NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 78 · 営業の実践ノート

担当変更の挨拶:前任と後任が取引先へ送るメール文例と、訪問で伝えること

広告:この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由の購入により、当サイトに報酬が支払われる場合があります。

担当変更の挨拶で取引先が知りたいのは、「いつから」「誰に替わるのか」「これまでの話は伝わっているか」「進行中の件はどうなるか」の4つです。前任者は、交代の日と後任の名前、引き継いだことを伝えます。後任者は、自分の連絡先と、進行中の件を誰がいつまでにやるかを伝えます。この記事では、前任・後任それぞれのメール文例と、訪問して口頭で言う例を、説明用の例として並べます。

今日できるようになること

担当が替わる取引先を一社選び、交代の日・後任の名前と連絡先・進行中の件と次の期限を書き出して、誰がいつ伝えるかを上司に確かめる。

シートへ進む ↓
この記事の目次 読みたいところへ ↓

こんなときに 異動や配置替えで担当が替わることになり、取引先へ何を、誰から、いつ伝えればよいか決まらないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    誰が・いつ・どの手段で伝えるかを、上司に確かめる

  2. 2

    進行中の件と、次の期限を書き出す

  3. 3

    前任から、交代の日と後任の名前を伝える

  4. 4

    後任から、連絡先と進行中の件の予定を伝える

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

担当が替わるとき、取引先が知りたい4つ

異動が決まり、来月から担当先が替わる。あるいは、先輩の担当先を受け持つことになった。取引先への挨拶を前に、「何を書けばよいのか」「自分から送ってよいのか」で手が止まることがあります。

取引先から見ると、担当の交代は、仕事の窓口が変わる出来事です。相手が知りたいことは、次の4つです。

相手が知りたいこと挨拶で伝えること伝えないと、どうなるか
いつから替わるのか交代の日相手は、どちらに連絡すればよいか迷う
誰に替わるのか後任の名前・部署・連絡先急ぎの用件のとき、連絡先を探すことになる
これまでの話は伝わっているか引き継ぎをしたこと相手は、同じ説明をもう一度することになる、と心配する
進行中の件はどうなるか誰が、いつまでに、何をするか見積もりや納品の約束が、止まったように見える

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

抜けやすいのは、4つめです。「担当が替わります。今後ともよろしくお願いいたします」だけでは、相手が今待っている返事がどうなるのかが分かりません。進行中の件を一つでも書くと、相手は「話が伝わっている」と確かめられます。

この記事は、取引先へ伝える挨拶を扱います。社内で前任から後任へ何をどう渡すかは、引き継ぎメモにまとめています。挨拶の前に、そちらを先に済ませます。

伝える時期と順番を決める

挨拶を書く前に、決めることが三つあります。自分だけで決めず、上司に確かめます。

  1. 伝えてよい時期かを確かめる。異動や配置替えは、社内で発表される前に社外へ伝えてよいかどうかが、会社によって決まっています。上司に「A社には、いつから伝えてよいですか」と聞きます。先に取引先へ伝わると、社内の人が取引先から聞いて知る、という順番になってしまいます。
  2. 誰から、どの手段で伝えるかを決める。前任からメールで伝える、前任と後任が一緒に訪問する、上司も同行する、などの形があります。どの取引先に訪問するかは、上司に決めてもらいます。
  3. 進行中の件と、次の期限を書き出す。見積もり、納品、問い合わせの返事など、相手が待っているものを一覧にします。挨拶の文に書く材料になります。

時期の考え方は、一つです。相手が、交代の日より前に知り、困らないだけの間があること。交代の日を過ぎてから知らせると、相手は前任あてに連絡を送り続けることになります。何日前に伝えるかは、会社や相手との関係で変わるので、ここでは日数を言い切りません。伝えてよい日が来たら、後回しにしないことを基準にします。

場面によって、形が変わります。次の表は一例です。

場面伝え方(一例)気をつけること
前任と後任が、一緒に訪問できる前任がメールか電話で先に伝え、訪問の日を相談する。当日、前任が後任を紹介する訪問の前に、進行中の件を二人で確かめておく
訪問できない(遠い、日が合わない)前任がメールで伝え、後任が続けてメールを送る。オンラインの面談を提案する形もある後任のメールに、進行中の件の予定を書く
前任が、すでにいない(退職・休職など)上司か後任から伝える前任の事情は、上司に確かめた範囲だけを書く
急な交代で、間が無いまず電話かメールで交代だけを伝え、挨拶は後日あらためて行う進行中の件の期限を、先に確かめる
取引先の窓口が、複数いる窓口ごとに伝える。誰に伝えたかを記録する一人にだけ伝えて、ほかの人が知らないままにならないようにする

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

前任者の挨拶:メールと訪問

前任者の役目は、交代を知らせ、後任を紹介し、「話は伝えてあります」と相手に安心してもらうことです。例文は、すべて説明用の例です。[ ]は、自分の内容に置き換えます。

メールの例

件名:担当変更のご挨拶([自社名] [前任の氏名])

[会社名] [部署名] [担当者名]様

いつもお世話になっております。[自社名]の[前任の氏名]です。

私事で恐縮ですが、◯月◯日付で[異動先の部署]へ異動することになりました。◯月◯日(◯)からは、[後任の氏名]が貴社を担当いたします。

これまでのお取引の内容と、お見積もりの件は、[後任の氏名]に引き継いでおります。お見積もりへのご返事は、◯月◯日(◯)ごろ、[後任の氏名]からあらためて伺います。

◯月◯日(◯)までは、これまでどおり私あてにご連絡ください。それ以降は、下記の[後任の氏名]あてにお願いいたします。

後任:[後任の氏名] 電話:[番号] メール:[アドレス]

あらためて、[後任の氏名]と二人でご挨拶に伺いたく存じます。ご都合のよい日時を、お聞かせいただけますでしょうか。

[担当者名]様には、[具体的にお世話になったこと]で、たいへんお世話になりました。ありがとうございました。

[署名]

この例には、4つがすべて入っています。交代の日、後任の名前と連絡先、引き継いだこと、進行中の件の予定です。加えて、いつまで前任あてでよいかを書いています。切り替わりの日がはっきりすると、相手は連絡先を迷いません。

お礼の一文は、決まり文句で終えず、その相手との仕事を一つ書きます。「納期の件でご相談に乗っていただき」のように、具体的な出来事にします(説明用の例です)。

訪問して、口頭で言う例

前任「本日は、お時間をいただきありがとうございます。メールでお伝えしたとおり、◯月◯日から、担当が[後任の氏名]に替わります」

前任「お見積もりの件と、毎月の納品の段取りは、すべて[後任の氏名]に伝えてあります。[後任の氏名]です」

(後任が名乗る)

前任「[担当者名]様には、長い間お世話になりました。ありがとうございました」

前任は、後任を紹介した後、話の中心を後任に渡します。前任ばかりが話すと、相手は次からも前任に連絡したくなります。進行中の件の説明を、後任の口から言ってもらう形にすると、相手は「伝わっている」と確かめられます。

訪問先での席や立つ位置は上座・下座に、名刺を渡す順番は名刺交換のやり方にまとめています。

後任者の挨拶:メールと訪問

後任者の役目は、自分の連絡先を伝えることと、進行中の件を、自分がいつまでに何をするかを伝えることです。

メールの例:前任の連絡の後に送る

件名:担当変更のご挨拶([自社名] [後任の氏名])

[会社名] [部署名] [担当者名]様

はじめてご連絡いたします。[自社名]の[後任の氏名]と申します。

[前任の氏名]からご連絡しましたとおり、◯月◯日(◯)より、貴社を担当いたします。

お見積もりの件は、[前任の氏名]から引き継いでおります。◯月◯日(◯)に、私からご状況を伺います。

ご挨拶に伺う日は、[前任の氏名]からご相談している日程で、私も同行いたします。

今後のご連絡は、下記あてにお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

[署名]

前任のメールと同じ内容を、長く繰り返す必要はありません。前任の連絡を受けた形で、短く書きます。前任からの連絡が無い状態で、後任が最初の一通を送る場合の書き方は、はじめましてのビジネスメールの「前任者から引き継いだ」の文例にあります。書き出しの選び方は、ビジネスメールの書き出しを見てください。

訪問して、口頭で言う例

後任「はじめまして。[自社名]の[後任の氏名]と申します。◯月◯日から、[前任の氏名]に代わりまして、御社を担当いたします」

後任「お見積もりの件は、[前任の氏名]から聞いております。◯月◯日に、私からご連絡いたします」

後任「行き届かない点がありましたら、遠慮なくお知らせください。どうぞよろしくお願いいたします」

名乗りの組み立ては、簡単な自己紹介の例文にまとめています。ここで足すのは、進行中の件に触れる一文です。

言い方を比べる

  • 惜しい例1:「前任から何も聞いていないので、一から教えてください」
  • 惜しい例2:「前任より、しっかり対応します」
  • 良い例:「お見積もりの件は、引き継いでおります。納品の段取りについて、一点だけ確かめさせてください」

惜しい例1は、相手に、同じ説明をもう一度してもらうことになります。聞くなら、分かっていることを先に言い、確かめたい点をしぼって聞きます。惜しい例2は、前任を下げる言い方です。相手は、前任と仕事をしてきた人です。前任との仕事を否定されたように聞こえることがあります。

後任が最初の訪問でやることと、迷いやすい判断

最初の訪問は、挨拶だけで終わらせません。次の四つを確かめます。

  1. 進行中の件を、相手と声に出して確かめる。「お見積もりは、◯月◯日にお返事を伺う予定で合っていますか」と聞きます。引き継ぎの記録と、相手の認識が合っているかが分かります。
  2. 連絡の手段と、連絡してよい時間を聞く。電話がよいか、メールがよいか。前任と同じでよいか。相手の仕事のじゃまにならない連絡の形が分かります。
  3. 困っていることを一つ聞く。「今のお取引で、変えてほしい点はありますか」と聞きます。担当が替わる時は、相手が言いにくかったことを言いやすい機会でもあります。
  4. 次に連絡する日を決めて帰る。「◯月◯日に、お見積もりの件でご連絡します」と言って終えます。次の約束があると、挨拶だけの関係で止まりません。

帰ったら、その日のうちに、聞いたことを記録し、前任と上司に共有します。訪問前の準備は、初めての訪問で準備する3つのことが使えます。

判断1:異動や退職の理由は、書く?

相手に必要なのは、理由よりも、交代の日と後任の連絡先です。社内の異動なら、「◯月◯日付で[部署名]へ異動することになりました」と事実だけを書く形が、よく使われます。

退職、休職、体調など、本人の事情に関わることは、自分の判断で書かないようにします。上司に「前任の事情は、どこまでお伝えしてよいですか」と聞き、決まった範囲だけを書きます。相手から聞かれたときも、「社内の事情で、担当が替わることになりました」と答え、それ以上は上司に確かめてから伝えます(説明用の例です)。

判断2:何社もあるとき、一通で一斉に送ってよい?

進行中の件は、取引先ごとに違います。同じ文を一斉に送ると、相手がいちばん知りたい「自分の件はどうなるのか」が抜けます。一社ずつ、進行中の件を一文入れて送ることを基本にします。

取引先の数が多く、一社ずつ書けないときは、上司に相談します。宛先に複数の会社のアドレスを並べて送ると、ほかの会社に、取引先の名前やアドレスが見えてしまいます。送り方は、会社の決まりに合わせます。

判断3:交代した後も、前任あてに連絡が来るときは?

相手は、慣れた連絡先を使っているだけのことが多く、悪気はありません。前任は、用件を後任に渡し、相手には「ご連絡ありがとうございます。この件は、担当の[後任の氏名]からお返事いたします」と返します(説明用の例です)。後任は、時間を置かずに返事をします。

これを何度か繰り返すと、相手の連絡先は自然に切り替わります。前任がそのまま答え続けると、いつまでも切り替わりません。

判断4:訪問とメール、どちらが先?

会社や相手との関係で変わるので、上司に決めてもらいます。自分で考えるときの基準は、相手が、訪問の前に用件を知っているかです。予告なしに二人で訪ねると、相手は何の話かが分からないまま会うことになります。メールか電話で交代を伝え、訪問の日を相談する順番なら、相手は準備ができます。

挨拶で失敗したとき

失敗1:引き継がれていない話を、相手から聞かれた

その場では:知っているふりをしません。「申し訳ございません。その件は、私の確認が足りておりません。本日中に前任に確かめ、明日の午前中にお返事いたします」と、確かめる相手と、返事の時期を伝えます(説明用の例です)。その場で推測で答えると、前任の約束と食い違うことがあります。

後の記録:聞かれた内容を、相手の言葉のまま書きます。前任に確かめた答えと、相手に返事をした日も書きます。同じ取引先で、ほかに抜けている件が無いかを、前任に一度聞きます。

失敗2:後任の挨拶が、前任の連絡より先に届いてしまった

その場では:相手は、知らない人から「担当になりました」と言われて、戸惑っています。前任か上司から、すぐに連絡を入れてもらいます。「ご連絡の順番が前後し、失礼いたしました。◯月◯日から、[後任の氏名]が担当いたします」と、前任の口から伝えます(説明用の例です)。

後の記録:「前任が送ったことを確かめてから、後任が送る」と、順番を書きます。次からは、前任のメールのCCに後任を入れてもらう、送ったら一言知らせてもらう、などの形を上司と決めます。

失敗3:相手の名前や、これまでの経緯を間違えた

その場では:気づいたら、すぐに訂正してお詫びします。名前の間違いは、最初の挨拶でいちばん相手の印象に残ります。メールで間違えたときの書き方は、お詫びメールの書き方にあります。送る前に、上司に報告します。

後の記録:何を見て書いたかを書きます。「記憶で書いた。次からは、名刺と前任のメールを見て写す」のような形です(説明用の例です)。

今日やることは一つです。担当が替わる取引先を一社選び、交代の日・後任の名前と連絡先・進行中の件と次の期限を書き出して、誰がいつ伝えるかを上司に確かめてください。

自分の異動を社内と取引先へ伝えるあいさつは異動の挨拶に、退職するときは退職の挨拶メールにまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
担当が替わる取引先の一覧。進行中の件が分かる記録(見積もり・納品の予定・問い合わせ)。後任者(または前任者)の名前・部署・電話番号・メールアドレス。

記入例を見る(説明用)

取引先と、相手の担当者=A社。総務の佐藤様/交代の日と、後任(前任)の名前・連絡先=◯月◯日から。後任は[後任の氏名]。電話とメールアドレスは名刺のとおり/進行中の件と、次の期限=見積もりを出していて、返事待ち。◯月◯日(◯)に、状況を伺う約束をしている。これは後任が連絡する/誰が・いつ・どの手段で伝えるか=上司に確かめた。先に前任がメールで伝え、その後、前任と後任の二人で訪問する。訪問の日は、前任のメールで相談する。社内の発表は済んでいるので、伝えてよいとのこと/最初の訪問で確かめること=連絡は電話とメールのどちらがよいか。見積もりのほかに、困っていることは無いか。請求書の送り先に変更が無いか(未確認)。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

交代の日、後任(前任)の名前と連絡先、進行中の件と次の期限が書いてあり、誰が・いつ・どの手段で伝えるかを上司に確かめてある。

うまく進まなかったときは?

進行中の件が書き出せなければ、前任者に「この取引先で、返事を待っているものと、約束している日はありますか」と聞く。伝える順番が決まらなければ、上司に「前任と後任の、どちらから先に連絡しますか」と聞く。訪問の日が決まらなければ、先にメールで交代を伝え、訪問の日は相手の都合を聞く。

NEXT NOTE

次に読むなら

引き継ぎメモを書く初めての相手へのメールを書く自己紹介の例文を確かめる