記載して、購入者に渡す書類。」(デジタル大辞泉「納品書」)
- 「品物の納入時に使用する伝票。」(精選版 日本国語大辞典「納品書」)
語釈から分かることは三つです。届けるときに渡すこと。明細(何を、いくつ)が書いてあること。渡す相手は、買った側であること。なお、納品そのものは、「品物を納入すること。また、その品物。」(デジタル大辞泉「納品」)と説明されています。
なぜ、納品書を付けるのか。相手は、届いた箱を開けて、中身を数えます。そのとき、「何が、いくつ入っているはずか」を書いた紙があれば、注文と品物を照らし合わせられます。納品書がないと、相手は自分の注文の記録を探すところから始めることになります。相手が中身を確かめて受け取ることを、検収と言います。検収とはで説明しています。
請求書・領収書・受領書との違い
取引では、似た名前の書類がいくつも出てきます。辞書の説明を並べます。
| 書類 | 辞書の説明 | 誰が、誰に | 伝えること |
|---|---|---|---|
| 納品書 | 「商品やサービスを届けたり提供したりする際に、その明細を記載して、購入者に渡す書類。」(デジタル大辞泉「納品書」) | 売る側が、買う側に | これを、これだけ届けました |
| 請求書 | 「物品や代金の支払いなどを請求するために出す文書。」(デジタル大辞泉「請求書」) | 売る側が、買う側に | 代金を支払ってください |
| 領収書 | 「金銭を受け取ったしるしに書いて渡す書き付け。」(デジタル大辞泉「領収書」) | 売る側が、買う側に | 代金を受け取りました |
| 受領証 | 「物品や金銭などを受領した旨を記した証書。」(精選版 日本国語大辞典「受領証」) | 受け取った側が、渡した側に | 受け取りました |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
納品書は「届けた」、請求書は「支払ってほしい」、領収書は「お金を受け取った」。伝えることが、それぞれ違います。
「受領書」という見出しは、辞書(コトバンク)では見つかりません。近い言葉として「受領証」が載っています。受領は、「物や金を受け取ること。」(デジタル大辞泉「受領」)です。品物を届けたときに、相手から「受け取りました」という書類をもらう場合、売る側と買う側の向きが、納品書とは逆になります。
領収書と受け取りの書類の呼び分けについて、百科事典は、「受領した物が金銭または有価証券のときには領収書(領収証),物品のときには受取または受取書(受取証)と取引上呼ばれることが多い」(世界大百科事典(旧版)「領収書」)と説明しています。お金を受け取ったら領収書、品物を受け取ったら受取書、という呼び分けが多い、ということです。
書類の名前と役目は、会社によって違います。納品書と受領書が、複写の一組になっている書式もあります。自分の会社の書式を開いて、どの紙を相手に渡し、どの紙を持ち帰るのかを、先輩に確かめてください。
税の書類を兼ねていることがある
納品書は、消費税の書類の役目を持つことがあります。国税庁は、適格請求書(インボイス)を、「売手が買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類するものをいいます。」(国税庁 タックスアンサー No.6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」)と説明しています。「請求書」という名前の書類だけを指すのではなく、納品書も例に挙がっています。
同じページには、「交付した適格請求書等の写しを保存する義務が課されます。」(国税庁 タックスアンサー No.6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」)という説明もあります。
自分の会社の納品書が、この役目を持っているかどうかは、会社によって違います。営業が自分で判断することではありません。やることは二つです。会社の書式の欄を、自分の判断で消したり、書き換えたりしない。控えの残し方と、税の欄の書き方は、経理の担当に確かめる。
納品書に書く項目
書く項目は、会社の書式が先です。書式やシステムがあれば、それに合わせます。次の表は、よく載っている項目の一例です。法律で決まった一覧ではありません。
| 項目 | 書くこと | 確かめる所 |
|---|---|---|
| 日付 | 品物を届ける日(納品日) | 出荷の日と届く日のどちらを書くか、会社の決まり |
| あて先 | 相手の会社名・部署名・担当者名 | 注文書と同じ書き方か。会社名を略していないか |
| 自社名 | 自社の名前・住所・電話番号・担当者名 | 書式に入っているものが最新か |
| 納品書の番号 | 自社でつける番号 | 番号のつけ方の決まり |
| 注文番号 | 相手の注文書に書かれている番号 | 一文字ずつ見比べる |
| 品名・型番 | 届ける品物の名前と型番 | 注文書と同じ書き方か |
| 数量・単位 | 個、箱、台など | 実際に届ける数と合っているか |
| 単価・金額 | 1つあたりの値段と、数量をかけた金額 | 注文書・見積書と合っているか |
| 備考 | 分けて納める場合の残りの数、など | 相手に伝えておくこと |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
注文番号は、相手のための項目です。相手の会社には、たくさんの注文が同時に動いています。注文番号があれば、相手はどの注文の品物かをすぐに探せます。注文書に番号があるときは、書式に欄がなくても、備考に書いておくと、相手は照らし合わせやすくなります。
金額の欄は、単価に数量をかけたものです。説明用の例で言うと、単価3,000円の品物を20個なら、金額は60,000円です。小計・消費税・合計といった金額の欄のつながりは、見積書と同じ考え方です。見積書の書き方の「金額の欄は、上から順につながっている」で説明しています。
出す前に、注文書と見比べる
納品書は、相手が注文と品物を照らし合わせるための紙です。その紙が間違っていると、品物が正しくても、相手の確認は止まります。出す前に、次の順で見比べます。
- 注文書を、納品書の横に並べる。記憶で書かず、相手が出した注文書(または注文のメール)を開きます。
- 品名と型番を、一文字ずつ見比べる。似た型番の取り違えは、目で流し読みすると見落とします。
- 数量と単位を、声に出して読む。「20個」と「20箱」では、中身の数が大きく変わります。
- 単価と金額を、電卓で計算し直す。注文書・見積書の金額と合っているかを見ます。
- あて先と注文番号を見比べる。前の納品書を写して作ったときは、別の会社の名前が残っていないかも見ます。
- 届ける品物の数と、納品書の数を合わせる。倉庫や出荷の担当に、実際に出す数を聞きます。
6番目は、書類どうしを見比べるだけでは分からない所です。注文は20個でも、今回届けるのが10個だけ、ということがあります。そのときは、今回届ける数を書き、残りの数と届ける予定を備考に書きます。書き方は、会社の決まりに合わせます。
注文書と合わない所を見つけたら、自分で「たぶんこちらが正しい」と決めて直しません。先輩か、相手に確かめます。「ご注文書では部品Bを20個といただいています。お見積りの時点では15個でしたが、20個でお間違いないでしょうか」のように、二つの書類の違いをそのまま伝えます(説明用の例です)。
渡し方と、場面で変わるところ
納品書を紙で品物に入れるのか、PDFで送るのか、別に郵送するのか。これは、相手の会社の決まりを聞いて決めます。相手の経理が紙の原本を集めている会社もあれば、決まったメールアドレスにPDFを送る決まりの会社もあるからです。
聞き方は、「納品書は、品物に同梱する形でよろしいでしょうか。別の方法のご指定がありましたら、お教えください」です(説明用の例です)。初めての取引のときに聞いて、答えを記録に残しておくと、二回目からは聞かずに済みます。
| 場面 | 気をつける所 | 確かめること(一例) |
|---|---|---|
| 品物に同梱する | 箱を開ける人と、書類を扱う人が別のことがある | 箱の中と外のどちらに付けるか。窓口の担当者にも写しが要るか |
| PDFをメールで送る | 送り先のアドレス、ファイルの名前 | 送り先は担当者か、決まった窓口か。紙の原本も要るか |
| 別に郵送する | 品物より遅れて届く | いつ出すか。送付状を付けるか |
| 届け先が、注文した会社と別の場所 | 金額を、届け先の人に見せてよいか | 金額を書いた納品書を、どこに送るか |
| 何回かに分けて納める | 今回の数と、残りの数 | 1回ごとに納品書を出すか。残りの数の書き方 |
表が収まらない場合は、左右に動かせます。
郵送するときに付ける送付状は、送付状の書き方にまとめています。封筒の書き方や、送る方法の決まりも、そちらで説明しています。
言い方の例:惜しい例と良い例
納品書をPDFで送るときのメールで、比べます。説明用の例です。
惜しい例
件名:納品書
納品書を添付します。ご確認ください。
どの注文の納品書なのか、品物がいつ届くのかが、開くまで分かりません。相手が何件もの注文を抱えていると、探す手間がかかります。
良い例
件名:【納品書】部品B 20個(ご注文番号123)
A社 佐藤様
いつもお世話になっております。◯◯社の鈴木です。
ご注文番号123の部品B 20個は、◯月10日にお届けの予定です。納品書をPDFで添付いたします。
品物にも、同じ内容の納品書を同梱しております。
届いた品物と違う点がありましたら、鈴木までご連絡ください。
件名に、書類の名前・品名・数量・注文番号が入っています。本文には、届く日と、紙の納品書がどこにあるかが書いてあります。相手は、メールを開かなくても、どの注文の話かが分かります。
迷いやすい判断と、間違えたあとの出し直し
判断1:納品書は、付けなくてもよいことがある?
基準は、自社の決まりと、相手の決まりです。この記事で確かめた辞書の語釈には、付けなければならない、とは書かれていません。けれども、相手の会社が、納品書がそろってから次の手続きに進む決まりにしていることがあります。自分の判断で省かず、先輩に「この取引先は、納品書をどう出していますか」と聞きます。
判断2:「金額を書かない納品書にしてほしい」と頼まれたら?
届け先が、注文した会社とは別の場所のときに、頼まれることがあります。その場で「できます」と答えず、まず理由と届け先を聞きます。そのうえで、会社の書式でそれができるか、税の書類としての扱いに影響がないかを、上司と経理の担当に確かめます。できる場合も、金額を書いた書類を別にどこへ送るのかまで、相手と決めます。
判断3:見積書のときと、数量や金額が変わっているときは?
納品書は、最後に決まった注文の内容に合わせます。基準にするのは、相手の注文書です。ただ、見積書と注文書で違いがあるのに、誰も確かめていないことがあります。違いに気づいたら、納品書を作る前に、どちらが正しいのかを相手に確かめます。確かめた日と相手の答えを、記録に残します。
判断4:納品書に、印鑑は要る?
会社の決まりと、相手の決まりによります。書式に印を押す欄があるか、先輩がどうしているかを確かめてください。押印と捺印の言葉の違いは、押印と捺印の違いで説明しています。
失敗1:数量や品名を間違えた納品書を、出してしまった
その場では:気づいた時点で、上司に報告します。伝えるのは、どの納品書か、どこを間違えたか(例:20個のところを30個と書いた)、品物そのものは正しい数で届いているか、の3つです。数字は説明用の例です。
次に、相手に連絡します。間違えた所と、正しい内容を伝え、正しい納品書を出し直すことを伝えます。そのとき、先に出した納品書をどうするかを、相手に聞きます。捨ててもらうのか、返してもらうのか。相手の社内で、もう別の部署に回っていることもあるからです。
件名:【お詫びと訂正】◯月10日付 納品書(ご注文番号123)の数量の誤り
A社 佐藤様
◯月10日にお渡しした納品書に、誤りがありました。申し訳ございません。
誤:部品B 30個 / 正:部品B 20個
お届けした品物は、ご注文どおり20個です。
正しい納品書を、本メールに添付いたします。先にお渡しした納品書の扱いについて、ご指示をいただけますでしょうか。
文例は説明用の例です。出し直す納品書に、出し直しであることをどう書くか、番号を変えるのかどうかは、会社の決まりによります。手書きで直してよいかどうかも同じです。税の書類を兼ねている場合の直し方は、経理の担当に確かめてください。お詫びの文の組み立ては、お詫びメールの書き方にまとめています。
帰ってからの記録:どの手順を飛ばしたのかを書きます。「前の納品書を写して作り、数量を直し忘れた。次からは、注文書を横に並べて、数量を声に出して読む」のような形です(説明用の例です)。
失敗2:相手から「納品書と、届いた数が合わない」と言われた
その場では:納品書が違うのか、品物が違うのかは、まだ分かりません。相手に、届いた数と、納品書に書かれた数を聞き、「確認して、本日の午後3時までにご連絡します」と時刻を伝えます(説明用の例です)。そのあと、注文書・納品書の控え・出荷の記録の3つを並べて、どこで食い違ったのかを調べます。原因が分かる前に、「こちらの書き間違いです」と決めつけて答えません。
帰ってからの記録:注文の数、納品書の数、実際に出した数を、三つ並べて書きます。上司への報告のしかたは、営業で失敗したときにまとめています。
納める日を相手に答える前に確かめることは、リードタイムとはで説明しています。
今日やることは一つです。これから出す納品書を一件選び、注文書と並べて、品名・数量・単価・金額・あて先・注文番号を一行ずつ見比べてください。
YOUR TURN
自分の一件で、書いてみよう。
手元に用意するもの
会社の納品書の書式、相手の注文書(または注文のメール)、見積書の控え、届ける品物の数が分かるもの。
記入例を見る(説明用)
相手と、注文番号・注文日=A社の佐藤様。注文番号は123。注文日は◯月1日/品名・数量・単位=部品B、20個。注文書と合っている。型番も一文字ずつ見比べた/単価・金額=単価3,000円、金額60,000円(税抜)。注文書・見積書と合っている。消費税の書き方は会社の書式のまま/渡し方と、相手の決まり=品物に同梱する、と前回の記録にある。金額を書いた納品書を同梱してよいかは未確認。今日、佐藤様に聞く/違っていた所と、確かめる相手=あて先の部署名が、注文書と名刺で違っていた。どちらを書くか、佐藤様に確かめる。数字はすべて説明用の例。
CHECK
ここまでできたら、次へ。
品名・数量・単価・金額・あて先・注文番号を、注文書と一行ずつ見比べてある。渡し方が、相手の決まりに合っている。違っていた所があれば、誰に確かめるかが書いてある。
うまく進まなかったときは?
会社の書式がどこにあるか分からなければ、先輩に「納品書は、どの書式(システム)で作りますか」と聞く。注文書と合わない所があれば、自分で直さずに、どちらが正しいのかを先輩か相手に確かめる。税の欄の書き方が分からなければ、経理の担当に聞く。