NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 96 · 営業の実践ノート

異動の挨拶:取引先と社内へ伝えるメール文例と、口頭の例

広告:この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由の購入により、当サイトに報酬が支払われる場合があります。

異動の挨拶は、取引先、今の部署、新しい部署の三つに向けて行います。書き始める前に、いつから・誰に伝えてよいかを上司に確かめます。伝えることは、異動の日、異動先、後任と連絡先、お礼の四つです。取引先には後任の紹介を、新しい部署には自分の紹介を足します。

今日できるようになること

異動の日・異動先・後任の名前と連絡先を書き出し、取引先と社内へ、いつから伝えてよいかを上司に確かめる。

シートへ進む ↓
この記事の目次 読みたいところへ ↓

こんなときに 異動が決まり、取引先や社内の人へ、いつ・何を・どう伝えればよいか迷うとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    いつから・誰に伝えてよいかを、上司に確かめる

  2. 2

    異動の日・異動先・後任と連絡先・お礼を書き出す

  3. 3

    取引先、今の部署、関係する部署の順に伝える

  4. 4

    新しい部署で、名前・前の仕事・これからの担当を伝える

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

異動の挨拶とは:三つの相手に、それぞれ伝える

異動は、辞書では次のように説明されています。デジタル大辞泉(コトバンク)の語釈は、「職場での地位、勤務などが変わること。また、転・退任などの人事の動き。」です。部署が替わる、勤める場所が替わる、役職が替わる、などが当てはまります。

異動が決まると、あいさつをする相手は三つあります。

相手相手が知りたいことあいさつで伝えること
取引先これからは、誰に連絡すればよいのか異動の日、後任の名前と連絡先、お礼
今の部署と、関係する社内の人頼んでいた仕事は、誰に引き継がれるのか異動の日、異動先、引き継ぎ先、お礼
新しい部署の人どんな人が来て、何を担当するのか名前、前の仕事、これからの担当

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

三つとも「異動のあいさつ」ですが、相手が知りたいことが違います。同じ文を使い回すと、取引先に社内の事情を長く書いたり、社内の人に後任の連絡先が伝わらなかったりします。

この記事は、自分が異動するときのあいさつの全体と、社内へのあいさつを中心に扱います。取引先に向けて、担当が替わることを前任と後任がどう伝えるか(進行中の件の書き方、後任からのメール、最初の訪問)は、担当変更の挨拶にくわしくまとめています。取引先へのあいさつを書く人は、そちらも合わせて読んでください。

会社を辞めるときのあいさつは、伝えることが違います。退職の挨拶メールを見てください。

先に確かめる:伝えてよい時期と順番

あいさつを書く前に、上司に確かめることが三つあります。

  1. いつから伝えてよいか。異動は、社内で発表される日が決まっていることがあります。発表の前に、取引先やほかの部署の人へ話してよいかどうかは、会社によって違います。自分で決めず、上司に聞きます。
  2. 誰から、どの順番で伝えるか。取引先へは、自分からメールで伝えるのか、後任と訪問するのか、上司が同行するのか。社内へは、朝礼で話すのか、メールを送るのか。
  3. 後任と、引き継ぎの日程。後任が誰か、いつまで自分が担当するのか。あいさつに書く材料になります。

なぜ、先に確かめるのでしょうか。発表の前に取引先へ伝わると、社内の人が、取引先から聞いて初めて知る、という順番になることがあります。後任がまだ決まっていない段階で伝えると、相手は「次は誰に連絡すればよいのか」が分からないまま待つことになります。

惜しい聞き方:「異動のこと、もうお客様に言ってもいいですよね」

良い聞き方:「異動の件で、確かめさせてください。取引先と、ほかの部署の方には、いつから伝えてよいでしょうか。A社とB社は、後任の方と一緒に伺いたいと考えています」

どちらも説明用の例です。惜しい聞き方は、答えを決めてから聞いています。良い聞き方は、時期を尋ね、自分の案を添えています。上司は、「発表は来週なので、その後に」「A社は私も行く」と答えるだけで済みます。

伝えてよい日が来るまでは、取引先から「担当は替わらないですよね」と聞かれても、自分の判断で答えません。「担当の体制に変更があるときは、あらためてご連絡します」と答え、聞かれたことを上司に伝えます(説明用の例です)。

あいさつの前に、仕事の引き継ぎを進めます。進行中の件、約束の期限、未確認のことを書いて後任に渡す方法は、引き継ぎメモにまとめています。

伝える項目

あいさつに入れる項目は、相手によって変わります。次の表で、入れる項目を確かめます。

項目取引先今の部署・社内新しい部署
異動の日入れる入れる着任の日を言う
異動先部署名を短く。くわしい仕事の中身は要らないことが多い入れる(前の部署を言う)
後任・引き継ぎ先名前と連絡先を入れる誰に引き継いだかを入れる―
いつまで自分あてでよいか入れる入れる―
お礼その相手との仕事を一つお世話になったことを一つ―
これからの担当―異動先での担当を一言担当する仕事を言う
異動の理由会社の人事である、という事実だけで足りる同じ同じ

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

抜けやすいのは、「いつまで自分あてでよいか」です。これが無いと、相手は、今日の用件をどちらに送ればよいか迷います。「◯月◯日までは私あてに、それ以降は[後任の氏名]あてに」と、切り替わる日を書きます(説明用の例です)。

異動先の部署名、後任の名前の漢字、連絡先は、辞令や名刺を見て写します。あいさつの中の誤りは、後任の最初の仕事を、訂正から始めさせてしまいます。

メールの文例:取引先へ、社内へ

文例は、すべて説明用の例です。[ ]は、自分の内容に置き換えます。送る前に、上司に見てもらいます。

1. 取引先へ:異動を知らせ、後任を紹介する

件名:異動のご挨拶([自社名] [氏名])

[会社名] [部署名] [担当者名]様

いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。

このたび、◯月◯日付で[異動先の部署]へ異動することになりました。

◯月◯日(◯)からは、[後任の氏名]が貴社を担当いたします。これまでのお取引の内容は、[後任の氏名]に引き継いでおります。

◯月◯日(◯)までは、これまでどおり私あてにご連絡ください。それ以降は、下記あてにお願いいたします。

後任:[後任の氏名] 電話:[番号] メール:[アドレス]

[担当者名]様には、[具体的にお世話になったこと]で、たいへんお世話になりました。ありがとうございました。

[署名]

異動の日、後任、切り替わる日、お礼の四つが入っています。見積もりや納品など、進行中の件がある取引先には、「その件を、誰が、いつまでに、どうするか」を一文足します。その書き方と、後任から送るメール、二人で訪問するときの話し方は、担当変更の挨拶に文例があります。

お礼の一文は、決まり文句だけにせず、その相手との出来事を一つ書きます。「急な納期のご相談に乗っていただき」のように書くと、相手は、自分に向けて書かれた文だと分かります(説明用の例です)。

2. 社内へ:関係する部署の人へ送る

件名:異動のご挨拶([部署名] [氏名])

[部署名] [相手の氏名]さん

お疲れさまです。[部署名]の[氏名]です。

◯月◯日付で、[異動先の部署]へ異動することになりました。

私が担当していた[仕事の内容]は、◯月◯日から[引き継ぎ先の氏名]さんが担当します。◯月◯日までのご依頼は、これまでどおり私あてにお願いします。

[相手の氏名]さんには、[具体的にお世話になったこと]で、何度も助けていただきました。ありがとうございました。

異動先でも、[関わりのある仕事]でご一緒することがあると思います。引き続き、よろしくお願いします。

[署名]

社内へのメールで大事なのは、引き継ぎ先です。経理、物流、事務など、ふだん仕事を頼み合っている人は、次に誰へ声をかければよいかを知りたいからです。書き出しや敬称(「さん」か「様」か)は、社内のふだんのメールに合わせます。

何人かにまとめて送るときは、宛名を「関係者各位」のように書く形があります。「各位」の使い方は、各位の使い方にまとめています。まとめて送る場合も、特にお世話になった人には、別に一言を伝えます。

3. 新しい部署へ:着任の前後に送る

件名:着任のご挨拶([氏名])

[部署名]の皆さま

お疲れさまです。◯月◯日付で[部署名]に配属となりました、[氏名]です。

前の部署では、[地域や商品]の営業を担当していました。

こちらでは、[担当する仕事]を担当します。分からないことが多く、お尋ねすることが多いと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

[署名]

「着任」は、デジタル大辞泉(コトバンク)で「新しい任地に到着すること。また、新しい任務につくこと。」と説明されています。新しい部署へメールを送るかどうか、いつ送るかは、新しい上司に聞きます。初日に口頭であいさつをする場があるなら、メールは要らないこともあります。

メール全体の部品はビジネスメールの書き方、結びの一文はビジネスメールの締めで確かめられます。

口頭の例:最終日と、着任の日

口頭のあいさつは、短くします。聞く人は、仕事の手を止めて聞いています。言うことは、メールと同じ項目から、お礼を中心に選びます。

1. 今の部署で、最終日に言う

「お時間をいただきます。◯月◯日付で、[異動先の部署]へ異動します。今日が、こちらでの最後の出勤です。」

「担当していたお客様は、[後任の氏名]さんに引き継ぎました。引き継ぎのことで分からない点があれば、異動先にいますので、声をかけてください。」

「[具体的に教わったこと]を、皆さんに教えていただきました。ありがとうございました。」

説明用の例です。異動の日と異動先、引き継ぎ先、お礼の順です。お礼は、「お世話になりました」だけで終えず、教わったことを一つ言います。聞いている人は、自分のしたことが役に立ったと分かります。

2. 取引先で、訪問して言う

「本日は、お時間をいただきありがとうございます。メールでお伝えしたとおり、◯月◯日付で異動することになりました。」

「後任の[後任の氏名]です。これまでのお取引の内容は、すべて伝えてあります。」

(後任が名乗る)

「[担当者名]様には、[具体的にお世話になったこと]で、たいへんお世話になりました。ありがとうございました。」

説明用の例です。後任を紹介したら、話の中心を後任に渡します。自分ばかりが話すと、相手は、次からも自分に連絡したくなります。後任が進行中の件を自分の口で言う形は、担当変更の挨拶に例があります。

3. 新しい部署で、着任の日に言う

惜しい例:「[氏名]です。前の部署では、いろいろやっていました。よろしくお願いします。」

良い例:「本日から[部署名]に参りました、[氏名]です。前の部署では、[地域や商品]の営業を担当していました。こちらの仕事は初めてですので、教えていただくことが多いと思います。よろしくお願いいたします。」

説明用の例です。惜しい例は、前に何をしていた人なのかが分かりません。良い例は、名前、前の仕事、これからの姿勢の順に言っています。新しい部署の人は、「何を聞ける人か」「何を教えればよい人か」が分かります。

長さの決め方と、名前を聞き取りやすく言う方法は、簡単な自己紹介の例文の「社内の配属・異動のあいさつ」にまとめています。

場面によって、あいさつの形が変わります。次の表は一例です。

場面形(一例)気をつけること
取引先が多く、全部は訪問できない訪問する相手を上司と決め、ほかはメールか電話で伝える進行中の件がある相手を、先にする
急な異動で、日が無いまず後任と連絡先だけを伝え、お礼は後日あらためて送る引き継ぎを先にする
後任が、まだ決まっていない当面の連絡先(上司など)を伝える誰の名前を書いてよいかを、上司に確かめる
同じ建物の中での異動口頭のあいさつを中心にする引き継ぎ先だけは、メールでも残す
遠い所への異動最終日より前に、あいさつを済ませる最後の出勤の日を、相手に伝える

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

迷いやすい判断と、失敗したとき

判断1:異動の理由や、自分の気持ちは、言う?

相手に必要なのは、理由よりも、異動の日と、次の連絡先です。「◯月◯日付で[部署名]へ異動することになりました」と、事実だけを書く形がよく使われます。

希望した異動でも、そうでなくても、あいさつの中に不満や内情は入れません。取引先や社内の人は、それを聞いても、どうすることもできないからです。話したい気持ちがあるときは、あいさつの場とは別に、信頼できる人に話します。

判断2:一通で、まとめて送ってよい?

基準は、相手ごとに、書く中身が違うかどうかです。取引先は、進行中の件もお礼の中身も違うので、一社ずつ送ることを基本にします。宛先に複数の会社のアドレスを並べて送ると、ほかの会社に、取引先の名前やアドレスが見えてしまいます。

社内は、同じ内容でよい相手なら、まとめて送る形もあります。部署の習慣に合わせ、迷ったら上司に聞きます。

判断3:あいさつのメールに返信が来たら、返す?

相手がねぎらいの言葉を返してくれたら、短くお礼を返して構いません。「ごていねいにありがとうございます。異動先でも、教えていただいたことを生かします」のような一、二文です(説明用の例です)。用件や質問が書かれていたら、自分が答えるか、後任に渡すかを決め、相手に「この件は、[後任の氏名]からお返事します」と伝えます。

判断4:異動した後も、前の取引先から連絡が来たら?

自分でそのまま答え続けると、相手の連絡先が切り替わりません。用件を後任に渡し、相手には「担当の[後任の氏名]からお返事します」と返します(説明用の例です)。くわしい動き方は、担当変更の挨拶の判断3にあります。

失敗1:発表の前に、取引先に話してしまった

その場では:気づいた時点で、上司に報告します。「A社の佐藤様に、異動のことを先に話してしまいました。◯月◯日のことです」と、誰に・いつ・何を言ったかを伝えます(説明用の例です)。相手への口止めを自分で頼む前に、上司の指示を聞きます。

後の記録:「伝えてよい日を確かめる前に話した。次からは、人事に関わることは、上司に時期を聞いてから話す」と書きます(説明用の例です)。

失敗2:後任の名前や連絡先を、間違えて送った

その場では:上司と後任に伝えたうえで、訂正のメールを送ります。誤っていた所と、正しい内容を並べて書きます。相手が、誤った連絡先に用件を送ってしまう前に、早く知らせます。お詫びの書き方は、お詫びメールの書き方にあります。

後の記録:何を見て書いたかを書きます。「記憶で書いた。次からは、名刺を見て写し、後任本人に見てもらう」のような形です(説明用の例です)。

失敗3:あいさつが間に合わないまま、異動の日を過ぎた

その場では:気づいたら、その日のうちに送ります。「ご挨拶が遅くなり、申し訳ございません。◯月◯日付で[部署名]へ異動いたしました。後任は[後任の氏名]です」と、遅れたお詫びを一文にして、連絡先を先に伝えます(説明用の例です)。相手は、理由よりも、今の連絡先を知りたいからです。送る前に、後任に一言伝えます。

後の記録:伝える相手の一覧を作っていなかった、などの原因を書きます。次の異動のときは、最初に相手の一覧を作り、伝えたら印を付けます。

今日やることは一つです。異動の日・異動先・後任の名前と連絡先を書き出し、取引先と社内へ、いつから伝えてよいかを上司に確かめてください。

あいさつの結びに使う「ご指導ご鞭撻」は、「ご指導ご鞭撻」の意味と使い方を見てください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
異動の辞令や上司からの連絡(異動の日と異動先の正しい名前)、後任の名前と連絡先、あいさつをする相手の一覧。

記入例を見る(説明用)

伝えてよい時期と、伝える順番=社内の発表は◯月◯日(月)。取引先へは、発表の後、◯月◯日(火)から伝えてよい、と課長に確かめた。A社とB社は後任と二人で訪問、ほかはメールで伝える/異動の日・異動先・後任と連絡先=◯月◯日付で[異動先の部署]へ異動。最後の出勤は◯月◯日(金)。後任は[後任の氏名]さん。電話とメールは名刺で確かめた/取引先へのお礼の一文=A社の佐藤様:「納期のご相談のたびに、現場の事情を教えていただき、ありがとうございました。」/社内へのあいさつの文=部署には、最終日の朝礼で口頭で。経理と物流の方には、メールで。引き継ぎ先(後任の名前)と、いつまで自分あてでよいかを書く/新しい部署での最初のあいさつ=「本日から[部署名]に参りました、[氏名]です。前の部署では、[地域や商品]の営業を担当していました。こちらの仕事は初めてですので、教えていただくことが多いと思います。よろしくお願いいたします。」

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

伝えてよい時期を上司に確かめてあり、異動の日・異動先・後任と連絡先が正しい名前で書いてあり、取引先・社内・新しい部署それぞれのあいさつが用意してある。

うまく進まなかったときは?

伝えてよい時期が分からなければ、上司に「取引先と社内には、いつから伝えてよいですか」と聞く。後任が決まっていなければ、「後任は、決まり次第ご連絡します」と書いてよいかを上司に確かめる。お礼の一文が書けなければ、その相手との仕事を一つ思い出して、出来事のまま書く。

NEXT NOTE

次に読むなら

担当変更の挨拶を準備する引き継ぎメモを書く自己紹介の例文を見る