NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 194 · 営業の実践ノート

ノルマとは:意味と目標との違い、つらいときに分けて書く3つのこと

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ノルマは、辞書では、各人に課せられる仕事などの量、と説明されています。営業では、割り当てられた売上や件数の数字を指して使われます。この記事では、言葉の意味と、目標との違いを確かめます。そのうえで、ノルマがつらいときに分けて書く3つのことをまとめます。3つとは、数字の大きさ、やり方が分からない、相談できない、です。分けると、だれに何を相談すればよいかが見えてきます。

今日できるようになること

自分の数字について、つらさを3つに分けて書き、上司に相談する最初の一文を作る。

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こんなときに 割り当てられた数字に届きそうになく、何から手を付ければよいか、だれに何を言えばよいかが分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    割り当てられた数字を、期間・単位・今の数字と一緒に書く

  2. 2

    つらさを「数字の大きさ・やり方・相談できない」の3つに分けて書く

  3. 3

    上司に相談する最初の一文を作り、時間をもらう

  4. 4

    働く条件にかかわる心配は、公的な資料と窓口で確かめる

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

ノルマとは:辞書の意味

ノルマは、ロシア語から来た言葉です。辞書には、もとは「規範・規準の意」だとあり、2つの意味が載っています(デジタル大辞泉「ノルマ」)。

「一定時間内に果たすよう個人や集団に割り当てられる標準作業量。」

「各人に課せられる仕事などの量。」

別の辞書では、「各個人や工場などに割り当てられた、一定時間内における労働・生産の最低基準量。」(精選版「ノルマ」)と説明されています。どちらにも共通するのは、割り当てられる、量である、という2つの点です。

営業の仕事では、売上の金額や、契約の件数、訪問の件数などについて、個人や部署に割り当てられた数字を、ノルマと呼ぶことがあります。会社によっては、「目標」「予算」「計画」など、別の言葉で呼んでいます。呼び方が違っても、中身が同じとは限りません。自分の会社で、その数字がどう扱われているかは、上司に聞いて確かめます。

目標との違い

似た言葉に、目標があります。辞書では、目標は「行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。」(デジタル大辞泉「目標」)と説明されています。

辞書の言葉を並べると、次の表のようになります。右の列は、この記事での読み取りです。

言葉辞書の説明(デジタル大辞泉)この記事での読み取り
ノルマ各人に課せられる仕事などの量人から課される、という向きが言葉に入っている
目標行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準めざす、という向きが言葉に入っている

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

ただし、実際の職場では、2つの言葉が、きっちり分けて使われているとは限りません。「目標」と呼ばれていても、届かないときの扱いが重い会社があります。「ノルマ」と呼ばれていても、目安として置かれている会社もあります。言葉より、中身を確かめるほうが、役に立ちます。確かめるのは、次の4つです。

  1. 何の数字か。売上の金額か、契約の件数か、訪問の件数か。
  2. いつまでか。月ごとか、3か月ごとか、年ごとか。
  3. だれの数字か。自分一人の数字か、チームの数字か。
  4. 届かなかったとき、どうなるか。報告のしかた、面談の有無、評価との関係。

4つ目は、聞きにくく感じるかもしれません。聞くなら、責める形ではなく、準備のための質問にします。「今月の数字に届かなかった場合、いつ・どなたに・何を報告すればよいでしょうか」(説明用の例です)。先に聞いておくと、届かなさそうだと気づいた時点で、動き方が決まります。

途中の進み具合を数字で見る考え方は、KPIとはにまとめています。ノルマが結果の数字なら、KPIは、そこへ至る途中の数字です。

つらいときに分けて書く3つのこと

「ノルマがつらい」という気持ちは、一つのかたまりに見えます。けれども、中身を分けると、やることが違います。次の3つに分けて書きます。

1. 数字の大きさ

数字そのものが、今の自分の動きに対して大きい、というつらさです。書くのは、気持ちではなく、次の事実です。

  • 割り当てられた数字と、今の数字。残りはいくつか。
  • 残りの日数は、何日か。
  • これまでの記録では、何件動いて、何件決まっていたか。

「今月の契約3件。今1件。残り9日。先月までは、見積もり4件で契約1件」のように書きます(説明用の例です)。こう書くと、「無理です」ではなく、どれくらい足りないのかを、人に見せられる形になります。

数字が大きいかどうかを、自分だけで決める必要はありません。事実を上司に見せて、数字の見方や、優先する順番を相談します。数字を変えられるのは、割り当てた側の人です。

2. やり方が分からない

数字よりも、どうすれば近づけるのかが分からない、というつらさです。営業を始めたばかりの時期は、やり方をまだ教わっていないだけ、ということがあります。

書くのは、仕事の道すじの中で、どこで止まっているかです。約束が取れないのか。訪問はできるが、困り事が聞けないのか。見積もりは出せるが、返事が来ないのか。止まっている場所が一つ分かれば、先輩に聞くことが一つに決まります。

止まっている場所先輩に聞くことの例(説明用)くわしい記事
約束が取れない「最初の電話で、何と言っていますか。一度、横で聞かせてください」テレアポとは
訪問しても、話が進まない「次の訪問に、同行していただけますか」商談ヒアリング
見積もりのあと、返事が来ない「見積もりを出したあと、いつ・何と連絡していますか」「検討します」の後
当たる相手が足りない「当たる相手は、どこから選んでいますか」新規開拓とは

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

3. 相談できない

数字のことを、だれにも言えない、というつらさです。上司が忙しそうで声をかけにくい。言うと責められそうだ。前に相談したが、「がんばれ」で終わった。理由は、いくつかあります。

書くのは、次の3つです。だれになら話せるか。いつなら話せそうか。何が言いにくいのか。上司に言いにくいなら、先輩や、ほかの部署の人、人事の担当でも構いません。会社に相談の窓口があるかどうかも、確かめます。

3つのうち、いくつかが重なっていることもあります。そのときは、全部に書いて構いません。分けるのは、原因を一つに決めるためではなく、相談する相手と中身を決めるためです。

つらさを仕事の動きごとに見る方法は、営業に向いてる人・向いてない人にまとめています。続けることについては、「腐るなよ」に、当時は「いつまで?」と思っていたに書いています。

上司に相談するときの言い方

相談は、月の終わりに「届きませんでした」と言うより、届かなさそうだと気づいた時点でするほうが、上司は手を打てます。言い方を、並べて見てみます。どちらも説明用の例です。

惜しい例:「今月のノルマ、無理です」

良い例:「今月の契約の数字について、15分ご相談させてください。今1件で、残りは2件、営業日は残り9日です。見積もりを3件出していますが、そのあとの進め方が分かっていません。見ていただけますか」

惜しい例は、気持ちは伝わりますが、上司は、何を手伝えばよいかが分かりません。良い例は、今の数字・残りの日数・止まっている場所・お願いの4つを言っています。上司は、「では、その3件を一緒に見よう」と、次の動きを決められます。

数字そのものが大きいと感じているときの言い方も、見てみます。

惜しい例:「この数字は、おかしいと思います」

良い例:「先月までの記録では、見積もり4件で、契約が1件でした。今月の3件に届くには、見積もりの数が足りないと考えています。優先して当たる先を、相談させてください」

惜しい例は、数字を決めた人を責める形になっています。相手は、身構えます。良い例は、自分の記録という事実から話し、最後を相談の形で終えています。数字を変えてほしい、とは言っていません。それでも、上司が数字の見方を考える材料は、渡せています。

相手や場面によって、切り出し方が変わります。次の表は一例です。

場面切り出し方(一例)
上司が忙しそう「数字のことで、15分ご相談したいです。今日か明日で、ご都合のよい時間はありますか」と、時間だけ先にもらう
面談や会議の場数字の表と、止まっている場所を書いたメモを、一枚にして持っていく
メールやチャットで伝える今の数字・残りの日数・相談したいこと、の3つを書き、会って話す時間をお願いする
前に相談して、「がんばれ」で終わった聞くことを一つにしぼる。「見積もりのあとの連絡を、一件だけ一緒に考えていただけますか」
上司には言いにくい先輩や、人事の担当に「数字のことで困っています。だれに相談するのがよいでしょうか」と聞く

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

働く条件にかかわる心配があるとき:公的な資料と相談先

ノルマに届かないときに、自社の商品を自分のお金で買うよう求められる。こうした話を、耳にすることがあります。俗に「自爆営業」と呼ばれます。辞書では「俗に、社員が営業ノルマ達成のため、不要な自社製品などを買わされること。」(デジタル大辞泉「自爆営業」)と説明されています。

この問題については、厚生労働省のリーフレット「労働者に対する商品の買取り強要等の労働関係法令上の問題点」(PDF)があります(2026年10月4日に確認)。最初のページには、次のように書かれています。

「近年、使用者が、労働者に対し、当該労働者の自由な意思に反して自社の商品・サービスを購入させる行為(以下「商品の買取り強要等」という。)が様々な分野で発生しており、問題になっています。」

「商品の買取り強要等は、労働者の経済的損失や精神的苦痛につながるとともに、民法や労働関係法令上様々な問題があります。」

リーフレットには、いくつかの事例と、関係する法律の名前が載っています。一方で、「本リーフレットに記載する各事例はあくまで例示であり、これらに限られるものではありません。」とも書かれています。自分の場合が、どの事例に当たるのか。法律の上でどうなるのか。この記事では言い切れません。気になる人は、リーフレットの原文を読み、下の窓口で確かめてください。

相談できる公的な窓口

厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」のページには、「職場のトラブルに関するご相談や、解決のための情報提供をワンストップで行っています。」とあります(2026年10月4日に確認)。同じページには、次の説明もあります。

「労働者、事業主どちらからの相談でもお受けします。」

「専門の相談員が面談もしくは電話で対応致します。」

「予約不要、ご利用は無料です。」

コーナーの場所と電話番号は、同じページの一覧に載っています。開いている時間も、行く前に同じページで確かめてください。

もう一つは、厚生労働省「確かめよう労働条件」というサイトです。トップページには、「労働基準関係法令の紹介や、事案に応じた相談先の紹介を行うなど、労働条件の悩みの解消や、労務管理の改善に役立つ情報を掲載しています。」と書かれています(2026年10月4日に確認)。このサイトの「相談機関のご紹介」のページには、「労働条件相談ほっとライン」という電話の窓口が載っています。説明は「労働条件について、平日夜間、土日・祝日に無料で電話相談いただける窓口はこちらです。」です。電話番号と受付の時間は、リンク先で確かめてください。

相談の前に、書いておくこと

社内の人に話すときも、社外の窓口に話すときも、事実が書いてあると、話が早く進みます。書くのは、次の4つです。

  • いつ、だれに、何と言われたか(相手の言葉のまま)
  • 割り当てられた数字と、そのときの自分の数字
  • 買ったものがあれば、品物・金額・日付(レシートや明細があれば取っておく)
  • そのことを、だれかに話したか

眠れない、食欲がない、朝に体が動かない、という状態が続くときは、書き出すより先に、人に話してください。相談の順番は、営業を続けるか迷ったらにまとめています。

迷いやすい判断と、達成できなかったあと

判断1:届かなさそうだと、いつ言えばよい?

基準は、上司が、まだ手を打てる時期かどうかです。期間の半分が過ぎたころに、一度、今の数字と残りを見ます。これは決まりではなく、目安です。その時点で届かなさそうなら、数字と一緒に伝えます。月の最後の日に伝えると、上司にも、できることが残っていません。

判断2:数字のために、お客様に無理をお願いしてよい?

基準は、相手の役に立つ理由を、自分の言葉で説明できるかです。「月末なので、お願いします」は、こちらの都合です。相手に要らないものをすすめると、そのあとの取引に響くことがあります。値引きや、納期の前倒しなど、自分で決めてよいと言われていない条件は、その場で約束しません。上司に相談します。

判断3:ノルマがつらい。営業をやめたほうがよい?

この記事では、決めつけません。先に、つらさを3つに分けて書いてください。「やり方が分からない」が大きいなら、教わることで変わる余地があります。「数字の大きさ」や「相談できない」は、会社や部署によって変わることです。そのうえで、会社を変えることを考えるなら、営業の転職の進め方の「辞める前に確かめること」が使えます。

判断4:ほかの人の数字と比べて、落ち込むときは?

担当するお客様や、営業を続けてきた年数が違えば、数字も違います。比べるなら、先月の自分の記録にします。数字が同じでも、止まっている場所が一つ先へ進んでいれば、それは変化です。記録の書き方は、営業実績の書き方にまとめています。

達成できなかったあと

報告では:言い訳から始めず、数字から言います。「今月は、3件に対して1件でした」(説明用の例です)。続けて、止まっていた場所を事実で言い、来月変えることを一つ言います。「見積もりのあと、次の連絡日を決めていませんでした。来月は、見積もりを出すときに、連絡する日を相手と決めます」(説明用の例です)。

記録:数字、止まっていた場所、来月変えること、の3つを書きます。「がんばりが足りなかった」とは書きません。来月、何を変えればよいかが、分からなくなるからです。

報告が遅れたとき:届かないと分かっていたのに、言い出せずに月を越えてしまった。そのときは、遅れたことも含めて、早めに伝えます。伝える順番は、営業で失敗したときにまとめています。

今日やることは一つです。自分の数字について、つらさを3つに分けて書き、上司に相談する最初の一文を作ってください。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
割り当てられた数字が分かるもの(目標の表や、上司からのメール)、今月の予定表、これまでの記録。

記入例を見る(説明用)

割り当てられた数字と、今の数字=今月の新しい契約3件。今日までに1件。残りは2件で、営業日は残り9日/数字の大きさ=先月までの記録では、見積もりを4件出して、契約は1件だった。今月出した見積もりは3件。今の動きのままでは、届かなさそうだと思う。ただし、先月までの数字は少ないので、決めつけない/やり方=訪問はできている。止まっているのは、見積もりを出したあと。返事を待つだけで、次の連絡日を決めていない/相談=課長に、明日の朝。「今月の契約の数字について、15分ご相談させてください。今1件で、残り9日です。見積もりのあとの進め方を見ていただきたいです」と言う/今週やること一つと、確かめること=見積もりを出した3件に、確かめたいことを一つ決めて連絡する。届かなかったときに、いつ・だれに報告するかを、課長に確かめる。(すべて説明用の例です)

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

つらさを3つに分けて書け、上司に相談する最初の一文ができましたか。できたら、時間をもらう一言を、今日か明日のうちに伝えます。

うまく進まなかったときは?

3つに分けられないときは、「いちばん最近、数字のことで気が重くなった場面」を一つ書いてください。その場面が、数字そのものの話か、やり方の話か、人に言えない話かを見ます。眠れない、食欲がないなど、体のサインが続くときは、書き出すより先に、身近な人や医療機関に話してください。

NEXT NOTE

次に読むなら

営業に向いてる人・向いてない人「腐るなよ」に、当時は「いつまで?」と思っていた営業で失敗したとき