NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 171 · 営業の実践ノート

営業の転職の進め方:辞める前に確かめることと、4つの道ごとの準備

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営業の人が転職を考えたら、最初にやることは、求人を探すことではありません。いまの不満が、会社を変えないと直らないことなのかを確かめることです。そのうえで、「続ける」「社内で変わる」「転職する」を並べ、転職するなら、同じ営業で種類を変えるのか、別の職種へ移るのかを決めます。この記事は、転職をすすめるものでも、止めるものでもありません。決めるのは、あなたです。

今日できるようになること

いまの不満を一つ書き、それが「今の会社で変えられること」か「会社を変えないと変わらないこと」かを分け、選ぶ道を一つ仮に決める。

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こんなときに 営業の仕事を変えたい、会社を変えたいと思い始めたが、何から手を付ければよいか分からないとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    いまの不満を書き、会社を変えないと直らないことかを分ける

  2. 2

    続ける・社内で変わる・転職する、を並べて一つ仮に選ぶ

  3. 3

    自分の実績を、数字と事実で書き出す

  4. 4

    求人票を3つ読み、譲れない条件と比べる

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

辞める前に確かめること:その不満は、会社を変えないと直らないか

「転職したい」と思ったときの不満は、一つに見えて、いくつかが重なっていることが多くあります。数字の目標がつらい。断られるのがつらい。上司と合わない。給与が上がらない。休みが取れない。どれが理由かによって、会社を変えると直ることと、変えても付いてくることが分かれます。

なぜ、先に分けるのか。分けないまま転職すると、次の会社でも同じ所でつまずくことがあるからです。たとえば「断られるのがつらい」は、新しい相手を探す営業なら、会社を変えても続きます。変えるのは会社ではなく、営業の種類かもしれません。

不満の中身(例)今の会社で変えられるかもしれないこと会社を変えないと変わりにくいこと
数字の目標がつらい目標の決め方の相談、担当する相手の見直し評価の仕組みそのもの
断られるのがつらい断られた後の動き方、担当の分け方(新規と既存)新規の開拓が仕事の中心であること
上司や先輩と合わない相談の相手を増やす、配属の相談人が少なく、相手を変えられない職場
給与や休みに不満がある手当や休みの決まりを、就業規則で確かめる給与の決まりや、休みの日数そのもの
扱う商品に、自信が持てない商品の勉強、別の商品の担当への相談会社が扱う商品の範囲

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

この表は、考えるための一例です。どちらに入るかは、会社によって違います。

分けるときに使える記事を挙げます。

眠れない、食べられない、朝に体が動かない、という状態が続くときは、書き出すより先に、医療機関や相談窓口に相談してください。相談先は、営業を続けるか迷ったらに載せています。

4つの道と、それぞれで用意すること

不満を分けたら、道を並べます。「転職する・しない」の二つではなく、次の4つです。どれを選んでも構いません。

道1:今の会社で続ける・社内で変わる

変えたい条件が、担当の分け方や、相談の相手、仕事の進め方なら、会社を変えずに変えられるかもしれません。用意することは、変えたい条件を一つと、上司への聞き方です。「辞めたい」から話し始めると、相手は引き止めるか、驚くかになり、条件の話に進みません。「新規と既存の担当の分け方について、相談させてください」のように、条件から話します(説明用の例です)。聞いて変わらなかったときに、ほかの道へ進んでも遅くはありません。

道2:同じ営業で、種類を変える

営業は、相手(会社か個人か)、訪ね方(新しい相手を探すか、決まった相手を回るか)、働く場所(外回りか内勤か)で、仕事の中身が大きく変わります。「営業が合わない」と感じていても、合わないのは種類のほうかもしれません。

変える軸いまの仕事と、移る先の例仕事の中身を確かめる記事
相手個人向け → 会社向け法人営業とは、リテール営業とは
訪ね方新規の開拓 → 決まった取引先の担当ルート営業とは、飛び込み営業のやり方
働く場所外回り → 内勤内勤営業とは、インサイドセールスとは
きっかけこちらから探す → 問い合わせに応える反響営業とは

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

用意することは、今の仕事で、移る先でも使える動きを書き出すことです。たとえば新規の開拓から、決まった取引先の担当へ移るなら、「訪問の後に記録を残す」「次の約束を決めて帰る」は、そのまま使えます。求人票では、新規と既存の割合、数字の目標の持ち方、担当する相手を読みます。書かれていなければ、面接で聞くことの一覧に入れます。

道3:営業から、別の職種へ

営業の経験は、「売った」という結果だけでなく、動きに分けると伝わりやすくなります。相手の話を聞く、困り事を整理する、社内の人と調整する、数字を管理する、記録を残す。移りたい職種で使う動きがどれなのかを、求人票の「仕事の内容」と見比べます。営業の近くにある職種の一つは、営業企画とはで説明しています。

用意することは三つです。なぜその職種なのかを、「営業がいやだから」ではなく、やりたい動きで書くこと。その職種で使える経験を、事実で二つ書くこと。変わる条件(給与、評価の仕組み、働く時間)を、求人票で確かめることです。未経験の職種では、条件が今と変わることがあります。上がるか下がるかは求人ごとに違うので、思い込みで決めず、書面で読みます。

道4:別の職種から、営業へ

営業へ移る人が先に確かめるのは、「どの種類の営業か」です。同じ「営業職」の求人でも、仕事の中身は種類で変わります。営業とはと営業の種類で全体を見てから、営業に向いてる人・向いてない人の「6つの動き」と、今の自分を比べます。

用意することは、今の仕事で、相手のために動いた事実を書くことです。売った経験がなくても、問い合わせに答えた、社内の人に説明して動いてもらった、期限までに納めた、という事実は書けます。求人票では、数字の目標の持ち方、給与の決まり(固定の部分と、成績で変わる部分)、最初の教え方を読みます。

どの道でも、働く条件は書面で確かめます。職業安定法の第5条の3第1項は、職業紹介事業者や、労働者の募集を行う者などが、求職者などに対して「その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と定めています(e-Gov法令検索「職業安定法」)。厚生労働省の資料も、「労働契約締結前に労働条件をよく確認しましょう。」と呼びかけています(厚生労働省「民間人材サービス利用のポイント」PDF・3ページ)。

自分の実績を、数字と事実で書き出す

どの道を選んでも、使うのが実績の書き出しです。社内で相談するときは「何を任せられる人か」の材料になり、転職するときは応募書類と面接の材料になります。書いてみて、「思ったより積み上げていた」と分かれば、続ける理由にもなります。

  1. 期間を決める。直近の1〜2年にします。古い実績ほど、数字を思い出しにくくなります。
  2. 目標と実績を、一組で書く。「契約[件数]件」だけでは、多いのか少ないのかが相手に分かりません。「目標[件数]件に対して[件数]件」と書きます。
  3. 相手と商品を書く。何を、どんな相手に売ったか。会社名は書かず、「[業種]の会社」「個人のお客様」と書きます。
  4. 数字にならない事実を書く。取引が続いた年数、引き継いだ社数、作った資料、後輩に教えたこと。
  5. 分からない数字は「未確認」と書く。作った数字を書くと、面接で聞かれたときに答えられません。

くわしい手順と記入例は、営業実績の書き方にあります。会社の売上の資料や、お客様の名簿を写して持ち出すことはしません。自分の記憶と、自分の手帳で書ける範囲にします。

進め方:在職中に動くか・情報の集め方・転職エージェントと転職サイト

在職中に動くか、辞めてから動くか

どちらが正しい、という決まりはありません。違いを並べます。

比べる点在職中に動く辞めてから動く
収入続く途切れる期間ができる
使える時間仕事の後と休みの日平日の日中も使える
「続ける」を選び直せるか選び直せる選び直しにくい
気をつけること今の仕事の手を抜かない。会社の物を使わない暮らしのお金が、何か月もつかを先に計算する

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

体調を崩しているときは、この表より、休むことと相談することが先です。

在職中に動くなら、守ることがあります。会社のパソコン・メール・電話を、転職のために使わない。勤務時間の中で、面接や電話をしない。職場と取引先で、転職の話をしない。お客様の情報や会社の資料を持ち出さない。就業規則で、退職を申し出る時期の決まりを読んでおく。今の取引先に迷惑をかけない進め方は、次の仕事での信用にもつながります。

情報の集め方

  1. 公開されている求人票を、3つ読む。応募のためではなく、知るためです。仕事の内容、相手、数字の目標、給与の決まり、勤務地を、今の仕事と並べます。
  2. その会社の公式サイトを読む。何を、だれに売っている会社かを確かめます。
  3. 書かれていないことを、質問の一覧にする。新規と既存の割合、担当する社数、最初の教え方など。面接や、担当者への質問に使います。

口コミや評判だけで決めないようにします。書いた人の職種や時期が、自分と違うことがあるからです。確かめたいことは、質問の一覧に入れて、会社に聞きます。

転職エージェントと転職サイト

求人を知る手段には、自分で探して応募する転職サイトと、担当者から紹介を受ける転職エージェントがあります。ハローワーク(公共職業安定所)で相談する道もあります。厚生労働省の資料は、民間のサービスについて、「民間人材サービス事業は大きく「職業紹介事業」と「募集情報等提供事業」に分けられます。」と説明しています(厚生労働省「民間人材サービス利用のポイント」PDF・1ページ)。

どれが上、ということはありません。まず求人を眺めたいなら転職サイト、応募書類や面接の相談もしたいなら転職エージェント、のように、今の自分が頼みたいことで選びます。仕組みと違いは転職エージェントとはに、登録の流れの一例はリクルートエージェントの使い方にまとめています。

応募を決めたら、転職の理由を言葉にします。書き方は転職理由の伝え方に、今の会社への伝え方は退職の伝え方にまとめています。取引先へのあいさつは、退職の挨拶メールを使ってください。

惜しい例と良い例、迷いやすい判断

自分の考えを書くときの例です。説明用の例です。

書くこと惜しい例良い例違い
不満「営業が向いていない」「新規の電話で断られた日は、次の電話までに時間がかかる。決まった取引先との仕事は、苦にならない」場面と事実で書いてあり、変えるものが見える
選ぶ道「とにかく今の会社を出たい」「決まった取引先を担当する営業を続けたい。先に、社内で担当を変えられるか聞く」行き先と順番が決まっている
実績「営業を5年やりました」「[業種]の会社[件数]社を担当。昨年度は目標[件数]件に対して[件数]件」期間・相手・数字がそろっている
条件「今より良い会社」「譲れないのは、転居を伴う転勤がないこと。年収は今を下回らなければ考える」求人票と比べられる

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

判断1:1年目・2年目で転職を考えるのは、早い?

何年目なら良い、という公的な決まりは見当たりません。年数より、不満が、時間で変わることか、変わらないことかで考えます。「まだ仕事を覚えていなくて、つらい」は、時間と教わり方で変わることがあります。「会社が扱う商品の範囲」や「休みの日数」は、待っても変わりにくいことです。前のほうなら、先に新人営業の最初の30日で、先輩に確かめることを整理します。

判断2:営業をやめたいのか、今の営業をやめたいのか、分からない

一週間、仕事の場面ごとに、気が重かったか・苦にならなかったかを書きます。気が重い場面が、新規の電話や訪問に集まるなら、変えるのは営業の種類かもしれません。相手と話すこと全体が重いなら、別の職種も考えます。どちらでもなく、特定の人や数字の決め方に集まるなら、社内で変えられるかを先に聞きます。

判断3:実績に自信がない。転職はできない?

できる・できないを、この記事が言い切ることはできません。確かなのは、数字が小さくても、事実は書けることです。担当した社数、続けた年数、任された仕事。書いてみると、応募書類の材料が足りるかどうかが、自分で分かります。足りないと感じたら、今の会社であと半年、何を積むかを決めるのも一つの道です。

判断4:上司に、いつ相談する?

相談の中身で分かれます。「担当や進め方を変えたい」という相談は、転職を決める前にします。変わるなら、会社を出る理由が一つ減るからです。「退職したい」という申し出は、気持ちが決まり、就業規則の決まりを読んでからにします。決まっていない段階で「辞めるかもしれません」と言うと、その後の仕事が進めにくくなることがあります。

うまく進まなかったあと

失敗1:応募したが、書類で通らないことが続いた

その場では:自分を責める前に、応募した求人を並べます。仕事の内容と、自分の実績の書き方が、かみ合っていたかを見ます。新規の開拓の求人に、既存の取引先の実績だけを書いていた、ということがあります。

後の記録:応募した会社、日付、求人の仕事の内容、出した書類の版を一覧にします。書類を直したら、どこを直したかを一行書きます。道そのもの(営業の種類、職種)が合っているかも、もう一度見ます。

失敗2:面接で、辞める理由をうまく言えなかった

その場では:終わった後、聞かれたことと、答えた言葉を、覚えているうちに書きます。

後の記録:不満だけで終わっていなかったかを見ます。「何がいやだったか」に、「次の仕事で何をしたいか」を一文足します。書き方は転職理由の伝え方にまとめています。

失敗3:転職の話が、職場に伝わってしまった

その場では:うわさを打ち消して回ることはしません。上司に聞かれたら、うそは言わず、決まっていることと決まっていないことを分けて答えます。「ほかの仕事を調べたことはあります。辞めるとは決めていません」(説明用の例です)。

後の記録:どこから伝わったかを書きます。会社のパソコンで調べた、職場で電話に出た、同僚に話した。次からは、個人の端末と、職場の外で行います。

失敗4:動いてみたが、決められなかった

求人を読み、話を聞いたうえで、「今は動かない」と決めるのは、失敗ではありません。比べたから、今の会社の良い所と、変えたい所が見えた、ということです。変えたい条件を一つ選び、上司に相談する日を決めます。半年後にもう一度、同じシートを書くと、変わったことと変わらなかったことが分かります。

今日やることは一つです。いまの不満を、事実で一つ書いてください。それが、今の会社で変えられることか、会社を変えないと変わらないことかを、分けてみてください。

応募の書類は職務経歴書の書き方(営業)と自己PRの書き方(営業)に、面接の最後の質問は面接の逆質問にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
今の会社の就業規則。直近1〜2年の自分の目標と実績が分かるメモ(会社の資料は持ち出さない)。気になる求人票を3つ(公開されているもの)。

記入例を見る(説明用)

いまの不満=新規の開拓の件数だけで評価され、今の取引先との仕事が数に入らない。先月も今月も、取引先の対応で訪問の件数が目標に届かなかった/今の会社で変えられることか=評価の決め方は、自分では変えられない。ただ、担当の分け方(新規と既存)を変えてもらえるかは未確認。来週、上司に聞く/選ぶ道と、その理由=仮に「社内で変わる」。聞いて変わらなければ「営業の種類を変える(決まった取引先を担当する営業)」を考える。別の職種は、今は考えていない/数字と事実で書いた実績=[年度]、担当[件数]社。うち取引が続いたのは[件数]社。新規の契約は目標[件数]件に対して[件数]件。順位は未確認/譲れない条件と、次にやること=譲れない:転居を伴う転勤がないこと。次にやること:[日付]までに上司へ相談。同じ週に、決まった取引先を担当する営業の求人票を3つ読む。

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

不満が事実で一つ書いてあり、今の会社で変えられることかどうかを分けてあり(分からない所は「未確認」と、誰に聞くかが書いてある)、選ぶ道と次にやることに期限が付いている。

うまく進まなかったときは?

不満が書けなければ、今週いちばん気が重かった場面を一つ、いつ・何があったかで書く。道が選べなければ、「続ける」を仮に選び、変えたい条件を一つだけ書く。実績の数字が出なければ、担当した社数と、続けた期間を書く。

NEXT NOTE

次に読むなら

続けるか迷ったら、つらさを分けてみる自分の実績を、数字と事実で書き出す転職エージェントの仕組みを確かめる