NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 166 · 営業の実践ノート

企画書の書き方:書く項目と、一枚にまとめる並び、通らなかったあとの直し方

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企画書は、勉強会・展示会・キャンペーンなどの「やりたい事の計画」を、決める人に通すための書類です。書くのは、題・ねらい・だれに・何を・いつ・どこで・いくら・だれがやるか・見込み・確かめ方の10項目。数字は、もう起きた実績と、これからの見込みを分けて書きます。書式や呼び名は会社によって違うので、会社の書式があれば、そちらに合わせてください。

今日できるようになること

通したい企画を一つ選び、ねらいを一文で書いて、費用の内訳と、終わったあとの確かめ方を書き出す。

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こんなときに 上司や取引先から「企画書にして出して」と言われ、何を書けばよいか分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    ねらいを一文で書く

  2. 2

    だれに・何を・いつ・どこで・いくら・だれがやるかを埋める

  3. 3

    見込みと実績を分けて書き、確かめ方を決める

  4. 4

    関わる人に先に見せてから、決めてほしいことを添えて出す

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

企画書とは:やりたい事の計画を、決める人に通すための書類

取引先の売り場で、商品の勉強会を開きたい。上司に話すと、「いいね。企画書にして持ってきて」と言われた。提案書なら見たことがあるけれど、企画書には何を書けばよいのか。営業を始めて間もないころに、よくある場面です。

辞書(コトバンク)には、「企画書」という見出しは見当たりません。載っているのは「企画」です。語釈は、「ある事を行うために計画をたてること。また、その計画。くわだて。」(デジタル大辞泉「企画」)と、「計画を立てること。また、その計画。くわだて。もくろみ。企図。」(精選版 日本国語大辞典「企画」)です。

語釈から分かることが二つあります。一つは、企画には「行う事」が先にあるということです。勉強会を開く、展示会に出る、キャンペーンをする。何をするのかが決まっていないものは、まだ企画になっていません。もう一つは、企画は計画だということです。思いつきではなく、いつ・どこで・だれが・いくらで、まで決めてあるものを指します。

企画書は、その計画を紙や画面に書いたものです。書く目的は、決める人に「やってよい」と言ってもらうことです。決める人は、その場にいない人と相談したり、後で読み返したりします。だから、口で説明しなくても、読めば分かるように書きます。

書式や呼び名、だれに出すかは、会社によって違います。会社に決まった書式があれば、そちらが先です。この記事の項目は、会社の書式に当てはめる材料として使ってください。

提案書・稟議書との違いと、営業が企画書を書く場面

似た書類に、提案書と稟議書があります。辞書には「提案書」という見出しも見当たらないので、「提案」の語釈を見ます。「議案や意見を提出すること。また、その議案や意見。」(デジタル大辞泉「提案」)です。

語釈から言えるのは、ここまでです。企画は「ある事を行うための計画」、提案は「案や意見を出すこと」。二つの書類をはっきり分ける公的な決まりは、見当たりません。同じ中身の書類を、ある会社は企画書と呼び、別の会社は提案書と呼ぶことがあります。上司に「企画書を」と言われたら、過去に通った一枚を見せてもらうのが早道です。

この営業ノートでは、次のように分けて説明しています。

書類この営業ノートでの役割書き方の記事
企画書催しや取り組み(勉強会・展示会・キャンペーンなど)の計画を、社内や取引先に通す一枚この記事
提案書お客様に、商品やサービスの導入を決めてもらうための資料提案書の作り方、一人歩きできる資料
持ち帰り用の一枚お客様の担当者が、社内で説明するときに使う一枚「社長に相談します」と言われたら
稟議書社内で、費用や特別な条件の承認を求める書類稟議書の書き方
営業資料会社案内や商品資料など、商談で見せる・渡す資料の全体営業資料の作り方

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

企画書が通ったあとに、費用の承認のために稟議書を書く会社もあります。企画書で「何をするか」を決め、稟議書で「その費用を使ってよいか」を決める、という順番です。どちらが要るかは、上司に聞きます。

営業が企画書を書くのは、たとえば次のような場面です。

場面通す相手相手が知りたいこと
取引先での商品の勉強会上司。取引先の店長や責任者売り場の時間と人をどれだけ使うか。何ができるようになるか
展示会や商談会への出展上司。費用を決める部署費用と人手。だれに会えそうか。終わったあと何をするか
売り場でのキャンペーンや販促上司。取引先の担当者と、その上司期間、値段や景品の条件、売り場の場所、在庫
既存のお客様向けの説明会や見学会上司。関係する部署呼ぶ相手と人数、日程、当日の役割
社内の勉強会や、仕事の進め方の見直し上司。関係する部署だれの時間をどれだけ使うか。今の何が困っているか

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

値引きや景品には、会社の決まりや法律が関わることがあります。企画書に書く前に、上司に「この条件は出してよいですか」と確かめます。営業の計画や資料を作る部署との関わり方は、営業企画とはにまとめています。

書く項目と、一枚にまとめる並び

企画書に書く項目は、次の10個です。一つの項目は、1〜2行で足ります。

項目書くことなぜ書くか
1. 題何をしたいのかが、一目で分かる名前読む人は、題で「何の話か」「自分が決めることか」を見分ける
2. ねらい何のためにやるのか。終わったとき、どうなっていたいかねらいが分からないと、費用や手間が見合うかを判断できない
3. だれに対象の人と、人数相手が決まらないと、中身も日時も決められない
4. 何を当日や期間中にやること承認したあと、実際に何が行われるのかをはっきりさせる
5. いつ日時や期間。準備の締め切り決める人が、ほかの予定とぶつからないかを見る
6. どこで場所。借りるなら、その手配場所の持ち主の許可が要ることがある
7. いくら費用の内訳と合計。だれが負担するか決める人が、自分の権限で決められる金額かを見る
8. だれがやるか準備と当日の役割。名前と期限名前が無い仕事は、だれもやらないまま当日になる
9. 見込みやった結果、何がどのくらい変わりそうか。その根拠見込みと根拠があると、やる意味を比べられる
10. 確かめ方終わったあと、何を・いつ・どうやって数えるか先に決めておかないと、やりっぱなしになる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

3番目から8番目は、「だれが・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように」で整理する考え方と重なります。考え方は、5W1Hとはで説明しています。

一枚にまとめる並び

並びは、上から「題→ねらい→中身(だれに・何を・いつ・どこで)→いくら→だれがやるか→見込みと確かめ方→決めてほしいこと」です。読む人は上から順に読み、途中で「それで、いくらかかるの」「だれがやるの」と思います。その疑問が出る順に並べると、読み返さずに済みます。

最後の「決めてほしいこと」は、表の10項目とは別に、一行で書きます。「◯月◯日までに、実施の可否を決めていただきたい」という形です(説明用の例です)。これが無いと、読んだ人は「分かった」で終わり、返事が来ません。

書く手順

  1. ねらいを一文で書く。書けなければ、まだ企画が固まっていません。先に上司や先輩に、口で話してみます。
  2. だれに・何を・いつ・どこでを埋める。決まっていない所は空欄にせず、「未定。◯日までに取引先へ確認」と書きます。
  3. 費用を、内訳から書く。合計だけでなく、「何が・いくつ・いくら」を並べます。
  4. 役割に、名前と期限を入れる。名前を書く前に、本人に頼んでよいかを聞きます。
  5. 見込みと確かめ方を書く。次の章の書き方に合わせます。
  6. 出す前に、関わる人に見せる。場所を借りる相手、手伝ってもらう人に、先に一声かけます。

6番目をやるのは、企画書で初めて自分の名前を見た人が、驚くからです。先に聞いておけば、「その日は無理」といった条件も、出す前に分かります。

数字は、見込みと実績を分けて書く

企画書には、二種類の数字が入ります。辞書の語釈で比べます。見込みは「先行きの予想。あて。」(デジタル大辞泉「見込み」)、実績は「実際に現れた功績、または成績。」(デジタル大辞泉「実績」)です。

実績は、もう起きたこと。見込みは、これから起きると予想していること。この二つが混ざると、読む人は、どの数字をどこまで信じてよいかが分からなくなります。分けて書くためのコツは、次の3つです。

  • 実績には、いつの・何の数字かを書く。「今月のA社からの注文は20個(受注の記録で数えた)」のように、数えた元も添えます(説明用の例です)。
  • 見込みには、「見込み」と書き、根拠を一つ添える。「翌月は30個の見込み。根拠は、店長から『説明できる人が少ない』と聞いたこと」のような形です(説明用の例です)。
  • 見込みを、約束のように書かない。「30個に増える」と言い切らず、「30個を見込む」と書きます。

根拠が思いつかないときは、数字を作らないでください。「数字の見込みは立てられていない。今回は、参加者が説明できるようになったかを確かめる」と書くほうが、読む人の役に立ちます。効果の数字に計算の前提を添える書き方は、提案書の作り方でも説明しています。

確かめ方は、企画が通る前に決めておきます。「何を・いつ・どの記録で数えるか」の3つです。終わったあとの振り返りは、PDCAとはの「確かめる」に当たります。結果の報告の書き方は、報告書の書き方にあります。

惜しい例と良い例

取引先A社で、商品の勉強会を開く企画を例にします。会社名、人数、金額、注文数は、どれも説明用の例です。

項目惜しい例良い例違い
題勉強会についてA社の売り場担当者向け 新商品の勉強会の実施について良い例は、だれに・何をするのかが題だけで分かる
ねらい関係を強化し、売上の拡大を図るA社の売り場担当の方が、新商品の使い方を、自分でお客様に説明できるようにする惜しい例は、終わったときの姿が見えない。良い例は、できたかどうかを確かめられる
いくら費用は少額見本品 6個×500円=3,000円、資料の印刷 6部×50円=300円。合計3,300円。当社の負担「少額」は、人によって受け取り方が違う。内訳があれば、決める人が削る所も選べる
見込み売上が大幅に伸びる今月の注文は20個(実績)。翌月は30個を見込む。根拠は店長の話惜しい例は、実績と見込みの区別も、根拠も無い
確かめ方書いていない翌月末に、A社からの注文数を受注の記録で数える。当日、参加者に「説明できそうか」を聞く確かめ方が無いと、次に同じ企画を出すときの材料が残らない

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

良い例を、一枚の並びにすると次のようになります。

題:A社の売り場担当者向け 新商品の勉強会の実施について

ねらい:A社の売り場担当の方が、新商品の使い方を、自分でお客様に説明できるようにする。

だれに:A社の売り場担当 6名

何を:新商品の使い方の説明30分と、質問の時間15分

いつ:◯月◯日(◯)開店前の45分。資料は◯月◯日までに作る

どこで:A社の店舗の休憩室(店長の佐藤様に、使ってよいか確認中)

いくら:見本品 6個×500円=3,000円、資料の印刷 6部×50円=300円。合計3,300円。当社の負担

だれがやるか:説明と資料=自分。日時の調整=佐藤様。当日の同行=先輩の鈴木さん(本人に依頼済み)

見込み:今月のA社からの注文は20個(実績。受注の記録で数えた)。翌月は30個を見込む(見込み。根拠は、佐藤様から「説明できる人が少なく、売り場で聞かれても答えられない」と聞いたこと)

確かめ方:翌月末に、A社からの注文数を受注の記録で数える。当日、参加者に「説明できそうか」を聞いて、答えを控える

決めてほしいこと:◯月◯日までに、実施の可否を決めていただきたい

通す相手によって、同じ企画でも書き方が変わります。社内の上司に出すときは、費用と自分たちの手間を詳しく書きます。取引先に出すときは、相手に使ってもらう時間・場所・人を先に書き、自社の原価や社内の事情は載せません。取引先に出す版は、先に上司の確認を取ります。

前に似た企画をやったことがあるなら、そのときの実績と反省を一行足します。初めての企画なら、小さく試す形(1店舗だけ、1回だけ)にすると、決める人が判断しやすくなります。

迷いやすい判断と、通らなかったあとの直し方

判断1:一枚に収まらないときは?

基準は、決めるのに要るものだけを一枚目に残すです。当日の進行表、費用の細かい見積もり、会場の図などは、二枚目から後ろに回します。一枚目だけを読んで「やる・やらない」を決められるかを、自分で読み返して確かめます。

判断2:見込みの数字を、出せないときは?

根拠のない数字は書きません。代わりに、数えられるものを一つ選びます。参加した人数、当日に出た質問の数、あとで来た問い合わせの件数などです。それも難しければ、上司に「見込みの数字が立てられません。確かめ方だけ書く形でよいですか」と聞きます(説明用の例です)。

判断3:出す前に、口頭で話しておいてよい?

多くの場合、先に話しておくほうが進めやすくなります。上司には「◯◯の企画を考えています。企画書にする前に、5分だけ聞いていただけますか」と声をかけます(説明用の例です)。この時点で「それは今はやらない」と分かれば、書く手間が省けます。伝える順番は、報連相とはの「相談」と同じです。

判断4:取引先から「企画書を出して」と言われたら?

その場で、3つ聞きます。だれが読むのか、いつまでに要るのか、決まった書式があるかです。「どなたがご覧になりますか。いつまでにお持ちすればよろしいでしょうか」と聞きます(説明用の例です)。持ち帰ったら、上司に報告し、出してよい条件(値段、費用の負担)を確かめてから書きます。

通らなかったあと:理由を聞いて、3つに分ける

企画が通らないことは、よくあります。まず、理由を聞きます。「今後の参考にしたいので、どの点が足りなかったか、教えていただけますか」という聞き方です(説明用の例です)。理由は、だいたい次の3つに分かれます。

理由直し方
ねらいが伝わらなかったねらいを一文で書き直す。終わったときにどうなっていたいかを、確かめられる形にする
費用や手間が大きい小さく試す形に変える。人数を減らす、1回だけにする、費用のかからない方法に変える
時期が合わない「いつなら検討できますか」と聞き、その時期を予定に書いておく。その日が来たら、数字を新しくして出し直す

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

直した版には、「前回からの変更点」を一行で書きます。読む人が、どこが変わったのかを探さずに済みます。

記録には、通らなかった理由を、相手の言葉のまま書きます。「費用が高いと言われた。次は、1店舗で試す形で出す」のような形です(説明用の例です)。

出したあとで、数字の間違いに気づいたら

気づいた時点で、すぐに訂正を伝えます。決める人が、間違った数字のまま判断するのを防ぐためです。「◯月◯日にお出しした企画書の費用に、誤りがありました。正しくは[正しい金額]です。直した版をお送りします」と、どの数字がどう変わるかを書きます(説明用の例です)。失敗の報告の順番は、営業で失敗したときにあります。

今日やることは一つです。通したい企画を一つ選び、ねらいを一文で書いて、費用の内訳と、終わったあとの確かめ方を書き出してください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
会社の企画書の書式(あれば)。過去に通った企画書の控え。費用の見積もりや、注文数などの記録。

記入例を見る(説明用)

題と、ねらい(一文で)=題:A社の売り場担当者向け 新商品の勉強会の実施について。ねらい:A社の売り場担当の方が、新商品の使い方を、自分でお客様に説明できるようにする/だれに・何を・いつ・どこで=A社の売り場担当6名に、使い方の説明30分と質問15分。◯月◯日(◯)の開店前。A社の店舗の休憩室(使ってよいかは未確認。明日、店長の佐藤様に聞く)/いくら(内訳と合計)と、だれがやるか=見本品6個×500円=3,000円、資料の印刷6部×50円=300円。合計3,300円。説明と資料は自分。当日の同行は先輩の鈴木さん(依頼済み)/見込み(根拠も)と、分かっている実績=実績:今月のA社からの注文は20個(受注の記録で数えた)。見込み:翌月は30個。根拠は、佐藤様から「説明できる人が少ない」と聞いたこと/終わったあとの確かめ方と、決めてほしいこと=翌月末に、注文数を受注の記録で数える。当日、参加者に「説明できそうか」を聞く。◯月◯日までに、実施の可否を決めていただきたい。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

ねらいが一文で書いてあり、費用に内訳があり、見込みと実績が分けて書いてあり、終わったあとの確かめ方と、決めてほしいことが書いてある。

うまく進まなかったときは?

ねらいが書けなければ、上司や先輩に、やりたい事を口で話してみる。費用が分からなければ、「未確認」と書いて、だれに聞くかを添える。見込みの数字が立てられなければ、数字を作らず、参加した人数など数えられるものを確かめ方に書く。

NEXT NOTE

次に読むなら

稟議書の書き方を確かめるお客様に出す提案書を作る営業企画との関わり方を知る